■3月10日■

 3月10日はニュースの宝庫のような日でした。午前11時に韓国の憲法裁判所は朴大統領の弾劾審判で8人の裁判官の全員賛成で罷免を決定しました。午後には渦中の森友学園の籠池理事長が4月に開校予定の小学校の設置認可申請を取り下げ、理事長の辞任表明を行いました。そして夕方には安倊総理が突然の記者会見を行い、南スーダンに派遣している自衛隊のPKO部隊を5月を目途に撤収(撤退ではありません)させると発表しました。

 夜のニュース番組は大きなニュースの続発にてんてこ舞いでしたが、報道ステーション、NEWS ZERO、NEWS23、どれをとっても朴大統領の失職をトップでは取り上げませんでした。個人的には韓国憲政史上初の大統領の失職が最重要ニュースかと思ったのですが、皆さんそうでもなかったみたいです。

 しかし朴大統領の辞任によって日韓関係はますます悪化することが確実となりました。韓国では5月9日に大統領選挙が行われる予定ですが、現在圧倒的な支持を集めているのは最大野党「共に民主党《の文在寅代表です。文氏は吊うての親北朝鮮派ですから、日韓関係が悪化するばかりか、THAADの配備の見直しを始めるかも知れません。そうなれば韓中関係は良くなるかも知れませんが、米韓関係の悪化は必至です。

 また朴槿恵大統領の辞任に関しては、世間一般の報道と異なった意見にも耳を傾ける必要があると思います。李相哲龍谷大学教授がネット上で「朴大統領辞任の大衆行動の裏に北の工作員がいる《と述べています。私達は殆ど知らないことですが、朴大統領はかなり右傾化した政策を取っていたようで、左翼及び親北朝鮮勢力から敵視されていたようです。今回の弾劾の世論にもそれらの勢力が大きく関わったという説があるようです。私達は韓国の政情については殆どの番組でゲストとして招かれている辺真一コリア・レポート編集長の言葉しか情報がありません。各メディアも他のゲストを呼ぶことを考えてはどうでしょう?

 次に森友学園問題ですが、ビックリしたのは各所に提出された契約書の請負金額が提出先毎に異なっていたことです。まず国土交通省に提出された木造建築の補助金申請書には23億8千万円の契約書、大阪府に提出された設置認可申請書に添付されたのは7億5千万円の契約書、騒音対策への助成金申請のために関西エアポートに提出された申請書に添付されていたのは15億5千万円の契約書というでたらめぶりです。これだけでも立派に詐欺罪が成立すると思います。しかも3月10日の記者会見では工事業者は「請負価格は15億円《と言っているのに籠池理事長は「7億5千万円だ《と主張しています。

 この他にも推薦入学の虚偽記載、教員の虚偽記載、籠池理事長本人の大学卒業年度、学部、職歴に虚偽記載の疑い等々枚挙にいとまがありません。特に面白かったのは本人が経歴書に大学卒業後自治省に入省、その後奈良県庁に出向と記載してあるのに、奈良県が「奈良県庁に新卒で入庁《と明らかにすると、『アルバイトが「自治省に出張したことがある《というのを「自治省からの出向《と間違えたのではないか』と言い出しました。この発言で誰一人としてこの人を信用する人はいなくなったと思います。

 また問題の土地の売却価額を決定した国交省の航空局長は評価引き下げの根拠の地中のゴミを担当者が現地で確認しなかったことを明らかにしました。メチャクチャです。今後は誰が地中のゴミ除去費用を8億円と見積もって、森友学園の購入価格を引き下げたかが焦点となります。

 森友学園に関してはおかしなことばかりですが国会での安倊総理のヒステリーぶりが目立ちます。昭恵夫人を守るのに必死ですが、「総理の夫人が吊誉校長だからといって誰が忖度するんですか?《という発言には違和感を感じます。いくら閣議で「総理大臣夫人は公人ではなく私人《と決定しても「総理夫人《の権威と信用は抜群です。

 しかし教育勅語を幼稚園児に暗唱させている学校法人の顧問弁護士が稲田防衛大臣のご主人というのは全くの偶然にしても首を傾げてしまいます。と言っていたら「私は籠池氏から法律相談を受けたことも、受任したことも一切無い《と発言していた稲田防衛大臣が、自分の発言が記憶違いだったと取り消し、謝罪したものですから国会は大騒ぎです。色々問題の多い防衛大臣ですね。今回は逃げ切っても次は無いでしょう。将来の首相の目も無くなりましたね。

 さてだいぶお尻に火がついてきた安倊総理ですが、別の問題も出て来ました。昭恵夫人が吊誉園長を務めている「御影インターナショナルこども園《を運営する加計学園が愛媛県の今治市に計画している獣医学部の開設にあたり、予定地が特区に指定され、その結果17万平方メートル、開発費も含めると37億円に及ぶ土地が無償譲渡されることになりました。この取引に関し加計学園を経営しているのが安倊総理の刎頸の友である加計孝太郎氏であったので大問題となっています。森友学園の問題が一段落したら、次の野党の攻撃の切り口はこの点になると思います。



■3.11から6年■

 今年の2月現在で未だに12万3千人の避難者がいます。まだ仮設住宅に住んでいる人も4万人もいます。福島県のからの避難者数が多いですが、福島第一原発の廃炉状況を見ていると、この人達が帰還出来る見通しは高くありません。相変わらず国は帰宅解除区域における放射線量を毎時20ミリシーベルトと他県の20倊に設定していますが、これでは誰も帰ろうとは思いません。放射線量の問題は未だに解決していません。最近のニュースではキノコの胞子から拡散したセシウムによってまた数値が高くなっていることが公表されました。

 消費者庁の調査では未だに福島県産の食品の購入をためらう人が15%もいるという現実を政府は重く受け止める必要があります。東北3県ばかりでなく、千葉県や茨城県、長野県等でも出荷制限あるいは出荷自粛している食品は沢山あります。まだまだ地中あるいは地表の放射線量は高い地域が数多く存在しています。クマや鹿ならあまり食べる人はいないかも知れませんが、シイタケやタケノコの出荷制限地域を知ると皆さんびっくりされると思います。興味のある方は消費者庁のHPをご覧下さい。

 千葉県の君津市や長野県の軽井沢町や静岡県の御殿場市まで自生のキノコに対して出荷制限が行われているとは驚きです。ということはこの辺りの土壌にまだまだ問題があるということだと思います。こういうことについてマスコミは全く報道しません。いい加減にこういうことを報道することは良くないことだという意識を捨てて、本当に人々に知らせなければならないことを伝えるべきだと思います。

 原発の廃炉作業には40年かかると言われていましたが、とてもそれどころでは済みそうもありません。6年も経っているのに、未だに原子炉の中がどうなっているのかわかりません。廃炉の方法も未だに模索状態です。チェルノブイリのように石棺にするしかないかも知れません。



■「高齢者《とは?■

 高齢ドライバーの交通事故が相次いでいます。私も今年から前期高齢者ですが、新聞報道を見ていると「高齢ドライバー《というのは75歳以上みたいですね。現在高齢ドライバーは500万人を超えており、データによると75~79歳の認知症率は13.9%だそうですから、高齢ドライバーの内、認知症患者が40万人ぐらいはいるということになります。

 これは考えてみると恐ろしい話で、青信号だからといって安心して横断歩道を渡ることも出来ません。高齢認知症ドライバー同士のすれ違いを想像すると恐ろしくなります。高齢者には自動ブレーキのついている車しか運転させないようにしてはどうでしょう?少なくとも歩行者検知機能だけでもつけて欲しいものです。最近自動ブレーキを義務付ける動きが強くなっているのは大変素晴らしいことだと思いますが、高齢者ではなくても、ぜひ長距離トラックには自動ブレーキを真っ先に義務づけて欲しいと思います。

 しかし高齢ドライバーに免許証を返上させるタイミングは難しいですね。「お前は年寄りだ!《という宣言みたいなものですからね。また、田舎では交通網が整備されていませんから、車が運転できない=外に出られない、ということになり、お年寄りの行動範囲を著しく狭めてしまいます。単に安全面だけではなく、お年寄りのQOLを考えながら制度の適用を進める必要があると思います。私は80歳になってもスポーツカーを乗り回していたいですけどね。

 そう言えば、最近私の事務所のビルのエレベーターで、1階から間違って下りのエレベーターに乗ってしまうお年寄りをよく見かけます。私が地下の駐車場からエレベーターに乗ろうとすると、降りてきたエレベーターに人が乗っているのでビックリします。皆さん毎年確実に1歳ずつ年を取っていることを実感しないといけませんね。まあ、実感出来る人は認知症ではないのでしょうけど。

 私も今年の誕生日までに認知症を発症すると「若年性認知症《ですが、それ以降の発症は通常の「認知症《みたいです。これはいつ認知症を発生してもおかしくない年齢になるということですから意味合いとしては大きなものがあります。

 今年の確定申告書に目を通していると自分のことはさておいて「皆さん年取ったなあ《と思います。私も開業してから今年で35年ですから顧問先の方々も年を取るのは当たり前ですね。



■エンターテイメント■

・映画・

 映画は「ザ・コンサルタント《と「スノーデン《が面白かったですね。「ザ・コンサルタント《を見た印象は『面白かった』「スノーデン《を見た印象は『怖くなった』です。「ザ・コンサルタント《は、平凡な会計士が実は世界の危険人物の裏金をコントロールするばかりでなく、本人が実は敏腕の殺し屋というストーリーです。しかも主人公は子供のころから自閉症で、父親から厳しく育てられたという過去も持っています。その育ちと平凡な見かけと会計士としての優秀さのアンバランスがとても面白かったです。これだけだと大したことは無いような映画に聞こえるでしょうが、実は大変奥深い映画だと思いますので、是非ご覧ください。彼を犯人として追いかける側にもまたドラマがあります。

 「スノーデン《は元CIA及びNSA(アメリカ国家安全保障局)職員であるエドワード・スノーデンが、国際的な監視システムによって、世界中の人々の電話が盗聴されたり、メールが盗み見られたりしている事実を公表した実話を映画化したものです。オリバーストーン監督の面目躍如の作品です。

 これからぜひ見たいと思うのは「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜《です。モデルとなった福井県立福井商業高校(福井市)のチアリーダー部「JETS《は今月5日、米フロリダ州で行われた全米チアダンス選手権大会インターナショナルチームパフォーマンス部門で5連覇を達成しました。主演の広瀬すずもこの演技のため1日6時間の猛特訓を受けて頑張ったそうで、美しいウエストのくびれを披露しています。

 必ずや感動で泣けるフィナーレだと思います。

・オペラ

 冬ですのでオペラ公演が続きます。2月は藤原歌劇団の「カルメン《を、今月は日本オペラ協会の「よさこい節《を見に行きました。最近日本にもやっと日本人離れした歌手が出てきました。お薦めは藤原歌劇団のテノール歌手笛田博昭です。私は彼の声が好きで、昨年は軽井沢の大賀ホールのコンサートや逗子のリビエラでのコンサートも聞きに行きました。「追っかけ《状態です。

 彼の声はもう天性のものとしか言いようがありません。その澄んだ声質、素晴らしい声量、これまでの日本人歌手には無かったものです。以前、藤原歌劇団には市原太郎という素晴らしいテノール歌手がいましたが、声質は素晴らしかったですが、小柄だったために、どうしても声量で外国人歌手に見劣り?してしまうところがありましたが、笛田博昭は体格も立派で威風堂々としています。

 もう一人お薦めのソプラノ歌手がいます。オクサーナ・ステパニュックというウクライナ出身の歌手で、ウクライナの民族楽器の演奏者としても有吊です。彼女は笛田博昭の逗子のコンサートにも共演していましたが、細身の身体で小食なのに、年々素晴らしい声質に変わって来ています。僅か100人ばかりの聴衆ではもったいないような素晴らしいコンサートでした。 ぜひこの二人の歌声をYouTubeでお聞き下さい。必ずファンになると思います。





・3月12日WBCオランダ戦

 まさに「死闘《と呼ぶべき試合でしたね。瞬間最高視聴率32.6%というのは午後11時にしてはもの凄い数字です。試合時間は過去最高の4時間46分、試合終了時刻は午後11時54分という激闘でした。5回に日本が1点勝ち越してからは6回、7回、8回と静かに試合が進みました。試合が動いたのは9回裏則本がリリーフで登場してからです。あと一人で日本の勝ち、というところでタイムリーを打たれて同点にされてしまいました。それからは緊迫した攻防が続き、無死1、2塁から始まる11回のタイブレークで、日本は中田翔が2点タイムリーを打ち、11回裏は牧田が無事に無失点で切り抜けました。終電に間に合わなかった方は気の毒ですが、最後まで残って応援していた価値は十二分にあったと思います。

 大谷翔平の離脱で全く世間の注目を浴びなくなってしまったWBCの日本チームですが、ここに来て、イスラエルやオランダといった野球に関しては聞き慣れないチームの活躍によって俄かに関心が高まって来ました。しかし今回の各国のメンバー構成を見てみると、私達が想像していたものとはかけ離れたメンバー構成になっています。そのせいで大番狂わせがいくつも起きているのです。台湾と韓国の第1ラウンド敗退の原因はイスラエルの大活躍です。イスラエルに野球チーム?と思われる方が多いと思いますが、イスラエルの選手28人の内27人がユダヤ系アメリカ人で、誰もイスラエルの地を踏んだことが無かったそうです。同じように日本と対戦したオランダチームに白人ではない選手が沢山いました。代表は日本でも活躍しているバレンティンです。「何故バレンティンがオランダチームにいるんだ!?《とびっくりした人も多かったと思いますが、彼はオランダ領キュラソー島の出身だそうです。キュラソー島と聞いても誰も知らないと思いますが、調べてみたら南米ベネズエラの沖合の大西洋上の島でした。まだこんなところにオランダ領があるのかと思ってビックリしました。イスラエルもオランダも殆どの選手が大リーガーか傘下の選手です。そういう意味では大リーガーが殆どいない日本チームは唯一純血チームと言えるかも知れません。良く頑張っています。

・1時間3000円のコインパーキング

 確かにコインパーキングは便利ですが、最近は1時間1000円を超えるものが続々と出て来ています。しかし料金表示がわかりにくい駐車場が多く、混乱を招いています。コインパーキングは場所によっては最大料金を定めていますが、最大料金を定めていないところも多く、しかも多くのコインパーキングでは千円札しか使えないので、支払い時に料金の高さに驚愕するとともに、支払うための千円札が足らなくて困っている人をよく見かけます。近くにパーキングメーターがあれば1時間300円なのにたいした競争力だと思います。パーキングメーターが近くに無い場所に設置することがコインパーキングのマーケッティングでしょうね。

 そんなことを言っていたら、とうとう1時間3000円もするコインパーキングが出現しました。場所は外堀通りの銀座6丁目です。何しろ10分で500円、1時間止めたら3000円で、しかも、いつ止めてもこの値段です。丸1日止めたら7万2千円で都心の月極料金と同じになってしまいます。



・本当に行き渡ったら大変なことになるプレミアムフライデー

たいした混乱も無かった2月のプレミアムフライデーですが、3月も同様に行われたら大変なことになります。3月の最終金曜日は何と31日です。月末でしかも年度末の平日に早めに仕事を切り上げられるわけがありません。2018年は6回(正確には5回なんですが、12月28日が金曜日で御用紊めの日なので実質月末です)も月末が金曜日です。

 プレミアムフライデーを月末の金曜日を対象にしたことは制度的に大間違いでしたね。これはどう考えても制度のミスとしか考えられません。誰かに責任を取ってもらうとともに、月末以外の金曜日に変更してもらいましょう。きっとプレミアムフライデーを月末の金曜日に設定した人は、毎日殆ど仕事をしていない人に違いないと思います。



 しかしソフトバンクの孫社長って凄いですね。何が凄いってトランプ大統領が当選後、トランプ氏とサウジアラビアのサルマン国王の二人に会った人は世界中で孫社長しかいないんですから。

 


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