■デルタ型は新型ウィルスと考えるべき■

 オリンピックは無事終了しましたが新型コロナウィルスの感染状況は過去最悪となっています。これほど感染が広まった理由としてはデルタ型の感染拡大しか考えられません。これまでのアルファ型では1人の感染者が1人から2人に感染を広げると考えていましたが、米国CDCが発表したようにデルタ型では水疱瘡のように1人が8人~9人に感染を広げているようです。ワクチンの接種より感染のスピードの方が遥かに早いために感染者は増えるばかりです。デルタ型は単なる変異型ではなく新種のウィルスと考えた方が良さそうです。

 感染者の急増で人々が不安を感じている時に政府の入院制限方針が発表されたものですから国民の非難が強まっています。政府の方針では例え肺炎を発症いても中等症の感染者は酸素投与が必要でなければ入院することが出来ません。自宅療養者の支援体制も整えないうちに中等症の患者を自宅療養させるというのは菅総理の言う「国民の安全と安心」とは程遠い世界です。春に大阪で医療が逼迫して入院出来ない感染者が自宅療養中に何人も亡くなられたのは大変ショッキングなことでした。と言っていたら早くも身内の自民党からの反対も受けて政府はあっという間に入院の必要な中等症患者は入院させると方針を変更しました。またもや朝令暮改で政府の評価を下げる羽目になりました。もう今後政府が国民の支持を上げられる対策を打てる見込みはありません。ただただ国民に「ステイホーム」をお願いするしかありません。しかし何しろ熱意を感じられない総理の声は国民に全く通じませんから見通しは暗くなるばかりです。

 既に全国で自宅療養者が4万人を超える事態となっています。とても保健所だけではこれらの感染者のフォローは出来ません。自治体が出来るのは自宅療養者に対する支援の充実しかありません。それなのに東京都では自宅療養者に対する食料が枯渇して宅配に4日も5日もかかっているとの報道がありました。新型コロナウィルスの感染が始まって1年半も経つのに最も容易な自宅療養者向けの食料の確保も出来ていないとは本当に情けない話です。

 とは言え、自宅に10日分ぐらいの食料を備蓄していない人がいることに驚きです。こういう人はどうせ防災用品も全く備えていないと思います。こういう何事にも準備不足、物事を軽く考えている人が感染するのだと思います。こういう人には食料を届けてくれる友達もいないのでしょうか?

 一方自治体は全く何の支援もしないで徒に自宅療養者を増やしています。療養施設に入れない人に自宅療養を求めるならばそれなりの支援が必要だと思います。現時点では有効な経口治療薬はありませんが、せめて解熱剤は配布すべきですし、症状の悪化が予想される場合には酸素吸入器も配布すべきです。東京都では最近になって500台を確保したと言っていますが、東京都の自宅療養者は1万数千人を超えています。一時の大阪のように自宅療養者の死亡が続出するようになったらこれは人災です。

 それにしても4000万人を超える国民が2回目のワクチンの接種を完了しているのに1月の感染急増時期を上回る感染者が発生するというのはどういうことなのでしょう?2回目のワクチン接種が完了していれば感染の確率は激減します。1億2600万人の国民のうち3分の1の国民のワクチン接種が完了しているということは感染の可能性があるのは残りの3分の2の国民です。それなのに1月を遥かに上回る感染者が発生するというのはとてつもない事態です。

 ただ、そもそも感染防止意識の高い人ほど積極的にワクチン接種を受けていますから、ワクチン接種を終わった人は感染の可能性が低かった人だとも言えます。問題は感染防止意識の低い人にどうやってワクチンを接種させるかでしたが、今となってはもう遅いかも知れません。わが国の累計感染者数も100万人を超えました。

 私が現在心配しているのはPCR検査難民です。巷では保健所経由の検査がなかなか受けられないという声があがっています。現に東京都の陽性率は20%を超えています。これは検査数が圧倒的に足りていないことを示しています。東京都の検査能力は6万7千件と発表されていますが最近の検査数は1万3千件前後です。感染者数が過去最高を記録しているのに検査数が余力の5分の1と言うのはあり得ないと思います。と言うことは実際の感染者は発表されている人数より遙かに多いのかも知れません。

 大規模商業施設や大手外食チェーンでも次々にクラスターが発生して休業に追い込まれています。東京都内でも新宿のルミネエストが休業した他、新宿伊勢丹でも1週間で88人が感染して一部の売り場が休業に追い込まれています。またマックやスタバでも何軒もの店が休業となっています。マックやスタバについては個々の店の個人の感染だと思いますが、大規模小売施設の大量感染は地下1階の食料品売り場で感染者が多いのでお客からの感染だと考えられます。しかし一般の人に比べれば感染防止意識の高い人達の感染の広がりを見ていると最初に書きましたようにデルタ型のコロナウィルスはこれまでのコロナウィルスとは全く別の感染症と考えた方が良いかも知れません。と言うことは三蜜を避ける、手洗いを徹底する、マスクを着用するといったこれまでの対策では不十分だということです。一部の百貨店の感染ではエアロゾル感染が疑われています。単純にマスク着用だけではなく十分な換気を心がけるべきだと思います。誰もなかなか言い出しませんが、通勤電車内での感染が始まっているのではないでしょうか?やはりステイホームが一番と言うよりも唯一の対策かも知れません。政府も専門家も「感染防止策の徹底」しか言いませんが、ロックダウンは無理としても全店舗、全飲食店に対する休業要請でもしないとこの流れは変わらないと思います。

 東京都はこのまま感染が広がると今月18日頃には東京都の新規感染者数が1万人を超えると公表しました。パラリンピックの開催1週間前です。今から中止は考えられませんが新たな困難と向き合うことになります。




■東京オリンピック■


 東京オリンピックが無事閉会しました。特にオリンピック開催に関連して感染が広がったということはありませんでした。オリンピック開催に関わった全ての人が胸をなで下ろしていると思います。多くのメダリストが開催関係者に感謝の言葉を述べていたのが印象的でした。開催1ヶ月前になっても開催が危ぶまれていた状況で選手がどれほど不安な気持ちで過ごしたかと思うと本当に無事に開催出来て良かったと思います。

 参加までの選手達の並々ならぬ努力が紹介されていますが、「どんな形でも良いから何とか開催して欲しい」と思っていてもそれを口に出すことが許されなかった選手達の葛藤を考えると胸が痛くなります。私達は単純に日本選手の活躍を喜んでいますが、選手達にとってはこれまでのオリンピックの何倍もの価値があるメダルやパフォーマンスだったと思います。特に今回のオリンピックで引退を決めていた卓球の水谷選手やスポーツクライミングの野口選手にとっては延期はあり得ない話だったと思うので有終の美が飾れて本当に良かったと思います。

 単に努力、研鑽の発露というだけでなく、世界の国々の中ではメダル獲得によって一生の生活が保証される国も数多くあります。それらの選手にとっては命がけの活躍だったと思います。日本人メダリストにとっても今後の人生で将来に渡って「メダリスト」の称号がついて回ります。イングランドの有名なゴルフ選手が「3位を目指してこれだけ頑張ったことはない」と発言していましたが、これほどメダル獲得の意義は大きいようです。

 一方オリンピックに全く関心の無い人の言動も目立ちました。サッカーの準決勝や3位決定戦、侍ジャパンの決勝の時間に普通に外で飲み歩いている人も多く見られました。メディアはもちろん連日大騒ぎしましたが、これまでになくオリンピックに興味の無かった人も多かったと思います。昭和の人間である私はもちろん多くの競技をテレビ観戦しました。日本が獲得した金メダル27個のうち20個は生で見ました。しかし日本人メダリストが初めて生まれた女子ゴルフや大興奮となったソフトボールの決勝のチケットを持っていたのに実際に見られずに本当に残念でした。

 今回のオリンピックは地元開催ということで過去最大のメダル数を記録しましたが、1年延期の影響か何人もの期待された選手やチームがメダル、特に金メダルを逃しました。事前に私が金メダル確実と考えていたのは、空手の形の喜友名諒選手、バドミントンの桃田健斗選手、そして柔道の混合団体でした。このうち二つが金メダルを逃しました。桃田選手の場合には金メダルどころか予選敗退です。柔道についてはもちろん大野将平選手の金メダルは固いと思いましたが、1対1の場合には何が起こるかわかりませんので、5人で戦う団体は金メダル間違いないと思っていましたがフランスの気迫に負けてしまいました。

 しかし今回のオリンピックでやはり競技には流れが大切なことを痛感しました。前半でその競技の強豪選手が思わぬ敗退をすると他の選手にも負の連鎖が働き、当該競技の他の選手もボロボロになってしまいます。良い例が早々と桃田選手が予選で敗退したバドミントンとメダルが有力視された400メートル個人メドレー予選で敗退した瀬戸大也選手の水泳です。特に水泳チームはここ何回かのオリンピックで最低の成績となりました。これまで日本がメダルを多数獲得したオリンピックでは必ず競技前半の柔道の男女軽量級の活躍がありました。田村選手と野村選手の二人が金メダルをとった時には日本チーム全体が活気づきました。

 しかし大野将平選手がアスリートしての本性を見せてくれた日に行われたスケボーのストリートは「これがスポーツか?」と考えさせられてしまいました。何と言っても解説者の発言が、「スゲー、ヤベー、半端ない、ゴン責め?」と何とも品の無い用語の連続で、とてもスポーツの解説とは思えませんでした。競技にしても1回の競技が僅か10秒で終了してしまい、とても肉体競技とは思えません。スケボーのパークはスノボのハーフパイプのようで見応えがありましたが、ストリートはどう考えてもオリンピック種目になるスポーツとは思えません。私には理解出来ないアーバンスポーツです。

 今回最も熱かった競技は卓球の混合ダブルスだったと思います。水谷・伊藤組は決勝で中国ペアに2ゲーム連取された後に大逆転して初めて卓球の金メダリストとなりました。尤も私の選んだ感動という観点からの東京オリンピックベスト5は、

 1.女子バスケットボールのベルギー戦
 2.女子ソフトボール
 3.卓球 混合ダブルス
 4.柔道 阿部兄弟
 5.女子ゴルフ 稲見萌寧

 ベスト5には挙げませんでしたが、圧倒されたのは柔道女子78キロ級の濱田尚里選手とレスリング女子50キロ級の須崎優衣選手です。濱田選手は「蟻地獄」と言われる寝技で全試合を圧勝しました。これで1等陸尉から2階級特進して何と2等陸佐ですね。一方須崎選手は日本のオリンピックのレスリング史上初めて全試合無失点でテクニカルフォール勝ちしました。二人ともほれぼれとする勝ち方でした。

 一方、残念だったベスト6は、

 1.バドミントン 桃田健斗
 2.テニス 大坂なおみ、ジョコビッチ
 3.体操 内村航平
 4.柔道 混合団体
 5.空手男子75キロ級 西村拳
   (勝てばメダルが決まる予選第4試合で残り0秒48から大逆転負け)
 6.男子400メートルメドレー 瀬戸大也

 残念な結果に終わった選手にとっても競技することが出来て本当に良かったと思います。競技が開催されなかったらこれまでの努力が全く報われなくなってしまいます。




■今後のワクチン接種■

 一時的なトラブルはありましたが、我が国では順調にワクチン接種が進んでいます。もちろん高齢者以外の方は「打ちたくても打てない」と不満を持たれている方も多いと思いますが、まさか本格的にワクチン接種が開始された僅か3ヶ月で4200万人もの人が2回目の接種を終えるとは思いませんでした。5月までは世界の先進国の中で極端にワクチン接種率が低かったわが国は今やトップ10に入る勢いです。感染の拡大は続いていますが、高齢者については感染者も重症者も心配する必要が無いレベルになっています。

 一方感染者の多い世代に優先接種を始めた新宿区の試みは完全に失敗し、後回しにされた40代、50代の重症者を増やす結果となりました。私も一時期感染者数を何しろ抑えるべきだと考えて感染者の中心の20代や30代の人への接種を優先すべきだと思っていましたが、そうすると中年世代の重症化が進んでしまうことが明らかになりました、やはり高齢者の接種を優先的に進めた政府の方針は間違っていませんでした。

 政府はワクチン不足に対応してやっとアストロゼネカのワクチンの使用を開始します。今月から40歳以上の人を対象にアストロゼネカのワクチンが公的接種の対象となりました。しかし多くの人が秋までにはファイザーとモデルナのワクチンの接種の見込みが立っているのに、ここに来てアストロゼネカのワクチンでも良いという人がどれくらいいるでしょうか?中年以上の人はアストロゼネカのワクチンの問題点である血栓の副反応は気にしなくてよいかも知れませんが有効率がファイザーやモデルナの3分の2では接種に及び腰になると思います。

・今後のワクチンのテーマはブースター接種と交差接種・

 先月このようなタイトルで1節を書きましたが、早くもイスラエルで3回目の接種(ブースター接種)が始まりました。英国やドイツも3回目の接種の準備を始めました。モデルナ社も自社のワクチンに関して6ヶ月の抗体を確認したことを明らかにしました。と言うことは6ヶ月後には再度ワクチン接種が必要になるということです。

 また、ブースター接種は抗体値の低下に備えるだけでなく変異型ウィルスへの対応も考慮されています。日本ではまだ数百例ですが2回のワクチン接種を完了した人の感染が確認されています。いわゆる「ブレイクスルー感染」です。これにもデルタ型が感染の多くを占めていることが関係しているのかも知れません。巷では既に南米で猛威を奮っているラムダ型に対する警戒も始まりました。

 これからはわが国でも本格的に高齢者に対するブースター接種を検討しなくてはなりません。河野大臣も「来年には3回目のワクチン接種が必要になると思う」と発言しました。と言っていたら政府もブースター接種の検討を始めるとの報道もありました。

 まだブースター接種の始まった国においてはどのワクチンを3回目に打つかについて明らかにされていませんが、カナダのようにそもそも当初の2回のワクチンを同じものではなく交差接種を奨励している国もあるので今後は交差接種によるブースター接種が中心になると思います。わが国では国内でアストロゼネカのワクチンの製造も始まっていますし、冷蔵庫でも保管が容易ということでアストロゼネカのワクチンが主流になるか、もしくは副反応がモデルナより弱いファイザーのワクチンが多く用いられると思います。私は5月末に2回目のワクチン接種を完了しているので出来れば早めに3回目のワクチン接種を受けたいと思っています。

 ただ3回目のワクチン接種に関しては大きな問題を抱えています。ブースター接種を考えているのは先進国だけですが、先進国以外の国のワクチン接種率は未だ1.1%です。全世界的にワクチン接種が進まないと感染は広がるばかりで、そうしている中で新たな変異型ウィルスが生まれます。先進国の利己的な行動が逆に変異型ウィルスを蔓延させて自分の首を絞めることになりかねません。私達が安心した生活を取り戻すには全世界的な集団免疫を獲得するしかありません。ブースター接種については国を挙げての議論が必要になると思います。米国が「米国は自国民の3回目用に用意したワクチンを全て低開発国に提供する」とでも言えば世界は動くかも知れません。しかしオバマ元大統領だったらともかくバイデン大統領では無理でしょうね。

 我が国の立場としてはワクチンの輸入を控えて国産ワクチン、あるいは国内で製造されるワクチンによってブースター接種を行うならば世界的に非難されずにブースター接種が進められると思います。

・ワクチンパスポート・

 新し物好きの私は早くもワクチンパスポートを手に入れました。と言っても私が行きたいと思っていた国に関しては現時点では効力はありませんが、今後わが国のワクチンパスポートで入国できる国が続々増えて来ると思いましたのでとりあえず申し込みました。東京都でも幾つかの区はその場で発行してもらえるようですが、私の住む文京区では郵送でしか受け付けていませんでした。それでもちょうど10日間で郵送されて来ました。本人確認書類のコピーとパスポートと接種証明書だけあれば申請出来ます。わが国では経団連が経済の活性化のためにワクチンパスポートを活用することを提言していますので、そう遠くない時期には入場や入園、入店にワクチンパスポートが必要になるかも知れません。お早目の取得をお薦めします。





■□ 夏期休業のお知らせ □■

下記期間を夏期休業とさせていただきます。
8月11日(水)~13日(金)




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