■第8波と第7波の比較■

 第8波の感染が深刻な状況になって来ました。人数的には第7波のピークの半分ぐらいの水準ですが、全数把握の見直しが行われたので相当数の感染者数が把握出来ない状況の中では第7波に近い水準になっているのではないかと思います。

 我が国の週間感染者数は相変わらず世界一を続けています。「日本ほどマスクをしている人が多い国は無いのに何故日本の感染者数が世界一なんだ?実はマスクの着用は感染防止に役立っていないのではないか?」という意見をよく見かけるようになりましたが、それは間違っていると思います。中国を除けば日本ほど疑わしい人にPCR検査を行っている国はありません。各国の感染者数が少ないのは殆どPCR検査が行われていないせいだと思います。各種の調査ではマスク着用の感染防止効果ははっきり検証されていますので屋内ではマスク着用を心がけて下さい。

 と言っていたら、連日新型コロナウィルス感染者の死亡数が連日世界2位となっています。感染者数は検査数によって正確性が変わって来ますが死亡者数は間違いない数字だと思います。人口当たりの死亡者数では日本が世界1位です。これだけ感染対策をしっかりやっているのに何故こんなに死者が出るのでしょうか?

 ところでWHOが世界の人口の90%が感染やワクチンによって新型コロナウイルスの免疫を獲得していると推定されると発表しました。我が国でも厚生省の報告によると、日本人の4人に1人、特に沖縄では2人に1人が既に新型コロナウイルスに感染しているとのことです。阪大の忽那教授の説明では、新型コロナウイルスの抗体にはS抗体とN抗体があって、S抗体はワクチン接種をした人と感染した人のいずれも陽性になるのに対し、N抗体は感染した人だけが陽性になるそうです。今回の厚労省の調査では、調査期間の献血者の4人に1人がN抗体を持っていたそうです。一方英国のN抗体保有者は8割を超えているそうですから、いかに感染が激しかったかわかります。英国では殆どの人がワクチン接種をしており、ワクチン接種済みの人が感染するとより強固な免疫が獲得されるので英国では誰もマスクを付けなくても大丈夫ということだそうです。

 今回の第8波では東高西低の状況がはっきりしていますが、一つには寒い地域において換気が十分になされないことと、中部、東北、北海道の新型コロナウィルスの抗体保有率が低いことが挙げられます。因みに感染者が増えている長野県の抗体保有率は9%であるのに対して沖縄県は上述のように46%です。ここでも感染には抗体量が大きく関係することが裏付けられました。となると、日本では抗体量の低い地域ではまだまだ酷い感染状況が続くということです。

 ところで新型コロナウィルス感染症をインフルエンザのように2類から5類に引き下げる案が進行中ですが、これについては後遺症のことがあまり配慮されていないと思います。インフルエンザと異なり新型コロナウィルス感染症は感染者の1割が後遺症に悩まされているというデータもあります。人数で言えば240万人です。他人から見てもわかりませんが、倦怠感等が抜けない人が多いようです。長い人では1年以上後遺症に悩まされている人もいるそうです。このような厄介な後遺症が残る可能性があることがインフルエンザとの決定的な違いです。感染症の治療費よりも後遺症の治療費の方にもっと関心が寄せられるべきだと思います。




■クロアチアは僅か1勝でベスト4■

 日本中を興奮させているW杯カタール大会ですが、日本は強豪ドイツとスペインを破って「死の組」と言われたグループEを1位で通過しました。大健闘です。尤も「死の組」と言っていたのは日本人だけで、ドイツとスペインの国民は楽な組に入ったと思って喜んでいたと思います。それが一歩間違えばドイツばかりかスペインまでグループリーグ敗退の憂き目に合うところでした。もしコスタリカがドイツに対して2対1になったまま試合が終われば日本とコスタリカが勝ち点6でグループリーグを通過と言う大番狂わせが起きるところでした。

 本当に日本はよくやりました。これまでのW杯で初めての逆転勝ちを収めましたし、これまで日本の得点と言うとセットプレーからの得点が多かったですが、今回は攻撃陣の大活躍でゴールを次々と決めました。

 それにしても日本をPK戦で破ってベスト8に進出したクロアチアは世界ランク1位のブラジルもPK戦で下してベスト4に進出して前回ロシア大会の準優勝がまぐれでないことを証明しました。しかしベスト4までの試合で勝利したのはカナダ戦だけで、強豪ベルギーともモロッコとも引き分けです。決勝リーグの2勝も全て引き分けでPK戦勝利です。クロアチアと言えば前回大会でも決勝トーナメントの2勝はやはりPK戦で得た勝利でした。

 そもそもPK戦でキーパーが止められる確率は2割から3割です。それがクロアチアのキーパーは日本戦では4人のうち3人、ブラジル戦でも4人のうち2人を止めています。相手の動きを読む力が素晴らしく、蹴る選手がだんだん精神的に追い詰められて行くのだと思います。追い詰められた蹴り手は安全に下の方ばかり狙うことになるので、ますますキーパーに止められてしまう確率が高いのだと思います。

 元Jリーグ得点王の福田氏が解説していましたが、左右の上の隅を狙っていけばキーパーはなかなか防ぐことが出来ないそうです。それなら何故皆がそうしないかと言えば上に外すリスクを恐れるからだそうです。それで左右の低め狙いで行くと、読みの鋭いキーパーに止められてしまうそうです。研究によるとキーパーが右利きの場合、右上隅にボールを蹴れば8回に7回は決まるそうです。やはり右利きの場合には右手を伸ばして右に飛ぶ方が飛びやすいみたいです。こういうデータから行くと日本は右利きのキーパーには左利きの選手をぶつけるべきでしたね。堂安を一番手にして右上隅を狙わせればPK戦でアドバンテージが取れたと思います。

 それと日本に足りないのはPKにあたっての強靱な精神力です。キッカーは皆引きつっていて緊張しているのが見え見えでした。あれではキーパーの動きを予想して反対側に蹴り込むのは難しいと思います。思い起こせば2011年の女子W杯でなでしこジャパンが優勝した時も米国との決勝戦がPK戦になりましたが、あの時トップで登場した宮間選手の憎たらしいほど余裕のあるPKを思い出します。僅か2、3歩の助走でキーパーと逆サイドに軽々と決めてガッツポーズをしていました。あれが他の選手に好影響を与えて坂口選手、熊谷選手のゴールが決まったのだと思います。特に4番手の熊谷選手は余裕を持って左上に決めていましたね。流石でした。あの精神力というか余裕が日本男子チームにも欲しいと思います。特に1番目のキッカーの精神力が決め手だと思います。

 でも僅か1勝でベスト4まで行けるっておかしくありませんかね?延長戦含めて120分も戦って、たった一蹴りで勝敗が決まっちゃうっていうのも釈然としません。




■ポイント稼ぎの終焉■

 「ポイ活」という言葉をご存じでしょうか?買い物や乗り物の利用でポイントを有効に貯めて活用することを言います。例え現金による買い物でもポイントが獲得出来る店で買い物すればポイントが貯まりますし、クレジットカードで支払えばカードの利用によるポイントも貯まります。クレジットカードで貯まったポイントを航空会社のマイルに交換して特典航空券をゲットした方も多いと思います。そもそも何故このようなポイントの大盤振る舞いが出来るかと言えば、その原資は加盟店が支払う手数料です。わが国の加盟店手数料は3~4%と言われていますがこれは欧米と比べると10倍近い手数料です。この加盟店手数料の多くを占めるのが「インターチェンジフィー」と言われる加盟店手数料を管理する会社からクレジットカード会社に対して支払われる手数料です。「インターチェンジフィー」は加盟店手数料の7割にあたる2.3%と言われています。これだけ高い「インターチェンジフィー」は世界に類を見ませんが、これががあるからクレジットカード会社各社はポイントを乱発出来るのです。

 2025年度までにキャッシュレス決済比率を40%に引き上げる方針の政府は、キャッシュレス決済が広がらない大きな理由の一つがインターチェンジフィーの高さと考え11月末に経産省のサイトで公開されました。(ジャンルごとに細かく設定されていてわかりにくいです)今後この高いインターチェンジフィーを知った加盟店からの手数料引き下げの要求がクレジットカード会社各社に出されると思います。もし今後カード各社がインターチェンジフィーを引き下げなくてはならなくなったらこれまでのようにポイントを大盤振る舞いすることは出来なくなります。

 社によって多少差異はありますが、クレジットカード会社各社は概ね100円のカード利用に関して1ポイントを付与しています。1ポイントは概ね1円ですから毎回のカード利用に関して1%割引しているようなものです。欧米のようにインターチェンジフィーが1%にも充たないカードではこのようなサービスはあり得ません。

 特に幾つかのカード会社は新規加入に関して、「入会すると何万ポイント」「カード申し込みして何ヶ月以内に幾らカードを利用すると更に何万ポイント」と言った新規加入キャンペーンを繰り広げています。特に年会費の高いカード会社はこの入会キャンペーンで獲得出来るポイントで初年度の年会費が取り戻せるようになっています。これはなかなかうまい商売だと思います。1回カードを作ったら殆どの人がカードはなかなか解約しないと思うのでカード会社としては眠っているカードから半永久的に会費が徴収出来るというわけです。

 しかし上述のような訳で加盟店手数料、延いてはインターチェンジフィーが引き下げられる羽目になったカード会社は付与するポイントを引き下げると思いますので、これまでのように年に何十万ポイントもゲットすることは難しくなると思います。

 しかし付与するポイントの改定(改悪?)のような制度設計の変更はそう簡単には出来るとは思えないので、来年の前半ぐらいまではこれまでと同じようにポイントが付与されると思います。ポイント稼ぎの最後のチャンスになるかも知れませんから通常の利用だけでなく、税金の支払いにもポイントが付与されるクレジットカードを使って目いっぱいポイントを稼いで下さい。

 私は一応クレジットカードで支払ってもポイントが付くクレジットカードを使用して納税しています。セゾンアメックスビジネスプラチナカードなら100%ポイントが付きますし、マリオットBONBOYアメックスカードなら通常の半分のポイントが付きます。一方アメックスのプロパーのカードでは税金の支払いは出来ますがポイントは付きません。また、クレジット決済をすると決済手数料が取られますが、これが馬鹿になりません。国税ならば約0.83%、地方税の場合には約0.8%の手数料を取られます。0.8%の手数料を支払って1ポイント付与されてもたいして得したとは言えません。もし税金をクレジットカードで支払うならば1%以上のポイントゲット出来る術を見つける必要があります。ポイントを航空会社のマイルに交換して有効に使えば手数料の元は取れると思います。うまくビジネスクラスの航空券をマイルでゲット出来れば1マイルが8円から10円の換算になりますから決済手数料は全く問題にならなくなります。また、事業用のクレジットカードを使って事業に関する税金の支払をした場合のクレジット決済手数料は経費になりますから二重にお得になります。

 ところで12月から国税をスマートフォンの決済アプリで納税することが可能になります。一応30万円までという基準はありますが、クレジットカードで支払うと30万円の場合には2508円の手数料がかかってしまいますが、スマホ決済の場合には決済手数料がかかりません。今後クレジットカード利用のポイントが引き下げられても影響ありません。問題はこの決済上限が30万円と言う点です。住民税の場合には利用限度額は納付書1枚当たり30万円までとなっていますが、例えば100万円の住民税の場合には依頼すれば納付書を4枚に小分けしてくれます。国税でもそのような手続きが出来るようなら納税の範囲が一挙に広がります。

 また、クレジットカードによる税金支払いの場合には殆どのカード会社ではポイントが付きませんが、スマホ決済の場合には会社によってはポイントが付きます。PayPayの場合にはポイントが付きませんが、LINEPayの場合には支払額の0.5%のポイントが付きます。今後国税のスマホ決済が始まると多くの会社がポイントを付与するようになると思うのでチェックしていて下さい。




■徒然思うこと■

・暦年贈与存続の見通し・

 ここ1年ばかり週刊誌や経済雑誌を賑わせていた「暦年贈与廃止」の話が見送られることになりそうです。と言っても相続税・贈与税の増税の流れは変わりませんので、暦年贈与に関しては、これまで相続発生前3年内の贈与は相続税の申告に取り込まれていましたが、これからは5年、7年、あるいは10年内の贈与が相続財産に取り込まれることになりそうです。

 今のところ7年が有力なようですが、さすがに7年以上前から計画的な贈与を行うことは難しいと思います。7年以上前から相続のことを真剣に心配する方は殆どいらっしゃいません。とりあえず金融資産が多い方は今年の年末と来年の年始は多めに贈与することをお薦めします。常識的にはこの2ヶ月で行われた贈与が新税制に取り込まれるとは思えません。

 また、注目されている「タワーマンション節税」ですが、タワーマンションだけ特別な評価にすることは困難と思われますので、借り入れの利用の有無、利用の実態、相続発生後の所有形態等を勘案して判断されることになりそうです。既に購入されていて、居住や賃貸の用に供されている方については心配は無用だと思います。

・奈良には奈良の良さがありますね・

 紅葉のピークに奈良と京都に行って来ました。久しぶりの奈良でしたが、奈良の良さは紅葉と言うよりも歴史だと思います。東大寺には東大寺ミュージアムがあり、興福寺にも国宝館があり所蔵品は国宝だらけです。日本には国宝が1120件あるそうですが、先月東京国立博物館の150周年行事として開催された国宝展では、史上初の所蔵する国宝89件が公開されていました。(12月18日まで会期が延長されましたが、現時点で全て入場券は売り切れとなっています)東京都は279件の国宝の美術工芸品を所有していますが、一度にその3分の1以上を見ることが出来る機会はめったにありません。

 尤も奈良や京都は所蔵する国宝の美術工芸品の数は東京都より少ないですが、極めて数少ない寺社に所蔵が集中しています。例えば奈良公園の周りだけでも東大寺と興福寺は20件以上の国宝を所蔵していますし、隣接する春日大社と奈良国立博物館もそれそれ十数件の国宝を所蔵しています。その上、東大寺や興福寺はその建物自体が国宝建造物です。特に東大寺は南大門や大仏殿を始め8つもの国宝建造物からなっています。奈良公園の周囲だけでも80近い国宝を目にすることが出来ます。やはり間近に見る東大寺の大仏は圧巻です。

 それに比べて京都には多くの国宝を所有しているのは東寺ぐらいしかありません。しかも京都の寺社仏閣は国宝を見やすく展示している場所はそれほど多くありません。やはり日本の歴史は奈良で作られたと思います。

 その代わり紅葉に関しては奈良は京都の足元にも及びません。しかも奈良で紅葉の名所と言われる寺社は郊外にあって、とても一日では回り切れません。それに対して京都は隣接した寺院で見事な紅葉を楽しむことが出来ます。南禅寺と永観堂、真如堂と金戒光明寺、清水寺と高台寺といった感じで歩いて何か所も紅葉の名所を見て回ることが出来ます。

 特に今年は京都各所で「ネイキッドガーデンワンキョウト」というメタバースのバーチャルな世界とリアルのアートプロジェクトが開催されました。内容的には驚くようなものはありませんでしたが、二条城や平安神宮を始め各所で様々なイベントとライトアップが行われました。右の写真は平安神宮のプロジェクションマッピングを利用したライトアップですが感動はそれほどでもありません。


 また中にはインチキなライトアップと思われるような紅葉もありました。二条城で見事な紅葉のライトアップと思った木は何秒かして照明が変わると、どうと言うことのないまだ紅葉には程遠い木でした。演出にしてもちょっとやり過ぎではないでしょうか?

 




□冬期休業のお知らせ□


 12月29日(木)~1月4日(水)は年末年始休業とさせていただきます。
 本年も有り難うございました。皆様よいお年をお迎え下さい。



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