■期待出来ない総理大臣■

 岸田総理の評価が駄々下がりです。最も大きな原因は安倍元総理の国葬の強行です。安倍元総理と旧統一教会との関係が表面化するまでは国民の非難の声もそれほど大きくありませんでしたが、これが表面化したとたんに国葬実施に対する反対の声が沸き上がりました。岸田総理も国葬を行うかどうかについてもう少し慎重に判断していれば旧統一教会と安倍元総理の関係が表沙汰になって国葬の話も立ち消えになったかも知れませんが早々と国葬の実施を決めてしまったので引っ込みがつかなくなってしまいました。

 総理就任当初から岸田総理は自分の持ち味を「人の話を聞く」と言っていました。確かに人の話は聞くかも知れませんが、聞くだけであって、人の意見を取り入れる気が無いことがわかって来ました。国葬についてもあれだけ国民の反対の声が強かったのに耳を傾けることはありませんでした。また、様々な問題に関して「丁寧に説明する」と言っていますが、同じ説明を繰り返すことが岸田総理にとっての「丁寧な説明」のようです。安倍元総理の国葬に関する岸田総理の発言でこれらのことがはっきりしました。

 9月の中旬から岸田政権に対する支持率と不支持率が逆転しました。そのさなかでの息子の政務秘書官への起用です。ただでさえ風当たりが強いこの時期に親バカだとか公私混同とか言われるようなことをする感覚が信じられません。政治的センスの欠如です。何故、よりによってこのような時期に息子を起用する必要があるのでしょうか?何をやっても言っても批判される悲惨な状況の中で何故こんな余計なことをするのか理解出来ません。

 自民党内からも岸田総理を擁護する発言が殆ど聞かれなくなってしまいました。参議院選挙から3年間は解散でも無い限り選挙が無いので安定的な政権運営が行えるとの話でしたが、総理大臣の指導力の無さが浮き彫りになって来るとその話も当てになりません。

 臨時国会が始まりましたが、自民党と旧統一教会の関係についても、後出しジャンケンのように次々新しい事実が出て来て野党から罷免が求められている山際経済再生担当大臣についても岸田総理は曖昧な発言を繰り返しています。安倍元総理と統一教会の関連について、「本人が亡くなっているので調査に限界がある」と言って全く手をつけようとしませんが、限界があったとしてもできる限り調査することは出来るはずですが全くその気がありません。安倍派の清和会は自民党と旧統一教会の関係の中心に位置していたのですから、そこを調査しなければうやむやになってしまいます。

 とは言え、現在我が国に最も必要なのはダイナミックな経済対策です。もちろん公共投資のような経済対策では全く意味がありません。この30年間で我が国は全く成長していません。高らかにぶち上げられたアベノミクスにしても数字的には全く実は挙がりませんでした。経済成長もなく賃金も上がらず物価だけが上昇するこの状況を岸田総理が乗り切れるとは到底考えられません。我が国のGDPは相も変わらず増加せず、今年は30年ぶりに4兆ドルを割り込む可能性も出て来ました。一時は世界のGDPの15%を誇っていた我が国のGDPシェアは4%を切る水準にまで下がってきています。このまま行くと我が国のGDPは今年中にドイツに抜かれて世界4位になってしまいそうです。それがわかっていても我が国の政府は経済成長のための手段を何一つ打てないでいます。勇ましく様々な経済対策を打ち出してはいますが、その結果我が国のGDPがどれぐらい増加するのか全く示すことが出来ません。

 為替にしても9月22日の為替介入時には140円台まで円高となりましたが、最近ではまた145円台まで円安が戻っています。前回の為替介入の規模は約3兆円と言われていますが、我が国の外貨準備高185兆円のうち為替介入に使える外貨預金は20兆円しかありません。介入出来る限度額が明らかになっていては為替筋の円売りに対抗することは難しいと思います。何回も申し上げているように金融緩和をしながら円安にならないように為替介入を幾らやっても効果はたかが知れています。いつまでアクセルを踏みながらブレーキを掛けるつもりでしょう?

 岸田総理は3年間の安定政権を見据えて中期的な成長戦略を立案すべきでしたが、コロナ対応に追われてなかなか手をつけられず、そうやっている間にロシアのウクライナ侵攻によってエネルギー危機と物価高が始まってしまいました。本来ならば内閣において成長戦略を主管する経済再生担当大臣がもっと積極的に成長戦略を描いて実行すべきでしたが、この1年山際経済再生担当大臣は全く我が国の成長戦略を描くことが出来ず、旧統一協会問題が出てからは弁明に追われ、綿々と地位にしがみつく有様です。

 そもそも獣医師出身の山際大臣を日本の成長戦略の要の閣僚に任命したことが間違いです。しかも1年近く大臣をやっても何一つ成長戦略を描けなかったのに留任させた岸田総理の責任は極めて大きいと思います。

 今我が国に必要なのは経済成長戦略ですが、自民党にそれを担える人がいるようには思えません。経済再生担当大臣を単なる閣僚ポストと考えずに本当に日本の将来が描ける人物に経済再生担当大臣になって欲しいと思います。今回旧統一協会絡みで山際大臣が辞任することになればメンバー一新の大きなチャンスになると思います。どうせ岸田総理はすぐには辞めないでしょうからせめて日本の成長戦略を描ける人物を閣僚に起用して欲しいと思います。




■来年10月消費税インボイス制度開始■

 来年の10月から消費税の適格請求書等保存方式(インボイス制度)が始まります。1年後には売り手は買い手にインボイスを交付し、買い手は売り手から受けたインボイスの保存が必要になります。事業者の方は対応に大わらわだと思います。ただインボイス制度は消費税制度の基本です。平成元年に消費税が始まって34年間も様々な例外規定によって制度の趣旨が歪められて来ましたがやっとあるべき姿に戻ることになります。本来の消費税制度からすれば免税制度とか簡易課税制度などあり得ません。導入時あるいは税率改正の都度、事業者の不満を和らげるために各種の例外措置が設けられ、そのたびに複雑な制度となって来ました。今回インボイス制度が始まっても簡易課税制度や免税制度は残りますが、様々な点からどのような制度を選択した方が良いか、より緻密な検討が必要になると思います。

 インボイス制度がスタートする令和5年10月1日に適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者は令和5年3月末までに登録申請書を提出必要がありますが、8月現在の申請者は未だ100万件と言われています。私の事務所にも税務署から「顧問先の申請書の提出の状況を教えて下さい」と電話が入るようになりました。国税庁もだいぶ焦っているようです。特に大企業ではインボイス制度に対応したシステムの導入が始まっており、取引先との関係を重視するならば早めに登録申請を済ませておくべきだと思います。

 今回インボイス制度の導入によって最も影響を被るのは免税業者だと思います。これまで長きに渡り免税の恩典を受けて来た免税業者の方にとっては頭の痛い問題だと思います。消費税の免税事業者は適格請求書の発行が出来ませんから、取引先は免税事業者への支払いについては仕入税額控除が出来ません。と言うことは免税業者との取引を控える事業者が出て来ると思います。そうなると課税事業者と取引する免税事業者は泣く泣く課税事業者になるか、取引先から値引きを要求されることになるかも知れません。

 一方インボイス制度が始まっても簡易課税制度は存続します。簡易課税業者は売上高に《1-みなし仕入率》を乗じて消費税額を計算しますから仕入に関してインボイスは必要ありません。免税業者も簡易課税業者との取引においてはインボイスの交付は不要なので、取引先が免税業者あるいは簡易課税業者だけの場合には適格請求書発行事業者として登録する必要はありません。とは言っても取引先に「そちらは消費税はどうしてますか?」と聞くわけにもいかないと思いますが。

 登録申請締め切りまで半年を切っています。締め切りが近づくと申請が殺到して申請が認められるのに時間がかかることが予想されますので、もし登録申請を行おうと考えている方は是非とも年内には申請を済ませるようにして下さい。




■徒然思うこと■

・ますます増加する大企業の減資・

 HIS、JTBといった大手旅行会社を筆頭に資本金を1億円に減資する会社が続出しています。何百億円の資本金の会社の資本金がいきなり1億円になることで違和感を持たれる方も多いと思いますが、資本金を1億円に減資することで企業には大きなメリットがあります。

1.減資することによって、減少する資本金と累積赤字を相殺することが出来、貸借対照表の見栄えが良くなります。

2.資本金1億円超の会社では過去10年内に生じた繰越欠損金のうち、その事業年度の所得金額から控除出来る金額は所得金額の2分の1ですが、資本金が1億円以下の法人においては当該事業年度の所得全額を過去の繰越欠損金と相殺することによって当該年度の税額をゼロとすることが出来ます。ですから利益が回復してきても相殺する繰越欠損金が残っている限り納税しないで済みます。

3.また資本金1億円以下の会社は当該事業年度に赤字が生じた場合に前年の所得と相殺して前年に支払った税金の還付を受けることが出来ます。

4.資本金1億円以下の会社は中小企業として交際費や減価償却制度を初めとして様々な税制の恩典を受けることが出来ます。

5.「外形標準課税」という資本金が1億円超の法人に対して課せられる法人事業税を免れることが出来ます。外形標準課税は企業が赤字でも事業所の床面積や従業員数等外見から判断できる企業規模に対して課せられる法人事業税です。これは法人の事業活動の規模に応じて地方行政サービスの負担を求めるために平成16年に設けられました。この外形標準課税も資本金1億円以下の企業には課税されません。

 資本金を1億円に減資する大企業の多くは貸借対照表の見栄えと繰越欠損金と所得との相殺を目的としてなされたと思いますが、結果として外形標準課税の納税義務も免れることになってしまいました。これは大きな問題だと思います。法律を改正して外形標準課税については減資して資本金を1億円にした企業も課税されるべきだと思います。

 そもそも外形標準課税は赤字の大企業にも相応の地方税を負担させるために設けられた税金ですから減資によって課税を免れることは想定していません。新型コロナウィルスによって大きく影響を受けた多くの企業が減資に走ったせいか資本金1億円以下にした大企業あるいは中堅企業は2000社以上にのぼると言われています。新型コロナウィルス騒ぎで想定外の赤字を強いられた企業にしても今後業績が回復したならば、規模相応の税負担するべきだと思います。1円だけ増資すれば社会的責任を果たすことが出来ます。

・あっという間に旧型になってしまったオミクロン対応ワクチン・

 先月20日に接種が始まったオミクロン対応ワクチンですが、1ヶ月も経たないうちにBA5対応ワクチンの接種が始まることになりました。先月始まったオミクロン対応ワクチンワクチンはBA5に対してもそれなりの効果はあると言われていましたが、基本的にはBA1とBA2対応ワクチンでした。先月中旬に米国でBA5対応ワクチンが承認されたという報道はなされていましたが、まさかこれほど早くわが国で承認されて接種が始まるとは思いもしませんでした。

 政府も先月中旬にオミクロン対応ワクチンの接種開始に対して「7000万人分のワクチンの手当が終わっていて、1日100万人の接種を目指す」と言っていたのに、それから僅か3週間で「BA5対応のワクチン4000万人分を確保した。10月13日から接種を開始する」と発表しました。これまでワクチン接種に関しては本当に動きが悪かった厚労省の動きが突然早まったのは何故なんでしょう。

 しかし7000万人分用意したBA1BA2対応のワクチンの在庫はどうするんでしょう?ファイザーとモデルナに下取りしてもらうのでしょうか?

・帯状疱疹ワクチン・

 皆さんは最近テレビやラジオで帯状疱疹ワクチンのCMが急に増えていると感じられませんか?ワクチンと言えば皆さん真っ先に思い浮かべるのは新型コロナウィルスにのワクチンとインフルエンザワクチンだと思いますが、高齢者にとっては帯状疱疹ワクチンと肺炎球菌ワクチンも重要なワクチンです。

 特に最近では「新型コロナウィルスのワクチンを打つと帯状疱疹になりやすい」ということが言われています。これは都市伝説のようなものではなく、数少ないデータではありますが、新型コロナウィルスのワクチンを打つと帯状疱疹に罹るリスクが数割増すというデータもあるようです。

 私は帯状疱疹に罹ったことは無いのでよくわかりませんが、罹患するとかなり辛い痛みが伴い、特に顔面に発症した場合には後遺症に悩まされたり失明に至るケースもあるそうです。高齢者の場合には3人に1人が帯状疱疹に罹ると言われていますから、50歳以上の方は皆さん出来るだけワクチンを打っておいた方が良いと思います。私も1ヶ月ほど前に帯状疱疹ワクチンを打ちましたが、不勉強で、打ってから初めて帯状疱疹ワクチンには2種類あって、効果も価格も大きく異なると言うことを知りました。

 帯状疱疹ワクチンには生ワクチン不活化ワクチンという2種類のワクチンがあって、生ワクチンは1回の接種で済みますが、不活化ワクチンは2回接種が必要です。価格的には生ワクチンは7000円から1万円で済みますが、不活化ワクチンは2回で4万円から5万円かかります。それぞれ自治体の補助が受けられる場合には半額ほどの自己負担で済みます。但し二つのワクチンは効果と有効期間がが大きく異なり、生ワクチンの効果が50%と言われるのに対して不活化ワクチンの効果は97%と言われています。また生ワクチンの効果は5年以上と言われているのに対し不活化ワクチンの場合には9年以上と言われています。と言うことで私としては何が何でも不活化ワクチンをお奨めします。また、自治体によっては不活化ワクチンについては公費の補助対象となっていませんので注意が必要です。

 《あるクリニックの資料》 


・雑紙は年寄り男性向け、テレビは女性と若者向け?・

 最近の週刊誌は相変わらずシニア向けの記事ばかりです。「老後の何たら」だとか「終活」だとか「高齢者施設ランキング」だとか団塊の世代を意識した記事ばかりです。グラビアも由美かおるや松坂慶子と昭和のスターばかり登場させています。今の若い人たちが見たこともない芸能人がページを飾っています。

 一方テレビドラマは若者向けあるいは女性向けが大半を占めています。新しいドラマの主役の多くはジャニーズ事務所所属のアイドルばかりです。尤もシニア向けの雑誌をむさぼり読む高齢の男性は私のようにドラマをあまり見ないので、ドラマ視聴者のターゲットになっていないのかも知れませんね。

 それにしてもこの9月で終了したクールのドラマは酷かったですね。「オールドルーキー」を筆頭に「ユニコーンに乗って」「テッパチ」と中身の無い浮ついたドラマばかりでした。かろうじて見応えがあったのは「六本木クラス」と「競争の番人」ぐらいでしょうか。

 それと最近残酷なシーンが登場するドラマが増えてきたことが気がかりです。特に「赤いナースコール」は秋元康さんの作品だったので期待したのですが、毎回毎回血だらけのドラマでした。今回のクールでも「親愛なる僕へ殺意をこめて」は主演がHey! Say! JUMPの山田涼介だったのでチャラけたドラマ化と思ったら初回から猟奇殺人だらけで刑事が死体を見て吐きまくっているような残虐死体オンパレードです。夜10時からのドラマにしてはどうかと思います。

・持っている男・

 ヤクルトの村上宗隆選手が最終試合の最終打席で日本人新記録の56号ホームランを打ちました。55号ホームランを打ったのは9月13日でしたから、それからバレンティンの持つ60本の日本記録を抜くのも間違いなしと言われていましたが、それか20日間、14試合60打席の間ホームランが出ませんでした。多くのファンが日本人新記録を諦めていた最終試合の最終の打席に新記録となるホームランを打つとはビックリです。やはり「持っている男」なんだと思います。しかも最年少三冠王も達成、素晴らしいですね。私がプロ野球に興味があると驚かれた方もいるかと思いますが、私は競技に関わらずドラマティックなシーンは大好きなんです。ところで米国でもヤンキースのジャッジ選手がア・リーグの新記録の62号を打ったのも残り2試合になってからでしたね。

・玉川さんやらかしちゃいましたね・

 羽鳥慎一モーニングショーの玉川さんが大失言で10日間の謹慎処分となりました。安倍元総理の国葬に関して「電通が関わっている」と事実と異なる発言をして上司もけん責処分を受けることになりました。

 よりによって大手広告代理店の電通を引き合いに出したのは失敗でしたね。テレビ局と大手広告代理店は切っても切れない関係にあります。テレビCMが無ければテレビ局の経営は成り立ちません。テレビ局にとってお客様は視聴者ではなくCMのスポンサーです。大手広告代理店はそのスポンサーを連れてきてくれる人ですから誰よりも大事にしなければならないのに、事実と異なる発言をしたばかりか、その発言のニュアンスも広告代理店の介在に批判的でしたから謹慎処分はやむを得ないと思います。復帰した時にどのように謝罪するか見ものです。


前の月へ  次の月へ