■見えて来たトンネルの出口が塞がって来ました■

 菅総理のなりふり構わぬワクチン政策で、1日100万回が現実のものとなりつつあったワクチン接種が思わぬことになって来ました。自治体へのファイザーのワクチンの供給が鈍り予約の受付をストップする自治体が出て来るばかりか、もの凄い勢いで申請が進んでいた職域接種にもストップがかかりました。

 まずファイザーのワクチンですが、あちらこちらの首長がワクチンが来ないと文句を言っていますが、計算上はそのようなことはあり得ません。各自治体への供給量は接種報告に基づいて行われますが、多くの自治体がワクチン接種記録システム(VRS)への入力が遅れていて供給量とのミスマッチが起きているようです。

 そもそも自治体へのファイザーのワクチンは6月末までには9000万回が供給されています。それに対して7月1日現在のワクチン接種数は4600万回ですからまだ各自治体には4000万回以上のワクチンが保管されているはずです。これは各自治体にとっては2ヶ月分近いワクチン量です。需要が無い自治体に在庫が積み上がっているか、在庫があるのにワクチン供給量を過大に希望しているか、あるいは接種のシステムへの入力が大幅に遅れていて、厚労省に報告が届いていないからだと思います。

 メディアでは不満を持つ自治体の首長の発言ばかり取り上げていますが、それが自治体の総意とは思えません。潤沢にワクチンの在庫を持っている自治体も相当数あるのではないでしょうか?メディアも政府を攻める発言ばかり積極的に取り上げるのではなく、正確な情報を伝えることも重要だと認識するべきです。

 職域接種については接種に積極的な企業が膨大な量のワクチンを申請したのであっという間に在庫が払底したのだと思います。例えばソフトバンクグループはグループ従業員対象で15万人分、近隣住民の人向けに少なくとも10万人分の接種を目指すとぶち上げました。と言うことは30万人分以上のワクチンを申請したことになります。これでは幾らワクチンがあっても足りません。職域接種は近隣住民の接種まで予定していません。本来住民は各自治体において接種を受けるべきです。多数の近隣住民の接種まで目指すのは職域接種ではありません。そのため申請が出遅れた多くの企業や団体の申請が認められなくなりました。ただ沢山打てば良いと言うのではなく、それなりの秩序が必要だと思います。

 しかし私の周りでも確実に職域接種が進んでいます。私の関係する企業でも既に4社が殆どの社員に対する1回目の接種が完了しました。私にもあちらこちらの企業から「ワクチン打ちませんか?」とのお誘いがありました。私は先月もお話したように5月中に2回の接種を完了しましたからお世話にはなりませんでしたが、私の事務所の職員や家族はお世話になり、無事1回目の接種が完了しました。上述のように各自治体の接種スケジュールに遅れが出ている現在、自治体によっては大幅に接種時期が遅れる可能性が出て来ていますのでありがたいことです。

 一方職域接種が進むに従って若年層のワクチン接種に対する姿勢が明らかになって来ました。例えば千葉工大では在学生1万人のうち3000人の学生が接種を希望しなかったそうです。巷では副反応について数多く報道されており、何となく打ちたくない若者が増えているようです。最近では「モデルナアーム」と言って10日後ぐらい後に接種部が赤く晴れる症状が話題になっています。一方後遺症に関しては高齢者層より若年層に多く見られるそうで、後遺症を訴える人の半数が30代以下というデータも出ています。最近では「ブレーンフォグ」と呼ばれる頭の中のもやもや感や立ちくらみの症状が出る人が増えているようです。長期的な観点から接種を拒否するならともかく、接種後僅か数日間の副反応を恐れて接種を希望しない人には是非ともを接種してもらいたいと思います。ワクチン接種は自分のためだけではなく、周りの人のためでもあります。

 しかしワクチン接種は予想以上に進んで来ました。7月10日現在、高齢者で2回目の接種が完了した人が1620万人、全高齢者の45%を超えています。1回目を終了して2回目の接種を待っている人が1068万人います。この人達も月末までには2回目の接種を完了するでしょうから、7月末には2688万人の高齢者のワクチン接種が完了することになります。これは全高齢者の75%です。

 図のグラフは7月11日現在のものですが、更に接種が進んで、このまま行けば月末には76%を超える高齢者のワクチン接種が完了します。高齢者の場合には有無を言わさず(笑)接種されてしまった人もいるでしょうから最終的には90%近い高齢者がワクチンを接種することになると思います。今月末には希望する?高齢者の83%に接種が完了することになります。これは素晴らしい成果だと思います。現に毎日発表される感染者数に占める高齢者の割合は日々低下しており全体の5%を下回る日々が続いています。そのせいか毎日の死者も激減しています。

 また高齢者以外のワクチン接種も予想以上に進んでおり、7月10日現在400万人の人が1回目の接種を完了しています。この人達が7月末までに2回目の接種を完了するでしょうから既に接種を完了した医療従事者570万人と高齢者の2688万人を合計すると3358万人、我が国のワクチン対象者1億1430万人の29.3%となります。しかも実際には百万件以上のVRSの未入力があり、また接種券無しで接種が進んでいる職域接種の接種件数はVRSには取り込まれませんので実はあと数百万件の接種実績があると思われます。1ヶ月早く本格的なワクチン接種が始まっていたら世の中は様変わりだったでしょうね。




■ワクチンの効果■

・ワクチン接種の副反応と効果・

 先月のメッセージにワクチンの効果について「極端に抗体量が少ない場合には3回目の接種という話が出て来るかも知れません」と書きました。私は殆ど副反応が無かったので心配になって抗体量検査を受けてみましたが、その結果平均より遙かに多い抗体量が計測されました。やはり副反応の強さと抗体量、すなわちワクチンの効果とは関係が無さそうです。

 モデルナのワクチンと同時期に承認されたアストロゼネカのワクチンが相変わらず宙に浮いています。今のところ台湾やベトナム、インドネシア等へのワクチン提供に使われるだけです。菅総理も8日の記者会見で「アストロゼネカのワクチンについては厚労省の審議会で審議中」とだけ説明して何故使われないかについては触れないで「ファイザーとモデルナのワクチンだけで9月末までに2億2千万回が提供される」とアストロゼネカのワクチンを使用しないでも全国民分のワクチンが供給されることを強調しました。

 しかし妙な説明ですね。ワクチンを承認しておいて使用については審議中というのはどういう意味でしょうか?しかも自国では使うかどうか決めていないワクチンを他国に供与するというのは大変失礼な話ではないでしょうか?

 ただ血栓の副反応や他のワクチンと比較して効果が低いことが知れ渡っていますので、積極的にアストロゼネカのワクチンを打ちたいという国民がいません。まさか「ファイザーとモデルナのワクチンは不足していますからアストロゼネカのワクチンでいいですか?」と聞かれてワクチンの副反応を気にして接種に及び腰な人が手を挙げるとは思えません。

・今後のワクチンの話題はブースター接種と交差接種・

 メディアの報道では既存のワクチンの変異型ウイルスに対する効果について危惧するものが数多く見受けられます。一方アストロゼネカのワクチンに対する明るい話題は交差接種です。これは異なるワクチンを1回ずつ接種することで、これによって同じワクチンを2回打つのに比較して数倍の抗体量が得られるというものです。特にファイザーのワクチンとアストロゼネカのワクチンの交差接種が効果的で、その中でも1回目にアストロゼネカのワクチンを打ってから2回目にファイザーのワクチンを打つと効果が最も高いそうです。日本では少なくとも全国民分のファイザーとモデルナのワクチンが確保される見込みですから、この打ち方はあり得ないと思います。

 もう一つ今後話題になりそうなのが「ブースター接種」です。これは現在ファイザーが米国の食品医薬局に申請を予定している接種方法で、2回のワクチン接種後に3回目に接種を行うことで抗体レベルが2回接種に比べて5倍から10倍上がるとのことです。今後我が国でも年末になってファイザーやモデルナのワクチンの抗体量が想定よりも下がっていたり、変異型ウイルスに対する効果不足という話が出て来た時にはこの動きを先取りして真っ先に3回目のワクチン接種を受けようとする人が現れると思います。その場合には余っているアストロゼネカのワクチンを接種するという考え方が公的にも出て来るかも知れません。ですからあまり他国に大盤振る舞いしない方が良いかも知れません。




■政局■

 菅総理の再選が俄に怪しくなって来ました。大きなきっかけとなったのは7月4日に行われた東京都議選です。惨敗が予想された都民ファーストの会が3割の議席減に止まったことで流れが変わりました。かろうじて第1党となった自民党ですが。投票前は50議席を楽々超えて公明党と併せて過半数を奪回する予定がもろくも崩れました。

 投票日前日に小池都知事が幾つかの都民ファーストの会の候補者事務所を激励に訪れたのがこれだけの予想の逆転となったのかわかりませんが、思いの外健闘した都民ファーストの会が公約としてオリンピック無観客を挙げていたので政府としても無視するわけにはいかず一気に政府、自民党内に無観客の動きが強まりました。しかしオリンピックについても感染対策についてもあれだけ明確な発言を避けて責任回避を図っていた小池都政の支持率が6割もあることは驚き以外の何物でもありません。

 一方政府の感染対策は相変わらず飲食店の時短営業と酒類の制限だけで、感染者が減るどころか前回の緊急事態宣言解除後から増加し続けています。政府の感染対策については国民の信頼を全く得ていません。野党からは感染が殆ど収まらない状態で前回の緊急事態宣言を解除したことを責められていますが、これは国民全員が感じていることです。また西村経済再生担当大臣の金融機関に対して飲食店への酒類提供停止要請や酒販組合に対して酒類提供を続ける飲食店との取引停止要請やなども多くの国民の怒りを呼びました。

 頼みのワクチンも都議選投票日前になって職域接種の申し込み受付停止や自治体の医療機関に対する供給量が細って各地の自治体が予約キャンセルになったことで一気に信頼を失いました。特に6月末までに4000万回供給されることになっていたモデルナのワクチンがGW前には1370万回に減ることを了承していたことを隠していた河野大臣の次期総理の目は消えたと言っていいでしょう。職域接種のワクチン量が足りなくなるはずです。

 菅総理は誰に何と言われようが5月下旬からのワクチン接種は東京都の若年層を重点に行うべきでしたね。自衛隊の大規模接種会場を始め各地の大規模接種会場で20代、30代の人を中心にワクチン接種を行えばこれまでに100万人近い若者に接種を行えたはずです。

 それが実現していたら東京都の感染者数は徐々に減っていたはずで4度目の緊急事態宣言を発出する必要も無かったと思います。

 政治の世界ではパラリンピック後に衆議院選挙と言われていますが、これから2ヶ月でどれだけ感染が収まっているか見通せません。もし8月も感染が収まらずパラリンピックがさらなる規模縮小に追い込まれたら政治不信の真最中に衆議院選挙が行われ自民党は惨敗すると思います。しかし、代わりに他の政党が伸びるかと言えばどこにも受け皿は見当たりません。立憲民主党という声も出るでしょうが、オリンピック開催3週間前に「オリンピック中止」を唱える現実を正視できない代表が率いる党には任せられません。国民は今でも3.11直後の当時の枝野官房長官の「直ちに健康被害が及ぶ危険性はありません」というその場しのぎの発言を忘れていません。ということで自民党はかなり議席を減らすとは思いますが自公政治に影響を及ぼすほどにはならないと思います。

 しかし菅総理が再任されることは無いと思います。菅総理を担いだ人達も自分の判断を反省していると思います。全く総理の器ではありませんでした。菅総理でなければコロナウイルスに関してこのような状況がこれほど長期間続くことはなかったと思います。菅総理の総裁任期は9月末です。これから様々な政治ドラマが繰り広げられると思います。

 尤も菅総理の一番の貢献はワクチン接種の促進です。誰もが無理と思った「7月末までに高齢者接種の完了」「1日100万回のワクチン接種」の大号令が無かったら我が国でこれほどワクチン接種が進むことは無かったと思います。春には多くの若い人達は「どうせ私達がワクチン接種出来るのは来年になってからだろう」と悲観的に考えていました。それが10月末、遅くとも11月末には全希望者が接種を受けられる見通しとなりました。これは菅総理の馬鹿の一つ覚えのような「ワクチン接種、ワクチン接種」の意気込みのおかげです。




■徒然思うこと■

・ほぼ無観客のオリンピック・

 未だショックから立ち直れません。一昨年5月の第1次抽選以来「自分は何てついているのだろう」と思っていたことが全て無になってしまいました。自分自身が当選したのが馬術、水泳、女子ゴルフ、ボクシング決勝、周りの人に頼んで当選したのがソフトボール決勝、空手の決勝、これら全てのチケットが紙切れになってしまいました。1964年の前回の東京オリンピックの時に国立競技場で見たサッカー以来57年ぶり生のオリンピックをこの目で見る夢が吹き飛んでしまいました。

 夜遅くまで行われるソフトボールの決勝は半ば諦めていましたが、少数観客の馬術やボクシングの決勝まで見られなくなって本当にショックです。でも、これまで多くのメディアが街角でオリンピックの観客についてアンケートを取った時に「予定通り有観客で」と回答した人は毎回数%でした。それもそのはずで、チケットを持っていない人にとっては無観客であろうが有観客であろうが全く関係ありません。抽選に外れた人は皆「無観客で」と答えたと思います。意味の無いアンケートでした。こんな意味の無いアンケートが少しでも観客の有無の判断に反映されていたら残念です。

 それにしても最後までドタバタしたチケット騒ぎでした。開会まで2週間を切っているのに観戦できるかどうか決まらないチケット保有者のストレスは相当なものだったと思います。特に地方の方の場合には飛行機や電車のチケットや宿泊の手配も全部キャンセルすることになって虚脱状態だったと思います。

 今回のチケット騒ぎで評判を落としたのは組織委員会の橋本会長と福島県の内堀知事です。5者協議で1都3県の無観客が決まった時点で有観客の自治体と連絡を取り合う必要がありましたが、意思の疎通を欠いたために北海道の鈴木知事の無観客判断を招いてしまいました。組織委員会が5者協議の前に開催県の知事の意向を確認しておけばこんなドタバタにはなりませんでした。

 また、北海道の判断を見て急に判断を覆した福島県の内堀知事の評判は最悪です。他の自治体の判断を見てから後出しじゃんけんのように無観客を申し出るのはルール違反です。しかも再抽選が行われて福島の競技場への当選者が決まった直後に無観客を言い出すのは言語道断です。復興の象徴だった福島ですから有観客の開催をなんとでも実行して欲しかったと思います。これでとうとう有観客は宮城、静岡、茨城の3県だけとなってしまいました。

・さらばガラケー・

 とうとうガラケーを手放しました。ドコモのiモードサービスが継続される限り使い続けようと思って現在使用中のガラケーの予備を何台も購入していましたが、とうとう見限りました。主たる原因は二つです。一つは現在5Gサービスが主流になりつつあり、ガラケーの3Gの電波は据え置きどころかサービスが低下していて、おなじみのiモードメールがなかなかリアルタイムで届かないという現象が多発しています。これでは仕事になりません。

 また、私のお気に入りのiモードサイトのサービスが続々と終了してしまっています。サービス提供業者としても過去の電波の3Gのサービスにいつまでもつきあっているわけにはいかないという感じでしょうか。

 私が今までガラケーを使い続けてきた理由は片手で通話もメールも出来ることでした。しかし最近のiPhone12miniは重量が130グラムとガラケーと殆ど変わらないばかりでなく片手で操作できる大きさです。その分バッテリーの容量が小さいようでバッテリーが1日持つかどうかという不安はありますが、私は車で移動することが多いので充電に不自由することがありません。

 ガラケーは片手で操作するには便利でしたがサイトの閲覧には全く適さず、もう1台スマホを持ち歩く必要がありましたが、これからは1台で済みます。しかも、その購入の過程で様々な機能に触れることが出来ました。これまでiPhoneを使っていても最低限の機能しか使っていませんでしたが、私達が全く知らなかった様々な機能を有しており、それらをフルに利用すればとてつもなく便利な世の中になるのではないかと思います。単独でアプリを購入するよりもセットで購入するサービスを利用すると遙かに安価で利用出来ることもわかりました。皆さんdマガジンというアプリをお使いの方も多いと思います。月額440円で700以上の雑誌をネットで読むことが出来ます。このサービスはドコモ利用者以外も可能ですが、ドコモだけのサービスである「スゴ得」は月額418円で200以上のアプリが使い放題です。その中には月額315円のウェザーニューズや月額440円のNAVITIMEや月額302円のクックパッドのレシピも入っています。とてつもなくお得なサービスです。



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