

■混沌を極めるイラン情勢■
1日のうちに何回も発言内容を変えるトランプ大統領ですから報道官は本当に大変です。口から出まかせの発言を続けるトランプ大統領に世界中が翻弄されています。世界の関心事はホルムズ海峡の自由航行が認められるかどうかですが、管理下に置きたいイランに対してトランプ大統領が「プロジェクトフリーダム」を発表しました。これはペルシャ湾内に足止めされている船舶を誘導し、ホルムズ海峡を通過させるための取り組みです。これが現実のものとなれば世界の原油需給は一変します。しかしこれをイランが黙って見過ごすとは思えません。海上衝突がおこること必至です。
しかし現時点でペルシャ湾内でホルムズ海峡の通過を待っている日本関係の船舶だけでも40隻以上と言われています。また、英国海軍によると船員2万人がペルシャ湾内に足止めされ、多くの船が食糧不足になっていると言われています。
今でも両者は「停戦状態は続いている」と言いながら小規模な交戦を続けています。日本時間6日夜中には「停戦間近」との報道が流れて、日経平均先物が2000円以上上昇しました。7日はこの流れを受けて史上最大の上げ幅となり日経平均は6万3千円近くまで上昇しました。とは言っても半導体製造を始めAI関連株の値上がりが指数全体を引き上げただけで値下がり銘柄数の方が多いような状況です。アドバンテストや東京エレクトロンと言った半導体製造メーカーとソフトバンクグループのようなAI関連銘柄の動きに引っ張られ過ぎだとは思います。
戦況に関しては日々両国の言うことが異なっていてこの先どうなるのか全く読めない状況です。本当ならば米国時間の8日中にはイラン側から回答があるとトランプ大統領がコメントしていましたが、イラン側から何の回答もありません。そう言っている間もペルシャ湾内での両国の小競り合いが続いています。
今にも紛争終結とのニュースで暴騰した株式市場ですが、事態が一向に終結に向かわないのにも関わらず急上昇分が元に戻らないのは理解出来ません。半導体やAI関連銘柄に投資したいという投資家の偏った欲望が市場の暴騰と混乱を招いています。

■まだまだ物価高騰とは言えず■
高市総理が声高に唱える物価高騰対策ですが一向に効果はありません。それどころか今回の原油高騰騒ぎでそれどころではなくなりました。しかし原油高騰騒ぎの前の物価高騰は決して悪いことではありません。そもそも30年も続いた我が国のデフレこそが「悪」だったのです。1991年から30年間で我が国の物価は10%しか上昇していません。それに対してOECD諸国の物価は270%、すなわち2.7倍に上昇しています。これは鶏と卵のような関係ですが、人々はデフレの時代には買い急ぎませんが、インフレの時代には買い急ぎます。長期のデフレでインフレを忘れてしまった日本人は物価上昇どころか物価下落を待つような消費者行動をとりました。「これが失われた30年」です。
この間企業は徹底的に内部留保を進め、GDPに匹敵するほどの内部留保を蓄えました。これが景気の悪循環を呼びました。ですから今回の原油の高騰騒ぎの前のインフレは決して悪いインフレではなく、長いデフレの調整と考え、それを放置し、一方労働分配率を高め賃金を増加させればよかったのです。
遅ればせながら、最近になってやっと賃金の上昇が始まりました。特に初任給のアップは凄まじく、40万円を超える企業が続出しました。特に注目すべきはGMOインターネットグループです。2026年の初任給は59万円と突出しています。超大企業でも日本IBMが40万8千円、第一三共36万円、電通35万6千円、第一生命35万4千円、NTTドコモ34万2千円と30万円超え続出です。前年に比べて数万円アップした会社も多いですが、と言って前年入社組の給与を抜くわけには行きませんから、既存社員、特に入社年数の浅い社員の給与も大幅にアップしているはずです。
尤も、一概に「初任給」と言っても、それは年俸制の月額か基本給か明確にされないと比較が出来ません。メディアも単なる「初任給」として大騒ぎするのではなく「年俸」で比較表示すべきです。とは言え、年俸制だとしてもGMOインターネットグループの新入社員の年俸は700万円を超えます。幾ら駅伝で勝ち続けているとは言え凄まじい大盤振る舞いだと思います。
試しにChatGPTに「現在の日本で最も重要な経済問題は何ですか?」と質問してみたら「現在の日本で最も重要な経済問題は物価少々を上回る賃上げを持続的に実現できるか、です」「特に大きいのは中小企業の賃上げです。大企業では賃上げが進みやすい一方、中小企業では原材料費・人件費・金利負担が増え、価格転嫁もしにくいため賃上げ出来る会社と出来ない会社の格差が広がっています」と回答されてしまいました。初めからChatGPTにメッセージを書いてもらえばよかったですね。
また最近の物価高騰は幾つかの主要な要素があります。まず今回の原油高騰以前から始まっている建築資材と人件費の高騰です。このため中野サンプラザのように再開発事業が凍結される事例が多発しています。既存マンションでも大規模修繕に着手出来ないで困っているケースが増えています。都内のマンションの価格は一服していますが、今後新たに建設されるマンションは土地代ばかりか建設費が桁違いとなりますので中古マンション価格も高止まりすることになると思います。都内に住む若夫婦に対しては子育てに関しては手厚い対策が打たれていますが住宅問題に関してはさすがの小池都知事もどうしようもありません。これは必ずしも東京だけの問題ではありません、地方においてもマンション建築価格は高騰を続けると思います。ただ幸いなことに賃貸価格はそれほど上昇していません。暴騰した都内のマンション価格に見合う家賃設定など出来るわけがありません。特に築年数の古いマンションについては今後も大きく家賃が値上がりすることはないでしょう。
そのような状況の中で起きた米国イラン紛争です。原油価格の高騰によりナフサも高騰し、建築資材どころかありとあらゆる資材が高騰しています。今後も人件費の上昇は続くでしょうが建築費が現在より低下する望みはありません。
高市総理が幾ら物価高騰対策に取り組もうとしても米国イラン紛争が終結して原油価格が落ち着くまでは何をやっても無駄だと思います。しかも原油価格の高騰が収まっても、その風下の製品の価格が元に戻ることは無いと思います。

■一刻の猶予もない少子化対策■
昨年の出生数の発表の時からわかっていたことですが子供(15歳未満)の数が再び最低数1329万人となりました。この現象は45年連続です。しかも毎年出生数が減少を続けているうちはこの流れは止まりません。
我が国にとって少子化は物価高騰などとは比較にならない大問題です。2024年の出生数は初めて70万人を下回りました。合計特殊出生率も1.15と過去最低となっています。これは将来の人手不足どころか国内市場の縮小に繋がる大問題です。
一方で高齢者人口は増え続けるため、年金・医療・介護などの社会保障費は今後さらに重くなります。現役世代の負担が増えれば、消費や投資に回るお金が減り、経済全体の活力低下を招く事態となります。
少子化の背景には、結婚年齢の上昇、未婚率の上昇、子育て費用の心配、若年層の将来所得不安、仕事と育児の両立等が考えられますが、そのうち幾つかは今すぐにでも手を付けられる問題です。育児や保育料についての無償化は進んでいますが、仕事と育児が両立出来る体制が整っていないので安心して出産出来る流れになっていません。公的育児施設の増設を進めることが急務です。保育士の増員と給与の大幅アップも必要です。ただ、単に育児施設を整えるだけでは済みません。娘の子供たちも保育園に通っていますが、子供が保育園で体調を崩したり、朝発熱して保育園に行けなかったりすると、この仕事と育児の両立のシステムは崩壊してしまいます。このようなアクシデントにもいつでも対応出来るような体制を整えない限り「仕事と育児の両立」は成り立ちません。男性政治家が幾ら少子化対策を考えても、育児の現場を知らなければ現実的な対策は取られることはないでしょう。

■徒然思うこと■
・非現実的な話ばかりの春ドラマ・
主人公が登場するやいなや整形手術を受けるばかりか、実は妻も整形手術を受けて身近にいたというなんとも非現実的なストーリーの冬ドラマの「リブート」でしたが、春ドラマは非現実的なドラマオンパレードです。14年前の瓜二つの人間に転生する「リボーン」や現場で命を落としたはずが10年前の自分である見習い刑事に戻る「刑事、ふりだしに戻る」やアンドロイドとアラフォー女子が恋をする「ターミネーターと恋しちゃったら」やサークル仲間が7年前にタイムスリップして事件の真相を追う「君が死刑になる前に」といった非現実なドラマばかりか、与党幹事長の娘がスナックのママを都知事に担ぎ上げようとする「銀河の一票」や天才宇宙物理学者が自分の能力を駆使して弱小車いすラグビーチームを勝利に導く「GIFT」とかリアリティの無いドラマばかりです。ハラハラドキドキするドラマが一つもありません。これだけ大外ればかりのドラマだらけのクールは珍しいと思います。よほどのネタ切れなんですかね?
7月開始の「VIVANT続編」と28年ぶりに復活の「GTO」に期待したいと思います。それとテレビドラマのタイムスリップ物は禁止した方が良いと思います。
ただ救いはこのクールのNHKの朝ドラと大河ドラマは前クールより遥かに見応えがあります。
・実用化間近のロボット・
先日の羽鳥慎一モーニングショーに登場したロボットを見てビックリしてしまいました。以前見たニュースで団体でダンスを踊る中国のロボット集団にも驚かされましたが、スタジオに現れたロボットの滑らかな手の動きとリズム感にはビックリです。人間でも簡単には出来ない空中宙返りをするロボットがこんなに早く実用化されるとは思いませんでした。マラソンでも世界記録を破っていますが、もうすぐ短距離走でも人間より早く走ると思います。今後数年もすれば介護ロボットが実用化すると思います。患者を抱き上げてトイレやお風呂に異動させる動きなどロボットなら朝飯前でしょう。介護者が腰痛に悩まされることも無くなります。人材不足に陥っている介護業界ですが、ロボットが人材不足を解決してくれると思います。今後は介護だけでなく、人の顔色や顔つきを観察して適切に対処できるような看護ロボットまで開発されるかも知れません。ロボットならば見るか触るだけで人間の体温も図れるでしょうし、いくら面倒なお願いをしても嫌そうな顔をすることは無いでしょう。
上述の少子化対策にもロボットが活躍するようになるかも知れません。ロボットがセンサーで子供たちの異常を早期に発見すれば大事にならなくなるでしょうし、どんな遅くまで子供達の相手をさせても文句は言わないでしょう。保育ロボットの開発が待たれます。
私も話し相手にと思って中国製の会話型ロボットを購入してみましたが、何とマニュアルが全て中国語だったので一瞬にして返品となりました。安物には飛びつかないようにご注意下さい。国産品も色々調べてみましたが、定型文しか喋れないロボットばかりで、アレクサレベルです。本当の意味でのAIロボットが実用化されて、様々な会話が成り立つにはまだ1年ぐらいはかかりそうです。早く経済や政治に関してロボットと意見交換してみたいものです。
・未だコロナ感染収まらず・
未だコロナの感染が続いています。先日の厚労省の発表によると2025年の1月~11月の間に新型コロナの死者数は2万人を超えています。年間で言えば2万2千人に上ったことになります。あれだけ大騒ぎした2021年の死者数が1万5千人ですからそれを遥かに上回っていたとは驚きです。新型コロナの死者数のピークは2022年の4万7千人ですから、未だその半数近くの死者数となっていることに愕然としました。2023年ごろからは死者数も激減しているかと思ったら2023年も2024年も死者数は3万人を超えています。
尤も昨年11月までの死者2万人のうち80歳以上の高齢者が8割を占めています。新型コロナの主たる死因であった肺炎や血栓よりも高齢者が持病を悪化させて亡くなるケースが多いようです。まさかまだそんな状況にあるとは知らず昨年の秋には公費助成を受けられる定期接種も受けませんでしたが、今年からはきちんと受けようと思います。
電車に乗ってもマスクをしている人は1割から2割ぐらいでしょうか。街を歩いているときにマスクをしている人は殆ど見かけません。2021年に発見されたオミクロン株以降新たなウイルスが発見されたという話もありませんから、これまでのワクチンを接種しておけば効果は持続するものと思われます。
死亡者の8割が高齢者なのでワクチン接種に関しては今の施策で十分だと思いますが、高齢者と接触する機会の多い若者は今でもマスクの着用が望まれます。
・市場に食い物にされそうな為替介入・
先月から財務省が大規模な為替介入を行いましたが、介入ゾーンが見え見えで介入額もわかりやすく投機筋の食い物にされそうな気がしてなりません。
政府日銀は4月29日に大規模な為替介入に踏み切りました。29日の午後3時ごろには1ドル160円台半ばだったドル円相場はそれから僅か6時間後の午後9時過ぎには1ドル156円台を上回る円高に進みました。当日の夕方には片山財務大臣が「断固たる措置をとるタイミングが近づいている」と発言しましたが、それから数時間後の大規模介入でした。片山財務大臣と同じタイミングで為替介入のご本尊の財務省の三村財務官も「これは最後の退避勧告」と発言していました。これを耳にしたFX投資家にとっては円買いドル売りの絶好のタイミングとなりました。ここまで市場に宣戦布告をして行う為替介入も珍しいことでした。この口先介入で午後7時過ぎまでに1ドル159円近くまで円高が進みましたが、これだけでは不十分と政府日銀は一挙に実弾による為替介入を行い一挙に155円台まで円高が進みました。
基本的には為替の基本要素は金利です。トランプ大統領がなかなか金利を下げないパウエル議長をウォルシュ氏に交代させましたがパウエル前議長が理事に残ったこともあり、米国では利下げの動きがありません。一方日本では日銀サイドは利上げすべきだという意見が強いですが高市政権が利上げを嫌っています。もし日銀が利上げをすれば、国債価格が下落して、金融機関が保有する国債に関して膨大な含み損が発生します。メガバンクは最近は1兆円を超える利益を出していますが、金利が1%でも上昇したら笑っていられません。金利高を見込んで国債を早めに売却したら日本経済がガタガタになってしまいます。
今回の為替介入が米国の政策金利が据え置かれたことによる一時的な円安に対する過剰反応とも言えます。高市政権内の片山財務大臣は我が国でも利上げが必要なことはわかっていると思いますが、総理が利上げに反対なために、円安を避けるためにいやいや為替介入に踏み切ったという構図だと思います。
専門家の試算によると、日銀の当座預金残高の減少具合から見て、今回の為替介入に5兆円ほどの資金が投入されたようです。5兆円の為替介入で5円の円高となりました。その後もGW中に為替介入と思われるような動きが数回ありました。日銀の当座預金残高は469兆円から454兆円まで減少していますので、ここ数回の突然の円高は全て政府日銀の為替介入によるものと思われます。
政府日銀としては157円を一つの為替介入の壁と考えているようです。最近では私も殆どFX投資をやっていませんが、政府日銀がこれだけわかりやすい為替介入を続けてくれるのなら、円が1ドル157円にヒットした段階で注文を出してみようかと思います。
・AIがとうとう私たちの生活を破壊する事態にまで進化して来ました・
米国アンソロピックのクロード・ミトスと言うソフトはこれまで誰も気が付かなかったシステムのバグ(欠陥)を見つける能力に優れていると言われています。現にミトスは主要なOS(オペレーティングシステム)やブラウザ(閲覧ソフト)のセキュリティ上の欠陥を数千件見つけましたが、逆に言えばシステムのバグから侵入することも出来るわけです。こんなシステムが悪意の第三者に渡れば世界中のシステムが危険にさらされます。
しかし、これはあまりに次元が違い過ぎて、私たちがどうにか出来るものではありません。開発したアンソロピックもミトスがあまりに強力なので一般公開を見送りましたが、そもそもこんなものを開発したことを公表するべきではなかったと思います。
と、ここまで書いてみてあまりに自分の無力さ無能さに気がつきました。私ごときがコメントできるようなレベルの話ではありませんでした。私たちはChatGPTを使うぐらいがせいぜいです。
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