■東京五輪チケット狂騒曲■

 東京五輪のチケット申し込みが終了しました。申し込み締め切り直前の5月28日の夜11時半には何と101万人がアクセス待ちで、待ち時間が3時間半だったそうです。これに対して組織委員会は締め切り予定時間を12時間延長して29日の12時までとしました。この措置によって36万件の登録件数が増加してID登録は750万件を超えたそうです。しかしこんなぎりぎりになってID登録をして皆さんチケットの申し込みが出来たのかどうかはなはだ疑問です。

 また、このようなオフィシャルなイベントに関して締め切り時間を延長するというのもどうかと思います。この措置によって当選確率が5%下がってしまったわけですし、間に合わなかったのは自己責任だとの声もあります。申し込み初日にはあれだけの大混乱が起きたのですから、締め切り直前にも多数の申し込みが殺到して大混乱が起きることは誰でもわかっていたはずです。日本人はもう少し几帳面でスケジュールを守る人種だと思っていましたが、ずぼらの人も多かったようです。

 また混乱の一つの原因が、追加のチケット申し込みが出来なかったことが挙げられると思います。私も経験しましたが、とりあえず優先度の高いチケットの申し込みを行って、後日追加の申し込みを行おうとすると、当初の申し込みを一旦総てキャンセルして、改めて最初から申し込みし直さなくてはなりませんでした。締め切り直前にこの操作が出来ず重複申し込みとなったトラブルが1000件以上発生して混乱に拍車を掛けたようです。

 ところでマーケッティング会社が実施したアンケートでは、「東京オリンピックの式典や競技を会場で見たい」と答えた人は全体の40%しかいなかったそうです。まあ、これは対象者が関東の1都6県で500名、その他の地域で350名だそうですからあり得る話だと思います。先日も全国の税理士が集まるゴルフコンペで「オリンピックのチケット申し込みましたか?」と訊いたら、東京周辺に家族が住んでいて宿泊の心配の無い人以外は一人も申し込んでいませんでした。関東以外にお住まいの人は宿泊場所の確保の問題もあってチケット申し込みに二の足を踏んだようです。そもそもアンケート対象者の6割の人が関東に住んでいるのに、チケットを申し込んだ人は25%しかいませんでした。ID登録者が750万人にも上った割には申し込み割合が低いように感じます。関東1都6県の住民数は4300万人で世帯数は約1800万ですが、そのうち東京都の世帯数は670万世帯です。おおざっぱに推測すると東京に住んでいる大人約800万人の3分の1、周辺の県の人は5人に1人がID登録したような感じでしょうか。子供や高齢の両親の名義で登録した人も多かったかも知れませんね。ただ周りの人に訊いてみると思いの外申し込んでいない人が多い感じです。本当に人による温度差が大きいです。

 実際にチケットを申し込んだ人の申し込みランキングを見ると1位が開会式、2位が閉会式、3位が陸上競技、4位がサッカー、5位が競泳と続きます。人気の高いものに素直に申し込んだ人が多いという感じです。伊豆の自転車と言った穴狙いの方は少なかったようですね。どうしても見たい人は穴狙いに徹すれば案外当選したかも知れませんね。

 6月20日に今回のチケット申し込みの結果が発表されます。当選された方は当選したチケット総てを7月2日までに購入しなくてはなりません。21日にはテレビで悲喜こもごもの申込者の姿が映し出されると思います。開会式が当選した芸能人がまるで万馬券が当たったかのように自慢げにテレビに登場すると思います。しかしいったいどれぐらいの人が当選するんでしょうね?30枚も申し込んで1枚もかすりもしないのか?それとも1枚ぐらいは当たるのか?何しろ倍率が全くわからないので何とも言えません。来月のメッセージで何と書くことになるのか楽しみです。オリンピックのチケットだけでずいぶんメッセージのスペースを稼いでしまいました(笑)

 さて、東京オリンピックのチケット申し込みをした方には組織委員会から当選した場合の注意事項のメールが届きました。決済が現金かVISAカードかという話は事前からありましたが、今回明らかになったのは、現金決済は支払額が30万円未満のケースしか出来ないということです。当選したチケットが30万円以上の場合には必ずVISAカードが必要になりますので、もしお持ちでない場合には7月2日までにVISAカードを手に入れなくてはなりません。他人名義のカードは使用出来ないことはもちろんですが、カードによっては使用限度額が低いものもありますので、事前に調べておく必要があります。また、当該月の使用額が多いと限度額をオーバーして使えないケースも考えられるので注意が必要です。

 次に、これも今回新たに発表されたことですが、現金での支払いはコンビニ店頭でのみとのことです。ですから、購入者は銀行振り込み等の支払い手段は利用できず、コンビニ店頭で現金で支払うか、公式サイトでVISAカードで決済するしかありません。なお、購入手続期間は7月2日までですが、コンビニ店頭での支払いは7月4日までだそうです。

 最後に、もし1枚もチケットが当たらなかった方で、どうしても生のオリンピックを見たい方へのアドバイスです。

 まずゴールドパートナーの対象商品を購入してチケットを申し込むことが考えられます。パナソニックの対象商品を購入すれば様々な式典や競技のチケットを申し込めます。9月末迄の購入で11月末迄の申し込みの第1弾の受付は既に始まっています。10ポイント1口ですが、私がオリンピック観戦のために購入しようと思っている有機ELテレビだと80口も申し込めるので当選の可能性は高いかも知れません。

 次に旅行会社のオリンピック観戦ツアーに申し込むという手があります。今月の15日からJTBでは東京オリンピック競技中、横浜の山下埠頭に停泊するクルーズ船サン・プリンセスをチャーターした「観戦チケット付ホテルシップ宿泊プラン」の抽選販売を開始します。これは申し込みが7月15日迄ですから今月20日の当選結果を見てからでも間に合います。但し宿泊付きですから最も安いチケットでも10万円を超えてしまうと思います。

 最後は海外向けのチケットを申し込む方法です。これはまだどのように申し込むのか全くわかりませんが、必ず世界のどこかで売れ残りのチケットが出るはずですからあらゆるアンテナを張っておけば入手出来る可能性があると思います。

 これでもダメならマラソンを街頭でご覧になって下さい。飯田橋から市ヶ谷辺りがお勧めです。



■高齢者ドライバーと自動運転■

 4月の池袋の高齢者の暴走事故以来、急に高齢者の事故の報道が多くなったような気がします。これは必ずしもメディアが重点的に取り上げているわけでは無く、本当に高齢者ドライバーによる事故が日々増えているようです。6月4日に発生した福岡の大事故もやはり高齢者の運転によるものでした。

 高齢者ドライバーによる事故を完全に防ぐことは出来ませんが、運転どころか歩くのもおぼつかない高齢者に運転させないようにすることは出来ます。私はまず原則75歳以上は免許を返納させて、一定の健康診断と実技試験をクリアした高齢者だけに免許証を交付してはどうかと思います。殆どの高齢者ドライバーは「自分だけは大丈夫」と思っています。こういう人達に高齢者研修を受けさせても何の意味もありません。実技できちんと運転技術を確かめる必要があると思います。

 但し、平常時にきちんと運転出来るからといって安心してはいけません。池袋の事故も福岡の事故も運転者は最初の軽微な事故の後はアクセルを床まで踏んでいたと思われます。高齢者は最初の事故で気が動転してしまうと、ブレーキを踏むどころかアクセルを目一杯踏み続けてしまうようです。自分の間違いに気づかず「何で止まらないんだ?」と思いながらアクセルを踏み続けてしまうのです。池袋の事故の加害者も未だに「ブレーキが利かなかった」と主張しているのがその証です。この問題を解決しない限りは平常時の運転試験を幾ら厳しくしても意味がありません。こうなると高齢者には衝突軽減ブレーキ付きの車のみ運転出来るように法律を改正するしかありません。

 例えばスウェーデンのボルボは「新しいボルボ車での交通事故による死亡者や重傷者を2020年までにゼロにする」というビジョンを掲げています。確かにボルボという車は運転してみると、操作性には色々問題はありますが、安全に対する警報システムはどの車よりも先行しているように感じます。ボルボの最新型に乗っていれば池袋の事故も福岡の事故もあれだけの大惨事にはならなかったと思います。

 こういうことを言うと「誰でも新しい装備の車に買い換えられるわけではない」とか「農作業に行くのにそんな車は必要無い」とか色々な文句が出て来るでしょうが、いちいちそれらの個別事情に配慮していては高齢者の事故は無くなりません。現在のように高齢者ドライバーの事故に関心の高いときに強烈なリーダーシップで法律を改正すべきだと思います。

 と言っていたら政府が高齢ドライバー専用の新しい運転免許を作る方針であることが報道されました。極めて素早い政府の対応は素晴らしいと思います。75歳以上を想定し、自動ブレーキなど安全機能が付いた車種のみ運転出来るようにするとのことです。今月末にも閣議決定され来年度の実施を目指すとのことですが、残念ながらこれは義務づけでは無く選択制になりそうです。

 一方自動運転に対する動きも進んでいます。政府は2020年にも自動運転を実用化する目標を掲げています。5月17日には自動運転を想定した道路運送車両法が成立しました。これで来年後半には高速道路や過疎地での自動運転の実用化が始まるかも知れません。

 自動運転ではまずレベル1では足の操作が不要です。レベル2では手の操作も不要になります。レベル3では緊急時には人が操作出来るという条件付きですがスマホやテレビを見ることも可能になります。現在でも前車追従型オートクルーズとレーンキーピングシステムを装備した車なら高速道路では殆どハンドルに手を触れずに走ることが出来ます。運転者の精神的肉体的負担も大幅に軽減されています。

 もし高速道路でレベル3の自動運転の実用化が始まれば、対応車種については事故の心配は殆ど無くなります。素晴らしいことですね。但し現在販売されている新車では8割近い車に何らかの衝突軽減ブレーキが付いていますが、実際に街を走っている車に関しては2割未満と言われています。もちろん経済的に買い換えが困難な方も多いと思いますが、こういう時こそ国が補助金を出すとか、自動車取得税をゼロにするとかして衝突軽減ブレーキ付きの車の普及促進を目指すべきだと思います。東京都では早速小池都知事がこれに近いことを言い出しました。

 なお、以上のような状況のなかで、現在車の購入や買い換えを考えている方は自動運転レベル3への対応が済んでいる車を購入するか、年末から来年に相次いで発売されるレベル3対応車種の発売を待つべきだと思います。9月にセールスマンの口車にのせされて消費税率アップ前の値引きに惑わされないようにして下さい。

 しかし池袋の事故を始め高齢者ドライバーの事故は車種がトヨタのプリウスが多いような気がします。これまでもプリウスの事故は数多く報道されています。先日福岡で100キロ以上の速度で暴走していた高齢者が亡くなった事故も車種はトヨタのエスティマでした。「トヨタのハイブリッドシステムに欠陥がある」という噂が絶えません。高齢者がプリウスを好むのかどうかわかりませんがあまりに偶然が過ぎると思います。



■安倍総理最長在任日数■

・米中貿易摩擦激化?・

 6月7日に安倍総理の在任日数が2721日となり歴代3位となりました。本来ならば規定でこんな在任日数になるはずはありませんでしたが、総裁任期を「連続2期6年」から「3期9年」に改正して居座った結果です。

 しかし安倍総理のぶち上げた政策のうちいったい幾つが実現したでしょうか?お得意と言われている外交問題では北方領土問題に関しては昨年一時的に2島返還機運が盛り上がりましたが、結局これもロシアのブラフで、見せかけの日ロ関係の良好化だけで実質的には全く進んでいません。北朝鮮の拉致問題にしても昨年までは「米国と手を携えて経済制裁を強めていく」一辺倒でしたが、米朝会談の進展を見ていきなり「条件なしに金正恩委員長と対話する」とぶち上げましたが、北朝鮮に全く相手にされていません。

 原発問題に関しても「アンダーコントロール」どころか汚染水の漏れは一向に止まる気配は無く、それどころが汚染水のタンクの置き場にも困る状態になって来ました。廃炉作業も全くと言って良いほど進んでいません。どこが「アンダーコントロール」なのでしょう? その他にも統計数字を操作しても達成の見込みが無い「GDP600兆円」とか、いつになっても目標に近づくどころか遠のいている「目標出生率1.8」とか口先では色々ぶち上げますが一つも実現出来ていません。

 最近では金融庁の報告書が大問題を引き起こしています。60代の夫婦が人生100年時代を生き残るのは何と2000万円の蓄えが必要だと言うのです。2004年の年金改革で自民党と公明党は、老後も現役時の収入の50%以上を確保するという「100年安心年金」を打ち出しました。私は「100年安心年金」とは「100歳まで大丈夫」という意味かと思っていましたが、2004年に当時の森英介厚労副大臣が厚生労働委員会で「100年後でも絶対大丈夫です」と発言しています。それが僅か15年で破綻です。

 金融庁の報告書では65歳の夫と60歳の妻のケースで20年間生きるとすれば1300万円、30年生きるとすれば2000万円の蓄えが必要だとされています。しかし参議院選挙前にこのような報告書が出されたものですから自民党政権は火消しに大わらわです。街中ではこの金融庁の報告書に対して怨嗟の声が渦巻いています。再開した国会でもこの問題一色で安倍総理は必死に「100年安心年金」の安心さを説いていますが、もう信用する人は誰もいません。しかも今回「老後に2000万円の蓄えが必要」とした6月3日公表された金融庁の報告書の当初の文案では以下のような記載があったことが明らかになりました。

・公的年金の水準が当面低下することが見込まれている
・公的年金だけでは望む生活水準に届かないリスク・・・
・年金の給付水準が今までと同等のものであると期待することは難しい
 今後は、公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある

 これは5月23日の報告書案の一部ですが、これが6月3日の報告書では総て削除されています。官庁お得意の改ざんです。しかし、この報告書案を見ると10日の安倍総理の国会答弁が全くの虚偽であることが明確です。

 実はこの報告書案は朝日新聞が5月23日の朝刊で報じています。この段階で老後には「1300~2000万円必要」「長寿化でこうした蓄えはもっと多く必要になる」と記載されており、野党はこの時点で政府を追及すべきでした。そしてこの報告書案から上記の年金支給水準の維持は困難等の文言が削除されたのです。しかし政府も65歳で引退して年金暮らしの標準モデルを打ち出したり、70歳まで働かせる戦略を打ち出したり忙しいことです(笑)と言っていたら、11日になって自民党が金融庁に対してこの報告書の撤回を要求しました。とてもこのままでは参議院選挙を戦えないという焦りの表れだと思います。つい2、3日前は一生懸命報告書の意図を説明していた麻生財務大臣もあまりの大騒ぎに「この報告書は受け取らない」と言い出しました。自分で諮問しておいて内容が気にくわないから受け取らないというのは前代未聞です。自民党全体でこの報告書を闇に葬ろうとしているのです。しかし人々の頭の中には「2000万円不足」が強烈に印象づけられてしまいました。野党は参議院選挙で、この「2000万円不足」とともに、この報告書を闇に葬ろうとした自民党と政権の姿勢を鋭く追及することでしょう。

 さて安倍総理の行った主な政策と言えば法人税率の引き下げと金利の引き下げです。法人税率の引き下げで企業は450兆円もの手元留保が出来ましたが、それは主としてM&Aと自社株買いに回されて給与には回りませんでした。また長期の低金利によって生活を預金に頼っていた高齢者の老後設計はズタズタになりました。低金利政策は20年も続いています。これ自体が経済運営がまともに行われていない証拠です。世界に例を見ない超低金利政策の継続で庶民の資産運用はままなりません。通常の金利が付けば老後の生活もだいぶ楽になると思います。

 これだけの愚策を続ける安倍総理が長期政権を続けられるのはもちろん愚かな当時の民主党政権のせいです。鳩山由紀夫元総理と菅直人元総理が民主党と野党に対する大きな失望感を国民に植え付けたためこのようなことになりました。ただ、自民党の中にも安倍総理に取って代わる人材がいないのもこれまた問題です。こうなったらせめて自民党の議員数を減らして安倍政権に打撃を与えるしかまともな政治に近づく途はありません。一番落選させて欲しいのは麻生財務大臣です。これまでも幾つもの暴言を繰り返していましたが、今回の「老後2000万円不足問題」でも空とぼけて国民を愚弄するような発言を続けています。これだけ問題になっている報告書を「全体は読んでいない」と国会で発言しました。何故こんな政治家を麻生氏の地元では落選させる動きが出ないのでしょうか?福岡県民はそれほど日本の将来を考えていないのでしょうか?選挙は無記名投票なんですから落選させてしまえば良いのに。

 と言っている間に衆参同時選挙は無くなり、消費税率10%の引き上げは予定通り行われることになりそうです。本来ならば施行3ヶ月前ですからキャッシュレス決済始め様々な対応を講じていなければならないはずですが、これまで何回も延期されてきたのでまた延期だろうと思って、積極的に対応を取っていない事業者の方が多いようです。税率引き上げ直前になると複数税率対応のレジが品切れになったり、各部署に対する通達文の作成に時間がかかったりすると思いますので、今回の衆参同日選見送りの報を受けてそろそろ準備が必要かと思います。個人についても中小規模の店舗でキャッシュレス決済をした場合には5%のポイント還元を受けられることになっています。それでは私達はどのキャッシュレス決済を選べば良いのかは来月のメッセージでご説明したいと思います。



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