■岸田総理は大丈夫?■

 何を言われても「検討します」としか言わないので「検討使」と揶揄されていた岸田総理が急に決断を始めたら勇み足だらけで周りが振り回されるばかりです。特に感染療養中の8月24日に突然原発政策の転換を表明し次世代原発の新増設を検討すると発言しました。いきなりの方針大転換で日本中ビックリです。岸田総理は就任時にも「現時点では原発の新増設は想定していない」と明言していたのですから、これだけの大事を参院選の時には一言も触れずに選挙が終わってから言い出すというのは姑息だと思います。10月初めに始まる臨時国会での火だるまの材料がまた一つ出て来ました。確かにロシアのウクライナ侵攻以降、日本のエネルギー事情は非常に厳しい状態におかれています。しかしだからと言って国民に何の説明もせずにエネルギー政策の大転換を打ち出すことは許されることではありません。支持率の落ち込みやマスコミの追及に耐え切れずに方針変更するケースが多発していますが、このことはそのようなレベルの話ではありません。

 またこれも唐突に「住民税非課税世帯に一律5万円給付」と言い出しました。住民税非課税世帯はおよそ1600万世帯で、この多くは高齢者世帯ですが本当にこの物価高で困っているのは高齢者ではないように思います。単なるばらまきでしょうか?どこの野党もこのような要求を政府にはしていません。

 安倍元総理の国葬に関してもその根拠が明確で無く、2ヶ月近く国葬の理由として同じことしか発言していません。安倍元総理の経済、外交の業績を強調していますが、安倍元総理の在任中日本経済は全く成長していませんし、あれほど安倍元総理が自慢していたロシアのプーチン大統領との関係も、ただ手玉に取られただけで、北方領土の返還については1ミリも進んでいません。岸田総理は安倍総理が非業の死を遂げたことに動転してきちんと理論付けをせずに「国葬にする」と言ってしまったのだと思います。岸田総理に国葬を強く迫ったと言われる麻生自民党副総裁は黙りを決め込んでいます。

 旧統一教会の問題にしても二転三転したかと思うと、「全議員を含めて一切の関係を絶つ」と断言しましたが、これではまるで「魔女狩り」です。旧統一教会は現段階では法律で認められた宗教団体です。特に非合法団体として解散命令が出たわけではなく、反社団体と認定されたわけではありません。「社会的に問題があると考えられている団体」です。何が社会的に問題があるのかも説明せずにいきなり「一切の関係を絶つ」というのは信教の自由に反する発言ではないでしょうか?今後自民党から選挙に出馬する候補や新規採用する職員に「あなたは旧統一教会の信者ではないでしょうね?」と聞く気でしょうか?そんなことをしたら憲法違反になってしまいますが、このことをわかっての発言でしょうか?

 また、自民党の全国会議員に旧統一教会との関係を絶つことを求めていますが、8月31日の会見で岸田総理はこの件に関して「自民党総裁としてお詫びします」と述べました。と言うことは全国で1万5千人もいると言われる地方議員や首長についても旧統一教会との関係を絶つように求めていると解釈出来ますが本当にそんなことが出来るのでしょうか?地方議員の中には旧統一教会と関係があるどころか旧統一教会の信者も何人もいるという噂です。このように後先を考えずに唐突に自分一人で決定するのも総理の悪い癖です。

 それにしても全国会議員379人中179人が旧統一教会と何らかの政治的繋がりを持っていたとは驚きです。今回の自民党の発表は調査ではなく点検でしかも自己申告ですからこれからも旧統一教会との関連を指摘される議員が続々と出て来ると思います。そもそも内閣改造前に旧統一教会と関連のある国会議員については閣僚としないはずでしたが、山際経済再生担当大臣のように任命まではだんまりを決め込んでおいて、任命後に色々自白するという姑息な議員が何人もいて嘆かわしいと思います。

 新型コロナウィルスに関しても「全数把握を見直し、その後の対応は各自治体に任せる」と発言したものですから多くの知事から「国が決めろ」と突き上げをくらい、あっという間に国の指示で9月の中旬から全国的に全数把握の見直しとその他の対応を行うことになりました。この点に関して全国知事会の会長である平井鳥取県知事が「明日からでも全数把握を見直してもらいたい」と政府に強硬に申し入れたものですから、岸田総理は全国知事会の総意だと思って全数把握の見直しを宣言しましたが、重症化の恐れのない感染者のフォローに関するサポートが何も決められていなかったので、早期の全数把握の見直しに応じたのは全国で僅か4県にとどまりました。これは詰めの甘かった平井知事も悪かったと思います。

 とは言え、岸田総理は「感染対策を行う」とは言っていますが実は何もやっていません。やることはと言えば「全数把握の見直し」「入国者の入国前の検査不要」「入国者の枠を2万人から5万人に広げる」と感染を広げる対策ばかりで感染防止対策は一つもありません。嘘つきですね。

 また、政府はコロナ感染者の療養期間について、これまでの「症状がある人は原則10日間」を「7日間」に、「症状が無い人は7日間」を「5日間」にすると決定しました。多くの専門家は症状がある人の場合はしばらくウィルスを排出するとしてこの対応に疑問を呈していますが、それでも「社会経済活動のために」と言って強引に短縮してしまいました。これまですべての対策において政府は「専門家の意見を聞いて」と言っていましたが、症状がある感染者に関して療養期間を短縮することに同意している専門家は一人もいないと思います。そもそも厚労省の専門家会合の資料として厚労省は下図のように発症8日目でも16%の人が他人に感染させる恐れがあるという資料を出しているのですから療養期間の短縮などあり得ません。現に日本医師会の釜萢常任理事は「今回の措置はやむを得ないが、症状がある場合、発症から10日間はウイルスを排出する可能性があり配慮すること」とコメントしています。更に9月8日政府の分科会の尾身会長が「政府が専門家の意見を十分に聴かない」と発言しました。これで療養機関の短縮が政府のごり押しであることが明確になりました。しかも加藤厚生大臣が「この措置は今後感染者数が増えても見直さない」と言明しました。冬になって第8波が到来しても本当に見直さなければますます感染者は増えると思います。



 療養期間の短縮によって感染が広がれば社会経済活動にとっては逆にマイナスになると思われますが、政府は経済界に押し切られてしまいました。結局第7波が始まってから政府は何一つ感染防止対策を打ちませんでした。その結果第6波を大きく上回る感染者数と死者数となってしまいました。




■感染拡大第7波未だ収まらず■

 政府は感染拡大7波の感染者数の増加に耐え切れず感染者数の全数把握の見直しを決めました。感染症に対する医療の敗北です。要するに感染者が多過ぎて数えきれないという話です。ただ「全数把握」は感染を広げないための情報を得ることを目的として感染症法上必要なものとして定められています。データ入力に関する医療機関の負担を軽減するために簡単にやめてよいものではありません。真っ先に必要なのは入力を簡単にするシステムの開発です。またここでも我が国のデジタル化の遅れを露呈することになってしまいました。

 これまでことある毎に専門家は「第7波は感染者数は多いが重症者数は少ない」と発言していますが、8月中旬以降死者が急増してきた現状をどのように捉えているのでしょう?死者数は300人を超え過去最高となりました。9月第2週になって公表される感染者数が少なくなったので世の中はピークアウト気分ですが、私の周囲ではまだまだ感染する人が増えています。そもそも全国で過去最高の344人の死者が記録されたのは僅か10日前です。東京都でも日々発表される感染者数は少なくなりましたが、毎日の30人近い人が亡くなっています。

 感染者全体としては重症者リスクは低いのかも知れませんが、まともな医療が受けられない高齢者の感染者が多くなれば死者数も当然増加します。また新型コロナウィルスに関しては重症でなくても、感染することによって持病が悪化して亡くなる方が増えています。こうなる前に政府や自治体は感染者のトリアージを行い本当に入院が必要な人のために病床を確保しておくべきでした。7回目の感染の波だというのに全く学習効果が感じられません。

・企業と保険会社の感染証明が医療をひっ迫させた・

 企業が社員に対して病欠を申請するために感染証明を求めたことが発熱外来をひっ迫させました。軽症の人は発熱外来の受診を控えるべきでしたが、感染証明書欲しさで本来発熱外来を受診すべき人の受診の機会を奪ってしまいました。

 また、保険会社が「コロナ保険」などという商売本位の保険商品を売り出したために、保険金請求のために感染証明書を求めて発熱外来に人が殺到して医療ひっ迫を招きました。コロナ保険のために多くの症状の重い人が治療を受けられなくなりました。テレビでおなじみのナビタスクリニックの久住院長が「我々は保険会社の下請けではない」と憤っていましたが尤もな話です。このような保険を販売するなら保険会社は独自の検査センターを設けて一般医療に影響を及ぼさないことを考えるべきでした。

・ワクチンの発症予防効果・

 本当にワクチンは効くのでしょうか?先月岸田総理は新型コロナウィルスに感染しました。感染経路については発表されていませんが、一国のトップが不注意な話だと思います。そのため4兆円もの大規模支援を支援すると表明したアフリカ開発会議に参加できませんでした。しかし岸田総理は発症する1週間以上前に4回目のワクチン接種を受けています。中和抗体量が高まる2週間には達していないとは言え、かなりの発症予防効果が期待される時期であったにもかかわらず感染して発症してしまいました。最近私の周りでも4回目のワクチンを接種しているのに発症する人が多くなりました。4回目のワクチン接種は6月から開始しましたからまだまだ抗体量は高いはずですが、それでも感染してしまいます。本当にワクチンに感染予防効果あるいは発症予防効果はあるのでしょうか?私の周りでも濃厚接触者にあたるような人でも過去に感染した人は発症しないケースが多いように思います。少なくとも発症予防効果についてはワクチン接種者よりも過去の感染者の方が強いようです。

 また、ワクチンを接種すれば重症化はしにくいと言われているのに重い症状になる人の話をよく聞きます。特に若い人は感染しても無症状か軽い症状の人が殆どだと言われますが、若い人で3回目のワクチン接種が終わっているのに重い症状になる人がたくさんいるのは何故なんでしょう?私の周りの人の症状を聞いていると「オミクロン株は症状が軽い」というコメントには同意出来ません。

 そう言っていたらまだ承認もされていないのにオミクロン株対応ワクチン3000万回分が今月19日から全国の自治体に配送されることが発表されました。「10月から接種開始」と言っていたのにこれに関しては動きが早かったですね。あと何日か待っていたら現在流行している新型ウイルスに効果があると言われているワクチン接種が始まるのにその前に打つバカはいません。おかげでこのニュースが発表されたとたんに接種会場の予約がガラガラになってしまいました。となるとこれまでのワクチンの在庫はどうなるんでしょうね?3回目のワクチンに関してはまだ国民の6割強しか打っていませんから全国民の3割分の3~4千万回分の在庫があるはずですが、これを全部廃棄してしまうのでしょうか?




■徒然思うこと■

・Tカードが会員データを販売・

 Tカードを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブがTカード利用者の個人データの販売を本格化させるようです。これは5300にも及ぶ全国の提携企業から集めたカード保有者の利用履歴です。「今にやるやる」と言われていたことが遂に始まります。日本人なら誰でもショッピングの度に「Tポイントカードをお持ちではありませんか?」と聞かれたことがあると思います。そこでカードを提示した人の消費者行動は全て把握されています。私は前に「Tポイントカードを使ったら行動が駄々洩れになりますよ」と言われてTポイントカード破棄してしまいました。考えてみれば恐ろしい話ですが、多くの方はTポイントカードの申込時に提示された約款に「自分のカードの利用のデータが他の目的に利用されることがある」との記載をよく読みもしないで申し込んでしまっていると思います。

 これと似たようなことは世の中でよく見かけますよね?例えば何か商品について調べるとその後類似した商品の広告が自分が見るサイトにどんどん表示されるようになります。自分自身が認証したわけでもないのに情報がマーケティングに使われてしまうんですね。

 Tポイント以外でも買い物をすると「dポイントや楽天ポイントがつくカードをお持ちではありませんか?」と聞かれます。お店にとっては他社のポイントが付こうが付くまいが関係無いのにわざわざ会計の度にそのようなことを聞くのは3社から何か手数料でも出ているのでしょうか?またポイントを付ける会社にしても自分の会社の売上に何も貢献しないのにポイントを付与するからには何かビジネスチャンスがあるんでしょうね?調べてみます。

・検察の情報が駄々洩れ・

 止まるところを知らない五輪汚職ですが、元IOC理事に関わる贈収賄事件に関する供述がマスコミに駄々洩れとなっています。「元理事はお金を受け取っていないと言っている」とかアオキホールディングスの前会長が「贈賄を認める供述を始めた」とか様々な情報がもたらされています。マスコミは全ての情報に関して「関係者への取材によれば」としていますが、取調室の中での供述内容は取り調べた検事しか知りようがありません。検事には当然守秘義務があるはずですが、なぜこのような情報が外部に漏れてしまうのでしょうか?あってはならないことが毎日当たり前のように報道されることが不思議でなりません。

 しかしつい何日か前にカドカワに調査が入ったと思ったらあっという間に2人逮捕されてしまってビックリです。と言っていたら今度はパーク24に捜査が入りました。どこまで捜査の輪が広がるのでしょう?これで札幌オリンピックがますます遠のきました。でも高橋治之氏が組織委員会の理事でなかったら東京オリンピックは実現しなかったでしょうね。

・遠くなった海外旅行・

 海外旅行が遠くなりました。その原因は急激な円安です。5月のメッセージで150円まで行くかも知れませんと書きましたがそれも視野に入って来ました。5月の時点で今年の為替レートの予想で130円を超えると予想した会社はありませんでした。大企業だからといって読みが正しいわけではありません。政府は為替介入の話を出し始めましたが、日銀が金融緩和を続けているのに為替介入しても意味がありません。ブレーキを踏みながらアクセルも踏んでいるようなものです。日銀は相変わらず「金利を上げれば景気が悪くなる」と発言していますが、実は金利を1%上げると政府の利払いが12兆円も増加するので怖くて金利を上げられないのかも知れません。そこを投機筋に狙い撃ちされて円安が進んでいます。1998年の円安のピークの1ドル147円を上回る円安となると底が見えなくなります。

 この円安で海外旅行が遠い存在になってしまいました。最近テレビ番組でハワイ旅行の旅費が高騰しているとよく取り上げられます。ハワイに行けばランチが3000円以上かかるのは当たり前になっています。単に為替の問題だけではなく、日本以外の先進国はここ10年ずっと経済成長を続けています。その結果人件費も物価も上昇しています。日本だけは経済成長もしていないので人件費も上がらず、今回のウクライナショックまでは物価も上昇していませんでした。

 しかし今回の急激な円安で海外旅行に関しては大きく冷え込むことが予想されます。もちろん現地滞在費が円安と物価高で高騰していることはもちろんですが、原油高と円安を受けて燃油サーチャージが高騰しています。10月からはハワイで3万7千円、北米やヨーロッパについては5万8千円にもなってしまいます。しかもこれは片道です。例えばロサンゼルスやパリと往復した場合には空港利用税まで合算したら12万円にもなってしまいます。特典航空券や格安航空券を使ってもそれ以外にこれだけの運賃がかかるようでは海外旅行に二の足どころか三の足まで踏んでしまいます。ハワイ旅行といえば安いツアー料金では10万円以下でしたが、今後どれぐらい値上げされるのか想像するのも恐ろしいです。ただ燃油サーチャージには抜け道があるようで、円安に関係の無い海外の航空会社の燃油サーチャージはそれほど値上がりしていないようなので狙い目です。

・危機的なヨーロッパのエネルギー事情・

 欧米からの軍事支援を受けたウクライナ軍の反転攻勢が始まりました。しかしゼレンスキー大統領がクリミア奪還まで口にしたのは図に乗りすぎです。ロシアはクリミアをウクライナに取り返されるぐらいなら核の使用に踏み切ると思います。ゼレンスキー大統領がクリミア奪還に拘ったら戦闘の収束はありません。

 またこのまま戦闘が長引くと欧州のロシアに対する経済制裁から離脱する国が出てくると思います。ロシアがドイツへの天然ガスの輸送をストップさせてドイツのエネルギー事情がだいぶ厳しくなっているようです。ドイツは原発廃止を打ち出していましたが、一部の原発の稼働期間を延長させる動きも出て来ました。冬に向かってこれ以上エネルギー事情が逼迫するようだとドイツやイタリアでは国民の抗議行動が激しくなり、ロシアに対する経済制裁を弱めることになるかも知れません。ロシアは原油価格は高止まりしていますし、裏で各国に資源を売り渡しているようですから経済的にはなかなか困窮しないと思います。


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