■大塚家具株主総会■

 株主総会の委任状争奪戦は長女の社長の圧勝に終わりました。直前の情報では会長側が7%ほどリードしていましたが、当日の議決は8割が社長側に投票され、61%対36%となり会社側の提案が可決されました。会長側の敗因に関して様々なことが言われていますが、総会における会長の発言は感情的でとても上場会社の経営者とは思えませんでした。奥さん(社長の母)まで昔話を持ち出して他の株主のひんしゅくを買ったようです。いくら何でも難産だった出産のことまで持ち出されては他の株主は呆れてしまいます。しかし今回お粗末だったのは会長側のアドバイザーについたIRジャパンです。日本有数のIR会社がついていながら会長側は株主総会のシナリオを全く書き間違えてしまいました。

 今後社内で混乱が起きるのは必定です。票から見ると、社員持株会はそれほど会長を支持しなかったようですが、全店長、幹部社員の8割が会長についたと言われています。今後は会長が決起した時に会長と一緒に壇上に上がった幹部社員の去就が問題となります。社長の経営方針に全店長が反対したのですから大混乱が起きることは間違いありません。もし、混乱が起きないようなら、それはあまりに「大人の対応」ということになります。しかしそれでは火種を抱えたまま営業を続けていくことになります。いくら社長に「ノーサイド」と言われても、幹部社員が自分の意見を殺して社長に従って行けるのかが問題です。しかし絶対勝てるという見込みも無いのに幹部社員を壇上に引っ張り出した会長の行為も問題です。自発的に退職する幹部も出て来ると思います。

 株価は社長が先の中期経営計画で15年12月期から3年間の80円への増配を公言しましたので株価は堅調ですが、2~3月の繁忙期に親子喧嘩をしているツケが回り、3月の売上高が前年に比べて37.8%も減少しました。そう簡単には業績の回復は望めません。



■結婚・子育て支援信託■

 「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」とは20歳以上50歳未満の子や孫(この書き方はわかりにくいですよね、「20歳以上50歳未満の子と孫」なのか「孫と20歳以上50歳未満の子」なのかわかりません)に対する結婚・子育て資金の一括贈与について最低5000円から最大1000万円まで(結婚に関する費用は300万円まで)非課税とする制度で、平成27年4月1日から平成31年3月31日までにされた贈与に適用されます。

 信託銀行4行が4月からこの制度に対応した新商品の取り扱いを始めました。名称は「結婚・子育て支援信託」で統一されるようです。以前メッセージでも書きましたが、今回の取り扱いでも「信託銀行は領収書をもとに使い道(記事ではこうなっていますが、「使い途」ではないんですかね?)が非課税になるかをチェック」となっています。やはり信託銀行が窓口で「これは対象になります。これはなりません」という作業を始める気です。信託銀行の経営陣はこれがどんなに大変か、どれほどトラブルの元になるか、考えてみたことはあるのでしょうか?私達税務の専門家でも判断に迷うような事例が続々出て来ると予想されるのに、税務の専門家でもない銀行員がそんな判断をして良いのでしょうか?そもそもその行為は税理士法違反にならないのでしょうか?内閣府のHPでも「非課税の対象となる費目は・・・」という文言になっていますので今後問題になると思います。

 また内閣府のHPを見るとこの「結婚・子育て支援信託」の適用費目リストが記載されています。注目されるものを幾つか取り上げてみると、まず結婚に関して挙式披露宴費用は問題無く適用されますが、結納費用や婚約指輪代、新婚旅行代金は対象となりません。また、交通費は除外されますので、海外挙式の旅費には適用がありません。メークアップ代はOKですが、エステ代は対象となりません。この辺は注意が必要でしょう。

 また新居に関する費用で興味深いのは敷金についても対象となることです。敷金は原則として退去する時に返還されます。この返還された敷金については何の課税もありません。礼金をただにして敷金を高額にする契約が多発するかも知れません。また「新居関連費用」と言われますが、家電製品や家具代金は対象となりません。

 また幼稚園に関しては入園検定料まで対象になるのには驚かされます。また認定事業者の行うベビーシッターサービス費用も対象となるのは朗報でしょう。但し、子育て費用は子供が未就学児の間の利用に限定されていますので、場合によっては「教育資金の一括贈与制度」を使った方が得になるかも知れませんので注意が必要です。

 しかしこの制度も長期に渡る話しで、贈与を受ける人が50歳になったり、贈与者が亡くなった時点で終了し、その時点の残高に贈与税が課せられます。受贈者が50歳の時点はコンピュータが簡単にリストアップするでしょうが、贈与者の死亡はなかなか追い切れないと思います。




■桜の花見■

 4月2日に税理士会の集まりで皇居に花見に行って来ました。私にとっては50年ぶりの皇居です。と言うのも、中学1年生の時に千代田区スポーツ少年団のメンバーとして皇居の中の馬場で皇宮警察の警察官の方から馬術を教わっていたからです。その当時皇居の中を走り回っていた時に宮内庁病院の前で警護していた警察官に叱られましたが、考えてみるとその時に今の皇后陛下が秋篠宮殿下の出産のために入院していたのですね。しかし皇居の中は思ったほど桜の木が無くてちょっと寂しい花見でしたが、宮殿を間近に見ることが出来ました。

〈皇居の桜〉


 しかし皇居ってセキュリティがあまいですね。私達は桔梗門から入りましたが、身分証明書の提示も求められず、荷物検査もありませんでした。もう一つ皇居で驚かされたのが皇族のお立ち台です。一般参賀の時の映像を見ると天皇陛下を初め皇族方はずいぶん高いところから手を振られているように見えますが、実はあの場所は写真のように、参賀客の僅か3~4メートル上からだったのですね。これには驚きました。

〈宮殿〉


 今年の花見は満開と週末がずれてしまいましたが後半の強風と雨にも負けず東京の桜も案外長く楽しめましたね。私は3月29日の六義園の枝垂れ桜に始まり、30日はいつものように新宿御苑で31日は京都で桜三昧でした。醍醐寺に始まり、真如堂から金戒光明寺といういつものお決まりのコースに続き、自転車で京大構内から哲学の道に回り、平安神宮を覗いてから木屋町通りを下ってみました。哲学の道が六分咲きでちょっと残念でしたが、市内中心部は殆ど満開に近い状況でした。

〈六義園〉


〈新宿御苑〉


〈白川疎水〉


 4月に入ると強風が吹き荒れて第1週土日は東京の殆どの桜が散り始めてしまいましたが6日は記録的な暖かさとなり、いつもよりずいぶん早めに清水谷公園前の八重桜が八分咲きとなりました。

〈清水谷公園〉


 今年の桜は全国的に早めです。しかも4月になってから天気の悪い日が多く桜の見頃が流動的です。私も弘前に行こうか、角館に行こうか、松前に行こうか考えていますが、東北各地も例年よりも1週間近く早く開花を迎えそうなのでスケジュールのやりくりに大変です。ところで皆さん勤労奉仕団という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?時々皇居の中の映像で見かける割烹着を着て皇居の中を掃除している団体です。偶然一緒に入った税理士の1人が勤労奉仕団のメンバーとして皇居に入ったことがあるというので、詳しく話しを聞くことが出来ました。彼の話によれば平日4日間勤労奉仕が出来る人間が15人集まると「勤労奉仕団」を組成出来るそうです。初めての人は半日皇居を見学してから作業に入るそうですが、その間に天皇陛下から感謝の言葉を掛けられることもあるそうです。毎回そうなるとは限りませんが、このような体験をしてみたい方は人数を集めて応募してみてはどうでしょう?なお、これは正確な情報ではありませんが、平均年齢が高いと軽作業、若手の集団には重作業が割り当てられるそうです。昨年2月の降雪の際には雪の重さで折れた木々が多数出て、作業は大変だったようで、もし希望される方は天候の良い春か秋にされるとよいでしょう。



■辺野古移設に関しての政府と県の対立■

 やっと菅官房長官と翁長沖縄県知事との会談が実現しました。菅官房長官は5回も上京して面談を求めた翁長知事に対して拒否し続けていたのに、来月の安倍総理の訪米が近づいたら「このまま県民との対立の構図が続いているとまずい」ということで慌てて会談を行いました。ある意味米国の方がよほど沖縄の県民感情を気にしているからでしょうね。

 しかし「普天間基地の移設が何より大事」と主張する菅官房長官は「何故その代替地が沖縄なのか?」という問いに答えることは出来ませんでした。これまで基地を負担してきた沖縄県民の心情をもっと理解しないと、この問題の解決の糸口は見つからないと思います。形勢的には圧倒的に翁長知事優勢という感じでしたね。鳩山政権時に一時候補地となった徳之島への移転がもう少し現実のものとなっていればと思います。

 しかし政府側も「辺野古移設絶対反対の人と会っても意味が無い」と言っていた中谷防衛大臣まで「沖縄県の意見を聞きたい」と言い出しました。態度豹変とはこのことです。しかし沖縄県民が鬱積してきた不満を露わにするようになった現時点ではとりあえず辺野古の埋め立てを一時中断して、何らかの代替案が出ない限り話しは先に進まないと思います。政府としても沖縄県民の心情を無視してこのまま工事を続行することは出来ないでしょう。

 もしこれ以上この問題がこじれると米国が最も恐れる沖縄の全米軍基地反対運動に繋がる危険性があります。以前冗談のように申し上げた「住民投票による沖縄独立」という話しが出て来るかも知れません。安倍総理との直接会談を求めた翁長知事にどのように対応するのか、菅官房長官の腕の見せ所です。

 しかし菅官房長官が翁長知事に「粛々という言葉を官房長官はよく使われるが、上から目線に感じる」と言われて「今後は使わない」と表明し、「適切に」という表現を使うようにしましたし、中谷防衛大臣もこれまで使ってきた「粛々と」という表現を「堅実に」と言い換えて発言しているのに、肝心の安倍総理が参院予算委員会で「法令にのっとって粛々と進めている」と発言してしまいました。KYというのか無神経なのかわかりませんが、これがまた物議を醸すことになるのは間違いありません。「わが軍」発言といい、安倍総理の発言はあまりに無責任過ぎるように思います。そして自分の発言を追及されると「言葉尻を取り上げて議論する意味はあまりない」と反省の色もありません。



■またも不祥事発覚のIPO銘柄■

 新規公開株式市場でまたもとてつもない不祥事が発覚しました。オンラインゲーム会社のgumiが昨年12月の上場から僅か3ヶ月で今4月期の業績見通しを13億円の黒字から4億円の赤字に下方修正しました。しかも1月30日に30億円の無担保借り入れを実行していたことも公表していませんでした。12月の公開時には50億円も資金調達しておいて1ヶ月後には借り入れをするってどういうことでしょうか?減益の原因は色々あるでしょうが、4ヶ月先の決算の数字が桁違いに狂うというのはよほどガバナンスが効いていないか、公開時にはある程度わかっていても黙っていたかのどちらかしかあり得ません。こういうことがあると、好調だったIPO市場は一気に水を差されます。ベンチャー企業ですから投資家もある程度のリスクは見込んでいますが、虚偽や不誠実によって情報が歪められて発表されるようでは公開市場に出る資格はありません。

 gumiの昨年12月の株式公開時の価格が3300円でその日の高値が3340円で、これだけ話題になった企業であるにも関わらず、上場日以降公開価格を上回っていません。本年の高値が1月の2949円、それが一連の不祥事が発覚して3月19日には1282円まで暴落しました。上場の3ヶ月前にはLINEに対して1362円で第三者割当をしていて、その価格と公開時の価格の乖離も問題にされています。株価の動きを見ていると社内か大株主がある程度事前に情報を掴んでいて、公開日以降売り抜けたようにも見えます。

 以前超大企業のジャパンディスプレイも上場から1ヶ月で業績を下方修正しました。本当ならば厳重注意されるべきでしたが何のペナルティも科されなかった為に似たようなことをするベンチャー企業が現れました。しかもジャパンディスプレイもgumiも両社とも野村證券が幹事証券であるというのは単なる偶然とは思えません。引受部の能力が低下しているのではないでしょうか?

 しかしgumiのおかげで早速3月31日に日本取引所グループから「最近の新規公開を巡る問題と対応について」という文書が出されました。これによると①新規公開会社の経営者による不適切な取引への対応②上場直後の業績予想の大幅な修正への対応が求められています。このうち①は具体的にどの事例を指してのことかわかりませんが、gumiについては幹部社員の横領や財務担当責任者等が株価下落過程で株式を売却したことも明らかになっていますから、これらを指してのことかも知れません。監査法人へも証券取引所から協力要請の文書が送られたようですが、監査法人は業績予想や会計に関する以外の経営者の行為には関与しませんので、この辺りは証券会社と取引所の審査部が頑張ってもらうしかないと思います。

 gumiの評判ががた落ちなのはもちろん、昨年12月に上場したアサイードリンクを販売するフルッタフルッタも上場後2ヶ月で業績を下方修正するし、昨年3月に上場したみんなのウェディングも不正経理で社長が辞任しています。好調だったIPO市場もしばらく活況は望めませんし、今後の公開審査は桁違いに厳しくなると予想されます。今年のIPO件数は100社以上と言われていましたが、とてもそんな数にはならないと思います。

 こう言っている間にもgumiは早期退職の募集と資産売却を発表しました。上場から僅か3ヶ月でです。この会社ダメでしょ!



■消費税率アップ確定■

 消費税率のアップが確定してしまいました。何かだまされたような気分です。と言うのも当初の今年10月の税率アップについては「景気状況を総合的に判断して」という条件がついていました。しかし再来年4月のアップについては何の条件もついておらず確実に実行されようとしています。これっておかしくありませんか?再来年に関しては景気がどんなに悪くても消費税を上げるということです。元々今年10月に10%に引きあげられる予定だったものを「経済再生と財政健全化を両立するため」と言って延期したのに再来年の4月にはたとえどんな経済状況でも消費税を上げると言っているわけです。その時の経済状態が良くなかったらどうするつもりなんでしょう?

 ひょっとしたら昨年秋の延期宣言は経済状態に関わらず消費税率をアップするための布石だったのでしょうか?景気判断条項が付いていたままだといつになっても消費税率を10%に上げられないので、一度税率アップを見送ってこの条項を外して確実に税率アップの実施を図ったんじゃないでしょうか?

 しかしこんなことばかり言っていると私は永久に報道ステーションのゲストには呼んでもらえそうもありませんね(笑)



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