■新総裁は誰か?■

 菅総理の突然の総裁選不出馬宣言で自民党が大混乱に陥っています。前日の2日には二階幹事長に出馬の挨拶をしたと報じられていたのにビックリです。もしかしたら小泉進次郎氏の官房長官就任というビッグニュースが聞けたかも知れませんがあっという間に霧散霧消です。やはり菅総理は相当追い詰められていたようですね。

 総裁選の行方ですが、いち早く先月に出馬表明を行った岸田前総務会長ですが、菅総理の突然の不出馬宣言でシナリオが全く狂ってしまいました。菅総理の政策との対比を中心として政策発表を行いましたが、突然目の前の敵が消えて代わりに安倍前総理の支援を受けた高市元総務大臣と河野太郎行政改革担当大臣が競争相手として登場し、全面的な台本の書き換えが必要になりました。安倍前総理との関係を維持するために幾つもの軌道修正を行いました。森友問題に関して「国民に十分説明必要がある」とあたかも再調査を行うかのような発言を行い安部前総理の逆鱗に触れ、慌てて「再調査は行わない」発言修正に追われました。森友問題に関する岸田氏の発言が安部前総理の高市氏支持に繋がったのかどうかはわかりませんが、その後も岸田氏はアベノミクスの継承のような政策に軌道修正を図り決選投票における安部支持に期待を示しました。岸田氏は中学の5年後輩なので期待はしていたのですが、時の経過とともに発言力が弱まっています。

 そこで総裁選挙ですが、河野氏がどれだけの党員票を獲得出来るかどうかがポイントです。国会議員票383票と党員・党友票383票のうち1回目の投票で候補者の誰かが過半数を取れば新総裁が決まります。1回目で過半数を獲得する候補者がいなかった場合には2回目の投票では議員票383票と都道府県連票47票の合計430票の過半数で決します。

 これまで今回ほど派閥単位の候補者支援が行われなかったことはありません。各派の総会でもそれぞれが支援する候補を明らかにする議員が続々と出てきています。初めてのガチンコ勝負です。もし2回目の投票になった場合にはベテラン議員の支持を集める穏健な岸田氏が有利な気がします。おそらく高市氏支持の票も岸田氏に回ると思います。河野氏としては何としても1回目の投票で決着をつけたいと思っているはずです。

 様々な観点から注目を集める石破氏ですが、このメッセージを書いている段階では未だに態度をはっきりさせていません。いつまでも態度を決めないと優柔不断さが際立ってきて決して有利には働かないと思います。もし石破氏が河野氏を支持すれば多くの党員票が河野氏に回ると思いますが、表だって両氏が手を組むとせっかく麻生派の候補として認められた河野氏の麻生派票が減る恐れがあります。河野氏にとっては痛し痒しです。石破氏と手を組むのではなく、石破氏の支持を受けるだけにしておくというのが賢い選択だと思います。しかし何故石破氏が長期に渡りこれだけの人気、特に高齢者の人気を維持しているのか私には理解出来ません。あのネットリとした話し方に私は馴染めません。

 それともう一人、自民党内では存在感はありませんが、世間では注目を集めているのが小泉進次郎環境大臣です。彼が誰を応援したからといって議員票は期待出来ませんが、党員票にはかなり影響を与えるかも知れません。小泉氏がはっきり河野氏支持を打ち出せばこれもまた面白い話です。

・菅総理の実績・

 誰も菅総理の実績を誉めませんが、私は菅総理の実績として認められることが二つあると思います。その第一は携帯電話料金の値下げです。菅総理の「携帯電話料金を4割下げる」の号令下で大手キャリアはサブブランドではなくキャリアブランドとして20G月額3000円以下のプランを発売しました。もちろんキャリアメールが使えない等の主たるプランとの差は存在しますが、これまで毎月1万円近い携帯電話料金を支払っていた人が続々と低料金プランに乗り換えています。日本の携帯料金のレベルは世界の先進6都市で最も高額でした。しかし現在はロンドンに次ぐ2番目の安さでニューヨークの2.5分の1です。これは菅総理の功績以外の何物でもありません。尤もそのおかげで携帯各社の業績が悪化し、5Gに関して世界に後れを取るのではないかと言う声も出てきています。

 もう一つは何と言ってもワクチン接種です。菅総理が「1日100万回の接種」を打ち出した時には誰もそれが現実のものになるとは思いませんでした。しかしいざ始まってみると一時はワクチンが足りなくなるほど接種が進み、ピークには1日150万回近い接種が行われた日もありました。また職域接種を始めたことで若い人達でも接種の機会が飛躍的に増えました。春頃には若者たちは「どうせ僕らが接種出来るのは来年になってからだろう」という諦めムードでしたが最近では若者の接種も進み本当に菅総理のいう11月の上旬には殆どの希望者のワクチン接種が完了するかも知れません。

 これまで「質問に対してきちんと答えない」という指摘を受け続けてきた菅総理ですが、文藝春秋10月号で「正面からお答えします」というタイトルでかなり本音を語っています。8月末の収録なので今月に入っての大きな動きには触れていませんが、「私はもともと能弁でない」「弁舌よりも結果だ」「結果を残せばわかってもらえるという政治姿勢で来た」と本音を話しています。尤も「しかし正直な話をすれば総理の立場になったのでそうしたら国民に言葉が届くのか、もう一度一からやり直さないといけないと感じている」とも話していましたが、僅か数日後にやり直す暇もなく辞任を発表するかたちとなってしまいました。その他かなり本音の部分が語られているので興味のある方は読まれると面白いと思います。

 菅総理辞任の報を受けても野党の支持率は全く上がりません。それどころか菅総理よりましな総理の登場を期待して自民党の支持率が上がって立憲民主党の支持率が逆に下がることも考えられます。立憲民主党は主要メンバーを総取り替えしないと駄目だと思います。立憲民主党の支持者でも今の立憲民主党に政権を任せたいという人は殆どいないと思います。




■収束が見えない新型コロナウィルス■


 新型コロナウィルスに関して最近心配なことが3つあります。

1.いくらワクチン接種が進んでも集団免疫は獲得出来ない

 これまで7割ぐらいの人がワクチン接種を完了すれば集団免疫を獲得出来るのではないかと言われていました。しかし今月3日に政府の分科会が出した提言では「全ての希望者がワクチン接種を終えたとしても、社会全体が守られるという意味での集団免疫の獲得は困難」という文言が記されました。これまで年末になれば依然と同じような生活が取り戻せると考えていた人たちにとっては愕然とする話です。何をどうすればコロナ前の生活に戻ることが出来るのでしょう?政府の分科会メンバーの中には今後数年コロナとの共存が必要になると思うと発言している人もいます。今後もマスク生活かと思うと離島にでも住みたくなります。

2.ブレイクスルー感染

 最近名古屋の河村たかし市長のようにワクチン接種済み者が感染する「ブレイクスルー感染」例が頻繁に報告されています。各地の医療施設でもブレイクスルー感染が報告されています。海外ではもっと顕著で、特に米国では大型クラスターが発生した場合に、感染者の半数以上がワクチン接種済みであったことも報告されています。イスラエルでも接種済み者が6割を超えているのに感染者が再び増加し始め3回目のワクチン接種が始まりました。

 ワクチン接種率8割のシンガポールでは新規感染者数が1年ぶりの高水準となりました。また最近1か月の感染者の76%が接種済み者だったというデータも発表されています。

 ブレイクスルー感染の原因としては時の経過とともに抗体量が減少して感染しやすくなったことと、従来株に対するワクチンの効果が変異型では減少しているということの二つが考えられます。時の経過による抗体量の減少は想定内のことで、これについては追加接種をすれば済むことですが、ワクチンの効果を減少させる変異型の出現は、新たなワクチンの開発を待たねばなりません。ワクチンとウィルスの追っかけっこです。

 抗体量の減少についてもイスラエル保健省の発表ではワクチン接種後3ヶ月の感染予防率が75%だったものが、6ヶ月後には何と16%にまで低下するとのことです。但し米国ではファイザーのワクチンに関して84%抗体量が減少しても一定の効果はあるという研究発表がなされています。

  そこで私も心配になって自分の抗体量を量ってみました。そうしたら大変驚くべき結果となりました。何と接種から僅か3ヶ月で抗体量が10分の1近くまで減少していたのです。私としては俄にブースター接種の必要性を感じるようになりましたが、まだワクチン接種が完了していない人もいるのに私だけが3回目のワクチン接種をすることはモラル的に許されないので11月下旬になったら具体的に考えてみようと思っています。

3.中和抗体が効かない変異株の出現

 これは上記の2ともかぶる話ですが、最近話題になりつつあるミュー株ですが、東大の医科学研究所の研究ではミュー株に対しては現在のワクチンでは中和抗体が殆ど機能しないあるいは7分の1程度に低下することが明らかになりました。南米では感染の多くを占めるミュー株ですが、今のところミュー株に対応するワクチンが開発されたとの話は聞きません。多少の効果減少ならしょうがないとも思いますが、新たな変異株には殆ど効かないと言われると不安が募ります。しかもこうやっている間にも新たな変異株が出現し、さらにワクチンの効果を引き下げるかも知れません。結局変異株とワクチンの戦いが続く限り私達はマスクを外すことは出来ないのかも知れません。

・最近の感染の特徴・

 最近の感染者のデータを見ていると9割もの人が接種を終えている高齢者の割合が5%近くあるのが気になります。東京都をとってみても、65歳以上の高齢者の85%が2回目の接種を完了しているのに連日100人を超える高齢者が感染しています。巷ではワクチン接種を完了した高齢者が夜の街に繰り出しているという話も出ています。安心して夜の街に出かけさせるために優先接種させたわけではありません。各自の自覚が必要ですね。

 また東京都ではこれまでに2人のワクチン接種済みの人が亡くなっています。これまでワクチンの効果が時の経過とともに低下してくることが指摘されていましたが、それは主として感染予防効果の低下であって重症化予防率は時が経過してもそれほど低下しないという話でした。それが最近のようにワクチン接種済みの人の死亡が全国で報告されるようになると3回目の接種を急がなくてはならなくなります。今後東京都や政府の感染者数や死者の発表に関してはワクチン接種済みの人と未接種の人と分けて発表してもらいたいと思います。

・インドやインドネシアより酷い感染状況の日本・

 一時は1日の感染者数が40万人を超えたインドでは最近では1日の感染者が4万人程度に減少しています。また7月には連日感染者数が5万人を超えていたインドネシアも最近では1万人を切っていて日本より少ないぐらいです。街中で酸素ボンベを探し回る人々の姿を見て当時唖然としましたが、あの酷い感染状況がなぜこれほど収まったのか不思議でなりません。両国ともワクチン接種率は10%程度です。わが国よりも感染防止対策が進んだとは考えられません。一つ考えられるのは、ひょっとしたら多くの人が感染して集団免疫を獲得したのかも知れません。それ以外に感染者数が減少する理由が見つかりません。それにしても我が国の感染者数を見ているととても先進国とは思えなくなります。日本国民の感染防止に対するモラルの低下は酷すぎると思います。

 このような状況の中で、政府がこの秋にも行動制限を緩和する方針を打ち出しました。ワクチン接種済みを条件にするようですがあまりにも拙速だと思います。何より驚くのは緊急事態宣言を延長する話をしている中で行動制限緩和の話が出てきたことです。こんなことを言っているから緊急事態宣言が舐められるんですね。そう言っている間に変異型に対するワクチンの効果が認めらなくなったらどうする気でしょう?感染対策は後手後手なのに緩和策については完全に勇み足ですね。きっとGoToやりたくてしょうがないんでしょう。




■何とか大事にならずに終了したオリパラ■

 特に大きなクラスターも発生せずにオリンピックとパラリンピックが終了しました。オリンピック参加人数1万1千人、パラリンピック参加人数4400人、よくこれだけの人数の選手が参加したにも関わらず大規模なクラスターが発生しなかったと思います。大会関係者の感染は数多く報告されましたが、殆どは競技に関係の無い下請け業者の従業員の感染が多かったようです。

 そういう意味では選手たちは本当に感染対策を完璧に行ったということです。感染の酷い地域から来日した選手たちも多かったはずですが、選手の感染は殆どありませんでした。毎日のようにPCR検査が行われたようですが、検査をすれば感染の拡大は防ぐことが出来るかも知れませんが感染自体を防ぐことは出来ません。選手全員が本当に感染防止の努力をしたのだと思います。その努力に拍手を送りたいと思います。

 しかしまだ終了したばかりのせいか、オリンピックよりもパラリンピックの方が印象深く感じているのは私だけでしょうか?閉会式についてもオリンピックよりもパラリンピックを誉める人が圧倒的に多いように思います。個々の選手の活躍と言う意味ではオリンピックが上回るかも知れませんが、パラリンピックの場合には選手だけでなくそれを支える多くの人々のドラマがありました。家族や周りの人の支えが無ければ参加すら出来なかった人も数多かったと思います。そういう意味でパラリンピックは競技の場だけではなく、私達の社会のあるべき姿を表象してくれたのかも知れません。

 ところで組織委員会が今月7日から13日の間だけチケット購入者に対してオリパラのチケットをプリントアウト出来るサービスを始めました。見れば見るほど悔しい思いですがせっかくですからプリントアウトしてみました。ご覧下さい。




■徒然思うこと■


・一か八かの特典航空券・

 このような状況が続く中で保有するマイルの期限が続々と到来しています。8月末で数万マイルが期限切れになってしまうので一か八か来年6月のハワイ便の特典航空券を予約してみました。現在ハワイでも感染状況が悪化しているのでどうなるかわかりませんが、数万円のギフト券をもらってもつまらないのでとりあえず予約してみました。来年になっても海外旅行が出来るかどうか全く不透明な状況なので今後はカードの使用がマイルにストレートに加算される航空会社の提携クレジットカードではなく、有効期限が無く、ポイントをマイルに転換出来るクレジットカードを利用しようと思います。アメックスのように実質的にポイントの期限が無期限でマイルとの交換も出来るクレジットカードが望ましいと思います。

・高齢者のデジタル監・

 ネット社会では著名な伊藤譲一氏で決まりと言われていたデジタル庁の司令塔とでも言うべきデジタル監に何と齢73歳でデジタルと何の関係も無い石倉洋子氏が就任しました。私が予想した通り就任の会見では「私はデジタルの専門家でもなくデジタルの知識が凄くある人ではない」と発言して周囲を困惑させました。入口から大失敗です。はんこ議連の会長の竹本議員をIT担当大臣にした時によく似ています。期待感喪失です。

・またも外交音痴ぶりを発揮した外務省・

 各国が数百人から数万人の自国関係者をアフガニスタンから避難させている中で、日本の自衛隊が避難させた日本人は僅か1人という大失態です。「こんなに早くカブールがタリバンに支配されるとは思わなかった」といくら言い訳しても外務官僚の情報収集力の低さと外交センスの無さで現地で働く日本人と日本に協力した現地の人が数百人取り残されてしまいました。日本大使館員はいち早く隣国に脱出してしまい隣国から帰国者の調整にあたったようですが自分たちだけ先に逃げ出すとは外交官としての矜持は無いのでしょうか?少しは杉浦千畝の爪の垢でも煎じて飲ませたいものです。韓国はアフガニスタン人を含めて数百人の撤退を完了させましたが、一時的に国外に退避していた大使館員がアフガニスタンに戻ってタリバンとの調整を行い、希望する全員の撤退を行ったそうです。少しは日本の外交官も見習って欲しいものです。

・開いた口が塞がらない東京都の若者向け接種会場・

 東京都が渋谷の公園通りに開設した予約不要の若者向け接種会場が大ブーイングを巻き起こしました。これだけ若者たちが予約が取れないと騒いでいるのに大胆にも予約不要と打ち出したものですから200人の接種枠に対して前日の夜から早朝にかけて2000人を超える人が並んでしまいました。ステイホームだとか人流を抑えてとか言っておいて自ら密を作り出した責任は誰が取るのでしょうか?東京都の担当者は「想定を上回る希望者が来た」とか言っていますが、こんな想定しか出来ない人間を担当者に据えた小池知事が謝罪すべきですが一向に謝罪しません。本当に謝るのが嫌いな人です。「モデル的な取り組みだった」と発言した都の役人もいましたが、暑い中並んで接種出来なかった2000人を超える若者に土下座して謝罪すべきですね。

・ぼったくり駐車場・

 先日青山のコインパーキングに車を駐車しました。周りの駐車場が全ていっぱいだったので初めての駐車場でしたが、周囲の壁に「違法駐車は15万円頂きます」という紙がべたべた貼ってありました。何となく嫌な感じはしたのですが、古ぼけた駐車料金の看板には薄っすらと10分100円と書いてあったので駐車して2時間ちょっと経って戻って来て料金を精算しようとしたら何と駐車料金が5500円でした。1時間2500円というのはちょっと考えられない料金ですが係員も誰もいないのでやむを得ず払って退出しましたが阿漕な業者がいるものです。他に誰も駐車していなかったら私も警戒したと思うのですが何台か駐車していたので駐車してしまいました。南青山のど真ん中で酷い話です。やはりコインパーキングでも名の通った業者が管理する駐車場以外は注意した方が良さそうですね。



前の月へ  次の月へ