

■令和のおこめ券騒動■
鈴木農水大臣肝いりのおこめ券に関する論争が留まるところを知りません。一部民放が街頭で「お米が高いのでおこめ券はとても助かります」といった、やらせインタビューを報じている以外はお米券の配布に肯定的な意見は一つもありません。大阪交野市長のように「お米券は経費率が20%を超え、特定の業界への利益誘導だ」という過激な意見の首長も出て来ています。こうしている間にもお米券の配布に否定的な自治体が続々と出てきています。これだけおこめ券の不合理さが報道される中で各自治体は住民の批判が怖くておこめ券には手を出せそうもありません。
まず、鈴木農水相は何故おこめ券をこれほど推奨するのか?ですが、そもそも「おこめ券」はJA全農と米の卸売り団体の「全米販」が発行していますが、1枚500円のおこめ券で交換出来るのは440円分の米で差額の60円は印刷代や発送費、発行手数料です。この発行手数料がこの両団体に支払われます。表向きには公表されていませんが、発行者に入る利益は25円と言われています。そもそも500円を払って440円分しか米が買えないおこめ券を使ってお米を買う日本人はいません。おこめ券はこれまでギフト以外に使い途がありませんでした。そのおこめ券の購入を農水大臣が提唱して良いものでしょうか?交野市長が「特定の業界への利益誘導だ」と言っているのはこのことを指しています。しかも農水省は今回配布されようとしているおこめ券には使用期限を設けようとしています。通常JA等が販売しているおこめ券には使用期限が設けられていません。今回配布予定のおこめ券だけに使用期限を設けようとしているのは、出来るだけ早く消費者に米を購入してもらって現在の高値を維持したいという農水大臣の意図を感じます。何故国の交付金で民間発行のおこめ券を国民に買わせて高値の米の買い支えをしなくてはならないのかという話です。鈴木農水相は自分の支持母体のJAの営業マンになっています。
この発行に関わる諸費用が12%にもなることに殆どの首長が納得していません。配布の事務も各自治体が行うことになり人件費も郵送の手数料もかかります。交野市のように水道の基本料の減額等に充てれば何のコストも要らなくなります。ありとあらゆるニュース番組やワイドショーのコメンテーターで「おこめ券の配布」に賛成する人は1人もいません。
そもそも「本当かな?」とも思うのですが、日本人1人当たりの米の消費量は50キロと言われています。現在の米5キロ4200円で考えると、1人当たりの米代は4万2千円になります。今回政府の「重点支援交付金」で「食料品の支援」として考えられている金額は1人当たり3000円です。3000円のおこめ券もらっても購入できる米は2600円ですから、現在の5キロ4200円で計算すると僅か3キロ、3週間分にしかなりません。
元々今回の米価の高止まりの原因はJAが昨年より2倍以上の高値の概算金で農家から米を購入したからです。JAとしては先高を見込んだ業者の買い入れに対応して価格を上げたのでしょうが、ご本尊が高値で購入しては小売値が高くなるのは当たり前です。要するにJA等の集荷業者がコメ価格の高騰を招いたのです。この集荷業者が高値掴みをした米をおこめ券を消費者に配って買ってもらおうとするのは考え違いというものです。
鈴木農水相は「政府はコメの価格に関与すべきでない」と発言していましたが、自らコメ価格の高止まりを推奨して、それを補うために「おこめ券」で需要の喚起を図っています。米の価格に関与しているのは鈴木農水相本人です。記者会見では懸命に否定していますが、どうしてもそう見えてしまいます。何しろ鈴木農水相は米どころ山形が選挙地盤のバリバリの農水族ですからねぇ。最近ではとうとう総理の答弁の中でまで「農水大臣が大好きなおこめ券」とまで揶揄されるようになってしまいました。10月の就任記者会見でも「今の米の価格だと買えない方に対応することが出来るとすればおこめ券も含めて対応するのが今すぐに出来ることだと思います」と「おこめ券」に対する拘りを見せていました。今回の騒ぎで鈴木農水大臣はすっかり「JA寄り」の烙印を押されてしまいましたね。
一方コメ卸業最大手の神明ホールディングスの藤尾社長がわざわざテレビの前で「このままいけば米の価格が暴落するのは間違いない」と発言しています。藤尾社長によれば「来年6月頃にはコメの在庫が230万トンを超える予想なので、それに向けてコメの価格は下落する」とのことです。大変興味深い発言です。
元はと言えば今回の米騒動は石破政権の減反廃止・米増産の施策から鈴木農林大臣になった途端に米減産・減反維持に舵を切ったことによる政策の大転換によって起きたものです。
前政権は米価格の適正価格を意識した政策でしたが、鈴木農水大臣の政策は鈴木大臣だけの政策で必ずしも政府の政策ではありません。
私は減反政策には反対ですが、それ以上に日本人の主食の米の生産に関わる問題については大臣が変わる毎にコロコロ変わるものではなくて、少なくとも同じ自民党政権の中では統一的な見解の元に決定されるべきだと思います。そういう意味では石破政権の米政策も党全体の意見の集約の結果決定されたものではなかったようです。
国がやるべきはおこめ券を配って米の価格を維持することではなく、農家の所得を補償して安心してお米を作ってもらうことだと思います。それなのに、今度は米政策について「需要に応じた生産」を法律に盛り込む方針を固めました。本当に懲りない農水省です。

■金融庁が暗号資産の所得に20%分離課税?■
金融庁が暗号資産の所得に対して金融資産と同様に20%の分離課税とする方針だと報道されています。まるで暗号資産を国民の財産づくりの一つの手段として認めるがごとき法改正ですが到底容認出来ません。
そもそも暗号資産とは本当に金融資産なのでしょうか?「暗号資産とは何か?」とチャットGPTに尋ねると「インターネット上でやり取り出来るデジタル形式の資産です」と回答が返ってきますが何のことやらわかりません。暗号資産は仮想通貨とも言いますが、それでは通貨かと言うとそうではありません。こんな定義もはっきりせず、価格変動が大きく危険性の高いものを金融資産と同様な課税対象にするとは全く納得がいきません。
代表的な暗号資産であるビットコインの現在の価格は1つ1500万円です。こんなリスキーで高価格な商品に投資する一般投資家はいません。暗号資産の利益に関してはその人の所得にも依りますが、雑所得として最大55%の課税となります。これが通常の金融資産と同様の課税となれば手取り額は桁違いです。例えば取得価額2億円の暗号資産を保有していた投資家の保有している暗号資産が12億円に上昇したとします。これを売却すると現行税制では最大5億円以上の税金となりますが、金融商品として取り扱われるようになると2億円の税金で済みます。暗号資産の課税を金融資産と同様にするということは現在暗号資産を保有している投資家?に対して巨額な所得税減税が行われるということです。暗号資産保有者から税調メンバーに巨額な献金がなされたのでしょうか?
もし本当に暗号資産を金融商品と同様20%の分離課税の対象とするならば、その対象は法改正後に取得したものに限るべきです。現在暗号資産を保有してぼろ儲けしている投資家の売却時の手取りを多くしてあげるような減税はすべきではありません。
また、別の意味の投資として、暗号資産を保有している会社の株式に投資するということも考えられます。しかしこれにはダイレクトに暗号資産を購入する以上に大きなリスクを秘めています。東京市場でも暗号資産を自社の資産として大量に保有し運用する「暗号資産トレジャリー企業」が散見されますが、とてもまともな企業とは言えません。
東京市場で最も問題になっているのがメタプラネットという会社です。昨年の初めまでは都内で小さなビジネスホテルを経営している弱小会社で株価も僅か14円でしたが2024年4月にビットコインを主要資産とすることを発表した途端に株価は僅か8か月で4200円まで株価が暴騰しました。その後1対10の分割を行ったにもかかわらず今年の6月には1900円まで株価が暴騰しました。分割前の株価で考えると1万9千円です。その後5億株もの増資を行い、海外での増資も合わせると1300億円もの資金を調達しました。何から何までやりたい放題です。昨年の初めには時価総額が僅か5億円だった会社が今では時価総額が5400億円です。一般の投資家が近付いてはいけない会社です。この会社は今年の5月にはトランプ氏の次男にストックオプションを与えて10億円以上の利益供与を行っています。ボラタリティーが高いばかりでなく不透明な部分も多く決して近づいてはいけない銘柄です。

■徒然思うこと■
・本当に危険なモバイルバッテリー・
巷ではモバイルバッテリーの危険性が度々報告されていますが、実際に私の持っているモバイルバッテリーも写真のように危険な状態になっていました。最初は「何だか膨らんでいるな」ぐらいの気持ちでしたが時間経つに連れてどんどん膨らんでパカっと胴体に隙間が開いてしまいました。
一つ注意が必要だと思うのは、モバイルバッテリーによっては背面がソーラーパネルになっていてソーラー充電が出来るようになっています。私は随時充電するのが面倒くさいので窓際の日当たりのよい所にこのモバイルバッテリーを置いていましたが、今から考えるととんでもないことをしていたと思います。多くのテレビ番組でもモバイルバッテリーの危険性については注意喚起していますが、ソーラー充電が出来るモバイルバッテリーは特に危険性が高いことについてはどの番組でも触れていませんでした。
また、アマゾンからモバイルバッテリーに関して警告が来ました。以前購入した別のモバイルバッテリーですが発火事例があったようです。アマゾンからは製造者あるいは販売者から後日連絡が来るようなことを言っていましたが、いつになっても連絡はありません。このバッテリーはアンカーの製品です。もしこのようなモバイルバッテリーを持たれている方がいたら、すぐに処分が必要だと思います。ただどこでも捨てられるわけではありません。一般社団法人JBRC加盟メーカーの物でしたら大手家電量販店で受け入れてくれますが、それ以外のモバイルバッテリーは公共施設でないと受け入れてもらえません。中国製のバッテリーは捨て場に困ってしまいます。私の住む文京区でも捨てられる場所は区役所を含めて3ヶ所だけです。なかなか捨てる機会が無い場合にはバケツに水を入れて漬けておくか、私のように冷蔵庫の中に入れておくしかありません。
3つのモバイルバッテリーはどれも中国製です。やはり価格の安い中国製は信用出来ませんね。日本におけるモバイルバッテリーのシェアトップは中国のアンカーですが、アンカーの製品はこれまでに100万台を超える不良品を市場に出しています。今後私は中国製のモバイルバッテリーを購入することは無いと思います。
これからモバイルバッテリーを購入しようと考えている方はやはり国産のエレコム等の製品を購入されるのが良いと思います。
・貸金庫規定改定で空き巣急増?・
2026年3月1日から「貸金庫規定・保護預かり規定」が変更され、貸金庫に現金が預けられなくなります。私の手元にも銀行から書類が送られてきて「現金は貸金庫に格納しません」という申告書を提出しなくてはならなくなりました。
先日の三菱UFJ銀行行員の不祥事のおかげでとんだとばっちりです。当該行員は二つの支店で60人以上の口座から現金と金地金を合わせて十数億円を着服したと言われています。ただこの被害額が本当かどうかわかりません。銀行に被害を保証してもらえると思って過大に申告した人もいれば、裏金を沢山入れていた人はなかなか正直に被害額を申し出られなかったと思います。誰も中身を知らないのですから適当な金額を申し出ても銀行は補償せざるを得ません。本来ならば、中に入っていた金額の挙証責任はお客側にありますが、そんなことを明らかに出来ない、あるいはしたくないために貸金庫を利用しているのですから無理強いは出来ません。
そんなこともあって今回現金の収納が認められなくなりました。さてこれまで貸金庫に預けられていた現金はどうなるでしょう?その性格にもよるでしょうが、古典的な「タンス預金」に戻る可能性が高いと思います。現金を手元に置いておく家庭が増えれば、それ狙いの空き巣も急増すると思います。金融庁もこの辺りまで考えて銀行を指導したのでしょうか?「普通に銀行口座に入れておけばいいじゃないか」と言う声もあるかと思いますが、そう出来ないお金だから貸金庫に入れておいたのです。金庫を購入する人も増えることでしょう。金庫のトップメーカのクマヒラの株でも買っておきたいところですが、残念ながらクマヒラは上場していません。
・夜中の配達・
ブラックフライデーのせいで運送業者がとんでもないことになっています。私のマンションでは宅配ボックスに荷物が入れられるとチャイムが鳴るようになっていますが、先日は夜の11時過ぎにチャイムが鳴りました。特にアマゾンの宅配は異常に早くて、注文してから数時間以内に配達されることもよくあります。
お店で購入するよりもネットで注文するのが習慣になってきたと思います。商品を購入するのにあちこち探し回るということが無くなりました。因みに今月1日から10日の間に私は13件の注文をしていました。アマゾンだけで年間300件以上の買い物をしていると思います。ただ安価な物も多いので「良いお客」かどうかわかりません。最も安価だったのはタイプCの変換アダプタで399円、次が洗濯機用のゴミ取りフィルターで600円でした。ボタン電池610円というのもありました。こんなものまでネットで購入していると知ったら配送している人に怒られるかも知れませんね。こういった商品は自宅のマンションの2階のダイソーに行けばよいとも思うのですが、面倒くさくてネットで頼んでしまいます。おかげで段ボール等の梱包資材が多量に出るのでゴミを捨てるのが大変になりました。最近は事務所の斜め前には丸善本店があるのにテレビガイド等の雑誌もネットで購入するようになりました。私のような人がこれだけ増えて来ると一般の小売店の売り上げは下がっているのではないでしょうか?
・京都の紅葉・
今年も11月末に京都に行ってきました。出張も兼ねての旅行でしたが、中国人旅行者が激減したせいか、街中も大きな混雑は見られませんでした。以前の報道では「四条烏丸から河原町に向かう四条通が大混雑で地元の人がバスに乗れない」との報道がなされていましたが、写真のように四条烏丸交差点は車はスカスカで、バスもガラガラでした。
金曜日の夜にはJR東海「そうだ京都へ行こう2025」の「東福寺の貸し切り夜間拝観」に行って来ました。写真は夜間の東福寺ですが、桜も夜桜より昼の桜の方が美しいように紅葉もライトアップされたものより日中の紅葉の方がはるかに美しいと思います。

また、土曜日の朝に「もしかしたら」と思って清水寺に向かってみました。土日の清水寺と言えば五条から入る道が五条通まで大混雑で清水寺につくまで30分以上かかっていましたが、今年は観光バスの駐車場近辺まで渋滞なく行くことが出来ました。門前の通りでも団体で目立つのは修学旅行生が多く、中国人の団体を見ることはありませんでした。
南禅寺や古今和歌集に「モミジの永観堂」と詠まれた永観堂といった紅葉の名所も激混みということもなく下の写真のように普通に鑑賞出来ました。

昨年までは私の一押しのモミジは金戒光明寺の別院の栄摂院のモミジでしたが、残念ながら今年は盛りを過ぎていました。今年の一押しは下の写真の真如堂のモミジです。

しかし中国人の観光客が減少することを歓迎している人が沢山います。困っているのはごく一部の人だけでオーバーツーリズムの解消を多くの人は喜んでいます。特に中国人観光客はマナーも悪い上に、中国人の旅行社が手配して、中国人の白タクに乗って、中国人が経営する土産物屋で買い物するというのが一般的で、日本経済に貢献していないケースが多く、デパートの免税品売り上げ以外は日本の経済にマイナスの影響は少ないと思います。
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