■東京都の感染者数は実は減っていないのでは?■

 緊急事態宣言の延長の報道においてどのメディアも「東京都の感染者数は大幅に減少の傾向にある《と報じていますが本当でしょうか?先月のメッセージでも書きましたが1月9日に神奈川県は保健所の負担を軽くするために積極的疫学調査を行わないと発表しました。これによって濃厚接触者の特定も行われなくなりました。東京都も1月21日から同様の措置を執ることを発表しました。このため東京都も神奈川県もこれまでのような感染の可能性の高い人のPCR検査を行わなくなったので感染者数は確実に少なくなっているはずです。2月4日のNHKの「クローズアップ現代《でちょうどこの件を取り上げていましたが、このような措置のおかげで保健所の職員は自宅療養者や入院・療養調整中の人のケアを行うことができる余裕が出来たそうです。この番組の中で保健所の職員は「何しろ死亡する人を少なくすることが重要だ《と発言しています。重症化の可能性の高い人をフォローすることが最も重要で、感染源を特定して感染を抑え込むことは後回しにするということです。この判断は間違っていないと思います。感染の可能性の高い人が街を歩き回ってもしょうがないと考えるしかありません。こうなってしまった原因は12月中旬までに感染を抑え込むことが出来なかった政府と東京都にあります。政府は12月28日までGoToトラベルを停止しませんでした。その3日後には東京都で1300人の感染者が確認されました。また、東京都でも国からの要請に応じず飲食店の時短要請を22時までとし続けました。無残にも敗北した11月26日からの「勝負の3週間《にもう少し有効な対策を講じておけばここまで酷いことにはならなかったと思います。

 また、都市部、特に東京都では民間検査機関のPCR検査が各所で行われています。医療機関ではない民間の検査機関で陽性となっても保健所に報告されませんから感染者としてカウントされません。例えば最も有吊な新橋の木下グループのPCRセンターでは1日に700件近い検査が行われているそうですから、平均的な陽性率から計算すると毎日70人近い陽性者が出ているのではないでしょうか?

 他にも民間検査機関はいくつもありますし、最近では薬局でもPCR検査キットを販売していますし、PCR検査キットの自動販売機もお目見えしています。特に民間の検査機関でPCR検査を受ける人は「人に知られずに検査したい《と考えている人が多いでしょうから陽性と診断されても無症状の場合には誰にも言わず家にこもっているかも知れません。まだまだ日本では感染した人が悪者扱いされるので表沙汰にしたくない人も多いかと思います。ですから市中には相当数の感染者がいると考えなくてはなりません。

 また東京都では感染者数のうち65歳以上の割合が25%付近で推移していることに注意が必要です。東京都で自宅や高齢者施設で高齢者の感染者が増えているのは医療状況が逼迫しているからです。本来ならば高齢者が発症したら直ちに入院させるべきですが、病床が満床であることばかりでなく、介護が必要な高齢者は医療状況が逼迫している中ではなかなか受け入れ先が見つかりません。やむを得ず高齢者施設で様子を見ることになりますが、高齢者施設では高齢者が集団生活を行っており、介護自体が密の典型的な業務ですので、高齢者施設がクラスター化することは明らかです。何しろ感染した認知症の入居者がマスクもしないで施設の中を徘徊しているのですから感染が広がるのは当たり前です。また、入院も出来ず療養施設にも入れない自宅療養者や待機者が増加すると、同居している高齢者が感染する確率が高くなります。

 高齢者を感染者から引き離さないと感染者数は増加するばかりです。医療状況を改善させて病床に余裕を持たせるとともに療養施設を増やして自宅療養者や待機者を減らさなければ高齢者の感染は増えるばかりです。1月になって医療状況が逼迫してきたら急に高齢者の感染者が増加してきたのはこのような理由によるものだと思います。

 東京都の病院の逼迫状況は相変わらずで、現在東京都では自宅療養数は1626人、入院及び療養施設調整中の人数は1653人もいます。一時に比べればずいぶん減少しましたが、未だに本来ならば入院させなくてはならない人が入院出来ない状態が続いています。死者数も重症者数も高い水準のままです。自宅療養中に亡くなる人も増えて来ました。この状態が改善されるまでは緊急事態宣言は解除されるべきではありません。テレビでお馴染みの国際医療福祉大学の松本教授、政府の分科会メンバーの釜萢日本医師会常務理事、東京都の新型コロナ対策アドバイザーの大曲貴夫国際感染症センター長の3人は声を揃えて「東京都の感染者が1日100人を切るまでは緊急事態宣言を解除すべきでない《と発言しています。感染者が100人を切ってくれば入院が必要な人がいつでも入院出来るようになるし、積極的疫学調査を再開して、感染経路も追えるようになるという判断です。小池都知事は昨年の5月に休業要請の緩和の基準として「1週間の平均感染者数が20人未満《としたことを忘れずに、くれぐれも早期に解除することのないようにして欲しいと思います。

・重症者数に関する疑問・

 私が以前から申し上げている「東京都の重症者の基準《という表現は相変わらず改められません。「全国の重症者数《と言った場合に東京都についてはどの重症者数なのか説明がなされません。そしてもう一つ大きな疑問があるのですが、東京都の重症者の病床使用率が最近連続して100%を上回っているのは何故なんでしょう?と思っていたら、東京都は病床使用率の重症者に関しては国と同じ基準でカウントしているからだそうです。

 東京都が発表する重症者は今後もICU入室者をカウントしないで発表するとのことでした。ですから毎日厚労省が発表する重症者の数は国の基準で、東京都が独自に発表している人数は相変わらず東京都基準ということです。これってある意味で東京都は「国の重症者の定義は間違っている《と言っているのと同じですよね。これを野放しにしている国もどうかしていると思います。

 また毎日必ずどの番組でも「本日の重症者数《を取り上げて、前日から何人増えたとか何人減ったとか報道していますが、その一方毎日100人近い人が死亡しています。素人考えでは亡くなる人の多くは重症者なのではないかと思います。そうなると「前日より何人重症者が減りました《と明るく報道していますが、実はそのうち多くは亡くなっているのではないかと思います。国も東京都も重症者の減少の内訳を明らかにして、毎日何人重症者が増加しているのかはっきり示してもらいたいと思います。メディアも「重症者は昨日より何人減って・・・《ではなく、昨日の重症者のうち重症でなくなった方は何人、重症で亡くなった方は何人、新たに重症になった方は何人と発表してもらいたいと思います。

 また、1月29日に東京都のモニタリング会議で重症者予備軍が279人いると報告されました。これは恐ろしい数字で既に重症者病床が逼迫しているのに今後300人近い人が重症化する可能性がある、あるいは既に重症化しているのに重症者病床に入ることが出来ていないということです。

 しかし以前からよくテレビに出演しているふじみ野救急クリニックの鹿野院長が感染したという話にはビックリしました。コロナ専門病院の医師でも感染することがあるんですね。ご本人の説明では患者に対する医療機器の取り付け時に感染したのではないかということでした。しかし鹿野院長の「人生でこれまで経験したことのない辛さ《という表現は説得力がありましたね。皆さん気をつけましょう。




■ワクチン接種について■

 先月のメッセージで私は「当面ワクチンの接種は見送ろうと思っています《と書きましたが、そのきっかけとなった免疫学の権威の大阪大学の宮坂昌之教授の最近の発言のニュアンスが変わって来ました。11月には「少し様子を見たい《と言っていましたが、最近ではどこの番組でも「打とうと思い始めた《と発言しています。私も出来れば国産ワクチンを待ちたいと思っていましたが、そろそろ巣籠もりも限界です。多少の副作用には目をつぶって順番が来たら真っ先に打ちたいと思っています。ただ政府の見通しと契約の甘さのせいでワクチンの供給は相当遅れそうです。高齢者のワクチン接種の開始は「3月末《から「4月1日以降《に変わりましたが、このままだと早くて4月下旬開始で、高齢者全員のワクチン接種が終了するのは6月から7月になってしまいそうです。その次には疾患のある人が控えていますから、一般の人の接種が始まるのは9月ぐらいではないかと思います。

 接種をためらっている高齢者の方も、もしワクチン接種にあたって「今回の接種を見送った場合には次はいつになるかわかりませんよ。高齢者や疾患を持つ人の優先権も無くなりますよ《と言われたら殆どの人が接種すると思います。現在接種が始まっている3種類のワクチンですが、私は日本でも9000万回分の生産が始まると言われるアストラゼネカのワクチンだけは受けたくないと思っています。ドイツやフランスではアストラゼネカのワクチンについては65歳以上の高齢者については明確な治験データが無いとして接種を勧奨しないとしています。また他のワクチンと比較してアストラゼネカのワクチンは有効性が低いことは明らかです。特にWHOがアストラゼネカのワクチンに対して南アフリカ変異種に対しては効果を疑問視する声明を出しています。

 ワクチンの有効性についてですが、有効性は発症しない確率であって感染しない割合ではありません。発症したかどうかはすぐわかりますが、感染したかどうかはワクチン接触者全員に定期的にPCR検査を行わなくてはなりませんから調査上能です。ですから国民全員にワクチンを接種したとしても集団免疫が獲得出来たかどうかはわかりません。と言うことで、他人に感染させる可能性が高い若者に接種するよりも、発症すると重症化の可能性が高い高齢者と基礎疾患のある人に優先的に接種を行うのは理に叶っています。

 私は基礎疾患を持つ高齢者ですが、だからと言って高齢者の中でも、より優先度が高いわけでは無さそうなので4月の早い段階での接種は期待出来ません。何とか6月中には接種を終えて安心してオリンピックを見に行きたいと思っています。

 我が国ではまだ承認も行われていないのにファイザーのワクチンの接種の準備が進められています。安倊前総理の時代から政府は「2021年6月までに1億3500万人分のワクチンを確保した《と言っていましたが、どうもこれは単なる基本合意であって正式契約ではなかったようです。厚労省は慌てて正式契約を急いでいるようですが6月までには国民全員どころか高齢者や疾患のある人のワクチン接種が完了することも難しそうです。元々ファイザー社とは2020年7月に2021年上半期に1億2000万回分の提供を受けることで基本合意していましたが、今年の1月20日に結んだ正式契約では年内に1億4400万回分となっています。また、何の発表も無いところをみるとモデルナ社とは未だに正式契約が結べていないようです。厚労省の詰めの甘さが明らかになって来ました。厚労省の役人は毎日河野ワクチン接種担当大臣に怒鳴られているでしょうね。さすがに河野大臣もそろそろ隠しきれなくなって、本当のことを言う時期かと思います。まあ、日本人の希望者全員にワクチン接種が終了するのは順調に行って1年後ですかね。

 政府は2月下旬から医療従事者にワクチン接種開始と言っていましたが、これも全然間に合いそうもないので失敗隠しのために慌てて1万人分ほどを緊急輸入にして試験的に接種を開始するようです。残りの370万人近い医療従事者のワクチンは調達の目途も立っていないのに菅総理は「2月下旬からと申し上げていたが前倒しして中旬から接種を開始する《と自慢げに発言しています。残りの接種の目途については「高齢者の接種も4月に開始する《と明言しましたが、きっとこれも数万件の接種が4月下旬に行われるだけだと思います。

 と言っていたら2月下旬から開始予定の一般の医療従事者対するワクチン接種の開始がいつの間にか「3月中旬から《となっています。あと数日で始まる予定の1万人の医療従事者の先行接種にしても未だに河野担当大臣は「確保出来ている《とは発言しません。おそらく医療従事者の残りの370万人分のワクチンの確保の目途は未だに立っていないのではないかと思います。と言っていたら突然田村厚労大臣が「ファイザーのワクチンについては諸外国では筋肉注射用の注射器が普及しているので1本のワクチンで6人に接種出来るが、我が国で一般的に使用されている注射器では5人しか接種出来ない《と言い出しました。そうなると接種出来る人数が6分の5になってしまいます。とんでもないことですが、厚労省の医系技官はこれまでこのことに気がつかなかったのでしょうか?ワクチンの調達を始め厚労省の大ミスが目立ちます。

 連日メディアでは地方自治体のワクチン接種の準備の状況を伝えていますが、私がこれからワクチン接種に関して大問題になると考えているのは優先接種の対象となる「基礎疾患の有無《です。厚生労働省では具体的に14種類の基礎疾患を示しています。しかもこれらに対しては自己申告制で証明書は求めないことになっています。米国のようにその日に余ったワクチンの争奪戦のような状況になった場合には我が国でも虚偽の申告をして優先接種を受けようとする人が多数現れると思います。現時点では「証明書が求めない《としていますが、実際に接種が始まると必ず「何らかの書類を提示することが必要《になると思います。そうなると大混乱必至です。特に基礎疾患のうち「睡眠時無呼吸症候群《や「BMI30以上《については誰でも自己申告出来ると思いますので大変なことになると思います。接種会場の受付で大混乱が起きないように今から対策を立ててほしいものです。接種が近づいたらバカ食いしてBMIの数値を急上昇させようとする人間が現れるかも知れません。




■徒然思うこと■

・菅総理風前の灯・

 菅総理の支持率は刻々と低下していますが、それに気を取られているうちに学術会議のメンバー上同意問題や安倊前総理の「桜を見る会《の前夜祭の参加費補填問題や吉川元農林水産大臣の受託収賄問題が国会でうやむやになりつつあります。どれも到底許される話ではありませんが、国会が新型コロナ一色で、毎日菅総理は吊し上げ状態ですが、本来ならばもっと激しく追及される話題からは逃れています。今後菅総理の新型コロナウィルスに関しての判断が問われるのはGoToトラベルの再開でしょうね。これに関して専門家の多くの反対の中で再開して、もしまた感染が拡大したらもう菅政権は終わりだと思います。

 それどころか最近では放送事業会社に勤務する菅総理の長男が総務省の役人と会食接待を行っていたことが明らかになりました。菅総理はこの監督官庁の役人を接待した違法接待疑惑に対して「長男は別人格《とか「長男に話を聞くことは考えていない《などと訳の分からぬ言い訳をしていますが、総務省の役人が総理の息子であることを忖度して会食に応じていたとなると問題は大きくなると思います。

 また、1月末の予算委員会で共産党の小池書記局長が菅総理に質した「官房機密費4820万円を菅総理が総裁選に流用したのではないか?《という疑惑に総理が下手な答弁を打つと命取りになると思います。

 こうやってみると菅総理は新型コロナウィルスへの対応や本人の資質以外にもあまりにも多くの問題を抱えていて、とても秋まで持ちそうもありません。とりあえず次回の支持率調査に注目したいと思います。30%を切ることは間違いないと思いますが、25%を切ったら自民党内からも退陣論が出ると思います。

・さすがは楽天三木谷さん・

 本当は楽天の悪口を書きまくろうと思っていました。と言うのは1月14日に4月1日から楽天ゴールドカードのポイント付与率を半分にすると発表したからです。これまで攻めの姿勢を貫いていた三木谷さんの初の後退です。ネット上でも非難の嵐でした。

 しかし1月末に4月からの携帯新料金を発表すると私の評価は一変しました。右の表は時事通信社提供のものですが、何と言っても楽天のプランの素晴らしいところは、予め毎月の利用量を決めてプランを選択するのではなく毎月の利用量に応じて料金が決められるところです。1月の利用量が1ギガ以下ならばその月の料金はかかりません。しかも20ギガを超えても上限無しで月額2980円です。他の携帯会社のように毎月の利用量を計算してプランを選択しなければならないのは本当に面倒です。また、これまで殆どの携帯会社は数ギガを超えるといきなり数十ギガの契約となってしまい無駄な料金を支払うケースが殆どでした。

 この楽天の料金の考え方は他の携帯会社にも大きく影響を与えると思います。ドコモもauもahamoやpovoというプラン吊で利用量20ギガまでの限定的なプランしか発表していませんが、今回の楽天のプランの発表を受けて各社はメインプランの料金の見直しを迫られることになります。そうなると本格的な携帯料金の値下げの到来です。

 最後にもう一つ楽天を誉めてあげたいことがあります。楽天の基地局が無い場所では楽天の利用者はパートナーキャリアであるauのネットワークを5ギガまで無料で利用することが出来ます。その利用に対して楽天はauに対して1ギガにつき500円の接続料を支払うことになっているそうです。ということは仮に1月に20ギガ利用したユーザーの料金は月額1980円ですが そのうち5ギガをauのネットワークを利用すると楽天はauに対して2500円を支払わなくてはなりません。520円の持ち出しまでしてこれだけのプラン設定をした楽天の英断に拍手です。



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