■やはり勇み足だった小池都知事■

 6月になってから東京都の感染者がみるみる増加して来ました。そもそも東京都では5月26日からの緊急事態宣言解除に当たって2週間ごとにステップを一段階づつ解除して行くと言うことでしたが、いきなりその期間を短縮して僅か1週間でステップ2まで解除したらその翌日に「東京アラート」を発令する羽目になりました。

 今回の感染者増を「第2波」という人がいますが、これは第2波ではなく、第1波が収束しないうちに規制を緩めたために感染者が増加しただけです。5月の後半に一時的に感染者数が減ったのはGWに自粛が進んだだけで、ウィルスが減少したわけではありません。5月 14日に緊急事態宣言が解除されて、解除されていない特別警戒都道府県でも自粛が緩んだことが感染増の大きな原因だと思います。当初の通り第2ステップへの移行を2週間待てば東京アラートの発令は無かったはずです。但しダラダラと規制を続けるよりは「東京アラート」の赤色ネオンを点灯した方がインパクトは大きかったかも知れませんね。

 今後再び緊急事態宣言が発令されるためには1日平均50人の感染者数にならないとなりませんから、再び緊急事態宣言が発令される可能性は低いと思います。但し「どうしても常識の共有が出来ない一群の人々」と言われるようになった人達、例を挙げると、このような状況の中でシャンパンの回し飲みをするホストクラブのホスト達のような人々を隔離若しくは拘束するようなことでもしないと歌舞伎町の感染の広がりは止まらないでしょうね。

 そもそも今回問題になった新宿の接客を伴う飲食店の営業は第3ステップでも解除されることにはなっていません。ルール破りで営業して多少稼いでも秋冬になって第2波が来れば再び閉店を余儀なくされるでしょう。国や都からの補償が出ない状況では商売をたたむしか無いと思います。

 やはりこうやって見ると人と人の接触が多い東京はリスキーな街ですね。東京周辺から移動する人が自粛しているせいもあるでしょうけど四国も東北も全然感染者が発生していません。しかも東京都は他府県と比較して情報化に遅れが見られるとともに隠蔽体質もあります。東京都は2回に渡り感染者数を訂正しましたがこれは何と感染者数の報告をFAXで行っていたという前時代的なシステムが原因でした。また、東京都は病床占有率に関して適時開示を全く行わず、小池都知事もこの点に関しては徹底的にだんまりを決め込みました。今回の早期の第2ステップの解除についても、感染が弱まったのではなく、医療体制に余裕が生まれたからだったと思います。

 ところで最近になって「感染経路不明の割合」というデータは極めていい加減なものであることに気がつきました。「感染経路不明とされる感染者」の中には本当に感染経路に心当たりが無いのではなく「言いたくない」という人も相当数含まれているのではないでしょうか?「他人に言えない」とか「言うと迷惑がかかる」とかで「どこで誰に感染させられたか心当たりが無い」と答えている人も多いと思います。ですから東京アラートの目安の「感染経路不明の割合が50%」については算出されている数字よりも実態はかなり低いと思います。



■定額給付金のオンライン申請についてミスを認めない総務省■

 総務省が未だに「定額給付金の申請はオンラインでも出来ます」というテレビ広報を流し続けています。マイナンバーカードのオンライン申請については不備が多く、現在54もの自治体がオンライン申請の受付を停止しています。これに対して総務省は何も文句を言いません、というよりも言えません。なぜメディアはこの点について総務省と高市総務大臣を責めないのでしょうか?安倍総理も4月20日過ぎには「マイナンバーカードを用いて定額給付金のオンライン申請が出来ます」と発言していたのですから何かコメントしても良いと思います。本当に政治家も役人も自分のミスを認めたがらないですね。

 各自治体の窓口は二つの面で大混乱です。一つはマイナンバーカードに関わる問題で、「マイナンバーカードの暗証番号を忘れた」「暗証番号を何回も間違って入力してロックした」等々マイナンバーカードのオンライン申請以前の問題で役所に多数の人が押しかけました。次に「オンライン申請の方が給付が早そうだからマイナンバーカードを発行して欲しい」とこれまた多くの人が役所に押しかけて、ただでさえ忙しい役所の仕事をさらに増加させました。

 次がマイナンバーカードのオンライン申請の不備です。私もマイナンバーカードを所持していましたのであっという間に申請が終わると思っていましたが、よく考えてみると、今回の特別定額給付金の申請は世帯毎なのに対してマイナンバーカードは個人個人のカードですから、例えマイナンバーカードを所持していても単身世帯以外は世帯員の氏名の入力というアナログな作業が発生します。私もそれに気がついてオンライン申請を中断しました。その他にも手入力しなければならない箇所が幾つもあり、それらについて合っているかどうか役所では人海戦術でチェックするという前時代的なトラブルになりました。おかげでオンライン申請よりも郵送による申請の方が遙かに早く給付されることになりそうです。何故マイナンバーカードのオンライン申請で様々な問題が起きると総務省はわからなかったのでしょう?私はそんなことにも気がつかずにオンライン申請を推奨した総務省という役所が心配です。そもそもマイナンバーカードの制度設計に関わった人は何を考えてマイナンバーカードを作ったんでしょうね?マイナンバー制度が始まって5年も経つのに未だに住民基本台帳との連動が行われていなかったことには本当に驚きです。

 まだ申請を行っていない人もいると思いますが、間違ってもオンライン申請などせずに郵送による申請を行って下さい。ただ問題になった「給付金を希望されない人」については事前フォームでは別に枠が設けられていて×印を記入することになっていましたが、実際に私に送られてきた用紙では続柄の隣に要と不要の□が設けられいて、給付を希望する人は「要」の欄に〇、希望しない人は「不要」の欄に〇を入れろと指示されていました。驚いたことに各自治体で請求書のフォームが異なっているようです。せっかく総務省が見本を出しているのですからそれを踏襲すればよいのに、わざわざ各自治体が独自のフォームを作成したために手間もかかるだけでなく混乱も招くことになりました。元はと言えばどこかの国の財務大臣の「金持ちは受け取らないんじゃないか?」の一言のために各自治体は余分な欄を設ける羽目になり、多くの混乱を来すことになりました。しかし私の知る限り「要」の欄があったのは文京区だけです。失礼な区ですねぇ。まるで私がお金を必要かと訊かれているみたいです。なお特別定額給付金の申請の締め切りは早いところでも8月の中旬ぐらいになりそうですからお急ぎでない方はゆっくり申請して下さい。しかし今回のことで国民のマイナンバーカードに対する印象は最悪となりました。未だ普及率は16%ですが、今後普及率が進むとは思えません。そんなことをやっている間に7月にはマイナポイントの申し込みが始まります。また混乱が起きること必至です。

 しかし今更ながらですが、何故住民基本カードというものがあったのにわざわざマイナンバーカードを作る必要があったのでしょう?もし住民基本台帳に基づいて発行された住民基本カードが利用出来ればオンライン申請が可能だったと思います。利権がらみでわざわざマイナンバーカードに切り替える必要があったんですかね?

・その他の給付金・

 東京都の休業協力金である「感染拡大防止協力金」については未だに支給率が10%程度のようです。病床占有率のように自分にとって不利なことに関しては情報開示を渋る癖のある小池都知事はこの支給率に関して全く発言しません。正確なデータとしては5月22日現在で支給率は僅か6%ということです。それ以降はネット上を調べてみてもなかなかデータが見つかりません。こういうデータこそ即時開示して欲しいものですが、東京都は知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいます。このペースで行くと年内に振り込まれない人も出てきそうです。本当に休業したかどうか調べるわけでもないのになんでこんなに時間がかかるんでしょうね?

 一方異常とも思えるほど支給が迅速だったのは「持続化給付金」です。私の場合には僅か5日ほどで振り込まれました。本来は2週間ほどかかると言われていましたが、東京都に比べて国の方が書類審査がいい加減と言うべきか迅速と言うべきかわかりませんが何しろあっという間に支給されました。私はこれでまたあちこちのNPOに寄付出来ます。

 また、家賃補助については骨格は決まったようですが第2次補正予算で組まれているので給付されるのは8月になってしまいそうですが、それでは4月から殆ど売り上げの無い多くの飲食店や企業は倒産してしまいます。固定費に占める割合の最も高い家賃に関する支援はもっと迅速に行われるべきでした。

 雇用調整助成金にいたっては申請書類の作成が難しく、未だに支給が始まったとは言えません。

 なお感染拡大防止協力金については第1回目も殆どの人に支給されていないのに6月17日から第2回目の受付が始まります。休業協力期間が5月7日から25日までの僅か18日間で前回の同額が給付されるのはお得な感じですね。



■実体経済との乖離が進む株式市場■

 日米の株式相場が高騰を続けていますが私には全く理解不能です。原因は日米両国で中央銀行が異常な額の資金供給を市場に対して行っていることしか考えられません。古い言葉で言えば「金融相場」です。しかしその後に期待される「業績相場」の見通しが全く立たないまま買い上げられている金融相場です。NY市場も東京市場もダウ平均は今年初めにつけた最高値に近い水準まで戻って来ました。

 しかし現在の世界の経済不況はリーマンショックを大きく超えて1929年の世界大恐慌を上回る水準とも言われています。このような状況の中で株式を買い上がっていく感覚は私には理解不能です。米国の商務省が6月4日に発表した米国の4月の貿易統計では7.8兆円の赤字となり輸出入の落ち込みは集計開始以来最大となりました。それでもNY市場は暴落せずに、翌日の5日には更なる悪化が予想されていた5月の失業率が逆に1.4%改善されたことを材料に一時1000ドル超の暴騰となりました。どうも市場が相場にとって好材料を必死に探して、それを拠りどころに買い上がっている感じです。しかし米中関係の混迷や様々な経済数値の悪化からすれば現在の株価の半分になっていても決しておかしくありません。しかも人種差別問題で全米でデモの嵐が吹き荒れている中での暴騰です。私は売りポジションを維持しているので損失がどんどん膨れていますが、自分の信念に従って現在のポジションを継続したいと思っています。ただ際限無く損失を膨らませるわけにも行かないので、信用売りではなく、売りのポジション(プット)を買い持ち状態です。米国では期間の定めなく売りのポジションを維持できますが、日本では数ヶ月先には期日が来てしまうので期限が来たら改めてポジションを立て直さなくてはならないのが面倒です。それともう一つ大事なことがあります。これはわが国だけの特殊事情ですが、もし東京オリンピックが中止になれば20兆円と言われる経済損失が現実のものとなり東京市場は暴落します。市場に参加されている方はこの点は頭の片隅に置いておいた方が良いと思います。それともう一つ、今月17日に国会が閉会されると検察が河合夫妻を立件すると言われています。そこで河合案里議員に対する選挙資金1億5千万円の支出の経緯が追及されると安倍総理の辞任という線も出て来ますので注意が必要です。

 しかしこれだけの過剰流動性だからと言ってもそれは金融市場だけの話で、物価も上昇するかと言えば決してそんなことは無いと思います。逆にデフレに向かう可能性が高いと思います。確かに今回の騒ぎでサプライチェーンがズタズタにされ商品や製品の供給が滞っている部分も随所に見られます。しかしそれ以上落ち込んでいるのが需要です。消費に向かうお金が極端に細くなっているばかりで無く、消費意欲が極端に減少しています。デパートの営業が再開しても嗜好品や高級品に消費が向かう可能性は当分ありません。

 今後はサービス産業の多くが消費マインドの低下と「7割経済」の中で生きて行かなくてはなりません。劇場や飲食店は客席を半分近く減らすことが求められます。よほど収益率の高い店以外は生き残って行けないと思います。また減らした席が満席になるほど人々のマインドが戻るには1年以上かかると思います。秋から冬にかけて第2波の感染が起きればさらに復活の時期は遠のきます。特にインバウンド目当てのビジネスはお先真っ暗だと思います。7年かけて1000万人から3000万人まで増加させて来た訪日外国人旅行者ですが今年はいったいどれほど外国人旅行者数が落ち込むか想像も出来ません。国内旅行に対応出来ない外国人向けの旅行社は廃業して他のビジネスを始めた方が良いと思います。京都の嵐山の土産物店はインバウンド向けの商品を裏に下げて総て日本人向けの土産物に品揃えを替えたそうです。賢明ですね。

 街を歩いていると「閉店します」の張り紙が目立つようになって来ました。このままでは東京の社交場である銀座のナイトクラブの多くが閉店の憂き目にあってしまいます。なんと言ってもビジネスモデル自体が感染防止と全く逆ですからワクチンが開発されるまでは商売の目途は立ちません。と言っていたら6月8日から幾つかの銀座のクラブが営業を再開したようです。やはり背に腹はかえられないということでしょう。最大限の感染防止に努めているようですが、接客スタイルがどうしても「蜜」がベースのビジネスですから大変です。今のところホステスがマスクどころかフェースシールドを付けて接客する店もあるようですが、さすがにそれではお客は集まらないと思います。一応スタッフ全員にPCR検査を受けさせるようですので、そうなれば何とか乗り切れるかも知れません。現在任意のPCR検査は認められていませんが、プロ野球では開幕前に選手全員にPCR検査を受けさせるそうですから、このような形の任意のPCR検査が認められても良いと思います。東京都や政府は休業に対して補償しないのならばせめてこれぐらいの措置は認めるべきです。店側ももう一歩踏み込んでサービスの変革を考えるべきだと思います。何とか密にならずに接客する方法はないものでしょうか?



■徒然思うこと■

・安倍総理は世論に屈したのではありません・

 東京高検の黒川検事長が文春の賭け麻雀報道で辞任することになった時に、とくダネの小倉さんが公務員の定年延長法案が通った後でなくて良かったですね、と発言していましたが、これはお門違いの発言で、安倍総理が検察官の定年延長を含む公務員の定年延長法案の採決を突然断念したのは検察OBの意見書や日弁連の意見や、もちろんネットの反対署名のためではありません。安倍総理は5月18日に検察庁法改正案と公務員の定年延長法案について今国会での成立を見送る方針を発表しました。これについて5月17日の朝日新聞の世論調査で内閣支持率が大幅に下落したのが法案成立を見送った理由だと報じたメディアもありましたが、この読みも外れだと思います。と言うのは件の黒川前検事長の麻雀賭博を報じた5月21日発売の週刊文春によると、5月17日には文春は黒川検事長に直接この件について取材を申し込んでいます。このことが官邸筋に伝わらないはずがありません。そこで安倍総理は黒川氏の麻雀賭博及びそれに伴う辞任騒ぎの前に先手を打って、世論に配慮したかのようなポーズをとって検察庁法の改正案の今国会での成立を見送ることにしたのだと思います。検察庁法の改正案及び公務員の定年延長法案を秋の通常国会で再提出との報道もありますが、公務員の定年延長法案はともかく、検察庁法の改正案の提案はまず出来ないと思います。

 ところで週刊文春はネタ元が産経新聞関係者だと明らかにしています。この取材源の公表がマスコミ人として許されるかどうかはともかく、通報者の貢献度は非常に大きなものがあります。産経新聞関係者が何故自分の勤務先に不利になることをリークしたのかわかりませんが何か裏があるような気がして落ち着きません。

・本当に心配な日本のIT化の遅れ・

 今回のコロナ騒ぎで我が国の抱える様々な欠陥が炙り出されたと思います。特に我が国はITに関して決して先進国ではないことを今回のコロナ騒ぎで実感しました。PCR検査を始め医療技術もマイナンバーカードや雇用調整助成金のオンライン申請の不備も全く話しになりません。あらゆるシステムに欠陥が見つかっています。そのせいもあって我が国の政治が行うことは何から何まで後手に回っていて本当にイライラします。日本経済新聞では「ガラパゴス行政」という言葉を使い始めました。

 政治家の中に日本のITの遅れを認識している人がいったい何人いるでしょうか?そもそもハンコ議連の会長がIT担当大臣というとてつもない皮肉な人事がITに対して政権が全く重要視していないことの現れです。尤も経済再生担当大臣を新型コロナウイルス担当大臣にするというのもアクセルとブレーキを同じ足に踏ませているみたいで笑っちゃいますけどね。唯一期待出来るのはIT担当副大臣の平将明代議士です。ITに関する理解はピカ一ですが、ITに無知な人をちょっと見下すところがあるのと石破派なのでなかなか主要ポストにつけません。しかし彼と若手のキャリアでチームを組ませて自由にやらせれば並みの国ぐらいまでのレベルには行けると思います。そうでなければ台湾の「ITの神」オードリー・タン大臣に教えを乞うのも良いと思います。そこまでわが国のITは先進国から遅れをとっています。なおタン氏は東京都の新型コロナウイルス感染症対策サイトの修正のアドバイスもしてくれたこともあるので決して実現不可能なことでは無いように思います。

・今月末で期限が終了するキャッシュレス還元・

 昨年10月の消費税率アップに関する需要平準化、すなわち消費がいきなり落ち込まないように今月までの9ヶ月間は中小事業者との取引に関してはキャッシュレスで行われた場合5%の還元が行われています(コンビニでは2%)。皆さん買い物するときにあまり意識されていなかったかも知れませんが、ネットの買い物では販売業者が5%還元に対応する中小事業者かどうか明記されているので、出来れば中小事業者から購入されていた方が多かったと思います。しかしそれも今月で終わりです。もし早めに購入しておいても良いと思う物は今月中に購入されておいた方が得だと思います。

 それと上では触れませんでしたが、マイナポイントの予約すなわち「マイキーID」の発行は既に始まっています。これについては予約者数が上限に達した場合には打ち切られる可能性もありますので出来るだけ早めに「マイキーID」を取得して下さい。

・コロナ後のビジネス・

 誰もが「いつまでこんなことをやってなくてはいけないんだ!」と思っているでしょうが姿の見えない敵に怒っていても始まりません。今後は今までと同じようなビジネスの復活を願っても難しいと思います。コロナ禍で成長したビジネスも沢山あります。宅配ビジネスやテレワーク関連のビジネスは絶好調です。まだ業績には結びついていませんが他業種に変換しようとする動きも見られます。 製造の現場でも、今後は日本回帰が進むと思います。マスクに代表されるように生産を海外に依存し過ぎた結果、国内では様々な問題が発生しました。もちろんサプライチェーンが国内に回帰すればコストは上昇するでしょうが、安心安全な製品の供給の対価として考えなければならないと思います。

 そればかりでなくありとあらゆるビジネスで弾力的に行動できる体制を整える必要があります。シャープやアイリスオーヤマ等の企業が続々とマスクの製造ラインを増強したり、多くのアパレルメーカーが医療用ガウンの製造に乗り出しています。これからは需要の変化に応じて製造ラインを容易に組み替えられる体制が必要です。

 飲食店も席数が制限されますので今まで以上に宅配を強化するどころか無店舗営業を考える必要も出てくると思います。席数の少ないままでいくら頑張ってもらちがあきません。医療や教育の分野もこれまでの対面の代替手段としてのオンラインではなく、それが主流となるようなオンライン診療やオンライン授業が構築されなければなりません。総てのオンラインが「リアルの代替のオンライン」ではなく「オンラインの特性を活かしたリアルに取って代わるオンライン」になると思います。

 また、これも席数と人数の関係で見通しが立たないイベント業も、以前の状態の復活を待つのではなく、オンラインのサービスの提供を積極的に考えていかなければなりません。スポーツ競技やイベントも無観客でも生き残れる道の模索が必要です。いかにオンラインで「生の魅力」を伝えられるか英知を結集しなければなりません。私の関係するオペラ団体では8月のオペラ公演に向けて舞台のあらゆる配置を感染対策用に変更しています。特に問題になるのがオーケストラのピットで、歌手の飛沫を直接浴びる現在の配置ではなく、オーケストラを舞台上に上げるという計画が進んでいます。それでも感染が納まらなければ無観客も覚悟しているそうです。

 また個人もこれからの様々な機器に備えて準備が必要です。今回のコロナ騒ぎでもマスクやトイレットペーパーを備蓄していた家庭はそれほど焦らないで済みました。ありとあらゆることに関して「・・に備えて」とか「もしもの時のために」という考えを持ち続けることが必要です。尤もどこかの官房長官が言うように、次の流行に備えて役にも立たないアベノマスクを保存しておく意味は無いと思います。

 それと文藝春秋7月号の特集「コロナ後の世界」は是非お読みください。

 なにより期待されるのは早期のワクチンの開発です。



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