

■政治の世界は一寸先は■
下馬評では小泉進次郎氏の当選間違いなしとの報道でしたが、何と高市早苗氏の当選となりました、と書き始めたところで公明党連立離脱の報が飛び込んで来て、メッセージの内容が全く変わってしまいました。当初は小泉進次郎氏が何故高市氏に敗れたのかについての解説から始まるはずでしたが、今更そんなことを言ってもしょうがありません。
しかし7月の参院選の投開票が行われたのが7月20日、それから石破下ろしが始まって、両院議員総会を開くだ開かないだとすったもんだして、2ヶ月半もかかって総裁選が行われたのが10月4日、そこで「すわ、女性初の総理大臣誕生!」と大騒ぎしましたが僅か1週間で総理大臣どころか女性初の自民党総裁で終わってしまうかも知れないという事態になりました。その間参院選公示日の7月3日から3ヶ月以上国会は空白状態です。何の法案審議も行われていません。
公明党の斉藤代表が連立離脱を表明してから4日が経ちました。公明党が何故連立を解消したの、大体解説が出揃ったと思います。共通した意見は高市総裁が公明党の横っ面をひっぱたくかの如く行った党人事です。まず公明党を嫌悪している麻生氏を副総裁にしたばかりか党4役に麻生派の面々を並び立てました。もう一つこれは誰もが挙げることですが、政治と金の象徴とも言うべき萩生田氏を幹事長代行に据えたことです。高市氏は「萩生田氏は選挙に当選して禊は済んだ」と主張しますが、多くの国民がそうは思っていないし、しかも萩生田氏の秘書が8月に政治資金規正法で刑事訴追されています。この新たな政治と金の問題が出てきた議員を敢えて党執行部に入れたことが公明党との関係においては致命的となりました。
高市氏は公明党の斉藤代表との会談で「一方的に離脱を宣言された」とあたかも公明党を非難するかのごとき説明をしていますが、政治と金の問題は公明党が以前から言い続けていたことですし、高市氏が総裁就任の挨拶に公明党本部を訪ねた時に斉藤代表から、
1.政治と金の問題
2.靖国を始めとする歴史認識
3.外国人との共生
についてきちんと説明するように言われていました。この3点を強く念押しをされたにも拘わらず政治資金不記載議員の代表とも言える萩生田氏を幹事長代行に指名するということは公明党を軽んじる態度以外の何ものでもありません。その後7日の第1回目の会合でも、2と3についてはある程度公明党が納得いく説明が行われましたが、1の政治と金の問題、すなわち企業団体献金についても納得いく説明が行われない場合には連立解消もあり得ると言われて臨んだ10日の会談でも高市氏が無回答に近い延期申し立てをしたので、やむをえず公明党が連立解消を宣言したということです。
そもそも公明党の斉藤代表は総裁選の最中から「主義主張の異なる保守色の強い候補と連立を組むことは難しい」と、暗に「高市氏だったら連立は難しい」とサインを送っていたのに、それをくみ取ることなく高市氏に投票した議員も多かったということは自民党全体で連立に関して鈍感だったのだと思います。
・総裁選振り返り・
次回のこともあるので少しばかり総裁選についても振り返ってみたいと思います。党員票はさることながら、第1回目の投票で小泉進次郎氏が獲得した議員票があまりに少なかったことが意外の第一です。下馬評では第1回目の投票では小泉氏が100票以上取るのではないかと言われていました。それが高市氏を僅か16票上回る80票しか取れませんでした。当日午前中から麻生派の動きが始まっていたのかも知れませんが、この第1回目の議員票の少なさが決選投票での票の少なさに結びついたと思います。
結果的に決選投票では麻生派の票がごっそり高市氏に投票されるとともに、茂木氏と小林氏の票も高市氏に投票されるという結果となりました。第二の意外は、決選投票では1回目の投票に林氏に投票された議員票は全て小泉氏に投票されると考えられていましたが、実際には林氏に投票された72票の議員票のうち65票しか小泉氏に投票されませんでした。林氏の支持議員の中にも、人物本位で考えたならば小泉氏より高市氏と考えた人がいたということだと思います。もしかしたら第1回目の投票で小泉氏に投票した議員の中にも小泉氏の議員票の少なさに愕然として「勝ち馬に乗る」と言うことで決選投票では高市氏に鞍替えした議員もいたかも知れません。
選挙前の「議員票では小泉氏圧倒的有利」という報道は何だったのでしょう?それにしても圧倒的な派閥の原理でした。麻生元副総理の号令が掛かったとたんに一丸となって高市氏に票が回りました。麻生氏と気脈を通じていた茂木氏の票も高市氏に回りました。それらの動きとは関係なく投票行動に走ると思われていた小林氏の票も驚いたことに高市氏に回りました。
小泉陣営は選対本部長に加藤勝信元財務大臣を据えたばかりか、菅元総理が後ろ盾になり、木原前選対本部長が中心となって選挙活動をおこなった割には票が全く伸びませんでした。
また、もし高市内閣となった場合の話ですが、巷で話題となっているのが、小泉進次郎氏を何の大臣にするかです。高市氏は総裁選当選直後は「総裁選に出た皆さんにそれなりの要職についてもらう」と発言しました。小林鷹之氏は政調会長に抜擢されました。茂木氏は外務大臣、林氏は重要閣僚という話が飛び交っています。さて、そこで小泉進次郎氏に適した大臣ポストってあるのでしょうか?自民党の農林部会長の経験もあるので農水相続投の話も出ていますが、今後農水族になるとも思えません。総裁選においては「これまで環境大臣とか農水大臣といった軽量級の大臣しか経験していない」ことが問題となりました。それでは今回財務大臣とか外務大臣とか経産大臣とかいう話は全く聞こえていません。総裁選でのあちらこちらでの発言を聞いていても、総理どころか、主要閣僚を任せるには全くの力不足だと思います。一時総裁選で麻生氏が小泉氏を支援するという話があった時に「神輿は軽い方がいい」と発言したと言われています。誰からも軽量級と見られているのだと思います。
小泉総裁を予想したマスコミは小泉氏が本当に総理大臣を務められる器だと思っていたのでしょうか?と言っていたら高市執行部が小泉氏を防衛大臣候補として考えているというニュースが飛び込んで来ました。決選投票まで残った相手にこの仕打ちです。やはり小泉氏に重要閣僚は任せられないと多くの議員が思っているんでしょうね。
組閣どころか高市氏が首班指名を受けられるかどうかはっきりしない中でこのメッセージを皆さんにお届けするのは虚しい気がしますが、現時点では国会の開催は20日ぐらいまでずれ込む見通しで、発送までには総理大臣は決まりそうもありません。しかしこの空白の3ヶ月はいったい何だったのでしょう?そろそろ年末の税制大綱のための下準備も始めなくてはなりませんが「ラスボス」宮澤税調会長の辞任でスケジュール的に厳しくなって来ました。公認の税調会長はこれまで政調会長を務めていた小野寺五典氏が任命されましたが、小野寺氏は財務省出身でもありませんし、これまで税調とは全く関係ないポストを歴任して来ましたので不安と期待が高まります。ただ緊縮財政主義者で何の政策にも財源の担保を要求する宮澤前税調会長よりだいぶ柔軟な税制改論議が出来そうです。
しかし、今月27日のトランプ大統領の来日までに本当に総理が決まるかどうか危うくなってきました。トランプ大統領との首脳会談には石破総理が臨むという冗談も現実味を帯びて来ました。米国大統領が誰と首脳会談をするか2週間前の段階で決まっていないという外交日程も本当に珍しいと思います。
・誰が総理になるのか?・
それでは10月21日に予想されている首班指名選挙で誰が総理になるのかという話です。自民党単独では衆議院で196人しかいません。公明党と合計しても過半数は行きませんでしたが、野党候補でこれを超える見込みがなかったので、決選投票で高市総理誕生というシナリオを自民党は描いていました。これが脆くも崩れたわけですが、だからと言って野党政権が出来るかと言えばそう簡単にはいきません。立憲民主党と国民民主党と日本維新の会が合わせれば野党政権の可能性がありますが、国民民主党の玉木代表が立憲民主党の野田代表の呼びかけに対して「基本政策が一致出来なければ野党でまとまることは難しい」ともっともらしいことを言っていて合意の見込みがありません。それでは玉木代表は首班指名で高市氏に投票するかというと、そうとも思えません。玉木氏はどのような政権を考えているのでしょうか?今後各党の党首を招いて政権構想を尋ねる場面が多々出て来ると思いますので、それまでどのような政権が出来るのか全く見えて来ません。
まず、絶対あり得ない組み合わせは自民と公明の組み合わせですが、大阪選挙区で骨肉の争いとなった維新と公明の組み合わせもありえません。そうなると野党連合で可能性があるのは立憲と国民と維新の組み合わせしかありません。次に立憲と国民と公明という組み合わせが考えられます。国民と公明は昨年来自民を加えた3党協議で幾つも合致点を見出していますので折り合いは悪くありません。それでは公明と立憲ですが、これは未知数です。ただ玉木氏が立憲と国民の政策の違いを問題にしているのでなかなか難しい面があります。
と言うことで、パズルの数は限られているのになかなか解が得られません。とは言っても野党にとっては政権奪取のまたとないチャンスですのでとりあえず政権と取ってから政策については走りながら考えるといういい加減な決着になるかも知れません。
そこで私の予想ですが、自民党と維新の連立内閣です。
自民党としては何としても政権を維持したい。立憲とは絶対組めない。国民民主はどうも理屈っぽい、それに対して維新は「副首都構想」に乗ってやれば丸め込めるし、両党を合計すれば231議席となって、過半数まであと2議席となります。いざとなったらそこに参政党を抱き込めば安定政権が成立しますし、連立離脱で自民党を揺さぶった公明党に意趣返しも出来ます。欠点が無いようにも見える組み合わせですが皆さんはどのようにお考えになるでしょう?
もう一つ私が考えているウルトラCがあります。
とりあえず野党で政権を握って即座に衆議院の解散です。これまで自民党議員は小選挙区1つにつき1万から2万票の公明党の支援を受けて来たと言われています。公明党の連立離脱で数十人の自民党議員が議席を失うと言われています。それだけの議席を失えば自民党は当分立ち直れないでしょう。その後旧態依然たる党の体制を一新して新自民党として出直せば健全な政党政治が営まれることになると思います。
最後になりますが、私は高市氏を信用していません。2023年に高市氏が総務大臣だった時の自身の発言を記載した内部文書について国会で追及された際に「捏造」だと激しく反発し、捏造でなければ議員辞職するか?と問われた際に「辞任する」と明言しました。後日その文書は正式文書だと認められましたが高市氏は謝罪の一言もなく居座り続けました。政治家としてあまりに無責任な振る舞いでした。

■徒然思うこと■
・金暴騰・
もう10年以上皆さんに購入をお勧めして来た金が暴騰しています。この2週間で3000円近い上昇です。先月の20日過ぎから中東問題やウクライナ問題とトランプ発言で上昇を続けていた金価格ですが、高市氏の自民党総裁当選で積極財政が打ち出されるばかりか金利安が見込まれ円安が進んだことから金の円価格が更に上昇しました。と言っている間に円相場が1ドル153円台まで急落しています。これが金価格の高騰に拍車を掛けています。ニューヨーク金相場も1オンス4050ドルまで急騰しています。大変なことになって来ました。金価格が毎日上昇して上げ止まらないために円を売ろうとする人も売れずにいます。
先月もお話ししたように私は以前からこのメッセージで金の購入を皆さんに勧めて来ましたが、利殖のためにお勧めして来たわけではありません。「もしも」の時のためにお勧めして来たのです。大恐慌とか大災害になって通貨に対する信頼が揺らいだ時のために金の購入をお勧めして来ました。従って証券市場での金の購入ではなく、金の現物の購入をお勧めして来ましたが、私が危惧した大恐慌も大災害もないうちに金が暴騰しています。まあ、これだけ金価格が暴騰したので一部売却しようと考える方もいるかも知れません。しかし私が現物購入をお勧めしたために、売却にあたっては大変な譲渡所得税が課されることになります。
以前に金を購入しようと考えた時に現物ではなく、金ETFのような証券商品を購入しておけば売却時の課税は分離課税ですから遥かにお得でした。ちょっと失敗しました。取得価額のわからない金の地金の売却の申告にあたっては取得年(これは地金の刻印から販売店に問い合わせれば教えてくれます)の金価格(これもネットで簡単に月別価格がわかります)で最も安い価格を取得価格として申告することをお薦めしています。そうすれば所得税的には最も保守的な申告となりますので税務署から文句を言われる筋合いはありません。
それよりも面白くなったのは概算取得費での申告です。概算取得費とは取得価格がわからない、あるいは不明な時には譲渡価格の5%の金額を取得価格として申告しても良いという制度です。今から25年前の1999年から2000年には金価格は1000円未満でした。本日現在の金価格で計算すると概算取得費は1080円です。もし実際の取得費が1000円の金でも概算取得費での申告が認められていますから、概算取得費での申告の方が得になるという珍しい状況になっています。金を所持している人の平均購入単価が幾らかはわかりませんが、昔で言えば松藤民輔氏、その後で言えば副島隆彦氏の著書を読んで金の購入を始めた人は2000円以下で金の購入を始めていると思います。もし金価格が4万円を超えればこれらの人は概算取得費で申告した方が特になります。
と言っていたら13日のニューヨーク市場で金価格が3%も上昇して4100ドル台となりました。14日の日本でも600円高の2万2300円の新高値を付けました。どこまで上がり続けるか全く予想出来ません。
・ワクチン接種・
ワクチンの季節が始まりました。10月1日からインフルエンザワクチンの予防接種が開始するとともに、自治体による高齢者のための新型コロナワクチンの定期接種も始まりました。新型コロナワクチンについては公的助成が受けられる対象者は65歳以上の人全員と60歳から64歳で持病等により接種が認められている人です。東京都の場合には自己負担額は2500円です。また任意接種を行っている医療機関もあり、費用はまちまちですが1万5千円ぐらいが多いようです。
今のところ皆さん焦ってワクチン接種をしていないみたいですが、最終的に打とうと思っている人は言い置くも早く打つべきです。接種を引き延ばす意味がわかりません。特にインフルエンザについては例年になく流行が始まっています。もちろんワクチンの効果は2,3ヶ月ですから年明けにもう一度打つ必要がありますがやむを得ません。
一方、新型コロナワクチンについては日本人の中でも米国のケネディ厚生長官のようなワクチン反対論者も多くなったようで、高齢者でも「もう打たない」と公言している人も多いようです。これは人それぞれですから私は特に打つことをお薦めはしませんが、敢えて打たないという選択肢はあまりないかと思います。
私はそもそも薬漬けの身体ですからもちろん初日の10月1日にインフルエンザとコロナのワクチンを一緒に打ちました。特に今年はインフルエンザの流行が異常に早く始まっているので混雑しているかと思いましたが私以外誰もワクチンを打つ人はいませんでした。
・馬鹿に出来ない量販店・
やっと猛暑から解放される時期になりました。とは言え、10月の中旬だというのに未だに30度近い最高気温となる日もある異常気象でした。事務所周辺でもやっとスーツ姿の人を見かけるようになりました。私はスーツのポケットに色々物を入れているものですから、真夏でも上着を手放すことはありませんでしたが、日本橋近辺でもスーツの上着を着ているのは私だけという状況でした。特に高島屋周辺は半袖短パンで肌を露わにした外国人観光客だらけでしたので私のスーツ姿はただ1人浮いていました。
そのスーツも昔は三越でオーダーメイドで作っていましたが、その後はスーツに対する拘りも減り、殆どイージーオーダーで作るようになり、事務所が日本橋に移ってからは高島屋で「2着・・万円」のイージーオーダーの背広を作っています。
それが今年の猛暑でとても普通のサマースーツを着られるような状況ではなくなりましたので、極薄生地のスーツを探して行きついたのがユニクロの感動パンツと感動ジャケットの組み合わせです。着心地、軽さ、涼しさは申し分なかったのですが、背広の内側にポケットが一つしか無く不便極まりなく、その次に購入したのが酷暑用の「紳士服のアオキ」のパジャマスーツでした。これは殆どスケスケで大変涼しかったのですが、ビジネス用には向きませんでした。そこで次にチャレンジしたのが青木の「洗えるスーツ」です。ポリエステル100%、スペアズボンもついていて、しかも幾ら洗濯機で洗ってもズボンのプリーツが消えません。大変な優れものです。この秋は北陸や京都に出張が続くので、合い物の総裏のスーツも購入しましたが、これもプリーツが消えない洗えるスーツです。しかも銀座本店新装記念ということで何と通常の半額の3万5千円という価格でした。もちろんウールの風合いとは比べようもありませんが、機能だけを考えたら十分だと考えます。これまで「スーツはデパートで」と決めつけていたのは私の偏見だったのかも知れません。
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