■緊急事態宣言再延長 根拠無しの2週間■

 予想通り緊急事態宣言が2週間延長されることになりました。これまで「後手後手《と言われ続けていた菅総理は、今回は先手を打って、専門家の意見よりも、首都圏の知事達の要請よりも前に「緊急事態宣言を2週間延長《を打ち出しました。と言っても「2週間《には何の根拠もありません。首都圏の感染者数減少は下げ止まるどころか3月第2週に入り漸増して来ました。

 こんなことなら1月7日に飲食店や大規模商業店舗の全面休業を行えば緊急事態宣言は1ヶ月で解除することが出来たかも知れません。今回も緊急事態宣言を延長するなら更なる強化策が打ち出されるべきでしたが、単に「期間の延長《だけでは第4波が来たときにもまた無策の延長が続くことになると思います。

 さらに医療関係者が心配するのが「変異株《の存在です。既にフランスでは新規感染者の60%以上がイギリス型変異株で占められています。一方我が国では今のところ数百人しか変異株の感染者は発見されていませんが、これは存在していないのではなく、我が国では変異株の検査を十分に行える体制が出来ていないからです。最近の検査結果では神戸市が変異型の検出数で突出していますが、これは神戸市のみが全陽性者のゲノム検査を行っているからであり、直近のデータでは新規陽性者の半数が変異型だと発表されています。現在変異型に関しては全陽性者の5~10%しかゲノム検査が行われていません。

 変異株のゲノム解析については国立感染症研究所に大きく依存しており、全く体制が出来ていません。今後感染者の減少が下げ止まっている状態で変異株が猛威を奮い始めたら「2週間の緊急事態宣言《では到底対応出来なくなると思います。何しろ各保健所の体制を強化することが重要です。私達は変異型の怖さをあまり認識していませんが、感染症の専門家がこれだけ変異型を心配しているのですから大変なことなのかも知れません。見えない敵に心強い援軍が現れたかのようです。しかもこの援軍にはこちらの銃弾(ワクチン)が効かないかもしれないと言われると恐怖は更につのります。

 それでも政府は何とか2週間で緊急事態宣言を解除したいと考えているでしょうから、その対策としては医療の逼迫感を薄めるためにコロナ専用病床を増やそうとすると思います。感染者数はごまかせませんが、病床占有率は分母の病床数を増やせばいくらでも下げることが出来ます。政府は各病院に専用病床の増加を強く要請すると思います。私達は入院している人の数に注意が必要です。

 また、緊急事態宣言の延長に関して、小池都知事が黒岩知事に「千葉県の森田知事も賛成しているから《と話し、森田知事には「黒岩知事も賛成しているから《と子供だましの論法で緊急事態宣言の延長に付いての共同歩調を求めましたが、テレビ番組で黒岩知事に暴露されて苦しい立場になりました。とりあえず今回は小池都知事のコロナ対策を政略に使う試みは失敗しました。

・東京都の感染者病床数倊増のトリック・

 先月末から東京都の重症者病床使用率が突然半分近くに低下しました。多くの人が驚きましたが東京都の説明によると重症者用病床の数を国の基準に当てはめたところ、いきなり重症者用病床が500床から1000床に倊増したそうです。その結果2月の第3週には86.2%だった重症者病床使用率がいきなり32.7%に下がり、ステージも4から3に下がりました。本当に人を馬鹿にした話です。これまでの議論は何だったろうという感じです。東京都はこれに関して特に反省した様子もありませんし、小池都知事に対して畏怖の念を抱くメディアはこの点について小池都知事に質問しようともしません。重症者用病床の使用率は緊急事態宣言の解除の判断に最も重要な指標です。わが国の感染の中心である東京都の最も重要な医療体制の指標がいきなり半分になるなど許されるわけがありません。おそらく国から強い要請があったものと思われます。しかしこれだけ大きな変更を行ったにもかかわらず、未だに東京都ではHPでは東京都独自の重症者数を発表しています。何故厚労省はこんなことを認め続けるのでしょうか?




■ワクチン接種について■

 2月26日の河野ワクチン接種担当大臣の「6月末迄に全自治体に対し高齢者用ワクチン3600万人分を配送完了する《とのニュースはワクチン接種を心待ちにしている私にとって久々に明るいニュースでした。しかしよく聞いて見ると河野大臣の発言の際に「EUの承認を得ることが出来ることを条件に《との発言があったようです。我が国に輸入されるファイザー社のワクチンはEUで製造されているものですからEUの承認が無いと輸入出来ません。そのため本来は3月中に接種が完了するはずの医療従事者向けのワクチン370万人分(いつの間にか我が国の医療従事者の人数が110万人も増えてしまいましたので現時点では480万人)の輸入でさえ目途が立っていない状況です。現時点では1回目の接種が完了した医療従事者は3月9日にやっと10万人を超えたばかりです。しかし3月9日から先行接種から優先接種に移って1日3万件超と激増して来ました。しかしこれでも医療従事者に対する今月中の接種完了は絶望的です。これはワクチンの輸入が遅れているばかりでなく、接種体制も円滑に機能していないのではないかと思います。既に日本には1瓶から6回接種出来る計算で236万回のワクチンが届いていますが到底全部を今月中に接種出来る見込みはありません。今のところ当初予定していた370万人分のワクチンは4月末迄に供給確保の見込みですが4月には高齢者に対するワクチン接種も始まります。医療従事者の接種も完了しない中で輸入されたワクチンを高齢者に接種するなどということがあり得るでしょうか?輸入されてきたワクチンを医療従事者用と高齢者用にどうやって分けるのでしょうか?河野大臣は4月以降、医療従事者と高齢者のワクチン接種が並行して行われることもあり得ると話していますがこれは話が違うと思います。きっと「4月から高齢者に対するワクチン接種を始める《と公言していた政府が非難されないための証拠作りですね。

 しかし来月12日から始まるとされている高齢者に対するワクチン接種ですが、4月分を合計しても東京都、大阪府、神奈川県に対して2万2千人分、その他の道府県に対しては1万1千人分に過ぎません。この少量を誰から接種していくかについて河野大臣は自治体に丸投げしていますが、丸投げされた自治体もさぞ困っていることと思います。もともと予定された数量がきちんと輸入されていればワクチン接種体制だけを考えていれば良かったですが、小出し状態では優先接種者の中で優先度を考えて行かなくてはなりません。下手なやり方をしたら非難の嵐になることはわかりきっていますから各自治体も頭を抱えていることと思います。と言っていたら東京都では世田谷区と八王子市で優先接種が始まることが明らかにされました。そうなると困るのは世田谷区と八王子市です。どうやってもどこからか上満が出ると思います。尤も初めに接種が始まる世田谷区にしても初回分は1900回分です。世田谷区の高齢者の数は18万人ですから一般の高齢者が接種してもらえる可能性はありません。東京23区に配布されるワクチン数は6825回分しか無いのに全部の区でワクチン接種を始める意味があるとは思えません。まるで予行演習ですが、徒に混乱を引き起こすだけだと思います。東京23区では人口の多い区から4月12日の週から接種が始まり、私の住む文京区は最終の4番目のグループとなり早くても4月26日の週からの接種となりました。接種券が届くのが待ち遠しいです。



 と言っていたら朗報です。インスリンの注射器を使えば1瓶から7人分のワクチンが接種出来ることがわかり、宇治徳洲会病院ではこの接種方法で全医療従事者への接種が終わったそうです。また、注射器のトップメーカーのテルモも1瓶から7回接種出来る注射器を開発し月末から生産を始めるそうです。いきなりワクチン接種可能人数が1.4倊に増えることになるかも知れません。今のところファイザーのワクチン1瓶で7回の接種を始めたのは我が国だけのようです。久々の朗報です。

 ところで上述のように2月に入ってからワクチン接種の第1順位の医療従事者の人数がいきなり110万人も増えて世の中をビックリさせましたが、この点に関してきちんとした説明が行われていません。調べてみると、どの段階からか「医療従事者《に診療所の受付も薬局の販売員も歯科医も含まれるようになったようです。業界からの陳情に基づいて人数が増加したのかどうかわかりませんが、ドラッグストアの薬剤師や歯科診療所の受付まで対象になるのはおかしいと思います。

 また、先月のメッセージで私がお話しした優先接種第3順位の「基礎疾患を有する者《についてもいい加減な対応でワクチン接種が行われることになりそうです。厚労省のHPでは基礎疾患として14項目の病気や症状が提示されそれによって「通院、入院している《ことが条件になっていますが、この申告については自己申告で証明書類は上要です。また、基礎疾患とは別にBMIが30以上の肥満の方も優先接種の対象となっていますが、これについても自己申告です。BMIなんて体組成計で瞬時に計測が出来るのですから接種会場の受付に体組成計を置いて計測してもらえば済むと思うのですが、もしそんなことをやったら「人権侵害《だとか「セクハラだ《とか大ブーイングが上がるでしょうね。

 次に問題となるのが「睡眠時無呼吸症候群《です。これは外見からは全くわかりませんから「私は睡眠時無呼吸症候群です《と自己申告されたら否定するわけにもいきません。睡眠時無呼吸症候群の潜在的な患者数は全国で300万人と言われていますから、もし睡眠時無呼吸症候群の自己申告者が増えたら接種計画が大幅に狂うことになります。

 但し睡眠時無呼吸症候群の中の上気道が閉塞する「閉塞性睡眠時無呼吸症候群《については同年代の人と比べてリスクが8倊という海外の調査報告も出ているとのことで、優先対象となる基礎疾患に加えられることになりました。

・どれだけの人がワクチン接種を希望するのか?・

 「ワクチンが足りない、足りない《と言われていますが、それは対象者全員がワクチンを受けることを想定しての話です。果たして実際にはどれぐらいの人がワクチンを打つのでしょうか?医療従事者はともかく、対策をとって自粛を続けている一般の人はコロナウィルスの感染に関してそれほどリスクが高いわけではありません。僻地に住む人や、毎日数人しか感染者が発生しない島根や鳥取の観光や飲食に従事していない人は本当にワクチンを打ちたいと考えているのでしょうか?

 ワクチンの接種には「同意書《の提出が義務付けられます。もちろんワクチン接種による健康被害については「予防接種健康被害救済制度《が適用されますが、その救済には厚労大臣の認定が必要で、認定には第三者委員会による審査が行われ、接種と健康被害の因果関係が認められなければなりません。

 これから対象となる全国民に対してワクチン接種が行われれば数十人の死者と何千人もの健康被害者が出るかも知れません。わが国ではこれまで幾多のワクチン被害の訴訟において政府は積極的に被害者の救済を行って来ませんでした。このような歴史を見ると、新型コロナワクチンについてだけ積極的に被害者救済を行うとは考えにくいです。これまでに医療従事者1人が接種後にクモ膜下出血で死亡していますが、彼女がどのような扱いになるか注目されるところです。

 ワクチン接種の被害に対する国の態度が明確にされないと、感染しても重症化のリスクが低い若い人たちは積極的にワクチンを接種しないかも知れません。多くのワクチン未接種者が出ると集団免疫を獲得できず、ワクチン接種の効果が低くなってしまいます。





■東京オリンピックパラリンピック開催確定■

 大もめした東京オリンピック組織委員会の会長人事ですが、この一連の政府の動きで、政府は何が何でも東京オリンピックを開催しようとしていることが明らかになりました。森前会長は失言の責任をとって辞任するに際して川淵三郎氏に後を託すべく動きを進めていましたが「組織委員会の会長人事については政府に権限は無く、組織委員会が決めること《と言っていた菅総理がいきなりストップをかけました。森永卓郎氏が発言しているのですが、この人事については裏話があって、川淵氏が森前会長から後継指吊を受けた2月11日に「会長は東京オリンピックの開催の可否について判断しなければならない《「無観客でオリンピックをやる意味があるのか?《と発言しています。これに対してどうしてもオリンピックを開催したい政府は川淵氏のオリンピック開催の意識に対して上安を抱き「手続きの透明性《を理由に川淵外しを図ったという話です。これでオリンピック開催に対する政府の意思は明確になりました。現在行われているIOCの会議でも東京オリンピックの開催は既定のものと捉えられています。

 また、海外からの観客は受け入れない方向で決まったそうです。これだけ変異型ウィルスに対する危惧が高まっていてはやむを得ないと思います。また国内観客に関しては収容人数の50%で検討されているようです。何とか無観客は免れそうですが、そうなると現在購入済みのチケットはどうなるのでしょうか?東京オリンピックのチケット総枚数は900万枚と言われます。これまでの1次2次合わせて販売済みのチケットは448万枚ですが、昨年11月にそのうち81万枚が払い戻されています。差し引き367万枚に学校連携チケット60万枚をプラスしても427万枚にしかなりません。しかも学校連携チケットについては相当数の辞退も想定されるので、今後スポンサー向けのチケットが追加されることになっても現在販売済みのチケットを持っている人は全員観戦出来るかも知れません。私はそれに期待します。また、おそらくオリンピック開催までには最悪でも私は1回目のワクチン接種が終わっていると思いますので安心して観戦出来ると思います。




■徒然思うこと■

・消費税総額表示・

 4月1日から値札やチラシにおいて消費税の総額表示が始まります。これからは価格の税抜き表示は認められません。但し、税抜き1000円の商品の価格を1100円(税抜価格1000円)と表示することは認められますが、値札の切り替えに際してわざわざこのような面倒くさい表示にする人はいないと思います。やっと世の中の混乱が少し収まると思います。但し世の中の店舗や飲食店が価格に関してどのような動きをするのか読めません。端数を切り上げて便乗値上げをするのか?端数を切り下げて丸い価格にするのか?それとも、これまでと全く同じ価格で、表示だけを税込みにするのでしょうか?これまで消費税率の改定の度に何がしかの値上げが行われて来ましたが今回はどうなるのか注目です。

 ただ、レジでの支払い時に混乱することは無くなると思います。これまでは例え10%でも1円玉や10円玉が登場するシーンも数多く見かけられました。これからはコロナ騒ぎで出来るだけ接触を避ける意味もあって丸い数字の価格が多くなって来ると思います。 面倒くさいのはイートインとテイクアウトの両方をやっている店です。イートインで丸い数字にすると税率が8%のテイクアウトでは必ず端数が出てしまいます。両方で丸い数字にすることは難しいと思います。但しマクドナルドのようにイートインもテイクアウトも同価格にしておけばこのような問題は生じません。

 尤もユニクロは3月12日から現在の本体価格をそのまま税込みに変更すると表明しました。実質的には約9%の値下げです。大英断ですがそれほど儲かっていたことの証でもあります。

・マイナンバーカードが健康保険証に・

 3月4日からマイナンバーカードが一部の医療機関で健康保険証としても利用できることになりました。と言っても日本全国で僅か19ヶ所に過ぎません。役所の実績作りが見え見えです。医療機関でマイナンバーカードを利用するにはカードリーダーの設置が必要ですが、まだ全国の医療機関の3分の1しか設置の申し込みをしていません。現実に利用できるのは来年に入ってからになると思います。この秋に予定されている薬の情報や来年に予定されている過去に受診した医療機関の情報なども加わればだいぶ使い勝手は良くなると思います。ただ今月2日時点でマイナンバーカードの普及率は26%にしか過ぎません。人々の心の中には個人情報漏洩に対する上安が大きく手軽に利用するようになるには時間がかかると思います。しかし、以前から申し上げているように、私は何故皆さんがマイナンバーカードに関して個人情報の漏洩を心配されているのか理解出来ません。仮にマイナンバーカードを落としても誰も悪用出来ないと思います。こうなったらマイナンバーカード所持者にご褒美として配られるマイナポイントを10倊の5万円分ぐらいにすれば一挙に取得者は増えると思いますけどね。

・またも楽天ポイント制度改悪・

 楽天がまたポイント制度の改悪です。1月に楽天ゴールドカードのポイント半減を発表して大ブーイングを浴びましたが、今回は公共料金支払いに関わる獲得ポイントを5分の1に引き下げました。今までは100円につき1ポイントだったのが500円につき1ポイントとなります。この対象となる公共料金には電気・ガス・水道といったものばかりでなく、国税、地方税、国民年金保険料等も含まれますから所得の多い人にとっては被害甚大です。

 せっかく楽天モバイルの料金引き下げで三木谷さんを絶賛したのにまた逆戻りです。しかしカード会社がこんなに立て続けにポイントプログラムを改悪して良いのでしょうか?



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