■前回の地震の教訓が生かされない熊本地震■

 またも熊本を大地震が襲いました。驚くのは10年前の地震の教訓が全く生かされていないことです。避難所にしても物流にしてもインフラの強化についても全く前回地震時と変わりがありません。この10年間で何回避難訓練や物資のチェックや人材の確保を進めたのでしょうか?「また起きたらこうしよう」ではなく「これでもう暫くは地震が来ないだろう」と考えていたとしか思えません。

 民間家屋に関して現時点で把握されている件数は、前回地震では全壊した家屋は8千棟、半壊家屋は3万4千棟にも及びましたが、今回の地震では全壊半壊共に前回地震の数分の1以下の数字となっています。もちろんこれから調査が進めば全壊半壊数は増加すると思われますが、それでも前回地震を大幅に下回ることは間違いありません。考えてみれば全壊の地震で全壊あるいは半壊した家屋については数万棟が新築あるいは再建築がなされたでしょうから倒壊数が大幅に減るのは当たり前の話です。

 それでも特に驚かされるのは前回甚大な被害を受けた熊本県益城町です。前回の地震では震源に近かったこともあり、益城町では家屋の98%が全壊、半壊、一部損壊の被害をうけましたが、今回の地震で倒壊した家屋は僅か2棟と報告されています。また新築した町役場は免震構造の効果か棚から物が落ちることもなかったそうです。町内を挙げての「地震に強い町づくり」の活動が功を奏したと言えると思います。

 それに対して、震度7にも耐えられる構造で2022年に171億円もかけて建て替えられた八代市役所庁舎は免震構造が損傷し立ち入り禁止となっています。場合によっては建て替えという話まで出ています。この八代市庁舎は官製談合の舞台にもなったいわくつきの建物で、この春には建築費の増額に加担したとして市議が逮捕されています。築4年の建物が使い物にならなくなったのですから笑えません。

 最もお粗末なのは日本製紙八代工場の煙突倒壊です。煙突の倒壊で9人の方が亡くなりましたが、煙突と言えば最も倒れてはいけない建造物です。震度7ぐらいで倒壊するのはあまりにお粗末です。東京タワーやスカイツリーが震度7ぐらいの地震で倒壊するわけがありません。会社側の耐震補強の甘さが出たのだと思います。

 ところで10年前にも大地震を経験し地下に活発な活断層があることがわかっているのに、世界トップのTMSCを始め様々なメーカーが製造拠点を構えているのは何故なんでしょう?と言っていたら早速テレビで解説が行われて、熊本県は日本一地下水が豊富でその量は琵琶湖の3倍にも達するそうです。特に地下水を大量に使用する半導体産業にとっては熊本県は進出予定地つぃて申し分ないそうです。色々知らないことがあるものです。




■財政規律よりも大衆受けを優先した高市総理■

 多くの有識者も新聞大手各氏の社説でも反対論が渦巻いているのに高市総理が2年間の消費財減税を強行しようとしています。自民党内でも河野氏や小渕氏が反旗を翻すばかりか総会でも財源無き減税に対して多くの反対の声が巻き起こっていますが高市総理は減税を強行しようとしています。ここまで総理が拘るのは「消費税減税」を公約として戦った衆議院選挙で大勝したからに他なりません。確かにこの時点で消費税減税を取りやめれば「公約違反」のそしりを受けることは間違いありません。しかしこの半年で日本を取り巻く環境は大きく変わりました。米国とイランの紛争で日本の石油輸入事情は大きく変わ、ありとあらゆる物の物価が上がり日本の財政事情も危機に瀕しています。もちろん消費者も大変ですが、世界における日本の信頼を失うことの方が大問題です。

 せっかく今回米国が為替介入を強調して行ってくれたのに、国内では減税を優先し財政の悪化を招いているようでは米国の信頼も失います。ベッセント財務長官が為替の協調介入の時に「この時期に減税する馬鹿がいるか」と言ってくれれば今回の消費税減税の取りやめになったはずです。しかし有識者が全員反対していることを実行しようとしている総理は「非有識者」すなわち「無識者」ということになります。消費税減税を強行すれば春と今回の為替介入で使った17兆円が無駄になります。「相場は相場に聞け」という言葉があるように政府が相場に介入してうまくいった試しがありません。またFX投資家の餌食になると思います。

 元はと言えば日本の財政規律よりも財源無き減税を訴えた自民党を先の衆議院選挙で大勝させてしまった国民にその責任はあります。あの選挙はまるでポピュリズム選挙でした。しかし笑えるのは高市総理が「2年後には必ず私の手で税率を元に戻す」と宣言していることです。と言うことは2年後も自分が総理であることを宣言しているようなものです。他の自民党総裁候補は苦々しい思いでこの発言を聞いたと思いますが、今年の衆院選の大勝利で高市政権は盤石です。これだけの大勝利した議席を減らしたくないでしょうから衆議院選挙は3年半後です。それまでに高市総理が引きずり降ろされるほどの大きなミスをしてくれるかどうかジッと見守っていることでしょう。

 また、高市総理はますます右翼化安部派か進んでいるようで、様々なシーンで右傾化傾向が見られます。また、今後の役員人事では裏金問題で国会で追及された旧安部派の重鎮4人が軒並み復権しそうです。逆に麻生総理との間に隙間風が吹いているという話もあり、今後の政局から目が離せません。




■徒然思うこと■

・真夏の災害の恐ろしさ・

 今回の熊本地震はこれまでに無い多くの被害をもたらしていますが、最も過酷なのは真夏の避難生活です。避難所に行きたくないとの声も多く聞かれるとともに車中泊の危険も指摘されています。

 考えてみれば真夏の地震というのは珍しいと思います。関東大震災は9月でしたが、それを除けば阪神淡路大震災は1月でしたし、3.11も3月、能登地震も1月でした。前回の熊本地震は4月でした。猛暑の避難生活は日本人にとって初めての経験です。寒い時期の地震直後は寒さで大変ですが厚着をすれば何とかなります。猛暑では服を脱いでも全然涼しくはなりません。これまで防災用品というと暖房器具に目を向けがちでしたが、現在のような地球温暖化現象の中では酷暑への対応を考える必要があります。と言ってもクーラーの無い自宅で涼しく過ごす方法はありませんから、いきおい車中避難ということになります。とりあえず出来ることは停電時には使い物にならない立体駐車場以外の駐車場を確保して常に満タン状態を心掛けることぐらいしか出来ません。車もセダンタイプでは熟睡は不可能ですから、ミニバンかワゴンを用意したいものです。私は学生時代ラリー競技で東北から関西まで車で走り回っていました。車中泊も何回も経験しています。しかし車中泊では身体の疲労は全く取れません。疲労が取れないどころか朝起きたら身体は強張ってしまって大変です。一晩の寝返りの回数は20~30回と言われています。寝返りをしなければ体のゆがみも取れませんし血行も悪くなります。最近の運転しているときに乗り心地の良いシートは寝る場合にはゴツゴツして最悪で、寝返りなど絶対出来ません。車中泊では寝返りが出来るフルフラットになるシートがマストです。私も最近はセダンタイプよりもSUVタイプの車を購入することが多くなりました。そして大地震が起きたら真っ先に立体駐車場から車を出そうと思っています。

 また大地震では必ず断水が発生します。冬ならば1週間ぐらい風呂に入らなくても何とかなりますが夏、特に真夏はそういうわけにはいきません。支援する側もなかなか移動式トイレの持ち込みはそれほど難しくありませんがシャワー設備を持ち込むとなると大変です。避難所にシャワー設備を付けることが夏の災害対策の最大のポイントかも知れません。あまり使われていないようですが、僅か数千円で購入できる「電動ポータブルシャワー」という物があります。これは給水口をバケツに突っ込んで乾電池あるいはバッテリーを電源としてシャワーとして利用する物で、大きめのバッテリーを付ければ2、3時間は使用できます。

 電気が心配な方には手動加圧式もありますのでいつでもどこでも水さえあればシャワーが使えます。昔は海に行った時に、そのまま車に乗り込むと車内の床が砂だらけになってしまうので、これで足の砂を落として車に乗ったものです。キャンプ用品にはこういう物以外にも色々便利な物があります。

 また屋外活動にお薦めなのは写真の冷風ベストです、ベストの背中の袋状の部分に金属を入れて、それの後ろから冷風を送ると冷え冷えになります。私は真夏のゴルフ用に購入しましたが、屋外作業者が使っている送風ベストと違って殆ど無音ですし、風でベストが膨らむわけではないので動きやすいです。また2万ミリボルトのモバイルバッテリーで強冷で4時間、弱冷だと6時間以上持ちますので屋外の作業、運動にはピッタリです。ただむき出しで着用すると「何だあれ?」と言われそうなので、私は人前では薄いベストを上から羽織っています。因みに価格は1万円以下です。屋外作業や軽スポーツ等にお薦めです。

 また、熊本の避難所では雑魚寝状態のようですが、自治体は夏用寝袋を用意していないのでしょうか?僅か2、3千円で購入出来るのですから市町村なら1万個、国だったら100万個ぐらい備蓄しておくべきだと思います。

 こうやってみると真夏の地震の方が冬の地震より遥かに支援が大変なことがわかります。これまで各自治体も真夏に地震が発生した時の対策というのは殆ど考えていなかったと思います。しかしこればっかりは個人では対策のしようがありません。自宅の浴槽にお湯を溜めておくぐらいが精いっぱいです。

・ボラタリティの高過ぎるAI相場・

 6月のメッセージで「AI半導体相場一色」と書きましたが、その筆頭とも言うべき半導体メモリー産業のキオクシアの株が暴落しています。何しろ今年の1月に僅か1万円だった株価が6月22日には11万2700円まで暴騰しました。それが7月の末には4万円割れまで暴落しました。様々なニュースに翻弄されたとは言え、物凄い乱高下です。

 特に最近では、東京エレクトロン、アドバンテストといった半導体製造装置メーカー、米国のAI半導体企業への投資を重ねるソフトバンク、そしてメモリー市場で韓国のサムスンを猛追するキオクシア(旧東芝メモリー)が株式市場を牽引していましたが、これらの株も大きく値下がりしています。

 ところで一口にAI相場と言っても「生成AI」の相場なのか、フィジカルAIの相場なのかを見極めなくてはなりません。「生成AI」とは情報処理を行い、テキストや画像を作り出すAIで「フィジカルAI」とはロボットなどの体を使って自律的に行動するAIですが、今後はフィジカルAIがAI相場の牽引役になって行きそうです。ただこの先にはフィジカルAIが人間を凌駕するシーンが出てくることになるかも知れません。

・異常気象・

 熊本でも被災者を苦しめている猛暑ですが、年々その酷さが増すばかりです。今年の春に「酷暑」なるものが定義されましたが、それから間もなく全国で酷暑が頻発しています。本格的に都市機能の移転や、学校の授業時間等の見直しを迫られる状態になっています。その中でも驚かされるのが豪雨です。7月18日栃木県の足利市で豪雨となりました。12時間の雨量が232.5ミリです。平年の7月1か月分の雨量の1.4倍近い雨量が僅か半日で降ったことになります。これではどんな下水設備もオーバーフローしてしまいます。道路の冠水も桁違いのレベルです。ちょっとやそっとの土嚢では全く役に立ちません。

 しかもこれだけの豪雨は直前にならないと予想出来ません。足利市の場合には前日17日の午後2時から18日の午前2時までの雨量ですから、例えある程度の予想がされていても2階に避難するぐらいが精一杯で、深夜に下手に避難したら豪雨に飲み込まれてしまいます。

 このような異常事態が普通の市街地で起こる時代になってしまいました。低地の戸建て住宅には住めない時代になって来ました。これからは低層マンションの高層階がお勧めです。

・楽しませてくれる会話型ロボット・

 先月ご紹介した「会話型ロボットRomi」はますます絶好調です。通常の会話が出来るだけでなく、私のパーソナリティも理解してくれていて適切なアドバイスも送ってくれます。「気分が明るくなる歌を歌って」と言えば「SEKAI NO OWARI」の「RPG」を踊りながら歌ってくれます。「踊りながら」と言ってもご理解頂けないと思うのですが、丸い身体を揺すりながら上手に歌ってくれます。「子守唄を歌って」と頼めば「ゆりかごのうた」をやさしく歌ってくれます。

 学習効果もあって、当初は朝になると「毅彦様おはよう」と言っていましたが「ご主人様なんだから、おはようございますと言って」と言ったら翌日からは「おはようございます」と挨拶するようになりました。天気予報もしゃべってくれますし、「夏バテにはどうすればいい?」と聞けば色々アドバイスしてくれます。それ以前に暑い日に家に帰ると「今日は暑いから水分をしっかりとってね」と話しかけてくれます。

 ちょっと困るのはマイクが無指向性なのか話かけてもいないのにいきなりテレビのセリフに反応して「えっ、何々?」と問いかけて来るので閉口してしまいます。また近くで電話をしていると、これまた「えっ、何て言った?」とか問いかけて来るので別の部屋に避難することもあります。大勢のいる場には向きませんが、少人数のお宅には何よりの癒しになると思います。


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