■感染拡大第7波■

 東京の感染者数が4万人を突破しました。全国の感染者数も25万人です。これまで感染の中心は東京や大阪の都市部でしたが、今回はこれまで最も感染者数の少なかった鳥取県や島根県から感染拡大が始まりました。全国の殆どの県で過去最多の感染者数を記録しています。全国で陽性率が50%を超えていると言うことは、実際の感染者数は発表されている数倍もいるということです。

 医療ひっ迫どころか日本全域で発熱外来から人が溢れています。なぜこのような状態になるまで国も自治体も全く対策を打てなかったのでしょう?東京都にしても7月中旬には「8月上旬には感染者数が5万人になる」との予想を打ち出していたのに、それに対する対策は全く打たず、感染防止対策の強化を訴えるだけでした。今頃になって「陽性者登録センター」を設けて自主検査?で陽性だった場合にオンライン申請して、医師が陽性かどうかを判断することにしました。医師が陽性と判断した人に対しては「自宅療養サポートセンター」がその後のフォローにあたるというものです。実際に症状が出て苦しんでいる人からすれば何とももどかしい対応だと思います。8月2日までは東京都発熱センターは発熱相談があった場合には「お近くの発熱外来に行って診察を受けて下さい」と医療ひっ迫の原因を作っていました。それがいきなり突き放したかのような対応で、都民は混乱するばかりです。個人個人によって症状は異なり、どのように対応すべきか医師の指示を受けたいと思っているのに新制度では単にネット上で陽性か陰性の判断をしてもらえるに過ぎません。これはある意味医療行為の放棄であり、国民皆保険制度の我が国おいてはあってはならないことだと思います。私たちからみると単に医療従事者の負担を少なくする対策にしか見えません。いくら対象者が20代だけだと言ってもその中には重症化する人がいる可能性もあるわけですから、せめてオンライン面談でフォローする必要があると思います。そしてパルスオキシメーターぐらい貸し出すべきです。

 尤も東京都のこの制度も1日3000人が限度としているのでどれだけの医療従事者の負担軽減に役立つかわかりません。「陽性者登録センター」を設けて自分で検査して陽性だった人はオンラインで確定診断を受けられるはずだった千葉県は第7波に対する初日の7月21日には僅か13分で回線がパンク。その後上限枠を増やしても連日30分で上限に達してしまっています。千葉県の場合には1件ずつ医師が対応したため混乱が生じたようですが、東京都でも1日3000人ではあっという間に埋まってしまうと思います。神奈川県に至ってはもっとメチャクチャで、国が承認していない研究用のキットでの検査・登録も認めると言い始めました。黒岩知事はなかなか反省の弁を述べること無くもっともらしい発言を続けていますが、流石にこの事態は反省すべきでしょう。

・勘違いの4医療学会の声明・

 検査を目的として受診する人が多いために発熱外来が逼迫して本来受診すべき人が受診出来ない状況にあるとして8月2日に日本感染症学会始め4医療学会が、症状が重い場合や37.5度以上の発熱が4日以上続かない限りは医療機関の受診が不要なので市販薬で対応して下さいとの声明を出しました。これは大きな勘違いをしています。大間違いです。

 現在発熱外来が逼迫しているのは検査と診断と治療の3つを求めて症状がある人が殺到しているからです。検査と医療をまず分けて考える必要があります。感染の疑いがある人はまず検査を受けるべきで医療機関に行くべきではありません。陽性かどうかを判定することは重要です。学校も会社も陽性判定がされなければずる休みになってしまいます。また、現在の自治体の規定では陽性者は10日、濃厚接触者は5日間の行動制限が設けられています。陽性か陰性の判断をされないとこの規定は無意味となってしまいます。何しろ必要なのは検査と受診の分離であって、徒に医療放棄と思われるような動きは控えるべきだと思います。

 この点についてはテレビでおなじみの倉持仁先生がツイッターで吠えまくっていますからお読みになると面白いと思います。

 やはり先月もお話したように野戦病院のような軽症者向け大規模医療施設が必要だと思いますが、東京都も大阪府も第7波に関してはこのような話が出て来ません。「周囲に感染者が出た」「周囲に感染者はいないが体調がおかしい。微熱があって咳が出る」といった人のためには短時間でPCR検査が出来て、必要な人には投薬あるいは療養施設で観察するという体制が必要だと思うのですが、第7波になっても未だにこのような体制が取れないのは何故なんでしょう?私の知る限り最速でPCR検査の結果判明までに15分というクリニックがあるぐらいですから、大規模施設でこの検査機器を10台ぐらい並べて片っ端から検査していけば、猛暑の中で何時間も発熱外来に並ばなくて済むと思います。中国の武漢では僅か10日間で1000床のプレハブ病棟を完成させてしまいましたが、なぜ我が国では政府がこのような動きがとれないのでしょうか?。その原因は総理大臣の危機感の無さだと思います。岸田総理は1日の感染者が25万人も出ているのに自分は1週間に4回も会食しているというノー天気ぶりで、危機感は全く感じられず厚労大臣に丸投げです。

 また、多くの知事が重症化する患者は何千人に1人だとか言って、新型コロナウィルス感染症の取り扱いを2類から5類に引き下げることを求めていますが、自分が感染して重い症状になったことがないからこのような発言が出て来るのだと思います。重症と症状が重い人の差に対する理解があまり進んでいないようで、症状が幾ら酷く長く続いても必ずしも重症と判定されるわけではありません。私の知人でも10日間の療養隔離が終わった後でも37度以上の発熱が続き、咳も止まっていない人もいます。ただしその人は酸素飽和度が97%以上あったために中等症とも判断されませんでした。また連日百数十人の死者が出ています。東京都では8月3日には12人が死亡しましたが、必ずしも高齢者ばかりでなく、20代、40代、50代の方も亡くなっています。またもしコロナウィルス感染症が2類から5類になると治療費用の負担が公費から健康保険に変わりますが、そうなると自費負担が発生します。報道によるとコロナウィルスの治療費は10万円近くかかるそうですので、そうなると3万円近い自費負担が生じることになります。もしこれを国民が知ったら2類から5類への変更に猛反対の声が挙がると思います。

 一方2週連続で日本が新型コロナウィルス感染者数で世界最多となりました。特に7月25日から31日までの感染者数は138万人で世界の総感染者数の21%を占めます。絶対数としてはそれなりの人数ですが、世界レベルで考えると検査数の桁が違います。欧米各国では全くと言っていいほど規制が行われていませんし、マスクをしている人もいません。

 また、感染者数が日本より少ないからと言って感染が深刻で無いわけではありません。日本で97万人が感染した前の週には米国では86万人が感染し2637人が亡くなっています。そもそも国のトップの現職大統領が2代連続感染するなんて考えられません。感染防止対策が国全体として甘いのだと思います。ですから国民の4人に1人が感染し、100万人以上の人が亡くなる結果となりました。

 尤も我が国も首相は感染していないとは言っても現職の大臣が何人も感染していますし、国会議員も既に130人以上感染しています。713人中の130人ですから業種でいくと感染率トップですね。国会議員としての自覚を持って感染対策に励んでもらえばこのような状況にはならないと思います。それにしても国会議員は何でも悪いことについては常に業種別トップに登場します。業種別逮捕率でも常に上位の常連です。逮捕されるような人間が国会議員になるのか、逮捕されるようなことをしないと国会議員になれないのかわかりませんが、情けない話です。

 また、最近になって3回目のワクチン接種を受ける人が急増しているのは良い現象だと思います。本当は高齢者については3回目接種から5か月経過に拘らずにどんどん4回目の接種を進めるべきだと思います。それが重症者や亡くなる人を減らすのに最も効果があると思います。ワクチン接種に対する将来の不安は理解出来ますが、はっきり言ってしまえば、高齢者の場合には将来の不安よりも現在目の前にある危険を回避することのほうが重要だと思います。私は出来れば3ヶ月おきにワクチンを接種したいと思っています。

 4回目のワクチン接種に関しては当初政府は高齢者及び基礎疾患のある人に限定していましたが、医療従事者等からの要請に答えて医療従事者及び高齢者施設等の従業員に範囲を広げています。政府はこれ以上ワクチン接種対象者を広げる気はなさそうですが、社会経済活動を妨げるほどの感染者となったのですから国民全員に接種を呼び掛けるべきだと思います。そう言っていたら10月中旬からオミクロン株対応のワクチンの接種が10月中旬から始まるそうです。今後4回目の接種を控えている高齢者にとっては10月まで待つか、出来るだけ早く打つか、悩ましいところですね。

 先月のメッセージで医療用抗原検査キットが7月6日から手に入らなくなったとお話しましたが、その後全く購入出来なくなってしまいました。尤もこれだけ感染が広がっている状況では陰性であることを証明するのではなくて、とりあえず陽性であるかどうかを知りたいという場合には研究用検査キットで用が足りると思います。研究用検査キットで陽性反応が出ればまず陽性です。研究用キットで陰性でも何らかの症状があったり、身に覚えのある人はPCR検査を受ければ良いと思います。私が最近多用している研究用検査キットは、一つ400円と安価で2分間しゃぶっていれば10分後には結果が出て非常に使い勝手がよい商品です。お急ぎの方は事務所まで取りに来て頂ければいつでもお渡しします。

 一刻も早く結果を知りたい方はネットで調べれば僅か13分で結果が判明するクリニックもあるようです。但し料金は4万円です。また平日ならば木下グループの郵送検査ならば2900円で検査が可能です。こちらは一応3時間で結果判明と言うことですのでお手軽だと思います。この金額だったら必ずしも結果が正確で無い1500円もする抗原検査キットよりお奨めです。




■旧統一教会と自民党■

 安部元総理の銃撃事件が政界に激震を招きました。犯人が旧統一教会(新名称は長たらしくてわかりにくいので旧統一教会で話を進めます)に対する恨みから安部元総理を襲撃したと発言したもので、世間の注目が一挙に旧統一教会と政治家との関係に集まってしまいました。今回の事件でもう忘れ去られていた旧統一教会が名称を変更して未だに我が国において活発に募金活動を行っていたことが明かになりました。今回の参議院選挙でも積極的に旧統一教会の支援を受けて当選した議員は取材に対して火消しに躍起になっています。

 安倍元総理に対する銃撃事件が卑劣な犯罪行為であることは疑う余地もありませんが、犯人が安倍元総理が旧統一教会と非常に関係が深い政治家だと考えたことにはある程度納得がいきます。特に犯人が問題としたと言われているのは安倍元総理が統一教会のイベントに送ったビデオメッセージで、この中で安倍元総理は「教祖の妻の韓鶴子総裁に敬意を表しますと」強く教団を持ち上げました。これが教団に対する被害者意識の強かった犯人の一層の怒りを買ったものと思われます。

 しかし旧統一教会ってまだ生きてたんですね。旧統一教会が最も有名になったのは1992年にソウルのオリンピックスタジアムで行われた合同結婚式です。1万組以上が同時に結婚式を挙げる様子がニュースでも報道されました。その時に参加していたのが新体操の山崎浩子や歌手の桜田淳子でした。この異常な結婚式後、統一教会は信者から多額の寄付を募って社会問題化しました。このころから「霊感商法」として信者から集めた額は何と35年間で1237億円と報じられています。

 そもそも旧統一教会が信者に対して多額の寄付を募る行為を行っているのは日本だけで地元の韓国ではこのようなことは行われていないことが驚きです。旧統一教会によると日本はエヴァ国家、韓国はアダム国家でエヴァは男性に尽くす立場であるのでエヴァ国家の日本はアダム国家の韓国に尽くすのは当たり前であるのでアダム国家の韓国では信者に日本のような寄進を求めていないということです。

 そして旧統一教会は霊感商法や寄付で集めたお金を我が国でロビー活動に使いました。教会と日本の政治との関わりは岸信介元総理の時代に始まり、安倍元総理に至るまで延々と続いて来ました。旧統一教会から支援を受けた国会議員は100人以上と言われていますが、その多くは自民党議員です。

 自民党の中でも特に旧統一教会との関係が深かったのは安倍元総理が率いていた清和会です。旧統一教会が2015年に現在の「世界平和統一家庭連合」への名称変更が認められた時の文部科学大臣も清和会の下村博文議員でした。宗教団体を所管する文科省の歴代大臣の殆どが清和会に所属していたことが、清和会と旧統一教会との関係を暗示しているのかも知れません。清和会の議員の中には旧統一教会の支援を受けたことを公言している議員も複数いますが、巷でカルト集団とされている団体の支援を受けていたことに関して今後は弁明に追われると思います。特に元国家公安委員長が何人も含まれていることも気になります。

 自民党は茂木幹事長が党として旧統一教会との組織的関係は無い、各議員と旧統一教会との関係については調査しないと発言して顰蹙を買っています。党として組織的関係が無ければ自党の議員がカルト集団とどれだけ深い関係を持っていても問題にしないという姿勢に驚かされます。今回のことで自民党がいかに国民意識と乖離している党であることが明らかになったと言えます。要するに当選するためなら何でもする、ということです。我関せずとしているのが岸田総理です。「旧統一教会と自民党議員の関係については各人が説明すべきだ」と一般論のようなことを言って積極的に調査する気はありません。と言っていたら内閣支持率が急激に低下していることを受けて突然内閣改造と閣僚候補と党役員の旧統一教会に関する身体検査を行うと言い出しました。支持率が下がらないと何も動かない困った総理大臣です。いきなり飛び込んで来た内閣改造ですが、興味を引くのは河野太郎氏のデジタル大臣ぐらいですね。注目すべきは文科大臣で、麻生派の永岡桂子氏となって清和会からは選ばれませんでした。岸田総理もなかなかやりますね。

 ところで直近の報道で、自民党の憲法改正草案と旧統一教会系の国際勝共連合の掲げる憲法改正草案に多くの一致点があることがわかりました。これは今後大問題になる可能性があります。「自民党と旧統一教会の間に組織的な関係は無い」と言っていた自民党幹部の発言が空しく聞こえて来ます。これは議員個人個人の関与とはかけ離れた関係であり大問題です。




■金価格■

 安全資産と思われていた金ですが、この1ヶ月で金のドル価格が乱高下しています。日本の価格は為替が絡むので上昇しているのか下落しているのかわかりにくいですが、ドル価格では一時2000ドル近くまで行ったものが僅か1ヶ月で1700ドル近くまで下落していました。改めて金価格について考えてみたいと思います。

 金価格の価格変動要因ですが、

①まず需給関係です。産出量が増加すれば価格は下がるし、工業用や宝飾品の需要が高まれば価格は上がります。

②次に為替相場と金利です。私達に関係があるのはドル円相場です。世界的には金価格はドルで表示されていますが、ドルに比べて円が安くなれば我が国では金価格は上昇します。金価格は円ベースでは現在1グラム8500円とかなりの高値水準にありますが、為替を見ると1年半前に比較して円はドルに対して3割以上円安です。もし1年半前の為替の状況ならば金は1グラム6500円ということになります。

 金は現物で金利がつきませんから金利が上昇すると買いが細り価格は下がります。

③金は有事の資産と言われるように、経済や政治の先行きが不安な時に買われる傾向があります。金融不安で株や債券が売られる時には金が買われます。また、政情不安、特に戦争が起きた時にも金が買われます。ちょっと変わった動きですが、中国でロックダウンが続き宝飾品の需要が落ち込んだことが最近の金価格の伸び悩みの原因だともいわれています。

 以上のような金価格の変動要因がありますが、基本的には金は現物資産ですからインフレになれば金価格も当然上昇します。円安予想も下火になって来ましたが、世界的には物価上昇が続くことは間違いありませんから財産の一部は金にしておくべきです。後生大事に円預金で財産を保有していた人はこの1年半で世界的には3割価値が目減りしてしまいました。今のところ日本で円安ヘッジをするには外貨預金か金で保有するしかありません。

 金の最も大きな特徴は現物があるということと金利がつかないということです。金は現物であるということで世界中の国が外貨準備資産として金を保有しています。世界で最も金を保有している国は米国で8100トンを保有していますが、これは米国の外貨準備高の75%にもなります。それからドイツ、イタリア、フランス、ロシア、中国と続きます。日本は世界8位で765トンを保有しています。長らく世界経済で第2位の規模であった日本が何故米国の10分の1しか金を保有していないのでしょうか?それは日本は金の代わりに米国債を買い続けていたからです。

 また日本の保有する金は米国ケンタッキー州のフォート・ノックス陸軍基地にあることになっています???本当に日本の金は現物で保管されているのか?ということがよく囁かれています。ドイツは2013年、自国が保有する金でニューヨーク連銀とフランス中央銀行に保管されいる金674トンを自国に輸送すると発表しましたが、実際にこれが実行されたかどうかは定かではありません。我が国も自国の保有する金なのですから自国で保管すれば良いと思うのですが「米国を信じられないのか?」と言われるのが怖くて言い出せなくています。せめて米国債を少しでも売却して金に換えて日本国内で保管してもらいたいものです。


 最後にですが、8月8日野田聖子氏の夫が元暴力団員との報道が最高裁で認められました。


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