

■相次ぐ自然災害■
7月28日に起きた「令和8年熊本地震」の復興が遅々として進まない状況の中で、多くの自然災害が日本を襲っています。今年の8月に発生した台風は10個と記録的な数に上りましたが、その中でも特筆すべきは8月11日に史上初めて茨城県に上陸した台風15号です。この台風は関東を西北に縦断して大きな被害をもたらしましたが、大災害となった原因はこの台風が連れてきた強大な雨雲でした。これまでは「台風一過」と言うように、台風が通り過ぎれば天気は安定するのが当たり前でしたが、今回の台風のように東から西に向かう台風は台風通過後も大きな風雨被害をもたらします。
8月13日に起きた千葉県の豪雨では首都圏でもあったことから膨大な被災者を生み出しました。記録的大豪雨で千葉県では全壊4戸、半壊699戸、床上浸水1996戸、床下浸水2015戸、そして特に被害が多かったのは車両です。浸水して路上に放置され、結局処分されることになった放置車両は2700台にも及びました。
また、今回は外房に近い地域ばかりでなく、千葉市や柏市といった東京近郊でも大きな豪雨被害となりました。住宅密集地なので被害戸数が多く、膨大な量の廃棄物の処理に困難を極めています。また、首都圏で起きた水害でしたので交通網にも甚大な被害を及ぼし人々の移動もままならない状態となりました。
そして千葉豪雨の記憶が新しい中で北陸3県でも記録的な豪雨となりました。この豪雨は特に台風が影響したわけではありませんが、「史上初めて」が連発される自然現象となりました。あちこちで「1時間に100ミリ以上の豪雨予報」が発表されました。その後も日本のどこかで豪雨災害が起きています。
それにしても東京都に「線状降水帯発生の可能性の呼びかけ」なんてされたことがあったでしょうか?と言っていたら9月8日には名古屋市内の降水量が史上最高を記録しました。岐阜と愛知で大雨になり、名古屋市内が大混乱に陥りました。平野部に線状降水帯が発生することも多くなりました。名古屋市内では増水の中で立ち往生する車が続出しました。私達も大雨警報が出た時に、どこに車を非難させるか考えておいた方がよさそうです。立体駐車場は安全そうですが、電気系統が水浸しになったら車を出すことが出来ません。色々頭を巡らせても近くに高台の空き地は見当たりません。都心部の有料駐車場の多くは地下駐車場で水没の恐れがあります。2階以上の駐車場を探すしかありませんね。何から何まで記録づくめのこの8月から9月にかけての異常気象です。これだけ「史上初めて」が連発されるのはやはり地球温暖化のせいとしか考えられません。一刻も早い温暖化対策が求められています。中国とネパールの国境付近で起きた氷河崩落による土石流も地球温暖化が原因と言われています。
しかし地球温暖化対策として真っ先に挙げられる太陽光発電の主要部品である太陽光パネルは価格、性能共に圧倒的なシェアを誇っているのは中国です。しかも中国はレアアースと同じように太陽光パネルを戦略的物資として利用しようとしているようで、戦略的値下げで中国以外の国の太陽光パネルメーカーを次々と破綻に追いやっています。このままでは中国抜きには地球温暖化対策が進まなくなってしまいます。しかし中国は地球温暖化対策には猛反対しています。
風力発電等もとても太陽光発電をカバーできるほどの電力を作り出すことは出来ません。残る選択肢は原子力発電しかありません。わが国は東京電力福島第一原発の事故によって世界で最も原子力発電にアレルギー感を持っている国ですが、それを乗り越えていかなくてはなりません。あの事故は原子力発電が悪いのではありません。東京電力が提言に従ってあと10メートルか20メートル防水壁を高くしておけばあのような事故は起きませんでした。あれは原子力事故ではなく人災です。太陽光発電に続く地球温暖化対策として風力発電等もありますが原子力発電に勝るものはありません。そろそろ私達も原子力発電に前向きになるべきではないでしょうか。
また、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの再離脱を決定したトランプ大統領には大きな責任を感じて欲しいですが死んでも感じないでしょうね。気に入らない決定が行われた国連からでも脱退するかも知れません。まだ2年もこんなことが続きます。せめて中間選挙での民主党の善戦に期待しましょう。と言っていたら「中間選挙で共和党に当ひょした人に5000ドルを配る」と言い出しました。米国では買収行為は罪にならないのでしょうか?

■令和9年からの高所得者への課税強化■
令和9年から所得が極めて高い人に対する所得税の課税が大幅に強化されます。これは令和8年税制改正で決定されたもので、特に株式の売却などによって多額の所得を得る富裕層への影響が大きい改正です。このメッセージをお読みの方の多くは「自分には関係ない話だ」と思われていると思いますが、逆にこの説明をお読みになって「ざまあみろ」と溜飲が下がる思いをされるかも知れません。
この改正の背景には、いわゆる「1億円の壁」の問題があります。これは極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置の強化です。現行と令和9年の税制を比較すると、

現行 令和9年~
特別控除額 3億3千万円 1億6500万円
税率 22.5% 30%
実際に影響が出始める所得 約30億円 約6億円
これだけを見ると「これで影響を受ける人間がいったい何人いるんだ?」と思われると思います。財務省でも対象者は2000人程度としています。
但しここで非常に重要なことは、この対象となる所得は給与所得や事業所得だけではなく株式の譲渡益や配当、不動産の譲渡所得などを合算して判定します。したがって経常所得が巨額でなくても上記のような譲渡所得が出るた年だけ対象になってしまいます。
ということで、上記のような改正の影響で年末に向けて株価や不動産価格に大きな動きがあるかも知れません。高額納税者にとっては大変不利な税制改正ですので、改正が行われる前に様々な資産の譲渡を今年中に行おうとする人が出て来るのではないかと思います。と言うことで、会社四季報で個人の大株主で会社関係者以外の株主が多い会社については多量の売りが出てくる危険性がありますのでチェックが必要です。

■徒然思うこと■
・様変わりの為替相場・
これまでの30年間の日本経済は低金利、デフレ(物価安)、賃金上がらずでした。それが大反転しようとしています。長期金利は完全に上昇トレンドに入りました。経済はとてもデフレと言える状況になく、インフレ傾向です。初任給を始めベースアップも続き、賃金も上昇傾向です。最近は食料品を中心に値上げが続いていますが、つい数年前までは「失われた30年」というデフレの時代を嘆いていたのが噓のようです。
それなのに高市総理は「物価対策」という「インフレは悪」のスタンスで突き進もうとしています。経済の自然の流れに政策で立ち向かおうとすると必ず破綻します。もっと市場に自然体で臨むべきです。元々インフレの元凶は円安です。
為替相場ついても先日の日米協調介入で流れが変わったと思ったら、第2次介入でダメ押しされた感じです。さすがに円安派もこれだけ日米為替当局の金利高円高の流れを見せつけられるとその波に乗らざるを得なくなった感じです。まさか為替が1ドル152円台に突入するとは予想できませんでした。これまでの低金利に支えられた円安によるインフレを修正する動きが出てきただけで、今の金利上昇を前提とした円高は健全な状況だと言えます。市場は円高相場に舵を切ったと言えそうです。
しかし、ちょっと為替がこれまでにない円高の動きを見せると、円高によって自動車産業の業績が悪化と騒ぎ立てる経済番組には閉口します。為替が想定外の152円を付けた今月8日には輸出産業の影響が大きい日経平均が1100円以上下落しました。トヨタやホンダの今年度の想定為替価格は159円から160円だそうで、トヨタの場合には1円の円高で500億円程度利益が減少するそうですが、これを大げさに騒ぎ立てるのもどうかと思います。まるで円高によって輸出産業の利益が減少するのが日本にとって悪でもあるかのような言い方をします。しかしこれまでの異常な円安によって本来以上の利益を計上して来た輸出産業の心配をする必要はないと思います。
それにしても驚かされるのが米国のベッセント財務長官の変貌ぶりです。自らを「為替相場の胴元」と名乗り円高対策で為替投機筋と戦う気満々です。トランプ関税の時期の良識的な発言をしていた人物と同一人物とはとても思えません。
・誰も言わない金利上昇のメリット・
「金利が上がって大変だ大変だ」という声ばかりで誰もメリットにふれません。長期金利が3%を超えたとたんにメディアは住宅ローン金利の上昇懸念を伝えて、画面には「住宅ロー金利が上がるのが心配です」というマンション所有者や今後自宅の購入を考えている人の声を紹介します。
金利高はデメリットばかりではありません。わが国には2400兆円にものぼる個人金融資産があります。そのうち半分は預金です。この30年間殆ど金利が付かなかった金融資産です。この人達の喜びの声を伝えるメディアはありません。
現在1年定期預金で最も高金利は1.7%です。年間の利息は20兆円にもなります。ただ日本の金融資産の多くは高齢者が保有していますので消費には直接結びつかないかも知れませんが、タンス預金を金融機関に預ける様にすることで、オレオレ詐欺やトクリュウの被害を免れることが出来るかも知れません。メディアによる高齢者の金融資産の被害を見ていると「巨額の現金を自宅に置いている人がこんなにいるんだ!」と驚かされます。銀行に預けてもしょうがないから自宅に置いている人も多いと思います。なにしろ日本は30年間の低金利によって預金者はないがしろにされて来ました。日銀のマイナス金利政策によって日本では普通預金金利年0.001%が長く続きました。1億円預けて年間利息が1000円という異常事態でした。やっとこれで「金利のある世界」に戻ります。
孫たちにとっては来年正月のお年玉が楽しみですね。
・金の地金を使った資産移転・
以前にもお話しましたが、最近は500グラムや1キロの金の地金を小分けにするのが大流行です。俗に言う「精錬」です。これを取り扱っている業者に500グラムとか1キロの地金バーを持ち込むと精錬して50グラムか100グラムのバー作り変えてくれます。
何故こんなことをするかというと金価格が1キロ2万5千円にもなると、1キロバーを1本売却しただけで2500万円もの売却額になってしまいます。もちろん長期保有のバーでしたら2500万円から50万円を控除して2分の1の金額が総合譲渡所得として課税されます。今だと1200万円以上の総合所得となり他の所得と合算されて高額な納税額となります。仮に100グラム1個(1キロだと1本と数えますが100グラムだと「本」と呼ぶにはあまりに小さいので1個と呼ばれています)の売却だと250万円の売却額から50万円を控除して2分の1にすれば課税所得は100万円に過ぎません。金地金を所得水準の低い子や孫に譲渡して売却させれば税金は10万円~20万円で済むでしょう。このような低い譲渡所得税にするために事前に子や孫に100グラムの地金を贈与しておくのです。
地金100グラムを贈与しても評価額250万円で計算すると基礎控除110万円を差し引いた140万円に課税されます。その場合の贈与税は14万円に過ぎません。そしてこの贈与された地金を売却した場合には前述のように10~20万円の税額で済みます。この一連の取引における合計税額は40万円に満たないでしょう。そうすると210万円の手取りとなります。
贈与税の基礎控除も譲渡所得の計算における50万円の控除も1年間に1回の利用しか出来ません。贈与された財産をすぐ譲渡することはお勧め出来ませんが、数か月後の譲渡なら問題ないと思います。今年分の譲渡を実行するならそろそろ贈与の期限ですので早めの行動をお勧めします。1キロや500グラムの地金バーを持たれている方は早めに精錬所に持ち込み小分けしてもらって下さい。
・お薦め小説・
以前にもちょっと触れましたが、最近はまっている小説家がいます。俳優の谷原章介さんが以前から絶賛している中山七里です。別名「どんでん返しの帝王」と言われ、最後の最後のどんでん返しが何とも爽快です。彼の小説には何人かの主人公がいて、最も爽快なのは「岬洋介」、司法試験にトップ合格しながらも好きなピアノの道に進み、ショパンコンクールのファイナリストにまでなり、並外れた推理力を持ち、地検の次席検事である父親を何度も出し抜いています。また世界中で音楽活動を行いながら各地で難事件を解決して行きます。
次は弁護士「御子柴礼司」で、少年時代に少女を惨殺して切り刻み、各部位をあちらこちらに置いて回ったので「死体配達人」の別名を持っています。法廷で検事や相手方の弁護士を次々と餌食にする負け知らずの弁護士です。
他にも埼玉県警の渡瀬警部と古手川刑事シリーズ、警視庁捜査一課刑事犬養隼人シリーズと何人もの主人公が幾つものシリーズでどんでん返しを行って行きます。
最近は新幹線に乗ることが多いので読書の時間には事欠きませんが、電子書籍で読むかハードカバーで読むか迷っています。もちろんハードカバーの方が臨場感があるのですが、毎回何冊も持ち歩いて旅行するのも大変です。電子書籍、特にアマゾンのキンドルならばキンドル端末かスマホで読めますから簡易でいいのですが、中山七里シリーズは無料プランになっている物が少なく有料となります。その場合にハードカバーを購入するか軽量で持ち運びに負担の無い電子書籍にするか、長時間スマホを眺めていると脳に負担がかかるとも言われています。悩みどころです。
・まだ高いコメ価格・
スーパーでは今年の新米の方が令和7年産の米よりも安いという逆転現象まで生まれていますが、これは例外で、平均的な令和7年産の米の販売価格は5キロ3000円前後まで下がって来ました。しかしこれで喜んではいけません。令和6年の5月にはスーパーの米の平均販売価格は2000円前後でした。それに比べれば今は5割高でちっとも安くありません。メディアは令和7年産の米の在庫と抱えた米卸売業者の悲鳴を頻繁に取り上げますが、昨年の米価格の高騰は米卸業者の買い占めによって引き起こされました。彼らの買い占めで昨年の米の概算金価格は前年比6割も引き上げられました。農家も「昨年は売ってくれ、売ってくれと言っていたのに、今年は誰も買いに来ない」とコメントしています。昨年のコメ価格の高騰は米卸売業者等の思惑によって引き起こされたと言えます。あれほど昨年末にコメ不足が叫ばれていたのに、今頃になってコメの卸問屋が大量の令和7年産の米を抱えて「損してでも売り切らないと」悲痛な声を上げても誰も同情しません。結局米卸売業者が売り惜しみをして米価格の高値維持を図っていたのです。
農水省は備蓄米の購入に舵を切りましたが、在庫を抱えて困っている米卸業者から買い入れるのではなく、今年の新米の引き取り手がいなくて困っている農家から農協を通して購入すべきだと思います。
・トフロム八重洲オープン・
東京駅前に建築中だった「トフロム八重洲」がオープンしました。3年前の鉄骨崩落事故で5人亡くなったりしたものですからオープンが遅くなりました。「大規模複合施設」ということですが、館内は殆ど飲食店です。オープン初日に行ったせいか、まだはっきり動線が見えていませんが、第一印象は「ゴチャゴチャ」した感じです。例えば「商業施設」といい名目の「銀座シックス」は店舗がきちんとしており、元デパートと言う感じがしますが、「トフロム」は1階の外側に飲食店が多く展開しており、「飲食店ビル」という感じです。しかも空間スペースに比して店舗が多いので「静かで上品」という感じはまったくしません。初日と言うこともありサラリーマンだらけでてんやわんやしていました。2階が名店フロアとなっているようですがまだまだ大混雑です。また、トフロム八重洲は800席のシアターや幾つものホールや多くの貸会議室を有しており、これまでにない複合施設です。
ただ残念なのは写真にあるような東京駅から見たこの全貌です。まさに「地上げの失敗」の見本のような建物になってしまいました。やはりサラ金や質屋をテナントに入れてはいけませんね。しかし東京駅の真ん前ですから国か都が強制力を使って立ち退かせて欲しかったですね。以前のメッセージでも書きましたがみっともない駅前になってしまいました。
しかし日本橋地区は1年後には現時点では日本一の高層ビルを擁する「ミッドタウン日本橋」がオープンしますし、その1年後には日本一の高さの「トーチタワー」を擁する「トウキョウトーチ」がオープン予定です。トフロムは東京建物、ミッドタウン日本橋は三井不動産と野村不動産、トウキョウトーチは三菱地所と日本を代表する不動産会社がほぼ同時期に日本橋に大規模施設を建築しました。10年ほど前には日本橋の交差点に住友不動産を主要事業者とした「東京日本橋タワー」が開業しています。これだけ集中的に複合施設や商業施設が出揃うと、日本の中心地は日本橋に確定したようなものですね。
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