■どうなる北朝鮮■

 9月9日と予想されていた北朝鮮の核実験ですが、3日に行われてしまいました。先月のICBMの発射に加えての蛮行ですが誰も止めることは出来ません。北朝鮮の米国を挑発する発言もエスカレートするばかりです。幸いなことに9月9日の北朝鮮の建国記念日は何事も無く過ぎました。そしてとうとう9月12日朝に北朝鮮に対する追加制裁決議が全会一致で採決されました。今回の制裁決議が履行されれば北朝鮮にとっては1千億円以上の国庫収入の減少になるはずですからかなりの経済的ダメージです。これに対して北朝鮮がどのような暴走行為に走るのか注目です。我が国も心の準備は出来ているようで、小野寺防衛大臣が「次に行われるとすればICBMの実験だろう」と心強い?発言をしていました。ただ、今回の制裁決議は中国とロシアも賛成していますから、北朝鮮は両国にも裏切られたと感じているはずで、自暴自棄になって何をするかわかりませんので注意が必要です。

 しかし先日のように我が国の上をICBMが通過しても自衛隊は何も出来ません。我が国を狙っているわけではなく、例えその先を狙っていたとしても我が国の同盟国を攻撃することが明らかで無い場合には手出しは出来ません。そもそも自衛隊にはICBMを打ち落とす能力もありません。テレビの番組で解説していましたが、自衛隊の迎撃システムで打ち落とせるのは破片だけみたいです。それなら妙に中途半端なことはしないであきらめの境地でいた方が良いと思います。

 もうここまで行ってしまったら、北朝鮮を核保有国として認めるしかないのではないかという話も出て来ています。インドもパキスタンも国際的に認められた核保有国ではありませんが、実際に核を保有しています。イスラエルも正式に核の保有を認めていませんが、核を保有しているのではないかと言われています。国際社会ではインドもパキスタンもなし崩し的に核の保有が認められてしまいました。NPT(核拡散防止条約)に両国とも加盟していませんから制約は受けません。北朝鮮もNPTから脱退しています。要するに核を保有している国が保有していない国に「保有するな」というような自分勝手なことは言えないのです。

 ですから今回の北朝鮮のように核開発と経済制裁に関して鶏と卵の論争を繰り返していても途は開けません。北朝鮮が一旦開発に成功した核を廃棄する訳がありません。しかし北朝鮮は他国の上を通過するICBMの発射実験をするような国ですから、何をするかわからない危険な国であることは間違いありません。米国としてはICBMを放棄すれば核保有を認めてもよいと考えているのではないでしょうか。

 しかし「何十年ぶりの降水量」とか「2時間に1000発の落雷」とかこれまで考えられなかった自然現象の脅威に怯えなければならなくなった時代に、それに加えて核戦争だとか電磁パルス攻撃にも備えなければならないとは大変です。そして今度は6日に太陽の表面で大規模な爆発(太陽フレア)が起きました。不安な日々が続きます。

 米国では相次ぐハリケーンで、北朝鮮どころではなくなって来ました。先日テキサスを襲った「ハービー」の経済損失は10兆円を超えると言われています。そして今回「イルマ」がフロリダに上陸し被害を拡大させています。それに加えてハリケーン「ホセ」がカテゴリー4に拡大して米国本土を目指しています。東日本大震災の経済損失は17兆円と言われていますが、東日本大震災は数百年に一度の大災害です。それに対して毎年のように発生するハリケーンの被害がそれに近い金額になるとは大変な驚きです。しかも地震や津波と異なり、ハリケーンの襲来は予め予測が出来ています。それでもこれだけの被害が先進国で発生してしまうのですから、自然の脅威とは本当に凄いと思います。



■EV(電気自動車)に出遅れた日本■

 今後の自動車業界のニューモデルは電気自動車が中心になって来そうです。自動車雑誌よりも投資雑誌で電気自動車関連銘柄が大きく取り上げられています。きっかけはフランスのマクロン大統領が2040年までにガソリン車とディーゼル車の生産を止めると宣言したことでした。英国もこれに続き、ノルウェーやオランダでは2025年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する法案が提出されようとしています。ただこのような動きのきっかけは2015年に発覚した独フォルクスワーゲンのディーゼル車の排気ガス不正問題であったことは何とも皮肉です。あの事件によってディーゼル車の開発の動きが完全にストップして一気に電気自動車の開発に向かうようになりました。環境問題の観点からはフォルクスワーゲン様々です。

 このような電気自動車を巡る大きな動きは世界経済にも影響を与えるかも知れません。自動車産業は世界的には最も大きな産業ですが、これは内燃機関を使って走る自動車の話です。スウェーデンのボルボが2019年以降に発売する車は全て電気自動車かHV(ハイブリッド車)にすると発表しました。また英国ジャガー・ランドローバーは2020年以降に発売する自動車を全て電気自動車にすると発表しました。これを「へえ、進んでるな」とか「中国とインドは大気汚染が酷いから電気自動車に力を入れるんだろうな」等と考えてはいけません。ボルボは中国資本傘下のメーカーですし、ジャガー・ランドローバーはインドのタタグループの傘下のメーカーです。要するにこの両国はEVの普及をきっかけに世界の自動車産業の支配権を握ろうとしているのです。これまで両国は国産車が弱く、海外メーカーとの合弁で純国産車を製造していました。つまり内燃機関時代には後発国となっていたわけです。しかし構造の単純なEVの世界では圧倒的な資本力と規模で世界をリードすることは不可能ではありません。ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンで世界の後塵を拝している両国にとっては巻き返しの絶好のチャンスなのです。

 我が国で電気自動車に関して最も先行したのは日産自動車です。6年も前に日本で初めて純粋な電気自動車リーフを発売しました。この車は世界で最も売れた電気自動車と言われましたが(と言っても僅か28万台です)、充電設備のインフラが整うのに時間がかかり、ヒットしたとは言えませんでした。また航続距離も200キロと短く、安心して乗れる電気自動車とは言えませんでした。そのリーフの新型が9月6日に発表されました。ニューモデルは航続距離が400キロと飛躍的に伸び、充分実用的な自動車となりました。しかし日産自動車が6年間で販売した電気自動車が28万台で世界一とは言っても、世界で最も電気自動車で先行しているテスラのニューモデル、テスラSの注文台数は50万台です。7月に発売されましたが、全く生産が追いついていない状態で、納車は2年待ちのようです。米国ではテスラの時価総額がビッグスリーを上回るほど将来を期待されています。

 電気自動車に関して出遅れたのはトヨタです。トヨタは電気自動車よりも先進的な水素自動車にエネルギーをつぎ込んで水素自動車ミライを発売しました。技術的には電気自動車より遙かに進んだ技術による車でしたが、インフラの整備が進まず、このまま消えていってしまいそうです。なんと言っても電気自動車の充電設備は数百万円で出来るのに、水素ステーションを1基設置するのには5億円もかかります。国の後押しでも得られれば良かったのでしょうが、トヨタは全くそのような動きもせずに、消費者の選択に任せてしまいました。JX日鉱日石エネルギーは2020年までに2000店のガソリンスタンドに水素スタンドを導入すると言われていましたが、そんな話は全く聞かなくなってしまいました。皆さんも最近水素スタンドの話を聞かれたことは無いと思います。

 トヨタの新規事業に対する発想は技術者の自己満足であって完全にプロダクトアウトの発想です。ビジネスはマーケットインでなければなりません。また、新規事業に関して単に技術力を誇るのでは無く、その普及に関する問題にも目を向けなければなりません。もし日本や先進国で水素自動車が普及したとしてもアフリカの奥地で水素自動車が走り回るようなインフラが整えられるとは思えません。現に開発途上国では固定電話よりも先に携帯電話が普及しています。今後は知性的に物事を考えて、インフラも空中戦になっていくと思います。と言っていたら、電気自動車のワイヤレス充電という話が出て来ました。もしかしたら宇宙衛星から電気自動車の充電を出来る時代が来るかも知れません。そうなれば世界中で電気自動車が走り回れるようになります。

 単に技術力に囚われるトヨタに比べてテスラ創業者のイーロン・マスクは太陽光発電による電力で電気自動車のエネルギーをすべて賄うという発想で突き進んでいます。「何を作ったら儲かるか」という発想は彼にはありません。人類全体のこと、地球の未来を語ることの出来る経営者って素晴らしいと思います。しかもイーロン・マスクは決済システムのペイパルの創業者であり、その事業を売却した資金でテスラモータースと宇宙事業のスペースX社を立ち上げました。ビジネスマンとしても超一流です。



■北米でも広がる嫌日運動■

 何故韓国でこれほど嫌日、反日が盛り上がっているのでしょう?本当に本来の意味での嫌日反日なのでしょうか?10年、20年前にはこんなことはなかったと思います。日韓関係が一挙に悪化したのは2012年に李明博大統領が竹島に上陸したからです。ただこれに関して我が国が強硬に反発するのはわかりますが、韓国が我が国に反発する筋合いではありません。一つ考えられるのは韓国の政情です。朴槿恵前大統領の失脚に見られるように韓国の政情は恒常的に不安定です。常に国民の不満を何かに向けなければ政権が安定しません。

 韓国では反日運動が止まらないどころかますますエスカレートしています。ソウル市長が見守る中、ソウル市の公共バスに慰安婦像が設置されました。政治家や役所まで巻き込んだこのような動きに反対の声が出ないわけはないのに、その声が上げられない状況が問題です。

 地方自治体まで反日運動に関わるというのは尋常ではありません。誰もそれを止めようとしないのか、それを止めようとすると人々から迫害を受けるから声を上げられないのかわかりませんが、異常な状態です。それでも多くの観光客が日本にやって来ます。2016年に日本を訪れた韓国人観光客は500万人を超えました。これはとてつもない人数です。韓国の人口は5000万人ですから、昨年は10人に1人が日本に観光に来たことになります。もちろん何回も来る人もいるでしょうが、それにしても大変な人数です。何故なんでしょうね?それに対して日本から韓国への観光客は減るばかりです。2015年は僅か180万人しか韓国に渡航していません。運転手の隣に少女像があって、韓国人の乗客から憎しみの目で見られたらそんなバスには乗れません。しかし私に言わせると、これだけ反日で騒いでいる国に観光に行く人が200万人近くいることが驚きです。

 そのような中でアジアから遠く離れたカナダのオンタリオ州の市議会で旧日本軍が南京を占領した日を「南京大虐殺記念日」として制定しようという動きが出ています。中国系の議員が提案したようですが、そんな地でも80年前の事件を蒸し返そうという動きが出ることには驚きです。中国系の議員にしても特に南京大虐殺と関係があるとは思えません。中国国内でこのような動きが出るのならわかりますが、全く関係の無い国に移民した人が、かの地でこのような動きをするものでしょうか?何とも執念深いと言うか、しつこいというか、ただただ驚きです。ただ米国内には10以上の韓国の慰安婦に関する像や碑が建立されています。他国でこのような活動を行う中国系や韓国系の米国人の心情は私達には理解出来ませんが決して愉快なものではありません。

 今回の北朝鮮騒ぎで日韓首脳の距離はずいぶん近づいたように、見えますが、基本的には文在寅大統領は北寄りですから、この騒ぎが一段落すれば、反日の動きを抑制する側には回らないと思います。我が国が侵略に関する歴史の総括をきちんとしなかったことがいつまでも尾を引いているのだと思います。



■徒然思うこと■

・九寨溝の地震・

 四川省の九寨溝で大地震が起きました。まだ被害状況がはっきりしませんがテレビの報道では一部地形が変わってしまったところもあるようです。九寨溝の景色は綺麗な水の流れによって作られていますから水の流れも変わってしまったでしょう。私が以前行ったのは5月でしたので、今度は紅葉の時期に水に映り込む紅葉を見に行きたいと思っていましたが、当分無理どころか、もうあの美しい景色を見ることは出来なくなってしまったのかも知れません。九寨溝は私がこれまで人生で見てきた中で最も美しい場所でした。標高4000メートルの地域に別世界のような澄んだ水による世界が作られています。

 あれほど風光明媚な地を私は知りません。私が九寨溝に行った時の写真をお見せしましょう。




・防災用品・

 今年も防災の日を迎えて皆さん防災用品の備蓄を心がけていらっしゃると思います。と言っても、周囲の人に訊いてみると殆どの人がミネラルウオーターぐらいしか準備していません。大地震が来ないと思っているのか、大地震が来ても避難所に行けばどうにかなると思っているのかわかりませんが、もう少し自助努力されてはどうでしょう。

 東日本大震災では例えば仙台市では市内全域が復旧するのに電気は10日、水道は30日、ガスは50日かかったそうです。もし真冬に大地震が起きた場合にはどうしましょう。電気、ガスは期待できませんから、考えられるのは石油ストーブでしょうか?しかしそれも灯油が切れたら終わりです。ガソリンスタンドが復旧するのには最低1ヶ月はかかると思います。

 まさかたき火をするわけにもいきません。そうなるとカセットボンベのストーブぐらいしか思いつきません。東日本大震災の時には店頭からカセットボンベが消え失せましたが、皆さん何本かは準備されているでしょうか?しかしカセットボンベ1本では2~3時間しか持ちません。最低でも10本以上の備蓄は必要でしょう。

 結局災害の時にはオフラインで使える物しか役に立ちません。くみ取りトイレとプロパンガスで暮らしている人が一番強いかも知れません。と思って調べてみたら、足立区ではまだ0.5%の世帯がくみ取りトイレのようです。他にも葛飾区や江戸川区の一部ではまだくみ取りトイレが残っているようです。

 災害になると一番不便なのはマンションかも知れませんね。非常用電源や食料の備蓄があるような大規模なマンションならともかく、普通のマンションではエレベーターは止まり、トイレは流せず、夜になると懐中電灯で過ごさなくてはなりません。災害時に他人を頼らずどんな生活をどれぐらいの期間出来ればよいのかよく考えて最低限の物の備えを行って下さい。

 災害時に困った方は文京区の私の自宅に来て頂ければ温かい餅入り汁粉をご馳走します。たぶん私の自宅には100リットル以上の水が保存してあると思いますが、それでも不安になって、先日最も長く保存できる飲料水を購入しようと思ったら最長12年というのがありました。よく考えたら自分が生きているかどうかわからないので買うのを止めました。

・大人の休日倶楽部・

 私も今月から大人の休日倶楽部の会員になりました。201キロ以上のJR東日本のチケットがいつでも30%割引です。これまではえきねっとの「トクだ値」を利用する以外JR東日本のチケットの割引はありませんでしたが、これからはずいぶん安くなると思います。割引の利用に関しては色々裏技もあるようなので少し研究してみようと思います。

・マナー違反の郵政株売り出し・

 財務省が月内に政府保有の日本郵政株を売り出すことを決めました。但し売り出し価格は2015年の新規株式公開時の売り出し価格の1400円を下回ることになりそうです。これは証券市場においては明らかにマナー違反です。以前の売り出し価格を株価が下回っているのに追加で売り出すことは当初から保有している株主に対して失礼です。しかも需給関係が悪化するために既存の株主にとっては不利に働きます。こういうことをやっているから政府は投資家から信用されないのだと思います。皆さん、断固売り出しに応じないようにしましょう。



■エンターテイメント■

 映画「関ヶ原」は長編でした。確かに岡田准一と平幹二朗の息子の平岳大の演技力は素晴らしかったですが、やはりストーリーが変わり映えしません。結局勝敗のポイントは小早川秀秋次第となるのはどの関ヶ原も同じですね。そこにもうひとひねり欲しかったですね。

 今後楽しみな映画は11月3日公開予定の「ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~」です。予告編を見て大変期待してしまいました。あまりに面白そうなので早速原作を読みましたが、これが大失敗で、最後の大どんでん返しを知ってしまいました。いやあ、映画も原作と同じあらすじだったらどうしましょう?やはり、映画の原作を読むのは映画を見てからにした方が良いですね。

 それと前にもお話しした12月16日公開予定の「8年越しの花嫁」も楽しみです。結婚式を挙げる直前の花嫁が原因不明の病気になって8年間も眠り続け、あるとき突然目を覚まして、彼女を見守り続けた新郎と結婚すると言う話ですので今から泣ける映画だということがわかりきっています。泣きたい方は是非どうぞ。

 話は変わりますが、先日軽井沢のゴルフ場で開催されたピアノとフルートとソプラノのコンサートに行ったら斜め後ろの席に吉永小百合さんがいました。小顔で本当に上品な方ですね。「やすらぎの郷」にゲスト出演してもらえたら嬉しいですね。



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