■安倊総理大丈夫?■

 未だに続く森友問題ですが、どうも安倊総理側の旗色がよくありません。これ以上新たな資料は出て来ないでしょうが、財務省が「破棄した《と言っている一連の資料について「内容から言って破棄は規則違反だ《という声も出て来ました。財務省OBによれば「メモも残っていないというのはあり得ない《との意見が多い中で、今更資料を出すわけにいかない佐川理財局長の苦悩が見て取れます。近畿財務局が大阪府に対して森友学園の小学校を早期に認可するように圧力をかけていたという話も出て来ました。財務省と近畿財務局がまだまだやり玉にあがる可能性があります。前近畿財務局長の迫田国税庁長官の虚偽説明が明らかになると財務省側も厳しい判断を迫られることになります。

 籠池元理事長の主張する安倊総理からの100万円の寄付も「安倊総理からの寄付だということを証明するのは森友学園側の責任だ《と突っ張っていますが、少なくとも口座に100万円が入金されたのですから寄付が行われたことは間違いありません。未だに「実はあれは私が寄付しました《と申し出て来る人はいません。それでは口座に入金された100万円は誰のお金だったのでしょう?一度書いて修正液で消された「安倊晋三《という吊前が当初書かれていたのは何故だったのでしょうか?安倊総理側は当時の個人の口座の出入りを明らかにして、少なくとも100万円前後の出金が無かったことを証明すべきです。「謎の100万円《で終わらせてはいけません。

 昭恵夫人の付き人の財務省本省に対する問い合わせ問題も、首相夫人の依頼であることを忖度しなければ玄関払いであったことは誰にでもわかることです。安倊総理は「私は偉いけど妻は私人《という論理で通そうとしていますが誰もそんな話が通るとは思っていません。ここのところをきちんと追及出来ないところが現在の政治の問題です。

 そもそも「首相夫人は私人《と閣議決定したことが正気の沙汰とは思えません。どこの国でも首相夫人はファーストレディとして公人扱いです。首相と共に国賓に会い、政府専用機に乗って外遊する私人がいるわけがありません。国家公務員を5人も身の回りに配し、選挙運動にまで出かける首相夫人が何故私人なのでしょうか?どうしても「昭恵夫人は私人《としておかなければならなかった事情があるに他なりません。

 その後も週刊誌等では昭恵夫人の様々な行状が表ざたになっています。安倊総理も妻の行動の尻ぬぐいに必死です。



■トランプ大統領シリア空爆■

 いやあ、トランプ大統領のいきなりのシリア空爆にはビックリしました。「アメリカファースト《からの大きな方針転換です。しかしいくらシリアが非人道的行為をやったとしても宣戦布告もせずにいきなり他国を攻撃することは明確な国際法違反です。そもそも国連憲章では安保理決議か自衛権の行使の二つしか他国に対する攻撃を認めていません。どこをどうひねっても今回の空爆が自衛権の行使とは考えられません。大国であるからと言ってそれが許されるわけではありません。イラク侵攻のように「大量破壊兵器がある《という誤った情報に基づいた侵略行為になりかねません。

 今回のシリア空爆が北朝鮮に対する警告であることは明白ですが、ある意味で中国に対する警告であるとも考えられます。しかも習近平主席との会食中の空爆と言うのは非常に意味深いものがあると言わざるを得ません。習主席も「トランプとはどんな人間だ?《ということで早期の訪米を行ったわけですし、これまで北朝鮮の話し合いによる解決を呼びかけていたのに、北朝鮮を恫喝するようなシリアへのミサイル攻撃は、面子をつぶされたとともに北朝鮮対策に真剣にならざるを得ません。よくギャング映画の中でゲストと食事中のボスが気に入らない子分をいきなり撃ったりするシーンがありますが、習主席もこの時のゲストと同じような気分を味わったのではないでしょうか。本当にすぐ銃をぶっ放しかねない米国大統領です。

 イラク侵攻に関しては誤った情報に基づいたものであったため、後に米国が各国から追及を受ける羽目になったばかりか、真っ先に侵攻を支持した英国のブレア首相が辞任に追い込まれました。しかし安倊総理は英国に歩調を合わせるかのようにいち早くトランプ大統領のシリア空爆を支持しました。シリアの化学兵器使用に関して何の検証も行われていない段階での全面的支持です。これでは当時いち早く米軍のイラク侵攻を支持した小泉首相と全く同じ構図です。まさに我が国が米国の従属国家であることの証です。ただこれが逆にロシアの逆鱗に触れ、今月予定されているロシア訪問のスケジュールに影響が出て来るかも知れません。また今回の件で米ロ関係が悪化していますが、トランプ政権で最もロシア寄りと見られていたティラーソン国務長官がロシアを強く非難していることが予想外です。

 北朝鮮は今回の米軍のシリア空爆について「国際法違反だ《などと反発していますが、安保理決議に反して「米国まで届く弾道ミサイルの開発を目指す《等と公言していると、朝鮮半島近海に向かっている空母カールビンソンを始めとする米国海軍の攻撃を受けかねません。もし金正恩総書記が米海軍の西太平洋への展開に反発してICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験でもやろうものなら本当にトマホークの攻撃を受けるかも知れません。

 北朝鮮の米国へのさらなる態度の硬化が韓国の大統領選挙の情勢に影響を及ぼして来ました。9日夜には中道系の安哲秀候補が革新系の最大野党「共に民主党《の文在寅候補を支持率で逆転したとの聯合ニュースが流れました。これまでの選挙戦では北朝鮮との融和を強調し、反日政策を強めるとみられていた文在寅候補が圧倒的支持を集めていましたが、ここに来て朝鮮状況が緊迫すると、中道系「国民の党《の安哲秀候補が急追していました。安哲秀候補も親日というわけではありませんし、慰安婦問題の政府間合意を白紙に戻すと発言しており、我が国としては外交問題に苦労しそうですが、文在寅候補に比べれば遥かに話し合いの余地がありそうです。また米軍のミサイル迎撃システムTHAADについても文在寅候補は設置の白紙化を表明していますが、安哲秀候補は設置を認めると、はるかに現実的な判断を示しています。それに対して「当選したらまず平壌に行く《と発言している文在寅候補が現在の国際情勢の中で今後韓国国内で支持を広げられるとは思えません。



■フランス大統領選挙始まる■

 国際情勢が緊迫する中で本年最大の政治イベントであるフランスの大統領選挙が始まりました。注目は極右勢力「国民戦線《を率いるルペン党首です。EU離脱、移民難民制限を掲げるルペン党首がもし当選するようなことがあれば大変なことになります。EUの主要国である大国フランスがもしEU離脱ということにでもなれば、EUという組織が崩壊の危機を迎えます。幾ら強国ドイツと言えども、1国で弱小EU諸国を支えることは現実的には難しいし、EUから距離を置きたがっているドイツ国民がそれを許しません。

 フランス大統領選は最終的には中道派のマクロン氏が勝利すると思われますが5月7日の決戦投票まで片時も目を離せません。マクロン氏が有利だと思えるのは急進左派のメランション氏が急速に支持率を高めていることです。と言うのは今月23日に行われる第1回選挙で過半数を超える候補者がいなかった場合には1位の候補者と2位の候補者の決戦投票となります。そうなった場合、3位以下候補者の票がどちらに流れるかがポイントです。メランション氏の票は決選投票で当然ルペン氏よりマクロン氏に向かうでしょうからマクロン氏が圧倒的に有利になります。

 但し、5月7日の決選投票までにフランスで大規模なテロでも起これば情勢は一変します。尤もルペン党首に大統領になられると困るイスラム系過激派組織がそれまでにテロを起こすとは考えられません。そう考える今年のGWのパリは久しぶりに安心して観光が出来る都市になるかも知れません。



■徒然思うこと■

・アプリケーション「トリセツ《は大変便利・

 色々な家電製品を購入した場合に、その取扱説明書の保存に苦労されている方は多いと思います。そんな方にお薦めのソフトがあります。「トリセツ《と言って、アプリを開いて型番を入力すると即時に取扱説明書をダウンロードしてくれます。ちょっとしたことでもすぐ調べられますので大変便利です。欠点と言えば、電子書籍のようなものですから、初めから順々にページをめくって行かなくてはなりません。

・エンターテイメント・

 映画「チアダン《は面白かったです。どうも主演の「広瀬すず《を水泳選手の「千葉すず《と言い間違ってしまいますが、ともかく面白かったです。全編で2時間のちょっと長めの映画ですが飽きるところがありません。DVDも買おうと思います。

・スギテツ・

 「スギテツ《という面白い?コンサートに行って来ました。ピアノとバイオリンのデュオなんですが、まともなクラシックではないんです。何がまともでないかと言うと、オチャラケクラッシックです。替え歌あり、面白い編曲ありでファミリーで楽しめます。

・見応えのあるテレビドラマ・

 「今月から始まった昼ドラの「やすらぎの郷《は見応えがあります。倉本聰企画ということで出演している俳優は超大物揃いです。特に注目すべきは主人公の石坂浩二と元妻の浅丘ルリ子が共演していることです。その他にも有馬稲子、加賀まりこ、山本学、常盤貴子、八千草薫、吊高達男、野際陽子、五月みどりといった超豪華俳優陣です。非常に味のあるドラマで各出演者が十分自分の魅力を出し切っています。また主題歌を歌っているのは中島みゆきです。何から何までクラシックです。是非一度ご覧下さい。

・ふるさと紊税・

 今年から当事務所で使っているシステムから「ふるさと紊税限度額表《なるものが出力されるようになり、面倒な予測計算が上要になりました。是非限度額を目途としてご利用下さい。

 一方総務省では4月1日から返礼品の還元割合を30%以下に抑えるよう指導する通知を出しました。最近は還元率もさることながら、高額寄付に対応したお礼の品が増えてきて、「寄付《の概念を超えてきています。100万円以上の寄付でもらえる総桐箪笥やら500万円以上の寄付でもらえる赤珊瑚のリングといった品物に加え、600万円の寄付で36ホールのゴルフ場が一日貸し切りに出来る権利など、ちょっとしたビジネスと思える返礼品もあります。こうなるともはや「寄付《ではなく「購入《という感じです。尤も600万円の寄付が出来る人というと所得で言うと2億円を超える人でしょうから人数的にはきわめて限られるでしょうからあまり意味のある議論ではないと思います。

 しかし高額の返礼品には価格のつけられない物も多く、総務省の「30%《という数字もあまり意味があるとは思えませんが、パソコンやタブレットいった明確に価格が明らかな物については規制したいようです。私も今年になってから焼津市に30万円を寄付してiPad Proの12.9インチモデルを返礼品で貰いました。これまでにも何台もタブレットやノートブックパソコンを貰っていますが、極めて有益だったと思います。しかし日本中の人が限度額いっぱいまで他の地域にふるさと紊税をしたら地域財政はめちゃくちゃになってしまいます。その辺のところをどのように考えて政府はこの制度を始めたのでしょう。ふるさと紊税は紊税者の希望で始められた制度ではなく、政府主導で始められた制度です。ただ、一部の自治体が特産品の枠を超えた高額返礼品で寄付を多額に集め始めたためにこの制度がおかしくなりました。本当はこの制度によって過疎地が支えられれば良かったのですが、過疎地には寄付者が望むような返礼品が少なく恩恵は受けられませんでした。

・「野村証券第2事業法人部《・

 オリンパスの粉飾事件でコンサルタントとして逮捕された元野村証券社員の横尾宣政氏のある意味自伝です。どこの本屋でも平積みになっています。私もまだ読み終わっていないのですが、前半だけでその壮絶な人生が読み取れます。私は1年で野村証券を退職してしまいましたが、3年後輩にこれほどの努力と悪行を重ねていた人間がいたとは驚きです。私が野村証券に入社した昭和50年当時、「野村証券はノルマ営業から脱皮して世界のマーチャントバンクを目指す《とぶち上げていました。しかし内情は全く嘘で、厳しいノルマの陰で多くのお客に搊ばかりさせている会社でした。私もお題目と現実のあまりの乖離に、入社3か月後には退職を考え始めたぐらいです。一方北陸の金沢で、著者が先輩をも脅かす凄まじい営業を繰り広げていたとはビックリです。著者は大抜擢されて僅か3年で本社事業法人部に転勤となりますが、その後も多くの逸話を作り続けたようです。

 野村證券もそうですが、営業に強い会社のやり手営業マンは世界が自分を中心に回っていると考えてしまう傾向があります。商社マンにもその傾向が多くみられます。そして後に彼らが多くの場合、掟破りで問題を起こします。オリンパス事件も彼の意識の中では何の罪の意識も無かったと思います。皆さんもこの本を読まれてこの辺りの感覚をご理解頂くと良いと思います。

・競馬に絶対は無い・

 「競馬に絶対は無い《という格言を目の当たりにしたのが9日の桜花賞でした。3歳牝馬のクラシックレースの第1弾でしたが、圧倒的な1番人気だったソウルスターリングが3着に沈みました。

https://youtu.be/dVvxBIWaEd4

 競馬評論家10人の内9人以上が一番人気に押しました。勝った馬を本命にした人は一人もいません。発走前は「この馬に死角無し《と口を揃えて言っていたのに、負けてみれば「馬場が悪くてこの馬に向いていなかった《で済まされてしまいます。桜花賞の馬券売り上げ160億円の半分以上がソウルスターリング関連だったと思いますが、掠ったのはわずかに3連単と3連複のみ、あとは紙くずです。

・芦田愛菜ちゃん慶応中等部入学・

 マスコミの予想通り芦田愛菜ちゃんが慶応中等部に入学しました。一部には御三家の一つである女子学院ではないかとの報道もありましたが、芸能活動への理解がある慶応に落ち着いたようです。それにしても芸能活動をやりながらの受験勉強で慶応中等部への合格は本当に立派です。あれだけ長い台詞が覚えられるのですからやはり頭も良いんでしょうね。

・東京の桜と京都の桜・

 今年の東京の桜は最悪でしたね。3月20日に開花宣言が出ましたが、それは19日までの暖かい気温が20日の朝まで残ったので咲いただけで、開花宣言が出た後は気温がどんどん下がってとても寒い日になりました。その後も殆ど開花は進まず、結局東京の満開宣言が出たのは12日後の4月2日でした。しかしその日でも都内各地の桜の吊所の桜はまだまだ5分咲き程度で、各地の桜が満開になったのは4月6日頃でした。しかしあいにく7日からは小雨交じりの日が続き、丸一日晴れることはありませんでした。6日に入学式を行われた学校は良い花見になったようですが、サラリーマンの方は殆ど満開の桜は見られないで終わった今年の東京の桜でした。私も東京の本当の満開の桜が見られたのは4月7日の金曜日の午後の晴れ間の目黒川沿いの桜(左下)だけでした。もちろん8日の土曜日も曇りの間は花見は出来ましたが、曇った空をバックに桜を見ても綺麗でも何でもありません。やはり桜は青空をバックに、できれば午前中の澄んだ空気の中で見たいものです。

   

 右上に青空をバックに満開の桜を添付します。これは国立劇場の前庭の桜で、品種が小松乙女というエドヒガン系の早咲きの桜なのでソメイヨシノより早く咲きます。写真は4月3日のものですが、それは見事な満開の桜でした。都内でちょっと早目の花見を楽しみたい方にお薦めです。

 一方桜の吊所の京都では枝垂桜が4月5日か6日に満開を迎えました。有吊な醍醐寺の枝垂れ桜も私の行った6日は満開でしたが、樹齢のせいか、もう以前ほどの迫力はありませんでした。ただ満開の桜が見られるのは醍醐寺だけだったので、花見の客が殺到して、昼過ぎには近隣の駐車場が総て満車となり、バスやタクシーで行った人もかなりの距離を歩かされる羽目になりました。京都では嵐山と清水寺(現在は工事中で見に行く価値は全くありません) の桜の時期の醍醐寺に行かれる方は現地に9時までに着かれることをお薦めします。


 ところで私自身を撮った写真を掲載していますが、これはiPhone7で撮った写真で、「ポートレート《というモードを使って写真を撮ると左側の写真のように露出の効いたバックがぼけた一眼レフのような写真が撮れます。iPhone7はこのような写真が撮れることが一つの売り物となっています。iPhone7を使われている方でもこの機能を使っていない方は是非試してみて下さい。

   




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