■ロシアのウクライナ侵攻■

 ロシアのウクライナ侵攻が泥沼化してきました。侵攻が始まってから1ヶ月半が経過しますが、ロシアが想定していた短期間の終息どころか延々と戦闘が続く状態となりました。その間にウクライナの殆どの都市機能が麻痺するだけで無く多くの民間人が犠牲となりました。

 4月に入ってウクライナ軍が奪還したとするキーウ近郊の街におけるロシア軍による民間人の殺害が次々と明らかになって国際社会の非難を浴びています。しかもこの殺害の状況が極めて残虐で、急遽開催された国連の安全保障理事会のメンバーの怒りが増幅されました。安全保障理事会で発言したゼレンスキー大統領はロシア軍の残虐な行為を示す映像を公開しましたが、ロシアの国連大使は「ロシア軍は民間人を1人も殺していない」「全てウクライナ側のフェイクニュースだ」と主張し各国代表の怒りの火に油を注ぎました。

 しかしこの残虐行為に荷担したとするロシア軍兵士1500人のデータをウクライナ政府が公表したことには驚きです。氏名、階級、生年月日まで明らかにされています。ウクライナ側ではキーウ侵攻に関わったロシア軍兵士の名簿を入手していたということです。恐ろしい情報力ですね。今後リストアップされたロシア人は他国に入国することに制限が加えられると思います。と言うよりも全ロシア人が今回の残虐行為によって世界中から排斥されるのではないでしょうか?

 ところでロシアが戦闘に費やす金額については諸説様々です。最大1日2兆円という報道が幾つか見られますが、これはあり得ないと思います。ロシアの海外資産はおよそ70兆円で、今回の経済制裁によってその半分の35兆円が凍結されているとロシアの財務相がコメントしています。海外資産が70兆円の国が1日2兆円も戦費に費やせるわけがありません。侵攻当初の4日間で8000億円の戦費を費やしたと言われていますから、1日2000億円ぐらいではないでしょうか?それにしても1ヶ月で6兆円です。ロシアの2020年の軍事費は7兆円ですから、既に1年間の軍事費を使い果たしたことになります。戦線を南部、東部、北部と広げたために兵站の維持も莫大な金額になると思います。デフォルトが間近に迫るなか、ロシアがいつまで戦闘を継続出来るかも焦点となって来ました。

 しかし当面何とかしなくてはならないのは南東部マリウポリ市の惨状です。ロシア軍の包囲によって餓死者まで出ていると報道されています。未だに10万人の市民が残っているそうですが、ロシア軍は赤十字の救助活動まで妨害していて市民の安全の確保にはほど遠い状況です。市民の救済には一刻を争いますが、誰も手を出せずにいます。

・ロシアの思惑の破綻・

 首都キーウの制圧を諦めたロシア軍は戦線を南東部に集中し始めました。ロシアが勝手に承認したルガンスク州のルガンスク人民共和国とドネツク州のドネツク人民共和国をウクライナに認めさせることによって5月9日の対ナチスドイツ戦勝記念日に勝利宣言を行いたいと考えているようです。

 そこに大きな障害が立ちはだかりました。デフォルトです。米政府は4月4日期限のドル建てロシア国債の米国民間銀行を経由した支払いにストップを掛けました。これまでロシアのドルによる外貨準備高の内米当局保有分に関しては凍結されていましたが今回米国民間銀行保有分に対しても凍結措置をとったためにロシアは6億ドルのロシア国債の元本を償還することが出来ませんでした。この支払いに関しては30日間の猶予期間がありますが、その期日は5月9日の戦勝記念日の前に到来します。プーチン大統領がいかに戦時的勝利を宣言しても国家がデフォルトとなってしまっては勝利を祝うどころではありません。

 もしロシアがデフォルトということになるとロシアと他国の金融取引ばかりでなく経済取引の多くがストップします。外国からの商品の供給が止まり、自国製品の輸出もままならなくなります。物価は高騰し物不足が多発し、庶民の暮らしは困窮を極めると思います。そこに至って初めてロシア国民は自分達が置かれている状況を理解するようになるのだと思います。現在西側の制裁を最も強く感じているのはロシアのスポーツ選手です。先日のフィギュアスケートの世界選手権を始めあらゆる競技の国際大会から閉め出されています。当分国際大会でロシア選手の姿を見ることは無いでしょう。

 それにしても残虐行為以外でもロシアのやることは無茶苦茶です。ロシアの航空会社が運行している航空機は980機ですが、そのうち515機は外国企業からのリースです。経済制裁によって外国企業からこれらの航空機の返却を求められていますが、返す気は無いそうです。また、丸亀製麺やバーガーキングはロシアでの営業を停止しましたが、フランチャイズ企業は店名を少し変えただけで同様なメニューで営業を継続しているそうです。ロシア人には「契約を守る」という概念が無いようです。今後戦争が終わっても国際社会でロシア企業との取引を取りやめる企業が続出すると思います。今回の侵攻よってロシア社会は世界から長きに渡って信頼されない時代が続くと思います。




■誰が第6波は終わったと決めたのか?■

 世の中はいつの間にか第7波の議論になっていますが、いつ政府が第6波の収束宣言をしたのでしょうか?今回のまん延防止等重点措置が延長されない(解除と言いたくないようです。特に小池都知事は)時点での感染者数は第5波のピークの2倍です。これまでの基準では全く収束していない状態で6波を終わらせたことにしておいて、最近のちょっとしたリバウンドを「第7波の兆候」と言って危機感を煽っている厚労省と専門家の態度には納得出来ません。未だに第6波は続いていると考えるべきです。

 全国の感染者の累計は700万人に迫ろうとしています。東京でも130万人を超えています。尤も検査陽性率が高止まりしている状況での感染者数はサンプリングに過ぎませんから、実際の感染者数はこの数倍と考えられます。3回目のワクチン接種率が全体の45%に達しているのに毎日の感染者も連日4万人を超えていますし、今月に入って岩手、新潟、福島、長野、秋田、宮崎等の県が過去最多の感染者数を記録しています。全国的に感染が収まったとは到底言えない状況です。また高齢者の3回目のワクチン接種率が84%を超えようとしているのに未だに毎日50人近い人が亡くなっています。高齢者の1,2回目の接種率が92%ですから84%というと殆どの高齢者がワクチン接種済みという状況でもこれだけの死者が出るというのは3回目接種の効果に疑問を持たざるを得ません。

 現に3回目のワクチン接種率が6割を超えている韓国でも相変わらず連日20万人を超える感染者となり累計の感染者数も1500万人を超えました。まもなく国民の3割が感染したことになります。死者も連日の300人超えです。3回目のワクチン接種率が6割を超えているのに3月だけで国民の2割近い1000万人の人が感染したということをどう考えればよいのでしょうか?尤も、韓国では接種済みのワクチンの26%がアストロゼネカ製のワクチンです。これが多少は影響しているのかも知れませんがやはり感染者数が多すぎます、飲食店からの圧力で規制緩和を大々的に行った影響が大きいと思います。

 日本においては昨秋、2回目のワクチン接種率が7割を超えた時点から急激に感染者数が減少しましたが、世界的には3回目の接種を終えても明らかに感染者数が減少したとは言えません。ただ日本では感染者数の半分近くが20歳以下です。まだ17歳以下の3回目接種が始まっていないので感染者数が減らないのはしょうがないかも知れません。

 政府は3月21日にまん延防止等重点措置を解除というか延長しませんでしたが、数日前から延長されないことが報道されていたので3月19~21日の3連休は好天であったこともあり、全国的に大変多くの人出となりました。そして花見と卒業式、送別会と続いたので感染者数がリバウンドする結果となりました。まん延防止等重点措置が感染防止にそれほど効果があるようには思えませんが、いち早くまん延防止等重点措置が感染防止を解除した沖縄や広島は連日感染者が千人超えでリバウンドしたことが明らかです。沖縄県では毎日県民の0.1%が感染していることになります。やはり規制が解除されると人々の気が緩み感染防止対策を怠るようになるのではないかと思います。

 しかしまん延防止等重点措置が延長されなかったのに東京都では相変わらず濃厚接触者だからと言ってPCR検査を義務づけず「みなし陽性者」の取り扱いを続けていますし、陽性率も相変わらず30%近い日が続いており、まん延防止等重点措置を延長しないで済んでいるとは到底思えません。メディアや専門家は第7波の到来を警戒していますが、実はまだ第6波は全く終わっていないと思います。PCR検査に対して世界で最も抑制政策をとっている日本では感染者数の報告は全くあてになりません。

・今頃ですか?・

 最近新型コロナウィルスに関して驚くようなことが二つ公表されました。まず先月28日に感染研究の日本の総本山とでも言うべき国立感染研究所がこれまでと見解を一変し、空気中に漂う小さな粒子を吸い込んで感染する「エアロゾル感染」を感染経路の一つとして認めました。しかも発表されたコメントによると感染経路の一番目に「エアロゾル感染」が掲載されました。WHOは以前から主要な感染経路としてエアロゾル感染と飛沫感染を挙げていました。しかし国立感染研究はウィルスに関する多くの専門家から「エアロゾル感染は主要な感染経路の一つである」と指摘されて来たのに認めて来ませんでした。それが今回一転して認めましたが本当に情けない話です。政府も国民に対して「換気を十分に」と言い続けてきましたが国立感染研究所のこの見解に対しては野放しでした。新型コロナウィルスが日本で発見されて2年2ヶ月も経ってやっと主要な感染経路として認めるとはどういう感覚なのでしょか?もっとマスコミは国立感染研究所を叩いてもよいと思います。テレビに頻繁に登場する国立感染研究所の脇田所長は国民にお詫びするべきでしょうね。

 もう一つは厚労省のアドバイザリーボードが3月23日になってワクチンの最終接種日から発症までの日数を発表しました。それによると写真のように重症まで204日、死亡まで208日ということが発表されました。要するに最終接種日から7ヶ月も経過したらワクチンの重症化予防効果が無くなるということが明らかにされたのです。こんなことがわかっているのなら何故もっと早めに3回目のワクチン接種を始めなかったのでしょうか?何故「2回目接種から8ヶ月経過後」に拘ったのでしょうか?こんなことがわかっていたのなら2回目のワクチン接種から6ヶ月半後(ワクチンの効果が出るのに2週間かかると想定して)には3回目のワクチン接種を開始していなければなりませんでした。第6波で亡くなった高齢者については厚労省による人災ですね。


 一方、3回目のワクチン接種率が5割にもなっていないのに政府が4回目接種の準備を始めました。早ければ5月から医療従事者向けに始まるようです。ただ4回目の接種の効果については諸外国でも症例が少なく、多くの国が先行して4回目の接種を行っているイスラエルのデータを参考にしているという状況です。それによると4回目の接種では3回目の接種ほどの効果が得られていないこと、そして前回の接種との間隔が短いほど期待した効果が得られないことが報告されています。これらの報告を見ると徒に4回目の接種を急ぐ必要は無いように感じます。3回目の接種の出遅れを責められた岸田政権では二の轍を踏まないように早めの準備を進めていますが、それよりも3回目の接種のスピードを上げる方が遥かに重要だと思います。

 ところで嫌われ者のアストロゼネカのワクチンが大量に廃棄されることになりそうです。接種の効果がファイザーやモデルナのワクチンに比べて7割ほどしか無く、接種開始直後に欧米で血栓症の副反応が報告されたために我が国では希望する人が殆どありませんでした。

 購入契約した1億2千万回分の内半分の6千万回が有効期限切れで廃棄されるようです。当初はワクチンが不足していた台湾や東南アジア、タジキスタン等に4300万回を供与したそうですが、その後めっきり音沙汰がありませんでした。今回、このニュースを聞いて「本当に国内で1700万回も接種したの?」と感じたので調べてみたら国内では僅か11万回しか接種実績がないそうです。今回期限切れで6千万回分を廃棄するとすると残りの1681万回分はどこに行ったのでしょうか?まあ、当初は各社のワクチンのデータが少なかったのでこのような無駄な支出となったのはしょうがないことかも知れませんが、第2のアベノマスクになってしまいましたね。しかし幾らなんでも1億2千万人の国民に対して2兆3千億円もかけて8億8千万回分も購入するとは驚きです。それでも11月の3回目の接種には間に合わなかったのですから間抜けな話です。




■徒然思うこと■

・日銀が招いた円安・

 日銀の黒田総裁は本当に中央銀行の役割を理解しているのでしょうか?ここ1ヶ月で急激に円安が進みました。主たる原因は米国のテーパリング(量的緩和策の縮小のためのFRBによる債券の買い入れの減少)と金利上昇ですが、単なるそれだけの問題ではありません。今回の円安は3月29日から日銀が「指し値オペ」と呼ばれる利回りを指定して無制限に国債を買い入れる措置を行ったことが巻き起こした円安です。自分で円安を誘導しておいて黒田総裁はこのような状況にあっても「為替の変動はやや急だが、円安は経済にプラスになっていると思う」などとお気楽な発言をしています。

 最近は米ドルに対してだけでなくあらゆる通貨に対して円安となっています。全世界的に「円が弱い」状況です。基本的に我が国の超低金利が招いた円安ですが、最近の円安はそれに加えて日銀の金利政策と我が国経済の弱体化が原因と考えられます。只でさえ資源高のところに円安となれば我が国の経済に与える影響も大です。

 日銀総裁を何とかして交代させないと円安が止められないと思います。日銀総裁が代わらずに今後円高に反転することがあるとすれば以前のように米国が自国の産業保護のために我が国に円高を求めてくる時だけだと思います。為替介入という言葉が懐かしいですね。

・ギックリ首・

 生まれて初めて「ギックリ首」というものになってしまいました。寝違えて首が回らなくなるということは何度も経験していますが、日中いきなり首が痛くて回らなくなるという経験は初めてです。様々な原因が考えられるようですが、天気が大変酷かった日に一日中自宅でスマホと睨めっこをしていたのが悪かったのかも知れません。精神的にも肉体的にもスマホを長時間見続けることはデメリットが多く出来るだけ控えた方が良さそうです。

 今回を機に私は新刊書物については出来るだけ電子書籍ではなく現物の本で読むことにしました。確かに電子書籍は膨大な数の本を持ち歩くことが出来て、ちょっとした時間にでも読むことが出来ます。まさにネット時代の申し子のような商品ですが常に下を向いた状態で読むことになり俗に言う「スマホ首」を引き起こします。

 スマホを1日2時間以上使うと鬱病のリスクを高め、5時間以上使うと自殺のリスクを高めるという極端な報告書もあります。そういう意味でスマホのゲームに嵌まっている人は最悪です。また、食事中や会話中にスマホを見ることは相手に対して失礼ですから気をつけましょう。スマホは最低限必要な時だけ使うというスタイルに近づけて行こうと思います。

・ローリングストック・

 ギックリ首で安静にしていた3日間で防災食の整備を行いました。最近日本各地で地震が頻発しています。そこで改めて防災食品をチェックしてみましたが、かなりの量の消費期限切れが出て来ました。やはり災害時しか食べないような物は時の経過と共に廃棄する羽目になってしまいます。

 レトルト製品はまだしも災害専用食とでも言うべきアルファ米や乾パンは結局無駄になってしまいます。極端な話、レトルトのご飯は必要ありません。カセットコンロと鍋さえあれば真空パックの無洗米とふりかけだけで最低限生き延びて行くことが出来ます。

 後はおかずについては時々現に食べている物を賞味期限順に並べておけば良いと思います。「ローリングストック」と言うと大変そうですが、日頃食べ慣れた物で消費期限の長めな物を2週間分ぐらい棚の中にきちんと整理して保存しておけば良いと思います。

 それよりは飲料水の方がよほど重要です。尤も必要な水と言っても全て飲料水である必要はありませんから風呂桶に常に水を張っておけば飲料水としては必要量の半分で済むと思います。但し小さなお子さんのいる家庭では水の事故が心配で風呂桶に常時水を張っておくということは出来ませんから一生懸命ペットボトルの水を買いだめして下さい。

・さくら通りの桜・

 事務所の前の通りの名称は「さくら通り」で入居しているビルは「日本橋さくらビル」です。新事務所で迎える初めての桜の季節は期待に違わないものでした。私のデスクの横の窓を開ければ目の前が桜の木です。手が届きそうな場所で桜が満開になります。通りでは多くの人々が写真を撮っています。下の写真は私のデスク横の窓から撮ったさくら通りの写真です。最後の写真の2階の1ヶ所だけブラインドが開いている窓の中が私のデスクです。





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