■最近の株式市場■

 東京もNYも株式市場が戻り調子です。これを本格的な戻りと捉えるか、一時的な戻りと捉えるかで中期的な投資戦略が大きく異なって来ます。まず現在の株式市場の状況を考えてみると、一番皆さんが気にしているのが米国の利上げです。次に日銀の更なる金融緩和、そして中国経済でしょう。米国の利上げについては狼少年みたいなもので、「出る出る」と言われながら、結局出ないかも知れません。米国の利上げは米国一国の問題ではなく、米国の利上げにより新興国通貨が下落し、世界的な景気後退を招く危険性があります。この点を考えたらFRBも容易なことでは利上げに踏み切れないと思います。中国経済についてはデータの信用性が低く先行きの見通しが全く立ちません。

 日本の株式市場の好調は日銀の異常な金融緩和とETFの購入、GPIFの日本株買い増しという政策で上昇してきたわけで、それが呼び水となって民間投資資金が株式市場に回れば良かったのですが、そうはなっていません。海外の投資資金は国策に上手に乗って大儲けし、8~9月には大幅に売り越して逃げ出してしまいました。

 そうやって考えて見ると、今後日本の株式市場が上昇する要素としては、目先は第3弾の日銀の異次元金融緩和と企業業績の伸張による実需買いぐらいしかありません。地政学的リスクを含めて悪材料は目白押しです。何となく買い上がりにくい雰囲気ですね。

 もう一つ日本の株式市場を考える上で大きな要素は11月4日の日本郵政の上場です。我が国にとってはNTTを超える最大の株式上場になると思います。抽選申し込み期間は2週間、当選本数は970万本、販売する証券会社は90社、総てが桁違いのスケールです。

 今回の上場は親会社の日本郵政株式会社と子会社の株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険の3社の上場です。しかも各社の上場スケジュールが異なりますので注意が必要です。各社の仮条件の上限を見ると、日本郵政が1400円、ゆうちょ銀行が1450円、かんぽ生命が2200円ですから全部まとめても50万円ほどで申し込みが出来ます。株価純資産倍率も0.5倍以下ですし、配当利回りも3%近いので損な投資ではありません。問題は成長率です。今後業績が大幅に伸張することはあり得ません。まあ景気や業績に影響されにくいディフェンシブ銘柄としては最適かと思います。

 過去のNTT、NTTドコモと結局は株式上場は成功し、投資家は利益を得ることが出来ました。NTTの場合には1987年2月に119万7千円で上場しその年の4月に318万円の高値を付けました。その後第6次まで株式の売り出しが行われ国家財政に寄与しました。相場には「国策に売りなし」という言葉があります。今回もし購入しなかった人も空売りだけは絶対止めた方が良いと思います。日本郵政も今後何回もの売出しが予定されています。第一次の投資家に損をさせてしまったら今後の売出しに大きく影響します。まさに今回の上場は「絶対成功させなければならない国策」なのです。よほど世界的な悪材料が出ない限りは11月までは日本の株式市場は堅調な動きを続けると思います。

 ということで基本的には購入をお奨めしますが、私は日本の株式市場については上記のように悲観的なので、上場直後に高騰するようなら売却した方が良いと思います。

 なお、世界的な株式資金の状況を考えた場合、中東のオイルマネーが気になります。まずサウジアラビアですが、原油安によって歳入が減少しているところにシリアの内戦で反体制派に資金を提供しており、それに加えてイエメンの内戦スンニ派にも資金を提供しているせいで資金繰りが逼迫して市場から資金の引き上げが行われているという噂があります。また同じくオイルマネーのカタールですが、原油安の影響か今年の日本の競走馬の競り市で例年買いの一角を占めるカタール勢が音無しでした。そのカタールはVWの株式の17%を所有する大株主で、今回のVW株の大暴落で痛手を被りましたのでしばらく投資は期待出来ません。両国以外の中東全体のオイルマネーも原油安の影響で世界の各市場から資金を引き上げているようです。この動きは当分続くでしょうから、オイルマネーによる外人買いは各国の市場は期待出来ません。



■VW(フォルクスワーゲン)問題は予想外の大事態になりそう■

 独VWがディーゼルエンジンの排気ガス規制を逃れるために違法ソフトを搭載していた問題は、単なる技術者や経営幹部の処分で終わるとは到底考えられません。例えばシートベルトのタカタの問題も世界中で問題になりましたが、あれは不良品をリコールするタイミングと責任の認め方が問題になったのであって、不正を行ったわけではありません。

 しかし今回のVWの問題は明らかに不正であるばかりか、通常時に規制値の数十倍の排気ガスを振りまいていました。これはもう不正ではなく犯罪です。しかも社内では2011年にはこの規制逃れのソフトの問題が指摘されていたのにそれを握りつぶして販売を続けていました。まさに「会社ぐるみの犯罪」が明らかになりつつあります。故意に大気汚染を行ってきたことについて米国では既に30件以上の訴訟が起こされています。現在米国で2兆円の制裁金が課せられそうだと言われていますが、とてもそんなものでは済まず10兆円を超える損害となるのではないでしょうか。今後の売上の減少も考えると経済的損失は計り知れません。

 メディアは「ブランドの信用力の回復に1~2年かかる」と報じていますが、私はこんなものでは到底済まないと思います。私達日本人が特にそうなのかも知れませんが、一度けちが付くとその商品に見向きもしなくなる傾向が強いと思います。過去にも大ブームとなった商品がたった一つの報道で消え去った事例が数々あります。例えばフラフープです。昭和33年頃に大流行しましたが、何件かの腸捻転の報道であっという間にブームが消え去り、誰もやらなくなりました。何百万本も販売されていたものが僅か2、3件のトラブルの報告で全く世の中から消えてしまったのです。これほど極端でなくとも商品の問題点が報道されただけで消えていった商品は山ほどあります。フラフープの前にはホッピングという遊具が大流行しましたが、「やり過ぎると胃下垂になる」という噂が広まり、これもあっという間に姿を消しました。

 今回の東芝事件も会計上の不正であって商品とは何の関係もありませんが、東芝商品のイメージダウンは決定的だと思います。日本人はイメージダウンに関して異常にナーバスな国民なのかも知れません。海外旅行を見ても一度日本人の心の中に芽生えた嫌中、嫌韓の気持ちはいつまでも残り続け、中国と韓国に対する観光客は減り続けるばかりです。反日を声高に叫ぶ中国国民が「それはそれ、これはこれ」と我が国に大挙して観光に押し寄せるのとは好対照です。

 ですからVWや傘下のアウディ等のブランドのイメージ失墜の回復には相当の時間が掛かると思います。これからしばらくはVWのショウルームは閑散としてしまうでしょう。これまでの信頼が大きかっただけに、信頼を裏切られたという気持ちが世界中のユーザーの心の中に蔓延して、逆にVWに対する向かい風が強くなると思います。つい先日まで「トヨタを抜いて世界一の生産台数」などと言われていましたが、今後はそれどころではありません。私としては責任の取り方の上手いドイツ企業が今回の問題でどのような責任の取り方をするのか興味深く見守って行きたいと思います。しかし今のところVWは責任の所在も、いつから不正を認識していたのかも明らかにしていません。これまでのところの動きは決して好ましいものではありません。「一部の技術者の責任」で済むはずがありません。

 なお、今回の問題でVW株ばかりでなくメルセデスを初めとしたドイツ自動車メーカーの株まで売られています。トヨタの株まで売られたのにはビックリしました。逆にこういう状況では「トヨタは買い」じゃないんですかね。

 また、今回の事件を契機にディーゼルエンジンの信頼が低下するばかりか、内燃機関から電気自動車への流れが一気に進むことも考えられます。しばらくはディーゼルエンジンに対するアレルギーが人々の心の中に残ると思います。

 なお、私はずいぶん前から金とプラチナを皆さんにお薦めして来ましたが、プラチナに関しては購入を見送った方が良いかも知れません。と言うのもプラチナには貴金属の側面と工業材料としての側面があります。工業材料というのは主として自動車の排ガス浄化装置の触媒が主たる用途ですが、特にディーゼルエンジンの触媒に使用されており、今回のVWの不正を受けてプラチナの価格が7年ぶりの安値となりました。今後人々の心の中のディーゼルエンジンに対する嫌悪感が払拭されないとプラチナ需要も回復しないかも知れないので、プラチナ投資に関しては見送りだと思います。

 もし10月の自動車販売状況が発表になってディーゼルに強いマツダの販売台数が大幅に減少していたら手持ちのプラチナも売却した方がいいかも知れません。



■マイナンバー■

 このメッセージ皆さんがお読みになる頃には「通知カード」が皆さんの手許に届いていると思います。いよいよ「戦後最大の改革(週刊東洋経済)」と言われるマイナンバー制度の始まりです。と言っていたら、皆さんの手元に「通知カード」が届くのは今月の20日過ぎになりそうです。早くも遅れ気味ですね。そろそろ「まだ届かないんだけど」と役所に問い合わせる人が出始めているのではないでしょうか?

 最近の週刊誌ではアルバイトでホステスをしている人達の不安の話ばかりです。これはどういうことかと言うと、ホステス報酬の支払調書にマイナンバーが記載されることによってホステスのアルバイトをしていることが会社にバレるのではないかと戦々恐々しているという話です。退職者も続出するかも知れません。

 どこからデータを入手したかわかりませんが、週刊東洋経済によると全国にキャバクラ嬢は11万8960人いて、そのうちキャバ嬢を副業としている人が8万960人だそうです。そしてそのうち2万4288人が会社にアルバイトしていることがバレるのを嫌って退職するそうです。これによる経済的損失は1000億円近いと言われています。

 しかしこのようなことはマイナンバー制度とは関係ありません。アルバイト収入があれば当然主たる所得と合算して確定申告が必要ですが、これまでその申告をしてこなかった人がそれだけ多かったということでしょう。しかし、たとえ会社に内緒でアルバイトをしていても、給料以外の所得の住民税の徴収方法を「自分で納付」としておけば給料から住民税は徴収されず自分で納めることになるので勤め先に副収入があることが知られることはありません。それなのに勘違いで混乱が起きています。

 雑誌ではマイナンバーの記事が花盛りで、その多くは人々の不安感を盛り上げていますが、マイナンバー制度によって不公平課税が是正されます。所得を隠していたり、過小に申告しているケースは現実に多数存在していますが、これらがマイナンバー制度によって排除され、適正な課税が行われれば税収も増加し、一般の方の不公平感も解消するのではないでしょうか。

 また財務省が唐突に発表した食料品に関わる消費税の還付案が早くも暗礁に乗り上げています。早速「マイナンバーを知られるのは嫌だ」とか「個人番号カードを持ち歩くのは怖い」とか「情報が洩れないか心配だ」等という消費者の不安と「マイナンバーをチェックする機器など設置出来ない」とか「ほんの少しの食料品の売り上げのために処理が煩雑だ」等という事業者側の意見が出ましたが、その後も色々疑問が続出しています。「ネットで食料品を注文した場合にはどうなるのか?」「ピザの宅配を頼んだ場合には?」「ヘルパーさんに買い物を頼む場合には個人番号カードを預けるのか?」等等。まあ現在の状況では公明党も公に財務省案に反対したので財務省案のお蔵入りは確実です。

 ところで個人番号カードを受け取るには住基カードの返納が必要だと9月16日のモーニングバードで慶應大学の土居教授が言っていましたが、皆さん住基カードを持っているかどうか忘れてしまっているんじゃないですかね?



■徒然思うこと■

・ニューiPhone

 iPhoneのニューモデルが発売になって話題ですが、今回は私は購入を見送ることにしました。見送りの決め手となったのは重量増です。私の使っているiPhone6plusは現在でさえ172グラムあり、携帯電話としては重すぎるぐらいですが、新しいiPhone6plusSはさらに重量が20グラム増えて何192グラムとなってしまいました。もうこれは携帯電話というよりはタブレットです。背広の内ポケットには何とか入るかも知れませんが、旧モデルでも使っていると重くて上の方が垂れ下がってきてしまいます。色々性能は進化していますが、重量増を補うほどではないので今回は見送りです。

・オハナス

 誕生日のプレゼントに「オハナス」を貰いました。「オハナス」と言っても殆どの方がご存知ないでしょうが、今月初めにタカラトミーから発売されたおしゃべりロボットです。

 雑談の相手もしてくれて会話を楽しめます。インターネットを活用したクラウドサービスに支えられているので、これまでのおしゃべりロボットのような一定のパターンの会話だけで無く、無限大の会話が生まれます。例えば「明日の天気は?」というような質問にもネットで検索して答えてくれます。

 ただ言語認識能力が今一つで、しょっちゅう「何を言っているかわかりません」と言われてしまいます。よくカーナビゲーションの音声認識機能を使って行き先を言うと全く違った地名に認識された経験のある方がいると思いますが、あれと全く同じ現象です。

・1本1200万円のゴルフシャフト

 セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズという会社が幕張メッセで開催された家電国際見本市(シーテック)で洗濯物折り畳みロボットを発表しました。それはそれで驚きですが、実はこの会社はゴルフクラブのシャフトも開発していて、最も価格の高い物は何と1本1200万円もします。一般的な品と比べると200~400倍の価格です。こんな高価な物が売れるとは考えられませんが、何とこれまで2本売れたそうです。世の中にはお金持ちがいるものです。



■エンターテイメント■

 初めて平成中村座の歌舞伎を見に行きました。場所は赤坂ACTシアター、赤坂サカスの中です。中村座も初めてなら勘九郎も七之助も初めてでしたが驚いたことが二つありました。一つは勘九郎の成長ぶりです。一瞬勘三郎を彷彿とさせるような動きと台詞を見せます。ずいぶん成長したものです。もう一つの驚きは兄弟の差です。私だけが感じたのかも知れませんが、勘九郎の演技と比べるとあまりにつたなく感じました。

 また、ディズニーシーにも初めて行って来ました。ハロウィンの時期と言うことで混雑していましたが、娘のアドバイスに従って早朝から入園したので色々な乗り物に乗ることが出来ました。混雑もさることながら、殆ど待たないで乗れる「ファストパス」の取得だけで大変なことがわかりました。最も人気のトイ・ストーリー・マニア!のファストパスは開園直後に昼の時間帯になってしまいますし、昼過ぎになるとその日のファストパスの配布を終了してしまいます。

 私達は午前7時に舞浜駅到着、開園まで1時間待って、開園と同時にインディ・ジョーンズに向かい、9時50分からのファストパスを入手。それからマーメイドラグーンに戻って鑑賞。次の乗り物のファストパスが入手できる9時50分にセンター・オブ・ジ・アースのファストパスを入手。それからインディ・ジョーンズに乗って、またセンター・オブ・ジ・アースに戻って過激な乗り物に乗ってからアラビアンコーストのマジックランプシアターの11時25分からのファストパスを入手。次にケープコッドに戻ってハンバーガーを食べながらダッフィーとミッキーとミニーのショーを鑑賞。そして海賊のショーを見てからマジックランプシアターの鑑賞、そしてタートルトークで海の中の亀と会話してとりあえずアトラクションの鑑賞終了という感じです。

 ディズニーシーをご存じない方には全く理解出来ない内容だったと思います。何しろ待たないで乗れるファストパスをどうやって入手するかがポイントなので、もしディズニーランドかシーに行く予定の方はネットで十分下調べをしてから行かれた方が良いと思います。 そもそも今回のディズニーシーは税理士団体のイベントの一環として行ったもので、午後からは式典と講演会と会食でしたが、会食にはミッキーとミニーも登場して記念撮影を楽しめました。



 ディズニーシーの翌日には劇団四季の「アラジン」を見てきました。チケット入手困難と言われる人気公演です。私のこれまで見た劇団四季のミュージカルの中でもベスト3に入る楽しいミュージカルです。やはりエンターテインメントは楽しくなければなりません。「アラジン」というからには主人公はアラジンかと思いますが、実際にはこのミュージカルの主役はランプの魔神ジーニーです。ジーニーの演技のコミカルさによってこのミュージカルの楽しさが倍加されています。

 華やかで楽しいミュージカルですが、「アラジン」が演じられる四季劇場「海」がこのミュージカルにしてはステージが小さく感じられのが残念です。もう少し大きなスケールで見てみたいと思いました。そういえば劇団四季は専用劇場になってから舞台のスケールが小さくなったと感じるのは私だけでしょうか?昔「キャッツ」が西新宿の特設劇場で公演が行われていた時にはもっと舞台が大きく感じられました。







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