■新年を迎えて■

 新年明けましておめでとうございます。今年もまた多くの不安を抱えての船出となりました。世界中に混乱を巻き起こしているトランプ政権ですが、昨年からは中国との貿易戦争と覇権争いが深まっています。ヨーロッパにおいては最も安定感のあったドイツのメルケル首相が退陣間近ですし、燃料税値上げに端を発した過激化する政治的デモによってフランスのマクロン大統領が追い込まれています。英国では未だEU離脱の道筋が描けず、挙げ句の果てにはメイ首相が党内の不信任決議案に引っ張り出される始末です。一方中国では習近平主席が終身主席の座に止まることが出来るように憲法が改正されましたし、ロシアのプーチン大統領も終身大統領を目指しています。さすがにトランプ大統領は年齢的な問題を抱えていますが、それでも再選意欲満々です。このように世界的に好ましく思われていないリーダーの続投で世界的な安寧への途は描けません。個人的にはオバマ前大統領のような良識のある政治家の出現を待ちたいと思います。

 国内では相変わらず安倍首相のゴーイングマイウェイならぬ「強引にマイウェイ」(面白いことを言う人がいますね)政治が続きますが、悪は悪なりに安定感を保っています。我が国もこのまま安倍首相の有力な後継者が出て来ないと「安倍総裁の4選」という話も出て来るかも知れません。

 また、2018年の漢字が「災」に決まったことでもわかるように、かつて無いほど多くの自然災害に見舞われました。地震ばかりか異常気象も続きました。「過去に前例の無い」という警報は初めて耳にしました。元日には早くも台風1号が発生してタイ南部に大きな被害を出しています。私達としては防災用品を完璧に用意するぐらいしか安心材料はありませんが、せめてそれぐらいはしておきたいものです。私は念のため隣家のための防災用品も備え始めました。今年の抱負が「防災用品の完備」というのも何とも寂しい話です。

 今年は日本や世界を揺るがすスケジュールが満載です。3月までには90日間延長されていた米中貿易協議が決裂するかどうかが決まります。英国でEU離脱の決議が通らないと、何も決まらないままのEU離脱となって大混乱が起きます。4月には新元号が決まり世の中がその対応に追われます。また統一地方選挙も行われます。5月1日には新元号となります。6月にはG20サミットが大阪で開催されます。7月には「ダブル選挙かも」と噂されている参議院選挙です。8月にはG7サミットが開催されます。政治には関係ありませんが9月にはラグビーワールドカップが始まります。ラグビーワールドカップ開催中には消費税率がアップされる予定で、軽減税率の適用とポイント還元で世の中が大混乱となると思います。

 と言うことで何とも落ち着かない1年になりそうですが、心の備えをしておけば幾らかはショックは和らげられると思います。「何々しておけば良かった」と思わないようにして下さい。



■平成30年史■

 あと4ヶ月で平成の時代が終わりを告げます。「平成はバブルに始まり」と言われますが、正確には「失われた10年」と言われるように、平成の前半は昭和のバブルの後始末の時代だったと言えます。株式相場のバブルの始まりは昭和62年2月のNTTの上場です。この時2万円だった日経平均は3年半後の平成2年10月に3万8915円の高値を記録しました。神田三崎町地区から始まった地上げの嵐が吹きまくり、この頃には「東京都の地価400兆円で米国全土が買える」と言われました。日本企業がニューヨークのビルやハワイのホテルやゴルフ場を買い漁ってひんしゅくを買っていた時代です。私の事務所にも沢山の不動産業者が押しかけて来ました。広尾ガーデンヒルズが1坪2000万円で取引された時代です。あの宴に酔った人達のうちどれだけの人が社会的に生き残ったかわかりませんが、その当時業績が悪化して不動産融資が思うように行えなかった三菱銀行が後に「優良銀行」と言われるようになったのはあまりに皮肉と言えば皮肉です。

 バブル崩壊直後には色々興味深い話もありました。売り損なって地上げ屋を探してもどこにも見当たらず途方にくれたお年寄りとか、有名私立小学校に通っていた生徒が親の夜逃げと共に姿を消したとか、マンション業者御用達の司法書士が欲に目がくらんで多数のワンルームマンション投資を行い自己破産をしたとか、都市銀行の支店長がお客さんに紹介した新設のゴルフ会員権を自分も購入して支払いきれなくなって退職金をローン支払いに充当したとか様々な話がありました。誰が命名したのかわかりませんが、本当にバブリーな時代だったと思います。

 それが天皇陛下の生前退位のお言葉にもあったように、昭和の最後は昭和天皇の容態悪化もあり、社会的には沈滞ムードとなりました。特に平成元年は昭和天皇の崩御に伴う服喪の雰囲気が世の中に蔓延していたために様々な行事も中止され、歌舞音曲も自粛され経済活動も大きく停滞しました。

 平成2年の3月には不動産融資規制、いわゆる「総量規制」が行われ、土地価格の下落に拍車がかかりました。正確には平成元年の12月に株価が最高値をつけた直後に公定歩合が4.25%に引き上げられたことが株と不動産の急激な下落のきっかけとなったと思います。

 その後は多くの不動産業者やゴルフ場が倒産しました。そして山一証券や北海道拓殖銀行が破綻した平成9年、この頃は「この先どうなるんだろう?」という先行き不安感に駆られていたのをよく覚えています。この不安感が払拭されて株式相場が明るさを取り戻したのは平成10年のNTTドコモの上場です。これを機に株式市場は平成11年から12年への「ネットバブル」の時代を迎えます。そして株式市場は平成16年から17年のIPOバブルで再び活況を迎えますが、平成18年1月のライブドアショックで暴落し、平成20年9月のリーマンショックで決定的な暴落を迎え、平成21年3月10日にバブル崩壊後最安値の7054円98銭を記録します。

 個人的には本当に刺激的だった30年間でした。昭和の時代には私の事務所も細々とした事務所でしたが、都心にあったこともあり、多くの不動産取引に関わり、その後高止まりした相続税評価額に苦しむ資産家向けの生命保険による節税で全国を講演することになりました。その後はIPOブームに乗り多くの会社の株式公開に関わることになりました。考えて見れば時流に乗った職業会計人の人生を歩んで来たと思います。このメッセージも昭和62年に書き始めてから32年が経ちます。我ながらよく書き続けたと思います。



■機動的な投資が求められる時代■

 年末から年始に掛けて株式相場も為替相場も大混乱しました。日本では12月28日に大納会を迎えて、新年1月3日まで株式市場はお休みでした。それに対してNY市場は12月29日と30日は土日でお休みでしたが、31日は取引が行われました。新年も市場がお休みだったのは1月1日だけで、2日も3日も取引が行われました。NY株式市場は12月中旬から連日2%近い乱高下を繰り返しました。12月20日以降は連日400ドル以上の下落を繰り返し24日のクリスマスには650ドル安となりました。それが取引翌日の26日には一転1086ドル高を記録しました。年初になっても乱高下は続きました。典型的だったのは1月3日と4日のNY市場の動きです。3日には660ドル安となったものですから、東京市場は4日は暴落しました。一方4日にはNY市場は746ドル高の暴騰を記録したものですから7日の東京市場も大暴騰しました。このように日本では市場が閉まっている間にニューヨークでは大きな動きがありましたが、指をくわえて見ているしかありませんでした。

 為替も同様に日本の金融マンが正月休みの間に急激に変動しました。米国時間2日夕方のアップルの業績下方修正をきっかけに株安が進みドルも売られました。108円台だった円が急騰し、日本時間の3日の7時過ぎには104円台に突入しました。私が気がついたのは昼近くでしたが、それでも為替は1ドル106円台で推移しFX投資家にとっては美味しい相場となりました。もちろんこれは米国景気の減速を懸念して円高が進んだという単純な動きではありません。同じ108円から104円への動きでも時間をかけてなだらかに推移するのと短時間で急激に円高が進むのとは本質が違います。急激な動きでは逆のポジションを持っていた人が強制的にロスカットされたり、反対売買を強いられたりして動きが倍加されます。動きが急変動するわけです。ですから単純に円高が進んだと言っても円買い需要が高まったとは限りません。

 このように市場が大きく変動する可能性がある場合には現物取引や直接取引だけでは対応出来ません。このような場合にはCFDを使われると良いと思います、CFDとは高いレバレッジを掛けて投資できる差金決済取引です。実際に投資商品を売り買いするわけではありませんから市場が開いていなくても取引出来ますし、多量の買い注文が出たとしても売り物が不足することもありません。CFDは世界中の投資商品にほぼ24時間の取引が可能です。日本の休日も祭日も関係ありません。それとCFDの大きな特徴は先物取引のように期日がありません。本格的に投資をするならばこのようなツールを使わない限り利益を得ることは出来ないと思います。そうでなければ暴落の起きた1月4日に株を売却し、市場が暴騰した7日に株を購入するという、最も素人臭い投資しか出来ないことになってしまいます。

 こんなことが出来るのかどうかわかりませんが、もし私だったらCFDで日本の国債を暴落するまで売り続けたいと思います。1100兆円を超えようとしている我が国の債務の返済の目処は全く立っていません。財政問題解消のために増税をしようとしても、今回の様々な消費税増税対策のように、増税ショックを和らげるために逆に減税しなくてはならない始末です。このような政治が行われている限り永久に我が国の債務は減ることはありません。ということは必ずどこかで国債価格の暴落が起きると思いますので私が生きている間には大儲け出来ると思います。最もそのときには他の財産が暴落して大損もしていると思います。



■エンターテイメント■

・まだ続くボヘミアン・ラプソディ・

 12月の第3週の時点での観客動員数が450万人を突破したボヘミアン・ラプソディですが、新年になってもまだ人気は続いています。興行収入も84億円を超えました。ゴールデングローブ賞の作品賞と主演男優賞も受賞したのでますます観客動員に拍車が掛かるかも知れません。

 とてつもない観客数ですが、数字は延べ人数ですからこれだけの人が劇場に足を運んだわけではありません。私も昨年のうちに2回、今年になって1回見ていますから、私のような人ばかりだったら150万人しか見ていないことになります。

 ただ個人的には毎回最初から最後まで見なくても良いと思います。見所は最後の30分ですからそこだけ見ても楽しめると思います。但し、それには多少のテクニックが必要です。まず映画館では上映時間の半分を経過するとチケットを販売しません。ですからチケットは予めネットで購入しておく必要があります。ただ、ネットでチケットを購入していたとしても劇場で機械でチケットを購入することは出来ません。わざわざ窓口に行かないとチケットを入手出来ません。しかも終演近くに入場するのですから入口に近い席でないと他のお客さんの迷惑になってしまいます。

 12月のメッセージでお話ししたレディ・ガガの「アリー」も初日に見ましたが、ラブシーンばかりで、よほどのレディ・ガガファンでないとお奨めしません。



■徒然思うこと■

・出国税(正確には国際観光旅客税)適用開始・

 1月7日から出国税の適用が始まりました。日本国民を含めて日本を出国する人は1人1000円を支払わなければなりません。この税金は海外からの観光客のために観光拠点の整備や出入国の管理整備に当てられるためということで法案化されました。使い途が明確に示されているわけではなかったのに大した反対も無く法案は成立してしまいました。何ともあっけなく成立した法案で500億円もの税収が編み出されてしまいました。この500億円と言われる税金も当初はインバウンド向けかも知れませんが、3.11の復興予算のように訳のわからない使い途に流用されることは間違いないと思います。

 しかしインバウンドのための税金を何故日本人が支払わなければならないのかよくわかりません。頻繁に海外出張しなければならないビジネスマンにとっては迷惑な税金だと思います。また海外で日本往復の航空券を購入した人がどのようにこの税金を支払うのかよくわかりません。チェックインカウンターで徴収されるのでしょうか?

 しかし、まだこの税金が使われたわけではないですが昨年の秋から成田空港や羽田空港に設置されている顔認証ゲートは入国時ばかりでなく出国時にも利用できるようになり本当に便利です。私はICパスポートを持っていますが、指紋の認識力が低く何度もやり直しを強いられ通過に非常に時間がかかります。それに比べて顔認証ゲートは処理スピードも速く間違いもありません。新税収がこういう物に使われるのなら皆さん納得すると思います。

・ゴーン前会長出廷・

 1月8日、カルロス・ゴーン日産自動車前会長が勾留理由開示手続きのために東京地裁に出廷しました。11月19日の逮捕から50日ぶりに公の場に登場です。事前予想の通り無罪を主張しただけで、特に目新しい反論はありませんでした。検察側は容疑とされている特別背任罪について、個人の取引の損失17億円を日産に付け替えた時点で特別背任罪が成立すると主張しました。

 またこの点には誰も触れないのですが、幾らリーマンショックが強烈な暴落をひきおこしたとしても個人の資産運用で17億円の損失というのはあまりに巨額すぎると思います。元本で考えたら50億円以上の投資をしていたと考えられます。幾ら大企業の経営者だからと言って何故これほど巨額の資産運用をしていたのか誰も触れていません。もともと山っ気のある人なんでしょうね。

・本当に10月に消費税率はアップするのか?・

 年末年始の日本及び米国の株価暴落を受けて本年10月の消費税率10%への引き上げに対する世の中のテンションが下がってきたように感じます。相変わらず安倍総理は「リーマンショック級のことが起きない限り」と言っていますが、これは簡単に主観で決められることですし、前回の延期についてもそれほど延期しなければならない理由があって延期されたとは考えられません。

 3回目の延期となったらこれに振り回された人にとっては悲劇です。ただでさえ本年は元号が5月1日に改訂されるのに、更に消費税率が上がるかどうかわからないという状況ではシステムに関わる人にとっては本当に気の毒な状況です。もし延期される場合には少なくとも3月末には決定されなければなりません。但し、延期されないことが決定されたとしても4月に株式市場で大暴落が起きればどうなるかわかりません。システム技術者だけではありません。キャッシュレス決済に向けての機器の対応を考えている事業者にとっても切実な問題です。

 なお、3月31日までに請負契約が成立した注文住宅については経過的に8%の消費税率が適用されるのでご検討下さい。

・ふるさと納税懲りない市町村・

 アマゾンギフト券を返礼品にして話題を集めた静岡県小山町の昨年のふるさと納税額の寄附金額が何と249億円に達したそうです。殆どがギフト券目当てだったそうですが、総務省の通知に逆らって4割もの返戻率で返礼を行ったことも話題になりました。今年は未だに小山町はサイトを閉鎖したままです。でも249億円もかき集めればもう良いでしょう。

 まだ懲りないのが和歌山県の高野町です。何と返戻率5割で日本旅行ギフト券を出しています。日本旅行ギフト券は金券ショップに持って行けば額面の90%で買い取ってくれますから、実質的な返戻率は45%です。きっと寄付が殺到するでしょうが、返礼品の発送は4月からとなっていますので、それまでに非難が集まって寄附金を払い戻す羽目になるのではないかと思います。それを覚悟してなら試してみられるのも良いかも知れません。

・初詣・



 久しぶりに川崎大師に行って厄除けの護摩を焚いて頂きました。今年は元号に関して必ず事務的なミスが起きるような気がしたので今のうちから厄除の備えです。今年は新年に行ったせいか今までになく多くの人が大護摩を焚いてもらっていました。経験のある方もいらっしゃると思いますが、護摩木は火に翳されるので裏にはススが付いています。これが無いとどうも護摩を焚かれた感じがしません。因みに川崎大師では3万円以上寄進すると「特別大護摩」と言って別室に案内されお茶が振る舞われ、後刻護摩木が渡される場には住職が来て挨拶もされます。値段によって御利益が違うとは思えませんが経験だと思って一度大護摩を焚いて頂いてはどうでしょう?

 何しろ今年は元号が変わるのでどれほどの混乱が起きるのか想像出来ません。平成に元号が変わった時は昭和64年は僅か数日でしたから大した混乱は起きませんでしたが、今回は4月まで平成31年が存在します。せめて4月1日に元号が改訂されれば新年度は新元号となったのに、5月1日からと中途半端な元号改訂になったので混乱に拍車がかかると思います。様々な用紙の年月日欄の「年」で大混乱が起きると思います。これをきっかけに一気に西暦に世の中が向かってくれるとありがたいのですが。



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