■悲惨な結果となった希望の党■

 希望の党は本当に悲惨な結果となりましたね。最も大きな原因は小池氏の「全員受け入れる気はさらさらない」と「排除する」の二言と、小池氏が衆議院選に出馬しなかったことですね。衆議院選への不出馬は当たり前のように思いますが、党首として出馬するという希望的観測が先走りしたために、逆に出馬しないとなったら急に失望感に襲われ、一気に人気が減速してしまいました。希望の党との折衝にあたった玄葉光一郎民進党元外相が「排除するという発言が無ければ200議席に迫る勢いだった」と発言しています。200議席はオーバーとしても与党が300議席を超える議席を得ることは無かったと思います。本当に大きな小池氏の失言でした。小池都知事の今後の国政への進出の目は無くなったと考えてよいでしょう。

 ただしばらく経って考えてみると、本当に「排除する」の発言だけでここまで希望の党は失速したのでしょうか?そもそも排除されるのは憲法改正と安保法制に賛成しなかった人で、多くの民進党議員は憲法改正にも安保法制にも反対していたはずです。これに従うということは自民党に従うと同義になってしまい、政治家としての信条に反することになってしまうはずです。そうなると政治信条がはっきりしない政治家の集まりで、なおかつ第2自民党のような存在の希望の党を選挙民は一斉に見限ったのだと思います。しかも現有議席も守れないほどの惨敗です。民進党参議院との関係もグチャグチャで、これから数年間は見たくもない野党の合従連衡を見させられる羽目になると思います。しかし民進党に籍を残したまま無所属で立候補して当選した野田元総理や岡田元副総理は今後どうするのでしょうね?何と言っても参議院の野党第一党の民進党には民進党から立候補して当選した衆議院議員はいないのですから。

 自民党と公明党でまた3分の2を超える圧倒的多数の勢力となってしまったのですから、私は今後の政局には全く興味が無くなってしまいました。安倍総理の「謙虚に」という言葉が白々しく聞こえます。幾ら謙虚にしても圧倒的多数でやり放題です。小池都知事と民進党の前原前代表の責任は本当に大きなものがあります。まさか裏で自民党と繋がっていたのではないでしょうね。しかし総ての元凶は9月3日に民進党の新幹事長に内定した直後に不倫疑惑で離党した山尾志桜里氏だと思います。彼女の離党を境に民進党の離党者が続出し自民党につけ込まれることになりました。もしあれが無ければ、今頃民進党は120か130議席は取っていたんじゃないですかね。ただ元凶の一人前原さんは「あのまま衆院選に突入していたら民進党は40~50議席しか取れなかったろう」と発言しているんですね。どっちにしてもダメな党だったのですね。



■やはりAIとIOT■

 先日ドコモのiモードの仕掛け人の夏野剛さんの講演を聴く機会がありました。ここ20年の通信及びインターネットの進歩について話されましたが、改めて考えてみると、本当に凄い進歩だったと思います。言われてみて気がつきましたが、スマホが世の中に誕生してまだ10年しか経っていないんですね。初代iPhoneは2007年6月に米国で発売されましたが、諸外国で発売されるようになったのは2008年7月です。一方iPhoneに対抗するスマホとして「アンドロイド」とよく言われますが、「アンドロイド」とはハードのことを言うのではなく、OSからアプリケーションまで含めたプラットフォームを言います。ですから「携帯は何を使ってるの?」と訊かれて「アンドロイド」と答えるのは正しくありません。iPhone流に言うと私が使っているのは「iOS」と答えているのと同じです。話が横に逸れましたが、アンドロイドが発表されたのも2008年になってからです。モバイル端末として一世を風靡したブラックベリーが発売されたのはこの後になります。

 iモードのサービス開始は1999年2月ですが、それまで携帯電話は通話だけのまさに「電話」でしかありませんでした。ですからそれまでは文字はポケベルを使っていたわけです。しかしiモードの提供によって様々なコンテンツが利用できるようになりました。やはり日本においてはiモードが提供されるようになってから携帯のインターネットサービスが飛躍的に拡大しましたよね。

 また話が横に逸れましたが、携帯電話の発展を超えるスピードでAI(人工知能)とIOT(Internet of Thingsすなわち物がインターネット接続され、相互に制御される仕組み)の進化が続いています。人工知能については先月もお話ししたAIスピーカーやソニーのAIBOに搭載されたり、チェスや碁で人間より圧倒的に強くなったことでもご存知だと思います。IOTについてはまだ私達にとって具体的にイメージしにくいのですが、冷蔵庫にセンサーがあってIOTが利用できれば、常備品が足りなくなったら自動的にネットで注文されるとか、電気のメーターをネットに繋げておけば検針員が回る必要もなく使用量がわかるようになります。

 今後AIとIOTの進歩で私達の生活はこれまでの20年間以上に大きく変化することになると思います。「ええっ、まだそんなことやってるの?」みたいな話ばかりになるのではないでしょうか。例えば身体にセンサーをつけておけば、自覚症状が出る前にセンサーが異常を感じて病院の予約もしてくれるかも知れませんし、センサーが脳にまで繋がれば、「何かが欲しい」と思っただけであっという間に欲しい物が届くようになると思います。最近介護施設の虐待や介護士不足がマスコミに取り上げられますが、10年後にはロボットが介護現場で大活躍してくれるようになるのではないかと思います。期待は膨らむばかりです。

 最近聞いた話で面白かったのはAIが教育現場に進出して先生を務めるというものです。生徒は全員タブレットを持ち授業を進めます。例えば計算問題で間違った生徒には同じレベルあるいはちょっとレベルを下げた問題を出し、出来た生徒にはレベルを上げた問題を出すということをAIが瞬時に行えるようになるそうです。と言っても生徒はペッパー君には心の悩みは相談しないでしょうから将来の先生達の仕事は生徒の悩みの相談にのることかも知れませんね。

 AIとIOTが進化することがわかっているからと言って、私達に現在何かが出来るわけではありません。私が考えるのはAIとIOTの関係企業に積極的に株式投資をするぐらいでしょうか。それとAIとIOTに取って代わられるビジネスを営んでいる会社の株には投資しないことでしょうか。

 AIが最も実用化されているのが自動運転の世界です。現に販売されている車の中で最も進んでいる車は方向指示器を出しただけで、車が自動的に車線変更してくれます。

 このほど米国運輸当局はGoogleが申請したアクセルもブレーキも無い車の運転手にAIを認めました。これが本当に実用化すると、手足が不自由でも目が見えなくても車で移動できるようになります。今自動運転の開発で最も先行していると思われるのはGoogleですが、EV(電気自動車)に自動運転技術が搭載されれば今後の自動車業界の地図は大きく塗り変わってしまうかも知れません。私達日本人は技術的にはトヨタ自動車が世界で一番だと思っていますが、いつまでもFCV(燃料電池車)にしがみついていては世界に遅れをとってしまいかねません。トヨタはFCVの開発だけで無く、現在のEVに大きな自己矛盾があることを世界に訴えるべきです。中国がEVで先行していますが、その電池を充電するための電気は石炭火力発電所から供給されています。排気ガスを出さない車を動かすために石炭火力を使うというこの矛盾を私達はもっと認識する必要があります。そうなると今後はEVではなくやはりFCVという選択肢も出て来るのかも知れません。



■日本だけ行っている金地金の消費税課税■

 最近「金密輸ビジネス」が横行していて毎週のように摘発のニュースが報じられます。これは日本だけが金地金の売買に消費税を課税しているからです。我が国では金地金を購入する時に消費税が課税され、同様に金地金を売却するときには消費税を上乗せ?してくれます。それに対して海外諸国では金地金の取引は「金融取引」として消費税課税の対象になっていません。と言うことは海外で金地金を購入し、日本に持ち込んで売却すれば消費税分の8%が儲かるということになります。もちろん購入価格と売却価格に差がありますが、多くても1%前後ですし、海外では業者の手数料が安いために殆ど金相場と同様の価格で金地金を購入することが出来ます。本来ならば日本に金の地金を持ち込む場合には輸入と同じですから消費税を支払う必要がありますが、これを申告せずに持ち込んで売却すれば消費税丸儲けです。

 私はほんの少しだけ金の地金をリヒテンシュタイン公国に保有しているので、世界中で最も消費税率の高い国に持ち込んで売却すれば儲かると思って調べてみました。デンマークやスウェーデンと言った北欧諸国は軒並み消費税率は25%です。英国、オーストラリア、イタリアは20%、フランス、オランダ、ドイツは19%台です。ただし私の調べた限りでは金地金の売買に消費税が課税されている国はありません。

 先日の報道で、財務省が金地金の密輸入に関して取り締まりを強化していく方針を打ち出したとありましたが、再来年の消費税率に伴って密輸入がますます増加することは必至です。ただ、そのときに記事中に「金の購入に消費税がかからない、あるいは消費税率が低い国からの密輸入」という表現がありましたが、日本以外に金地金の購入に消費税が課税される国ってあるんですかね?



■徒然思うこと■

・買う時と売る時とで大きく価格が異なるゴルフ会員権・

 久しぶりにゴルフ会員権相場を見ました。相変わらずの低迷ぶりで、関東で相場が1千万円を超える会員権はもう10件もありません。しかし入会にあたって1千万円以上必要なゴルフ場は20件以上あります。それは名義書換料や預託金が異常に高額なためです。

 例えば横浜カントリーは会員権相場は100万円前後ですが、名義書換料が400万円、入会委託金が600万円もかかります。青梅ゴルフ倶楽部の場合には会員権相場が僅か10万円なのに、名義書換料が100万円、入会預託金が200万円必要となります。310万円支払って会員になっても、退会するときには210万円しか手元に残らないということです。

 名義書換料や入会預託金はバブルの時代の会員権相場高騰時期に、会員権相場に比例する感じで高騰しました。しかし、その後会員権価格が10分の1どころか20分の1になっても名義書換料を会員権価格高騰前に戻したゴルフ場が殆どありません。その結果会員権の価格が「買った時」と「売った時」で大きく乖離してしまったのです。

 一番迷惑をしているのが既存会員です。ゴルフ会員権を購入しようと思う人は、「退会するときに処分したら幾らで売れるか?」ということを考慮してゴルフ場を選択しますから、会員権価格に比して異常に高額な名義書換料を必要とするゴルフ場は嫌われます。また、会員権を購入しようとする人は会員権価格だけではなく、名義書換料や入会預託金も合わせた金額で検討しますから、総額では同じ金額でも、名義書換料等の高いゴルフ場の会員権価格は安くなってしまいます。ですから以前からそのゴルフ場の会員だった人にとっては、名義書換料等が高くなるほど処分価格が安くなってしまいます。

 逆にゴルフ場側が名義書換料を値下げすれば会員権価格は上昇します。既存の会員からすれば、名義書換料が高止まりしていることは本当に困ったことなのですが、ゴルフ場側としては経営が苦しい現状にあって貴重な収入源なのでおいそれと値下げするわけには行きません。

 しかも1990年のゴルフ会員権相場ピーク時には横浜カントリーは9200万円、青梅ゴルフ倶楽部は6200万円(当時は入会金は不要)でした。青梅ゴルフ倶楽部に至っては処分価格は何と600分の1ですから泣くに泣けないどころではないでしょう。

・ビットコインは我が国で流通するようになるのか?・

 ビットコインに代表される仮想通貨の価格が乱高下というよりは上昇を続けています。ビットコインがこれからどれだけ世の中で認知されるかわかりませんが、税務の見地から幾つかご注意しておきます。と言っても仮想通貨業者のサイトを開いても一般の方は何が何だかわからない用語が氾濫していて、とても仮想通貨の購入には辿り着けないと思います。それでもビットコインの口座数は80万件を超えているそうですからずいぶん多くの方が参加されているんですね。

 仮想通貨は決済手段であると同時にそれ自体の価格が上下するという性格を持っています。もちろん私達が使っている通貨も為替の世界で考えると日々その価値は変動しています。しかし仮想通貨のボラティリティは一般の通貨どころの比ではありません。仮想通貨の代表であるビットコインの価格はこの1年で10倍近く上昇しています。ここまでボラティリティが高いと通貨と言うよりも投機商品です。しかも最もリスクの高い投機商品です。そう言っていたら12日にビットコインが1日で3割も急落しました。

 物である仮想通貨を売却したときの利益に対しては所得税が課せられます。通常であれば譲渡所得でしょうが、もし譲渡益を求めて頻繁に売買すると雑所得あるいは事業所得として課税されることになります。問題になるのは値上がりしたビットコインで買い物をした場合です。我が国では現実に課税されたことは無いと思いますが、例えば手元のドルがドル高で円ベースで価値が増えた場合にドルで買い物すれば本来は為替差益の課税が行われるはずです。同様にビットコインで買い物をした場合にはビットコインの取得時に比べてビットコインが値上がりしていた場合には課税されますが、その取得原価をいちいち把握しておくというのも非現実的です。逆に値下がりしたビットコインで買い物した場合に損失となります。

 なお所有している仮想通貨が値上がりしても我が国では含み益には課税されませんから、何の課税も起きません。税務上仮想通貨が「財産」かどうかははっきりしません。もし財産ならば「財産債務調書」に記載しなければなりませんが、今のところ取り扱いは決まっていません。相続税が課せられるにしてもこれだけ価格が変動していては評価をどうするか問題となります。

・パナマ文書に続いて今度はパラダイス文書・

 パナマ文書では各国王族や首長、果ては習近平総書記のお姉さんの名前まで出て来て大騒ぎになりました。今回はエリザベス女王や日本の商社の名前まで出て来て話題になっていますが、別にタックスヘインに会社を作って財産を移管して運用することは別に悪いことでもなんでもありません。利益に対する税金は少なく機動的な運用が可能で、誰からもうるさいことは言われません。メディアのひがみもあるせいか私から言えば騒ぎ過ぎです。

・大人になれない韓国外交・

 メディアは報道しませんが、伝え聞くところによると霞ヶ関カンツリークラブ倶楽部での安倍総理のゴルフはボロボロだったみたいです。フェアウェイに250ヤードも飛ばしたトランプ大統領に対して安倍総理はチョロ、ダフリ、バンカーと散々なゴルフだったようで、安倍総理は各ホール右へ左へ走り回ってしまい、とてもフェアウェイの真ん中で懇親を深めるどころではなかったようですね。挙げ句の果てはバンカーから出る時に足を滑らせてバンカーの中へ転がり落ちて一回転してしまったシーンがテレビ東京のWBSで流されました。他局は流さなかったみたいですね。そんなに下手ならゴルフ外交をやることによって相手に優越感を与えてしまうのではないかと思います。

・本当に成功だったのか安倍ゴルフ外交・

 韓国がまた外交で大人げない行動を起こしてくれました。トランプ大統領の晩餐会に元慰安婦を呼んだり、独島(竹島)の名前のついたエビを出したり、日本との歴史的軋轢を米韓外交の場に持ち出しました。日本では日韓関係については様子見状態で、米国を日韓関係に巻き込むような動きはしませんが、韓国は平気で国際舞台にこれを持ち出します。一時の朴大統領の「告げ口外交」の再開です。国家として本当に情けないと思います。これでまた日本から韓国への観光客が減少するのは確実です。



■エンターテイメント■

・プロギャンブラー・

 皆さんインターネットで「プロギャンブラー」と検索してみて下さい。15年かけて82ヶ国を渡り歩いたプロギャンブラーのノブキさんが出て来ます。彼の話を聞く機会がありましたが偶然にも私の息子の小学校の先輩でした。色々なテレビ番組にも出演しているみたいですが、本当に面白い人でとてつもない濃いキャラクターの人でした。と言っても別にカジノでの勝ち方の講義だったわけではありません。講演内容は殆ど経営コンサルタントの発言でした。

「勝ちに拘るな、かつ準備に拘れ」
「トライし続けることが重要」
「選択肢を広げつつ、今のベストは何かを考える」
「仕事に出し惜しみしない」
「あったら便利という商品は買わない」
「相手にマイナス面を伝えると勧める物のプラス面をわかってくれる」

等々、なかなかためになる話でした。何しろ話す迫力が素晴らしかったです。

 講演会後の懇親会で彼の著書「勝率9割の選択」が抽選で当たってしまいました。プロギャンブラーの著書が抽選で当たるというのは「運」があるのかも知れません。

・ラストレシピ・

 やはり評判通りの映画でした。いや、評判以上の映画でした。一つ一つの料理も秀逸でしたが、二宮和也は陰があって主役にピッタリでした。桜井翔君ではあの激しさは出せないと思います。しかし竹野内豊の悪役は初めて見ました。

 映画の中に出てくるビーフカツはとても印象的で、私の当日の夕食はビーフカツでした。



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