

■総選挙■
12月に入ってからはニュース番組は衆議院選挙と中央道の天井崩落と北朝鮮のミサイル発射のニュース一色です。選挙予想については媒体による差が大きく、自民党の票数だけ見ても150〜300と大きな開きがあっていったいどうなるか予断を許しません。選挙直前の予想では自民党が過半数を超える勢いと報じられていますが、いくら揺り戻しが大きいと言ってもそこまで行くかどうかわかりません。ただそうなった時には民主党は二桁の議席しかとれない計算になります。
注目の「維新」と「未来」ですが維新については太陽の党というか石原前都知事と手を握ってから評価が大きく変わってしまいました。二人の方向性が大きく異なっているのははっきりしているのに無理矢理一致させようとするものだからグチャグチャです。未来は登場するタイミングは良かったのですが、小沢氏が登場するタイミングが早過ぎました。いくら何でも新党結成の翌日に「生活」を解党して合流しては事前からのシナリオがみえみえです。
いきなり解散を打ち出した11月の党首討論から野田総理も息を吹き返しました。安倍総裁との党首討論では野田総理が押し気味で安倍氏がたじたじとなったのが評価されたので急に自信を持ってしまったみたいです。しかし原発に関する野田総理の発言だけは信じてはいけません。今回の選挙では野田総理は2030年代に原発稼働ゼロを目指すとしていますが、それでは大間原発の新規建設工事再開許可と全く整合性がとれていません。この点については党首討論で社民党の福島党首に突っ込まれていましたが結局回答しませんでした。マスコミもこの点に触れようとしません。また「シロアリ退治なくして増税無し」と街頭演説で言い続けていたのに、天下り廃止に手をつけずに増税を先に決定しました。この2点に関してはいつも明確な回答を避けています。都合の悪いことにはだんまりを決め込むというのではやはり政治家として誠実さを感じません。
とりあえず現状ではみんなの党が総てのことに関してまともなことを言っていると私は感じています。当初は未来にも期待したのですがちょっとポカが多過ぎて無理そうです。
現在12月13日です。依然自民党優位の情勢は変わりません。もし予想通り自民党が単独過半数を取るようなことがあると、また以前の日本に戻ってしまうのかも知れません。前回の選挙で「NO」を突きつけられた自民党と今の自民党は何が違うというのでしょう?でも投票日がここまで迫ってしまうともう大きな動きは無さそうです。自民党の総裁選前に安倍総裁が維新の会の代表を打診されたというニュースが遠い昔の話のように思えます。
しかし民主党政権って何だったんでしょう?労働組合と頭でっかちの松下政経塾出身者の寄り集まりに過ぎなかったということでしょうか?もう二大政党の一つになることは無いでしょう。しかし今回は投票が16日ということで、選挙結果を見てコメントが出せないのが残念です。

■マレーシアに行って来ました■
初めてマレーシアという国に行って来ました。東南アジアではリタイア世代に最も人気のある国です。各種のロングステイプログラムも行われています。400万円ほどの残高証明や収入証明で5年から10年のVISAも取れるとのことで日本人も数多く暮らしています。
主として滞在したのはペナン島でした。当初ペナン島はビーチリゾートして考えていましたが、観光してみると東インド会社の隆盛から中国、マレー、インドの3住民の共存という今まで見たことのない風土と文化に触れることが出来ました。今までマレーシアという国に対して全くイメージがありませんでしたが、少し理解出来たような気がします。
またマレーシアにこれほど多くのイスラム教徒の人がいるとは思いませんでした。民族的には中国系の人も多いはずですが街中ではヘジャブというベールを被った女性が非常に多く見られます。これだけ多くのイスラム教徒の人がいる国に来るならば私たちも多少なりともイスラム教の戒律を学んで来なければいけないのかも知れません。でもあのベールを被って目だけ出しながらパラセーリングやジェットスキーを楽しんでいる女性を見ると非常に違和感があります。
マレーシアで驚いたことが幾つか。
まずホテルのトイレにウォシュレットが付いていてビックリしました。もちろん日本ほど先進的なシステムではなく、ダイヤルを回すとお尻の辺に水が当たるという最も原始的なシステムですが、宿泊したのが日本系のホテルではなかったのにそんなものがあってびっくりです。
次に外貨の両替レートの多様性です。私たちはまずマレーシアの国際空港の両替店で両替しました。その時のレートは日本円の1万円が332マレーシアリンギットでした。1リンギットが約30円です。次に国内線の空港の両替店で両替したらこちらは1万円が350リンギットでした。次にホテルの両替ルートを見ると何と1万円が360リンギットでした。空港の両替店よりもホテルの方がレートが良いというのは非常に珍しいケースです。ところが今度はクアラルンプールのショッピングセンターの両替店では何と1万円を380リンギットで両替していました。その時の外為相場で1リンギットが26.8円でしたが街中の両替店で1リンギットが26.3円というのは信じられません。場所による両替レートの差の大きさもさることながらこれは常識的にあり得ないレートで、「偽札ではないか?」と疑ってしまいます。
私は日本を訪れた外国人になったことはないので来日した外国人旅行客がいったいどこで外貨を日本円に両替しているのかわかりませんが、新宿辺りでもなければ街中には両替店はありませんから殆どの旅行客はホテルで両替しているのではないかと思います。私は時々ホテルのキャッシャーで為替レートを眺めてみますが、とても公正取引とは思えない恐ろしくひどいレートが提示されています。ちょっと見には街中に沢山両替店がある国の方が後進国のように感じますが、日本のホテルの為替レートを見ると実は日本の方が国際的には遅れているのかも知れません。
また今回の旅行の目玉はLCC (ローコストキャリア)すなわち格安航空会社の利用です。 本来ならばマレーシア航空を使いたかったのですが、マレーシア航空は日本到着が早朝の成田便なので、しょうがなく夜に羽田に到着するエア・アジアを使いました。LCCと言っても特別なキャンペーン期間でもないとエコノミークラスはそれほど一般航空会社に比べて割安なわけではありません。しかしサービスの質は大きく異なります。そもそもエコノミークラスは食事も飲み物も総て有料です。毛布も枕も買わなくてはなりません。
私は今回ビジネスクラスを利用しましたが、シートの広さ以外は日本の航空会社のエコノミー並の扱いでした。食事も酷いもので銀紙で覆われたパック料理一つとペットボトルが配られただけです。一汁一菜どころではありません。鶏肉をスライスしてタレ焼きした料理がご飯の脇に盛られているだけです。ナプキンも無ければ食後のデザートどころかコーヒーのサービスもありません。もちろん飲み物や雑誌や新聞のサービスもありません。エコノミークラスでは事前に予約しておかなければ食事も出て来ません。私は二度とLCCに乗ることはありません。(ちょうど機内でこのメッセージを書いているときにこの食事が配られたものですから表現がきつくなってしまいました)と言っていたら、コーヒーを売りに機内を回って来ました。1杯5リンギット(日本円で150円弱)で、しかもインスタントでした。と言って周りを見渡してみたら殆どの人が機内に食事を持ち込んでいました。私も念のため伊勢丹でパンを買って持ち込みましたが大正解でした。ただ、ビジネスクラスはエコノミークラスと違ってマレーシア航空の正規便と比べると半額以下ですからあまり文句も言えません。それと何と機内をハエが飛んでいました。初めての経験です。
また海外の空港では通常の航空会社の便とLCCの便のターミナルが異なるケースがよくあります。今回のクアラルンプールでもメインのターミナルとLCCのターミナルは30分近く離れた場所にあります。おかげでペナンへの国内線の乗り換えに非常に時間がかかりました。また、多くのLCC専用ターミナルが市内中心部からより離れた場所にあるので時間的にロスが大きくなります。空港設備もメインターミナルに比べるとお粗末で、免税店も小さく、ラウンジも殆どありません。飲食店も少なく、日本の地方空港のようで時間を潰すのが大変です。
また予想通りと言うか帰りの便は日本到着が50分も遅れて終電に間に合わない人が続出しました。こうしてみるとよほど事情のある方以外はLCCの利用をお薦めしません。便の運行にも余裕があるわけではありませんから、ちょっとした機材の不備で多くの運休便が発生してしまうケースもあります。我々日本人は案外盛りだくさんのメニューで旅行を楽しんでいますから、ちょっとしたスケジュールの変更で旅行全体のスケジュールが大きく狂ってしまうことも考えられますので注意が必要です。また、殆どのLCCでは日本国内にコールセンターというものがなく、連絡はネットでするか、どうしても電話で話したければ現地に国際電話をかけるしか無いようです。それとこれは最も大事なことですが、殆どのLCCではキャンセルが出来ません。今回の私たちの航空代金も予約時点で支払いが必要で払い戻しは不可でした。
結局LCCはよほどのキャンペーン商品でない限りは値段の割にはキャンセル条項が厳しく、航空会社とのやりとりが面倒で、サービスの質は最低ですし、ターミナルが遠くて貧相なのに加えて、機材をぎりぎりでやりくりしているのでトラブルが多い、ということで何から何までダメなことばかりで全くお薦め出来ません。

■電話事情■
直近の日経ビジネスで「さよなら、電話」という特集をしていました。最近知り合いの経営者の方から「え、まだ電話代を支払っているんですか?」と驚かれました。私が想像する以上に無料通話の世界が広がっているようです。無料通話アプリはLINE(アクセントは尻上がりです)だけかと思っていたら、今年になって雨後の竹の子のように続々と新規アプリが登場しています。DeNAはcommの名称で10月に参入しましたし、グリーも検討しているようです。それぞれ特徴があるようですが私が危惧するのはセキュリティです。
ネット上の評判を見ると「一度登録したらアカウントが削除出来なくて永久に残ってしまう」とか「勝手に名前を検索すると写真付きのリストが沢山出て来る」とか色々問題点も指摘されています。まだ私には運営会社のビジネスモデルが理解出来ておらず、彼らがどうやって収益化を図るのかがわかっていないので、利用者サイドで注意すべき点が指摘出来ません。しかし携帯電話は有料なのに無料通話アプリなら全くお金がかからないとは妙な話ですので、間接的にはどこかで私達は運営会社にメリットを与えることになるのだと思います。それに対する負担がどれほどのものなのかを明確に認識する前に利用に走るのは危険だと思います。また電話だと思って自分の連絡先を無防備に公開してしまわないように注意が必要です。
私のような保守的な人間は多少料金はかかっても先月のメッセージでお話したような050plusのようなものの方が安心です。但し我が国ではまだまだインターネット電話が普及していないせいか、「050」という局番になじみがないので、今回マレーシアから何カ所かに050plusで電話してみましたが、警戒してなかなか電話に出てもらえませんでした。各家庭でもIP電話をお使いの方は「050」に慣れているはずなんですけどね。仕事で使う携帯に「050」からかかって来るケースが殆ど無いからかも知れません。

■本年の贈与は重要■
前回の税制改正で見送られた相続税の増税案がまた蒸し返される危険があります。増税に関しては民主党も自民党も足並みを揃えているので、民主党が以前提出した増税案を自民党がひっくり返すとは考えられません。
一応前回の増税案の実施は平成27年1月からとなっていましたので、まだまだ原案通り持ち出される可能性はあります。何といっても大きいのは基礎控除額の圧縮です。これまでは5000万円+1000万円×相続人の人数でしたが前回改正案では3000万円+600万円×相続人人数となります。妻と子ども2人のケースでは基礎控除額が8000万円から4800万円に下がることになります。
小規模宅地の評価減の圧縮や生命保険の非課税金額の圧縮をみても、数年前に話題となった「遺産取得課税」という課税主義に変わって来ているように感じます。特に被相続人の居住用の財産に関してそこに居住する相続人にしか評価減を認めないというのは「遺産課税方式」から大きく舵が切られているように感じます。これまでは配偶者が1%でも取得すれば一定の面積内であれば80%の減額を認めていたのですから、この影響を被る当事者の方にとっては上述の基礎控除の引き下げどころではない大増税です。この2つの増税案が実施されれば相続税が課税される人がこれまでの何倍にもなると予想されます。私は基本的には相続税増税論者ですが、今回の改正は中堅層に厳し過ぎると感じます。
これまであまり小手先の手段だということで私は毎年の贈与はあまりお薦めして来ませんでしたが、増税実施が目の前に迫っている状況ではお薦めしないわけにはいきません。
配偶者と子供が二人いれば年間330万円までは無税、最低税率の10%まで贈与税を支払う気になれば基礎控除後200万円まで税率10%ですから一人につき310万円贈与しても税額は20万円、3人合計で930万円贈与しても60万円の税額で済みます。今は12月ですから、今月と来月にそれぞれ実行しただけで僅か2ヶ月で120万円の贈与税で1860万円の贈与が出来てしまいます。手元に1740万円も残る計算になります。しかも贈与税を支払うのは翌年ですから、いつも先行して贈与を行うことが出来ます。
金融資産の多い方はもう残り僅かの時間しか残されていませんが是非ご検討下さい。

■為替相場■
円安、特にユーロに対して円安が続いています。一時は1ユーロが109円を上回りました。日本では円安、円高というと殆どドルに対しての話しで、為替介入についても円を売ってユーロを買うといった為替介入の話しは聞いたことがありません。ユーロについては特に南欧の国々の財政が好転したわけではありません。ヨーロッパ中央銀行もより強い支援体制を打ち出したわけではありません。しばらく悪材料の報道が止まっているだけで何となくユーロ高が進んでいる状況です。
私はまだまだユーロの危機が続くと考えて1ユーロ100円の時にユーロを売り、米国経済の底堅さを見て、1ドル79円の時にドルを買いました。安倍総裁の強気の発言を受けて、米国経済とは関係なくいっそうの金融緩和が進みそうだということで大きくドル高円安に振れていますのでドル買いは成功しましたが、ユーロ売りでは大きくやられています。どうも為替の世界ではギリシャのことはもうあまり気にしていないみたいです。と言うよりもギリシャの破綻若しくはユーロ圏からの離脱と言うことはもう想定内で、それ以上の悪材料は出て来ないとの予想でユーロが買われているようです。
ドルに関しては私自身は金融緩和によって円安に誘導することは決して良いことだとは思っていませんが、もし安倍総理が実現したら必ず実行に移されるでしょうから選挙前にはドルを買うか、少なくともドルを売っている方は手じまいしておいた方が安全だと思います。
しかし日本にとって円高と円安とどっちが良いのでしょう?歴史的な円高が続いているとは言っても、この間に輸出は増えています。円高悪玉論一色ですが、何度もメッセージでも書いているように我が国の輸出依存度は15%でしかありません。円高で苦しんでいる輸出企業の陰で笑いが止まらない輸入企業が沢山あるはずです。円高で輸出企業が大変なのではなく、この円高でも輸出が好調だから円高なのではないでしょうか?円高は日本企業がそれほど頑張っている証なのではないでしょうか?それなのに無理矢理に円安にしても原料や食料の価格が上昇するだけで何の経済の成長も招かず、賃金の上昇にも結びつかず、内需の拡大には結びつかないのではないかと思います。それどころか原油や天然ガスの輸入価格が上昇し経常赤字となり、「やはり原発が必要だ」というような議論にならないか心配です。
■□冬期休業のお知らせ□■
下記期間は年末年始休業とさせていただきます。
12月29日(土)〜1月6日(日)
本年も有り難うございました。皆様よいお年をお迎え下さい。
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