

■再度2番底■
先月も景気の「2番底」について書きましたが、今週号の「週刊エコノミスト」でも表紙のタイトルを「2番底の深さ」として特集しています。記事を読むとどのエコノミストも悲観論一色です。まともな経済雑誌で「景気は底を打って回復基調」としているものはありません。欧米の政府や中央銀行の発表も我が国と同様、総ての発表が大本営の発表で、明るい話ばかりですが、私は今年半ばの各種の経済指標で上向きとなったのは、各国の景気対策の効果と、リーマンショック直後の極端な在庫圧縮の反動で一時的に生産が回復しただけだったと思います。各国の自動車購入補助政策もそろそろ最終段階に入って来たので、今後自動車産業による景気回復の牽引は期待出来ません。原油高も円高も続いています。先月お話ししたように、1ドル90円を割れていても特に大きなニュースとして取り上げられなくなってしまいました。「日経ビジネス」の先週号のサブタイトルは『「1ドル=50円」の恐怖』、でも誰も反応しなくなってしまいました。特に円高と原油高については我が国経済固有のマイナス材料です。
我が国ではGDPギャップも相変わらず大きく、消費に対して生産設備の過剰状態が続いています。馬鹿売れしているニトリにしてもユニクロにしても国内では殆ど生産していません。ですから、ユニクロが幾ら売れても需給ギャップは解消しません。もしかしたら需給ギャップの多くの部分は安売り店の海外生産から発生しているのかも知れません。国内の生産設備が過剰であれば雇用も過剰であり、失業率改善の目処は立ちません。
とは言っても景気は良いのでしょうか?悪いのでしょうか?殆どの個人消費に関するデータは軒並み悪化しています。しかし土日の交通渋滞を見ていると「本当に景気は悪いのかな?」と感じます。毎週毎週どの高速道路も必ず大渋滞しています。幾ら高速道路料金が1000円になったとは言え、これだけ多くの人が頻繁に出かけている事実と、大企業のボーナスが毎年毎年減らされていて、派遣労働者は派遣切りにあい、失業率も上昇を続けていると言うニュースを並べると本当に不思議です。タクシーの運転手の人に訊くと、本当にお客が減っているようで、無線を待っていても殆どお呼びがかからないそうです。経営が厳しい飲食店も増えて来ています。私の事務所の周りでも、店がリニューアルされると新しい店は必ず居酒屋のような店になってしまいます。私のところにも飲食店からのお誘いが増えて来ました。
一方デパートの売上は前年比マイナスを続けているのに、首都圏では新たにアウトレットやショッピングモールが続々とオープンして、どこも人で溢れかえっています。これまでは入間のアウトレットパークが交通渋滞のメッカとして有名でしたが、最近は新三郷のららぽーとが毎日大渋滞を引き起こしています。私も行ってみましたが、確かにIKEAがあり、ニトリがあり、LOFTがあり、家具なら何でも揃います。またZARAがあり、H&Mがあり、無印良品があり、衣料品も何でも揃います。佐世保バーガーや富士宮焼きそばや久留米ラーメンといった話題の食べ物も充実しています。アウトレットではありませんから、別に価格が安いわけではありませんが、通路もとても広くて買い物好きな方は楽しく時を過ごせます。新三郷のららぽーとが出来たおかげで入間のアウトレットパークが空いてきたという噂があるくらいですから、一度話の種に行かれることをお薦めします。
というわけで、消費者の懐が暖かいのか寒いのかよくわかりません。いくらユニクロが安いからと言っても購入する量には限界があると思います。特に男性の場合には毎日同じ物を着ていても済んでしまいます。アウトレットブームや郊外型ショッピングセンターブームもそれほど長くは続かないと思います。というよりもやはり都心部の消費が活発にならないと本当の意味での日本の消費は回復して来ないような気がします。

■税収不足■
財務省が今年の上半期の法人税収が1兆3千億円のマイナスになったことを公表しました。これは過去の歴史の中で初めてのことですが、これで46兆円という見通しであった2009年度の税収の40兆円割れが確定的となりました。先日出された各省庁の予算要求は95兆円を超えています。これを仮に90兆円に抑えたとしても、税収が40兆円割れでは国債の発行額が50兆円を超えてしまい、麻生内閣の国債発行額44兆円を大幅に上回ってしまいます。国債発行額が税収を上回るという異常事態です。
一方国債や借入金などの国の債務残高が2009年9月末時点で864兆円を超えました。6月末から4兆2千億円の増加です。このペースで行くと年間に20兆円近く債務残高が増加する計算となります。また債務残高のうち国債残高が563兆円ですが、これに上記の新規国債の発行額が上乗せされていきます。日本の国家財政が好転する兆しは全くありません。
民主党政権によって不必要な公共工事は減っていくでしょうが、その分を個人に廻したからといって、必ずしも消費に回るとは限りません。個人への給付の方がそのまま貯め込まれてしまう可能性が高く、ますます財政再建の道は遠くなります。民主党も国の枠組みを考えずに徒に子供手当の支給だとか、教科書の無料化などと声高に叫んでいると識者から見放されてしまいます。
でも最近毎週のように会計検査院による無駄な支出が指摘されていますが、これは何か意図的に報道されているのでしょうか?今回会計検査院から指摘された2008年の無駄な支出は2364億円ですが、この中には不正支出による着服分も含まれています。またこれとは別に検査院の指摘と地方自治体の調査で地方自治体では2007,2008の2年度で72億円の不正経理が発覚しています。日本は公務員の不正に関する処分が非常に軽いと思います。民間企業であれば、出入り業者とつるんで会社のお金を着服したり、飲み食いに使ったりすれば即懲戒免職、金額によっては刑事告訴されますが、役所の場合にはお互いにかばい合う意識が強く、なかなか刑事告訴にまで至りません。本当は一部の人だけなのでしょうが、我が国では上級公務員は天下りのことしか頭になく、下級公務員の場合には不正によって懐を肥やすことしか頭にないと思われてしまいます。ほんの一部の人のために、公務員全体に対する信頼が揺らいでいます。このような税収不足のおりに公務員の不正や無駄な支出のニュースが流れると本当に腹立たしくなります。一口に「綱紀粛正」と言いますが、その道のりは険しそうです。

■沈まぬ太陽■
映画「沈まぬ太陽」はとんでもない時期の公開となりました。前原国土交通大臣は日航の救済問題で忙殺されています。たいした実績のないタスクフォースに丸投げされて徒に時が過ぎた感があり、なかなか方向が決まりません。私はタスクフォースのメンバーはあまり信用していませんが、民主党にはあまり広い人脈は無いのかも知れませんね。
ところで映画の方はと言えば、やはり途中休憩が入って3時間35分ですから大作です。8時30分の回の終演時刻が夜中の0時過ぎです。JALである「国民航空」の放漫経営の話が沢山出て来ます。真面目一途の渡辺謙に対して今回は徹底的に悪役の三浦友和ですが、やはりキャラのせいか、憎々しさが伝わって来ません。ドラマ「流星の絆」でも悪役としては今ひとつの存在感でした。やはり悪役には不向きな俳優さんなのかも知れません。それに比べて渡辺謙は重い俳優さんですねぇ。オーラがあります。
でもこの映画の制作、公開に関してはJALはずいぶん圧力をかけたようです。確かに「国民航空」という会社にとっては耐えきれない映画でしょうね。今週号のアエラでもJALが社内報でこの映画に対して大々的な批判を繰り広げていると紹介されています。テレビでもJALに気を遣ってか、この映画に関しては一切紹介していないですものね。
そう言えば「沈まぬ太陽」と入れ替わりで上映を終了した「BALLAD 名もなき恋のうた」も草g剛の逮捕時には公開が危ぶまれましたがなかなか面白かったですよ。ですがこちらについては、原案の「クレヨンしんちゃん」の作者が亡くなってしまったので、もう続編は見られませんね。と言うよりも主人公が亡くなってしまっていましたね。DVDをお楽しみに。

■無知か故意か?■
しかし脳科学者の茂木健一郎氏の脱税報道には呆れてしまいました。何と3年間で4億円の申告洩れです。「申告洩れ」といっても2,3年前に税務署から不申告を指摘されたのに放っておいたとのことですから、これは「申告洩れ」ではなく「意図的不申告」すなわち脱税です。その稼いだ額にも驚きましたが、「多忙」を理由に申告しなかったという本人の常識の無さに唖然とします。「多忙」だからこそ稼ぎが多くて申告の必要があるのです。彼の何が優れているのか番組を見ていてもよくわかりませんが、「無精」として片付けるにはあまりの大事件です。本人はブログに僅か5,60文字のお詫びのコメントを載せただけで終わりにするつもりのようですが、これも考え違いだと思います。額が額なだけに不正の意図があるとして刑事告発されれば実刑となるかも知れません。マスコミの取り上げ方が軽過ぎます。テレビ出演も自粛すべきです。マスコミも逮捕された市橋容疑者ばかり追っかけていないで、こういう事件を積極的に取り上げて、このような事件の再発防止に貢献してはどうでしょう。

■廣野ゴルフ倶楽部■

10月に神戸の廣野ゴルフ倶楽部に行ってきました。常に「日本で最高のゴルフ場」と評価されるゴルフ場です。滅多に回ることが出来ないコースですので緊張しましたが、佇まいが素晴らしく、その雰囲気に圧倒されます。2005年の日本オープン開催以前はキャディはグリーンに上がってはいけなかったそうです。また「華美な服装は慎むように」ということでしたので、同伴者は全員黒のパンツに白のポロシャツ、私だけがちょっとカラフルなベストという出で立ちでプレーしました。ゴルフ場内のどこを見ても印象的で噂に違わぬ素晴らしさです。「世界のトップ10に入る」と言われても納得です。こんなゴルフ場でいつでもプレーが出来るメンバーが心底羨ましいと思いました。
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