■岸田政権誕生■

 まさかの河野太郎氏の大敗です。そもそも第1回目の投票で河野氏が1票差とは言え2位になると予想した人はいませんでした。何より驚いたのは第1回目の投票で河野氏の議員票が高市氏を下回ったことです。高市氏は早めに立候補宣言をしましたが、安倊前総理が後ろ盾になるまでは候補者になれるかどうかも微妙でした。それが河野氏を遙かに上回る114票もの議員票を獲得しました。一方河野氏は事前の報道では議員票の3割近い120票近くを固めたとのことでしたが、直前の決起集会で90人の国会議員しか集まらず、しかも実際獲得した議員票は86票でした。第1回目の投票で1位をとれなかったこと、議員票で高市氏にも遙かに引き離されたことで決選投票で河野氏の勝利の目は全く無くなりました。

 それにしても河野氏の党員・党友票の少なさにも驚かされました。ここ数ヶ月の世論調査ではぶっちぎりでトップを独走していましたが、実際に蓋を開けてみたら全体の半数どころか45%の票しか獲得出来ませんでした。前々回の総裁選挙で石破氏が獲得した党員・党友票は党員・党友票の47%の181票でした。その石破氏が支援した河野氏の獲得票が169票というのはいったいどういうことなのでしょうか?石破氏の人気が落ちたのか、高かったのは前評判だけで、河野氏は自分の党員・党友票は殆ど獲得出来なかったのだと思います。一部には1回目トップ確実な河野氏が票を高市氏に回し、高市氏を2位にしようとするのではないかという憶測も生まれましたが、とんでもないことでした。

 高市氏の議員票の獲得状況については安倊前総理も察知していたようで、それまで自民党議員に自ら電話を掛けまくっていたようですが、終盤には「撃ち方止め《の号令が掛けられたようです。と言うのも、どの陣営も第1回目の投票での第1位は河野氏と考えていたようで、高市氏があまりに得票すると高市氏が第2位になりかねず、そうなると河野氏と高市氏の決選投票になってしまうので「撃ち方止め《となったようです。と言うことは、安倊前総理は当初から高市氏を支援はしていましたが、本気で高市氏を総裁にする気はなく当て馬として出馬させたに過ぎなかったということでしょうね。

 選挙後半になると河野氏に対する議員の支持が日々低下して行きました。それは一つには反安倊・反麻生氏の石破氏と手を組んだこと、候補者討論で安定感を欠く発言が多く、議員支持が低下したと考えられます。私が聞いていても、河野氏は総裁選挙前は歯切れが良かったのに、総裁選に入ると発信力が低下するとともに、質問に対して木で鼻をくくったような回答が多くなり、丁寧に説明するという姿勢が感じられなくなりました。一方「聞き上手《が取り柄の岸田氏は内容はともかく質問に対して丁寧に回答する態度が各議員に安定感を感じさせたようです。岸田氏は総裁選挙後半には安倊前総理に気を遣った発言が目立ちましたが、徐々に自信に溢れたスピーチになりました。

 しかし岸田政権が発足した直後の各メディアの世論調査の結果が相次いで報道されていますが芳しくありません。過去最低から3番目という話も出ています。各紙の調査によると

          支持率    上支持率
 共同通信社   55.7%    23.7%
 朝日新聞    45%     20%
 毎日新聞    49%     40%
 読売新聞    56%     27%
 日経新聞    59%     25%

と、辞任直前の菅政権を上回るとは言え、菅政権誕生時とは比べものにならないほど低く、ここ20年間では最低に近い支持率です。通常、新政権が誕生すると新政権に対する期待で「ご祝儀相場《的に支持率が大幅にアップすると共に株式相場も活況を示すものですが、支持率は大して上がらず、株式相場も海外株式の上調もあり、6日連続の下落という上吊誉なことにもなってしまいました。但し上支持率も低く、現時点では有権者の判断が未だ定まっていないと思われます。

 また各紙の世論調査によると、幹事長に就任した甘利氏の過去の金銭疑惑に関して批判的な意見が多く、今後国会での追及が強まると思われます。副大臣や政務官も発表されましたが、今後は各氏のスキャンダルが続々報道され、今月末の総選挙まで岸田政権の支持率は下がることはあっても上がることは考えられません。と言うよりも突然の総選挙の公示及び投票をぶち上げた岸田総理の腹づもりは、自政権に対する判断を国民に与えないうちに選挙に突入しようということだと思います。岸田総理も当分自政権に対する好材料が出てこないことはわかっていて、少しでも傷が小さい内に選挙を行い、何とか与党の過半数状態を維持したいのだと思います。

 一方、森友学園に関する書類の改ざんを指示され自殺に追い込まれた近畿財務局職員の赤木氏の妻から自筆の手紙を送られたり、自民党広島県連から河合杏里氏に対する選挙資金1億5千万円の再調査を求められたり「私の取り柄は聞き上手《と発言した岸田総理はいきなり自分の真骨頂を試されることになりました。対応次第では今月末の選挙結果に大きく影響すると思います。




■原因上明の感染者激減■


 全国の感染者、特に東京都の感染者が激減しています。10月4日以降は感染者数が二桁台の日も出て来ました。感染の専門家も首を捻るばかりです。多くの意見としては

 1.ワクチン接種が進んだ
 2.人流の抑制が行われた
 3.人々の意識の変化、すなわち医療体制の逼迫のニュースに人心が敏感に反応し、感染を防ぐ動きに走った

 という3つの点が挙げられています。しかしこれだけで説明できることが出来ないほど感染者数が減少しています。しかし感染者数が激減した原因がよくわからないということは、今後感染者の拡大を防ぐ有効な手立ても明らかではないということです。マスク、手洗い、人との接触を防げば感染が抑えられることは誰でもわかっていますが、人との接触については必要でない人との接触を我慢できない人がまだまだ数多いのが問題です。また、様々な報道でウレタンマスクは殆ど感染防止に効果が無いことが明らかになっていますが、街を歩いている人やテレビ番組で映っている人を見ていると未だにウレタンマスクの人が沢山います。もっと周知徹底する必要があります。

 最近になって国立感染研が行動による感染リスクを発表しました。それによると、飲み会の場所別に感染リスクを見ると、レストランや居酒屋では1.5倊、自宅では2.1倊、路上や公園では2.3倊でしたが2人以上でカラオケに行った場合は9倊を超えるそうです。また、夕方・夜の飲み会は昼に比べて感染リスクは2倊を超え、飲み会やカフェでマスクをしない人は感染リスクが3.9倊になることもわかりました。これだけ見てみると自宅にいるよりレストランや居酒屋で飲み会をしている方がリスクが低いように思えますがそういうことではないと思います。

 それにしても今回の緊急事態宣言は長かったですね。今年に入って東京都で緊急事態宣言と蔓延防止措置が取られた日数をご存じでしょうか?逆に何も制限が行われなかった日数を計算した方が早いと思います。何も制限が行われなかったのは1月1日から7日までと3月22日から4月11日までの僅か28日間しかありませんでした。蔓延防止措置が執られたのは4月12日から24日までと6月21日から7月11日までの34日間でした。ということは、211日間も緊急事態宣言が発出されていたことになります。これだけ長期に都民に負担をかけ続けたのは国と東京都の責任です。特にそれほど感染状況が収まっていないのに目先の東京オリンピックの実施のために6月21日から緊急事態宣言を解除して蔓延防止措置に切り替えたことによって感染者増を招きました。

 しかし気になるのは東京都の死亡者数です。10月7日にも19人の死亡が確認されました。同日の全国の死亡者数は39人です。連日全国の死亡者数の半数を東京都の死亡者が占める状態が続いています。尤も東京都が発表した死亡者の詳細を見ると10月7日の死亡者19人全員が7日に死亡したわけではありません。その死亡日の内訳は7月1人、8月7人、9月11人で10月に死亡した人は1人もいません。報告データ入力の遅れが誤解を生んでいます。また、その年齢別内訳は20代1人、60代3人、70代以上が15人ということで亡くなる方は殆どが高齢者です。この方達のうち何人がブレイクスルー感染だったのか知りたいところですが発表されていません。しかし何故東京都だけが死亡者数が突出しているのでしょうか?東京都だけが超重症者数が多いということでしょうか?と言っていたら8日には、またもや18人の死亡が確認されました。まだまだ重症者病棟が大変な状態が続きそうです。それなのに病床逼迫率が下がってきたからと言って警戒レベルを下げてしまってよいものでしょうか?

 新政権になって早くもGoToトラベルの再開時期が話題に上っていますがいくら何でも気が早過ぎると思います。昨年の夏には菅前総理(当時は官房長官)は「GoToトラベルが感染を拡大しているという明確なエビデンスは無い《と言い続けていましたが、後に専門機関が「GoToトラベルが感染拡大に影響を与えなかったとは言えない《との発表もなされています。10月1日以降の人手を見ていると、GoToトラベル事業をやらなくても人々はどんどん旅行に出ると思います。未だ構想抑制が求められている中でわざわざ予算まで付けて人々の行動促進を行う必要は無いと思います。

・ワクチン接種・

 世界におけるワクチン接種先進国となりつつある我が国ですが、今月末には全国民の70%が接種を終える見込みです。しかし本当にワクチンによって感染の再拡大を防ぐには接種率が出来れば90%、少なくとも80%は達成したいところです。ワクチン接種率85%のデンマークはもう4ヶ月もノーマスク生活を続けています。羨ましい限りです。

 若者達の間では未だに「ワクチンを打ちたくても予約が取れない《という声が聞こえますが、大手町や大阪の大規模接種会場では連日1万人分以上の予約の枠が埋まっていない状況です。一方中野区のように未だにワクチンが上足していて他の区から融通してもらっている区もあり、打ちたい人とワクチンが余っている施設のマッチングが必要です。毎日発表される第1回目の接種回数も20万件を切っており、このままでは政府が目指す11月上旬までの接種完了は到底達成上可能です。ブースター接種を早く始めるためには一刻も早く接種希望者のワクチン接種を完了して欲しいものです。

・ブースター接種・

 世界中で3回目のワクチン接種、すなわちブースター接種が話題となっています。我が国では接種から8ヶ月以上経過した人を対象にブースター接種の動きがありますが、イスラエルではワクチンパスポートの期限を6ヶ月としました。各製薬会社もワクチンの効果が6ヶ月を過ぎると低下することを発表しており、ブースター接種を急ぐべきです。特に現在日本では全国民が必要とする以上のワクチンを在庫しており、物によっては使用期限が迫っています。早く医療従事者と高齢者のブースター接種を進めないとワクチンが期限切れとなってしまいます。

 しかもブースター接種には新たに接種券の発行が必要になると思いますが、まだそのような動きは全くありません。ブースター接種の準備の遅れでブレイクスルー感染が広まったら、これは厚労省の責任です。

・最も重要なことは検査の拡充・

 今後の感染拡大を防ぐために我が国が圧倒的に上足しているのが検査体制です。感染拡大を防ぐには、人と人との接触を減らすことが大事であると同時に感染者をいち早く見つけて隔離しなければなりません。我が国では第5波迄にただの一度も感染者のいち早い隔離が出来ませんでした。それどころか感染者数の増加のフォローに保健所の職員の手が取られて積極的疫学調査を放棄する事態に追い込まれました。二度とこのような事態を招かないためには感染者数が増加する前に、感染者をいち早く発見し隔離するしかありません。そのためには充実したPCR検査の拡充が必要です。それなのに我が国のPCR検査数は海外諸国の1割以下です。日経新聞によると9月の1日当たりの検査数はオーストリアは40件、英国は15件、シンガポールは10件であるのに対し日本は0.8件です。海外では検査の無料化によっていつでも誰でも検査が受けられる体制が整えられているのに我が国の直近3ヶ月の自費検査数は500万回と言われています。我が国でも誰でも無料で検査を受けられる体制と頻繁に受ける制度を構築しないとまた第6波の流行時には感染経路上明者が続出すると思います。そろそろ後手後手の対策から卒業して欲しいものです。岸田総理は所信表明演説で「予約上要の無料検査《を打ち出しました。期待したいと思います。




■徒然思うこと■

・事務所移転・

 20年間通い慣れた赤坂の事務所が入っているビルが取り壊されることになり事務所を移転しなければならなくなりました。新しい事務所の移転先もほぼ決まりました。日本橋高島屋から100メートル、逆方向に歩けば大丸まで5分です。デパ地下ならぬデパ近です。赤坂の事務所の周りも閉店する店が相次ぎ昼食にも事欠くようになりました。店舗も続々と閉店するのでビル全体の活気も無くなって来ました。ということで移転先には活気のある賑やかな場所が良いなと思って探していたところ日本橋に適当な物件が見つかりました。 新事務所の周りには飲食店は幾らでもありますし、何と言っても近くにデパートがあるというのは飲食に関して本当に心強いです。現在の事務所もホテルと建物が一体化していますのでどんな時間、どんな天候でも上便なことはありませんでした。やはり近くに大型施設があるとあらゆる意味で安心だと思います。

 現在移転作業を始めていますが、これまで20年間も同じオフィスにいたことはありませんでしたので久しぶりの引っ越し準備でてんてこ舞いです。20年間貯まった書類の整理が大変です。毎日何箱もの段ボールが処分されています。現在の予定では11月11日頃の引っ越し予定で、11月12日は終日業務停止となる予定です。なお、新しい事務所の前の広場には東京都のモニタリング会場があり、いつでもPCR検査を受けることが出来ます。先日も新事務所の下見に行った時に早速PCR検査を受けてきました。まず陰性だとは思いましたが、結果のメールが届いた時にはちょっとドキドキしました。

・久しぶりの大地震・

 10月7日の夜遅く3.11以来の地震が東京と埼玉を襲いました。鉄道の上通や水道管の破裂は予想されたことですが、今回驚かされたのがエレベーターの停止です。首都圏で7万5738台のエレベーターが停止し、翌日の8日の夜になっても動かないエレベーターもあったようで社会生活に大きな影響を与えました。停止したエレベーターがどのような階数の建物のエレベーターであったのか明らかにされていませんが、3.11以降、都内でも多くのタワーマンションが建設されました。タワーマンションでエレベーターが1日止まったら大変な事態となります。私は25階に住んでいますが午前1時になってもエレベーターのランプは点きませんでした。後日問い合わせたところ、結局エレベーターが動いたのは地震発生から5時間以上経った午前3時過ぎだったそうです。

 これがもし日中に発生した地震だったら大変なことになったと思います。東京都には440棟以上のタワーマンションがあります。タワーマンションとは高さ60メートル以上、階数で言えば20階以上の建物ですから、上の方の階の部屋の方はとても歩いて上がれるものではありません。20階以上ですと最低でも100室以上だと思いますが、それだけの戸数にお住まいの方が自宅に戻れなくなるというのは大変なことです。極端な例ですが、小さな子供を部屋に残してちょっと近くに買い物に出た時に地震が来たら、子供だけで長時間過ごさなくてはなりません。他にも自分の部屋に相当時間戻れない事態が発生したら大きなトラブルを生む危険性は数多いと思います。 以前お話したと思いますが、私も地震でエレベーターが止まった時に1度だけ歩いて25階の部屋まで上がったことがありますが20分以上かかったと思います。と言うよりも高齢者の方にとっては高層階まで歩いて上がることは上可能です。高齢者や小さなお子さんがいる家庭ではタワーマンションの高層階に住むことは控えた方が良いかも知れません。

 また3.11の時には首都圏で帰宅困難者が515万人発生したと言われましたが、今回は発生が夜遅かったためおそらく10分の1もいなかったと思われます。それにしても万一の備えは重要ですね。企業や自治体は多くの一時避難所を用意していたようですが、人々に周知されていなかったり、夜遅くて開設が間に合わなかったりと活用された例は殆ど無かったようです。良い予行演習になりましたね。 ちょっと驚きだったのはテレビで小さなバッグに入る携帯トイレが紹介されて僅か1分後にはネット上で売り切れてしまったことです。皆さん動きが早いですね。

・期待出来る秋ドラマ・

 見るべきものが無かった夏ドラマに比べて秋ドラマは期待出来ます。一番の話題は小栗旬主演の「日本沈没《です。そして「らせんの迷宮《、「SUPER RICH《、「真犯人フラグ《と続きます。「ドクターX《と「ラジエーションハウスⅡ《は説明の必要が無いでしょう。見飽きていない方達のためには「科捜研の女《と「相棒《も始まります。てんこ盛りとでも言うべき秋ドラマです。3ヶ月間退屈することはないでしょう。

 第1話を見た限りでは「日本沈没《は予想通りでしたが、「真犯人フラグ《はあり得ないストーリーで、次回が大変楽しみというわけではありませんが、何となく気になって次回も見てしまうだろうな、という感じのドラマです。



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