■新型インフルエンザ■


 フェーズ6のパンデミックまで行くのかと思われた新型インフルエンザですが、今のところ小康状態です、と言っていたら、WHOは南半球の感染拡大を重視し、フェーズ6(パンデミック)宣言を行いました。冬の季節に入ったオーストラリアでは毎日百人単位で感染者数が増加しています。この状況を北半球の国々はよく把握しておく必要があります。

 NYでは不謹慎にも、この症状の軽いインフルエンザに今かかって免疫を作ろうと、感染者を呼んで「感染パーティ」なるものが開かれているようです。アメリカ人らしいですね。でもアメリカでは「水ぼうそうパーティ」というのも開催されているそうです。

 しかし、我が国も小康状態とはいえ、未だに感染者数は増え続けています。対応を一歩間違えたら感染者数の急増の危険性が無いわけではありませんし、まだ最悪期を脱したと言えるわけではありません。妙な生殺し状態が続きます。夏には多くの人がインフルエンザのことを忘れて、9月の5連休に海外に出かけ、その人たちの中から発症する人がたくさん出てまた話題になり、秋の大流行に突入して行くような気がします。しかし今回の騒ぎで火事場泥棒のように、マスクの転売益を上げたネット業者がいるようです。嫌な人たちです。巷にもやっとマスクが出回ってきましたが、まだ値段をふっかけているようです。

 先日ハワイで行われた秘書の結婚式に出席して来ましたが、ワイキキでマスクをしている人は1人だけしか見かけませんでした。しかし私と同じ日にハワイから帰国した北海道の人が新型インフルエンザに感染していることが明らかになりました。今のところ私に保健所から連絡が無いところをみると、同じフライトではなかったようです。しかし「ハワイの釣り堀」に魚はいたんですね。

 しかし、感染者が増大しているオーストラリアやチリの映像をなぜマスコミは流さないのでしょうね?ここでもメディアに何らかの圧力が加えられているような気がします。





■世界的不況は底を打ったのか?■


 世界経済も新型インフルエンザと同じような状態です。マスコミでは最悪期は脱したとの論調が多いようですが、一部に下降が止まった指標があるだけで、まだ不安要素の方が遙かに多いと思います。

 本当に現在は大きく意見が分かれている状態です。世界経済は底を打って、時間はかかっても回復への途を辿るのか、それともまだこれから更に最悪期に突入して行くのか、もうこれについては各人が判断するしかありません。様々な指標も大きく割れています。感覚的にはまだ底を打っていない指標の方が多いようですが、マスコミ等では景気は底を打って緩やかに回復するというものが多いようです。但しマスコミ報道は全く信じてはいけません。ジャニーズ所属タレントや吉本所属タレントを非難しない芸能系マスコミのように、総てのマスコミが何らかの意図をもって動かされていると言っても過言ではありません。

 今為政者が一番恐れているのは大衆が先行きに不安を感じ続け、悲観的になり、消費を一切控えてしまうことです。マスコミはその意向を受けていますから悲観的なデータを積極的に取り上げようとしません。ただはっきり言えることは、これまでも何回も言って来たことですが、世界中でお金がジャブジャブになっていることです。また、欧米特に米国では、もう下落した金融商品を買い上げたり、破綻しかけている企業に注入する資金が枯渇しつつあるということです。各国の財政資金の投入も続いています。EUではこれからが本番だとさえ言われています。しかし、このお金を供給できる国は世界中探してもありません。残る手段は中央銀行による国債引き受けということになりますが、そうなるとインフレへの道をまっしぐらです。

 しかしGMの破綻劇は見事でした。情報を小出しにして、「もうGMはダメかも知れない」と人々にジワジワと思わせました。まさにソフトランディングです。もう半年も前から「つぶすには大き過ぎ、破綻させるには米経済が弱過ぎる」と誰もが認めていたGMでしたが、どのように破綻させるのが、最も人々に与えるショックが小さいのか考えに考えた上での破綻劇だったのだと思います。その大成功によって、GMの連邦破産法11条(日本の民事再生法と同じ)申請日には株式市場も暴落するどころか上昇しました。「懸案事項が一つ片付いた」ということなのでしょうが、現実はそうは行きません。GMの破綻は世界的には100万人以上の雇用に影響すると言われています。GMの退職者は今後医療費の自己負担額の大幅な引き上げに直面します。GMの従業員の殆どが401kと言われる確定拠出年金の投資対象先としてGMを選択していたと思われますから、将来の年金も失うことになります。

 米国では国債金利も4%に乗せてきましたし、失業率は10%の危険ゾーンに近づいてきました。米国のGDPの7割が個人消費によって支えられています。毎月何十万人という失業者が増加し、年金も危うくなっている中で、誰が消費を増加させるのでしょう?ですから米国経済が復調してくるにはまだまだ時間がかかると思いますし、借金経済による米国人の過剰消費に支えられていた、我が国自動車産業を始めとした世界の輸出企業にも当面回復の見込みはありません。特に我が国の自動車産業は欧米の消費不振に加えて円高という爆弾も抱えています。先月もお話ししたように我が国のGDPに占める輸出の割合は15%に過ぎませんが、個人消費を始めとして国内でその落ち込みをカバーする要素が今の日本にはありませんから、ストレートに日本経済の落ち込みに繋がっています。

 欧米では補助金による自動車の購入がブームを呼んでいるようです。我が国でも新型プリウスが10万台以上のバックオーダーを抱えて話題になっていますが、それらはすべて需要を先食いしているに過ぎません。またそれらの販売については税収に結びつきません。それらはいつまでも続けられるわけではありませんし、必ず反動があります。消費の呼び水としてこれらの対策が打たれるのでしょうが、将来に対する安心感が生まれてこない限り消費が盛り上がることはありません。今月からデパートの夏物バーゲンが始まるということで話題になっていますが、これも苦肉の策の需要の先食いであって、何の消費の回復にも結びつきません。しかも安売りは収益を圧迫します。「他に先んじて」ということでしょうが、自分で自分の首を絞める行為にしか思えません。

 ということで、相変わらず私はとても楽観的にはなれません。本屋に行ってもどうしても悲観的な本に目がいってしまいます。私と同じような気分になって頂くために、最近突然悲観論を唱え始めたのではない、筋金入りの悲観論者の著書を3冊ご紹介しましょう。1冊目はおなじみの副島隆彦氏の『日米「振り込め詐欺」大恐慌』これは激しい本です。副島氏が抹殺されないように祈ります。

 2冊目は以前にご紹介した私の中学の同級生で、NYで投資銀行を経営している神谷秀樹君と慶応大学の小幡准教授との討論形式の「世界経済はこう変わる」です。彼の前著「強欲資本主義 ウォール街の自爆」はまだ書店で売れ続けていて、おそらく20万部を超えたと思います。彼はヘッジファンドを「今日の得は僕のもの、明日の損は君のもの」というビジネスをしていると切り捨てます。そう言えばこの本の中で小幡准教授が興味深い発言をしていました。「現代では金も一種の貨幣だから本当の金融危機になったら金も売られる」これは面白い見方ですね。因みに小幡准教授によれば「産業資源として物としての価値を評価されているプラチナの方がまし」とのことです。

 最後の1冊は朝倉 慶著「恐慌 第2幕 世界は悪性インフレの地獄に落ちる」です。この本も大変わかりやすく危機感を煽ってくれます。

 この時代、儲け損なうことを恐れるよりは損することを避けるべきだと思います。右肩上がりの相場が続くわけではないのですから、損失を被るとそれを取り返すチャンスが非常に少ないと思います。ですから今は儲けようと思わないことです。




■最近思うこと■


 ・あれだけ大騒ぎした「定額給付金」ってどうなったんでしょうね。地域によってあまりに支給がバラバラなため、いつもらえるんだかはっきりしないし、それに合わせたセールや商品も見かけなくなってしまいました。ということは何の消費刺激効果も無かったということでしょうね。「受け取る」「受け取らない」であれだけ揉めていた麻生総理も全く口にしなくなってしまいましたね。もう総理は受け取ったんでしょうか?

・今回日本郵政の西川社長続投問題で男をあげた鳩山邦夫前総務大臣ですが、ことの是非はともかく、企業統治の観点からは、指名委員会が続投を決めた西川氏の辞任を要求する鳩山氏が明らかに間違っています。

・最近の週刊誌って以前と比べるともの凄く薄くなったと感じませんか?今週号の「週刊ポスト」なんて僅か150頁ほどしかありません。広告が激減しているせいでしょうか?廃刊にならないか心配です。

・ますます街に増えて来るコインパーキングですが、最近その料金がバカになりません。

周りのパーキングメーターが1時間300円なので、それに近い金額だと勘違いしてしまいますが、支払いの段になってギョッとすることが多くなりました。写真は銀座のあるコインパーキングですが、1時間あたり何と2000円です。周りのパーキングメーターの料金と差がありすぎです。通常ではあり得ない値付けです。同じ商品がある店では一つ300円、隣の店では一つ2000円です。土地の値段から計算して価格を決めているのかも知れませんが、都心のコインパーキングに収益還元法を適用するのは無理があります。値段の高さに気がつかず、うっかり止めてしまう人をターゲットにしたビジネスでしょうか?

・イー・マーケティングという会社が破綻しました。というよりも社長で富裕層マーケッティングでは著名だった臼井弘文氏が未公開株に関わる詐欺容疑で逮捕されました。何と集めたお金が150億円以上と言われています。会社側も公開の絶対必要条件である公認会計士監査の契約を打ち切っていたのでは申し開きは出来ません。しかしこの件も含めて未公開株に関わる詐欺事件って多いですね。欲の深い、騙されやすい人が何と多いことでしょう。一攫千金を願う気持ちもわからないではありませんが、一般の人にそうたやすく新規公開株が手に入るわけがありません。でもこんな事件ももうしばらく起きることはありません。当分新規公開ブームが来ることはありません。これまででしたら、数年ごとに新規公開ブームが起きていましたが、当分そのようなことは起きません。中堅の証券会社は相次いで公開部門の縮小を図っています。ベンチャー企業もいたずらに株式公開を目指さなくなって来ました。

 今後は逆に公開を返上する会社も増えてくると思います。鳴り物入りで創設されたマザーズやヘラクレス市場ですが、市場の期待通りに2部や1部に上場していく企業は1割もありません。上場していれば監査費用、株主管理費用等の証券代行に支払う費用、それに最近の内部統制制度の整備に関わる費用等を合わせると数千万円になります。公開しても以前ほど公開メリットはありません。業績が伸びていかなければ、公開のメリットを享受することは出来ません。上場維持の費用をもったいないと思う企業が増えて来ると思います。従って「上場」というブランド価値は今後非常に低く評価されることになると思います



■エンターテイメント■


 世の中がこんな状態ですからエンターテイメントコーナーはお休みです。  でもハワイからの機内で見た「お買いもの中毒な私」はまあまあ面白かったですね。「プラダを着た悪魔」と同じようなタッチですが、「お買いもの・・・」の方がちょっとメリハリに欠けますね。

 そう言えば12日に上野の東京文化会館にオペラを見に行きましたが、オペラの鑑賞客のレベルが下がって来ているような気がしました。昔ならば小泉総理とか筑紫哲也のような愛好家をよく見かけましたが、最近はきちんとした服装の人も少なくなり、「オペラ鑑賞」という言葉が虚しく感じます。そう言えばこちらもマスクをしている人はいませんでした。



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