

■トランプ大統領の「ドンロー主義」■
新年早々とてつもない事件が起きました。米国がベネズエラの首都カラカスを急襲して、こともあろうに国家元首のマドゥロ大統領を拘束して米国に連れ帰ってしまいました。米国では早くも麻薬取締法違反等で起訴され裁判が始まっています。国連憲章にも抵触するばかりか、国際法違反とでも言うべき蛮行ですが、国連の安全保障理事会でも米国の非を認めさせるまでには至っていません。
しかし今回の事件でベネズエラに装備されていたロシアの防空システムは全く役に立ちませんでした。マドゥロ大統領は昨秋「ベネズエラは5000発の対空ミサイルを配備している」と述べていましたが張り子の虎でした。ロシアや中国の装備に依存している中東や南米の国々は肝を冷やしていると思います。また、マドゥロ大統領は今月2日に中国の特使と数時間「戦略的パートナーとして話し合い」を行っていますが、その数時間後には米国に連れ去られてしまったのですから中国の情報収集能力のお粗末さが露呈しました。やはり、いざとなれば米国の軍事力に勝る国はないようですね。
報道を見ていると、米国の蛮行に対する非難が非常に大きいと感じますが、もっとマドゥロ大統領の独裁政治を非難する意見があっても良いと思います。左派政権下では人々は困窮し、圧政に苦しめられ、800万人もの人が国外に脱出する羽目になりました。ベネズエラ国内を報じるニュースでは米国を非難する声ばかりですが、今回の米国の行為を大喜びしているベネズエラ人が世界中にいることを忘れてはいけません。
また、世界一の原油埋蔵量と言われるベネズエラですが、1970年代は世界でもトップクラスの生産量を誇っていましたが、1999年に貧困層の強い支持を受けた左派のチャベス政権が誕生し、国内の石油産業を国有化して米国のエネルギー資本を没収してしまいました。しかしその後設備が老朽化し石油生産量は激減してしまいました。おそらく今回の出来事によって再び米国の石油資本がベネズエラに進出することによってベネズエラ経済は大躍進することになると思います。
結局左派政権の成功事例は世界を見渡してもどこにもありません。左派政権と言うと本来は社会正義に根差した人々に平等な政治が行われるはずですが、世界の多くの左派政権は指導者が独裁化し圧政を引いています。中国、ロシアと言った共産党政権では指導者が法律を勝手に変更して自分の任期を延長して死ぬまで権力を握ろうとしています。そう考えると「今後ベネズエラは米国が管理する」というトランプ大統領の発言は世界中の非難を招いていますが多くのベネズエラ国民にとっては望ましい政治が行われることになると思います。しかし、マドゥロ大統領は退陣させたとは言え多くのマドゥロ政権幹部は残留しています。特に暫定大統領に就任したロドリゲス副大統領はバリバリの左派政治家ですからには民主化政治に切り替わるには時間がかかるかも知れません。
ベネズエラと言えば何と言っても2018年に13万%というインフレ率で世界中が驚かされました。何故そんなことが起こったかと言うと2014年に原油価格が急落した時にそれまで中国等からの借金で財政運営していたものを、こともあろうに紙幣を乱発して財政赤字を埋めようとしたのです。これではハイパーインフレが起きるのは当たり前ですが、通常のハイパーインフレとは10桁も100桁も異なる異常事態を引き起こしました。そしてこれに不満を持つ人々を徹底的に弾圧しました。
・トランプ大統領には精神鑑定が必要?・
トランプ大統領がまたとんでもないことを言い出しました。今度はベネズエラと密接な関係にあるキューバに対してベネズエラからの原油の供給を停止するとともに米国との取引を開始するよう迫りました。これを受け入れなければ何とキューバに対する強硬派のルビオ国務長官がキューバの大統領になる可能性を示唆するメッセージをSNSに投稿しました。キューバ大統領は猛反発していますが、自国の閣僚を他国の大統領に就任させようとするのはまともな人間が考えることではありません。
これまでもデンマーク自治領のグリーンランドを「ロシアと中国の影響を排除する」と自国領にすることを言い出して世界中からひんしゅくを買っています。ロシアと中国が何故グリーンランドを狙っているのかはっきりしません。グリーンランドは面積としては日本の6倍もありますが、その8割は1年中凍土です。「豊富なレアアースがある」と言われていますが、その掘削にはとてつもないコストがかかると思います。しかもグリーンランド西北部にはアメリカ宇宙軍の基地もあり、中国とロシアが進出する余地は無いと思います。トランプ大統領は中国とロシアの進出が心配ならばデンマーク政府とグリーンランド自治領政府からの土地借款を行えば十分だと思います。子供じゃあるまいし、すぐ相手の領土を欲しがる人間が元首であってはいけないと思います。
また、中米の次には大規模なデモが行われ数千人の死者が出ていると噂されるイランに対する軍事行動の検討を軍に命じたとも報道されています。それを要請したのがパーレビ国王の息子のパーレビ元皇太子というのですからビックリしてしまいます。イラン王政が倒れたのは1979年のことです。まだ元王子にそのような野心があったとは思いませんでした。しかし今イランで経済対策の失敗で困窮してデモに参加している人々が王政の復古を求めているとは考えられません。大多数の国民は王政時代を知りもしないと思います。
そもそも本人がそう言っているかどうかわかりませんが、本当に「ドンロー主義」を標榜するならば原語の米州と欧州の相互不干渉を打ち出した「モンロー主義」に則って中東に手出しをすべきではありません。
しかし次から次に打ち出される軍の侵攻に米軍もてんやわんやでしょうし、いくら何でトランプ大統領の発言が異常過ぎます。一度精神鑑定を受けてもらってはどうでしょう?まあ、今回の一連の行動でトランプ大統領のノーベル平和賞の可能性は全く無くなったことロロシアのウクライナ侵攻を責めることが出来なくなったのは間違いないと思います。

■突然の解散報道■
メッセージの校了直前に仰天ニュースが飛び込んで来ました。突然の解散報道です。通常国会の冒頭の1月23日に高市総理が衆議院の解散を考えているというものです。この場合1月27日公示2月8日投開票か、2月3日公示2月15日投開票です。12月の記者会見では「考えている暇もない」と発言していたのに人間性を疑います。
最高のタイミングで11日の「ミスターサンデー」がこのニュースを取り上げましたが、当日のゲストが政治評論家の岩田明子氏と国民民主党の玉木代表でした。岩田氏は番組が選ぶ「今年の予想ニュース20」の最後に「今秋に衆議院解散」と挙げていましたが、舌の根も乾かないうちに訂正する羽目になりました。また高市総理にとって間が悪かったのは国民民主党の玉木代表が出演していたことです。玉木代表によると、12月18日に自民党と国民民主党の間で年収の壁を103万円から178万円に引き上げることと、これに関する税制法案を年度内の早期に成立させるということを両党合意し書面にして高市総理と玉木代表が署名したそうです。ですから玉木代表は解散報道を聞いて驚愕したそうです。これが事実だとすれば、もし通常国会冒頭解散を行えば予算案の年度内の成立は不可能になりますから高市総理の明確な公党間の取り決め違反です。
これは大きな話で、今後解散の議論が行われる度に玉木代表は両党間の文書のことを持ち出して「高市総理は嘘つき」だと責め立てるでしょうから高市総理の評価は一気に下がることも考えられます。今後選挙運動中も各党はこの点で高市総理攻め続けるでしょうから高市氏が目論む「支持率が高いうちに解散して単独過半数を目指す」ことは叶わないかも知れません。私は今から国会の場で玉木代表からこの自分の署名入りの公党間文書を突き付けられた時に高市総理が何と答えるか本当に楽しみです。維新の会を取り込むための合意書とは重みが桁違いですからね。
確実に言えることはもし冒頭解散を行ったら予算案等について国民民主党の賛同は得られないばかりか過半数を割っている参議院では国民民主党の協力は全く得られないことがはっきりするということです。そればかりか就任以後何一つまともな経済対策も打っていない中で解散することに国民の賛同が得られるとは思えません。高市総理の周辺の幹部の「支持率が高いうちに解散すれば単独過半数が実現する」と言う口車に乗ったことを後悔する羽目になると思います。「党利党略解散」を成就させてはなりません。テレビのコメンテーターで誰一人今の時期の解散に理解を示す人はいません。昨秋の総裁選で1ヶ月半もの政治空白を招いたばかりなのに、ここに来て全く大義の無い党利のための解散とはただただ驚きです。短期間に2回も政治的空白を招くことに対して国民に対する申し訳ないという気持ちが自民党議員には無いのでしょうか?「自分たちの立場ばかり考えていないで仕事しろよ!」と言ってやりたいと思います。
そもそも私には高市総理が何故これほど高い支持率を維持しているのか理解できません。有権者の3人に2人が時の総理を支持しているような時代があったでしょうか?確かに女性初の総理で発言も明快ですが、成果は一つも上げていません。「働いて働いて働く」はずですが何一つ物価高対策が具現化されていません。現在大きく悪化している中国との外交関係も元はと言えば高市総理の不注意な「存立危機事態」発言が招いたものです。

■貴金属暴騰■
貴金属の暴騰が止まりません。以前から申し上げていた金はもちろん、プラチナも銀も暴騰しています。因みに2025年初めの各貴金属の1グラム当たりの価格は、金14606円、プラチナ 5262円、銀160円でした。
それが2026年1月14日は、 金26051円、プラチナ13398円、銀501.93円です。
率にすると金が1.77倍、プラチナが2.5倍、銀が3倍です。
  
これらの貴金属価格は国際相場を円建てにしたものです。直近の円相場は弱含みも1ドル157円台後半ですが、調べてみると5年前も殆ど同じでした。ですからこれらの貴金属価格の高騰には為替は影響していません。かろうじての外部要因としてはEUが2035年からのエンジン車の新車販売禁止方針を撤回したことです。プラチナには排ガス触媒に使われるという産業用用途がありますから、プラチナが値上がりすることには根拠があります。金には「有事の金」というお題目があり、今年に入っての世界的混乱、中国の国有買い等の理由がありますが、銀については金価格の上昇に比べての割安感ぐらいしか理由がありません。と言うことは貴金属市場全体に投機マネーが入り込んでいるということになります。金に関しては国際的な実需買いがありますが、プラチナと銀にはそのような下げ止まり要因はありませんのでご注意下さい。
■徒然思うこと■
・映画三昧・
年末年始は9連休初日から映画三昧でした。特に初日12月27日の午前中は「緊急取調室 THE FINAL」午後は「ラストマン FIRST LOVE」そして夜はWOWOWの「トリリオンゲーム」と三連ちゃんでした。トリリオンゲームの上映時は手術直後で劇場に見に行くことが出来ませんでしたが、やっと見ることが出来ました。出来はと言えばこの3本では「トリリオンゲーム」が桁違いに面白かったです。「緊急取調室」は総理大臣を取り調べるというあまりに非現実的な話でパッとしませんでした。「ラストマン」は北海道ロケが中心で展開的にもそれほど面白くありませんでした。それよりも「ラストマン」は28日にTBSで放映された特別ドラマの方が遥かに面白かったです。
面白いという表現には当てはまりませんが、感動したのは「TOKYOタクシーです」タクシー運転手の木村拓哉と乗客の倍賞千恵子との会話で90%を占める映画ですが、さすがに山田洋次監督です。特に終戦直後から現代までの東京都内を周遊しての物語ですから年配の方は楽しめると思います。
この作品でちょっと特異なのはタクシー運転手と乗客との会話ですから殆どバックミラー越しに行われることです。主役二人は殆ど向かい合って会話をしていません。それどころか後でわかったことですが、この撮影は殆どスタジオの中の車で撮影されていたことです。てっきり車載カメラの映像が使われているのかと思いました。
元は2020年のフランス映画「パリタクシー」をリメイクした作品ですが東京はパリよりも街の復興の動きが大きく楽しめます。上映後も殆どの人が席を立たず余韻に浸っていたのが印象的でした。久しぶりに映画を見て涙しました。
・さすがGMO・
今年の箱根駅伝は往路5区の黒田朝日選手の大活躍で青山学院が2度目の3連覇を果たしました。黒田選手が今春入社予定のGMOが一挙に脚光を浴びましたが、青山学院の卒業生を多く擁したGMOは今年のニューイヤー駅伝でも初優勝を果たしました。しかも優勝メンバーに1人1人に1000万円が贈呈されるということです。税理士としてはすぐ課税関係を考えてしまいますが、前代未聞のボーナスです。
昨年はGMO所属の女子プロゴルファー脇本華選手も念願の初優勝を飾りました。リアルタイムでトーナメントを見ていた私は優勝と同時に熊谷代表にお祝いメールを送ったら瞬時にお礼のメールが返って来ましたが、珍しく熊谷代表も感動して「心の底から嬉しいです」とのコメントを頂きました。
GMOの熊谷代表は何をするにも迅速で、例えば2020年の1月に大企業でいち早く全社員テレワークを実行しました。コロナが下火になると一斉に「全社員出社」を打ち出しました。1万人近いグループ社員数を抱える企業の意思決定とは思えないほどの迅速な経営判断です。
しかしこれで今春には「新 山の神」の黒田選手も入社して駅伝ばかりかマラソンでロスオリンピックを目指すとの報道も出ています。ますます期待されるGMOグループです。
・店舗不要?・
正月明けに風邪で寝込んでしまってネット注文を多発しました。その数何と1週間で12件です。大きい物ではスチーム式加湿器、小さな物ではのど飴からうがい薬までネットで購入してしまいました。12件のうち7件は1000円以下の商品です。自分で注文しておきながら「本当にこんなことをしていていいのだろうか?」とも思いますが、のど飴は機能的に優れた物を探し回るのは大変ですし、うがい薬に至っては近所の薬局よりも2割も安い価格で購入しています。さすがに自宅のあるマンションの2階のDAISOより安い物はありませんが探す手間が省けます。
都内ですからアマゾンで頼むと1つの段ボール箱に2つ以上の品物が一緒に梱包されて来ることも多いですが、小さな品物が封筒に入って宅配ボックスに入れられていることもあります。さすがにリップクリームの入った封筒を自宅まで配送して来る業者はいません。でも宅配ボックスがいっぱいの時はドアの外に置き配です。
しかし過疎地にお住まいの方はネット購入を便利に利用されているのでしょうか?この冬の時期には「大雪が予想されているので買いだめに来た」と言ってスーパーで沢山の荷物を購入されるニュースをテレビでよく見かけますが、田舎のお年寄りはネット通販を利用されないのでしょうか?高齢になっても免許返納をしないお年寄りは「車が無かったら町まで買買い物にいけない」と言っている方が多いと思いますが、高齢者の事故が多発している現代ではネット通販が広まれば車が無くても高齢者は生きていけるのではないかと思います。私は寝たきり老人になっても食べ物も飲み物も本もベッドの上から頼み続けると思います。
私が心配しているのは、アマゾンが私の購入履歴をチェックして最低購入額の制限を掛けて来るのではないかということです。いくらプライム会員だとは言っても毎日にように何百円の買い物をされては赤字になってしまうのではないかと思います。配送業者には1つ幾らで配送を委託していると思うので1つ千円の品物でも赤字になっていると思います。将来的にはプライム会員の無料配送は廃止されるか買い物額1万円以上という制限が掛けられることになると思います。
・熊に罪は無い・
年が明けても相変わらず熊の被害が報告されていますが、私は熊を責める気にはなりません。熊も自分のために生きる権利があるはずです。動物だってお腹が空けば食べ物を漁るのは当たり前です。昨年からこれまでにない熊被害が出ているのは昨年のブナの実が大凶作だったからです。現に捕獲処分された熊の胃には殆ど何も入っていない例が多いようです。
熊被害対策に60億円もの予算が計上されたと報道されていましたが、それだけの予算があるならば出来る限りどんぐりとブナの実と果実を集めて山奥に届けるべきです。長期的にはブナの木の植林を進めれば熊は里にまで下りて来る必要は無くなり、腹いっぱい食べて冬眠するはずです。人間でも「お腹が空いて眠れない」と言いますが、熊も同じだと思います。
徒に駆除方法を検討するのではなく、自然界における人間と動物の共存をもっと考えるべきだと思います。
|