![]() ■不思議な株価の動き■4月29日に米国の2009年1−3月期のGDPが前期比年率▲6.1%と大幅に悪化したことが発表されました。同時に米国における新型インフルエンザによる死亡者も確認されたことから、29日のNY市場は大暴落すると考えていましたら、個人消費がプラスに転換したことを受けて大幅高となりました。また直前までの円高が一転ドルに対してもユーロに対しても大幅安になりました。それを受けて日本市場も日経平均は300円以上の大幅高となりました。前日に暴落した東京市場の流れは大きく反転してしまいました。本当に相場はわかりません。 と言っていたらGW明けには今年の新高値を記録してしまいました。新光総合研究所によると大企業の今3月期決算は前年と比較して経常利益で61%減、純利益で86%減と予想されています。PER(株価収益率)の観点から言えば、利益が1/7になったのですから、全体の株価も前年に比べ1/7になったとしてもおかしくありません。これは極論としても2010年3月期についても減益を見込んでいる大企業が多い現状から見ても、我が国の40倍以上という株価収益率は主要国の平均20倍から見るとあまりに高すぎます。確かに「不景気の株高」と言う言葉が昔からあって、不景気には大規模な金融緩和が行われ、市中にお金がだぶつき、それが株式市場に向かうということになっています。しかし、我が国に限って言えば10数年前から低金利政策によって金融緩和が行われており、今更金融緩和のしようがありません。また、相場の循環サイクルから言うと、この金融緩和によってもたらされた「金融相場」から企業業績の回復による「業績相場」へと移行していくことになりますが、現在ほど業績回復の見通しが無い段階で株式を買い上がって行くのには不安があります。あるところまで買い上がっても業績回復の後押しが無ければ、そこから暴落するのみです。 NY市場も同様です。米国の金融安定化法で定めた70兆円の枠も残り13兆円となってしまいました。今回米国政府とFRBは大手金融機関19社に対してストレステスト(資産査定)を行いました。その結果10社で資本不足が7.4兆円に上ることが明らかになりました。これを市場では予想を上回る好結果と評価したようでNY市場も上昇しました。しかし今後景気悪化が続くと来年末までに損失が60兆円に膨らむと予測もしています。もうこうなると世界の金融の先行き見通しについては丁半博打のようになって来ました。不確定要素が多くて、誰も正確な予想が出来ません。各国政府は人々の不安感を払拭するのに必死です。今回のストレステストについても、その評価基準に疑いが出てくれば、その信頼性は一気に低下します。 なにしろ米国では年間売上台数が1000万台を下回るペースで自動車販売台数が減少し続けています。また最近相次いで米国金融機関の2009年1−3月期の黒字決算が発表されています。詳しい説明は避けますが、これは大嘘つきの決算ですから信用してはいけません。(ちょっとだけ説明しておくと、債権の価値が下落して債権者に評価損を求めた裏返しとして債務者の債務についても評価減を認めたようです。返さなくてはならない借金を一時的に減額した結果の黒字決算で、これは国家的な粉飾です)その他にも日本にあれだけ強く適用を迫っていた時価会計の適用を自国の金融機関には大幅に緩和し、益出し経理を認めています。もうやりたい放題です。ちょっと会計に詳しい人ならば誰でもわかることなんですが、なぜそれなのに株価が上がるんでしょう?本当に不思議です。 ■IMF報告■4月22日、IMFは2009年の経済成長率の見通しを発表しました。それによると、2009年の世界全体の経済成長率は▲1.3%、米国が▲2.8%でユーロ圏が▲4.2%であるのに対し、日本は▲6.2%と予想されています。金融危機の震源地である欧米よりも日本の方が経済成長の落ち込みが酷いと予想されていることは、外需に依存する度合いが高い我が国経済構造の脆弱さを表しています。なぜ日本の成長率のマイナスが際立って大きく予想されているのか?この点について政治家がどう考えるのか明確に答えてもらいたいものですが、誰もこの件には触れたがりません。私も「外需に依存する度合いが強い我が国経済構造の脆弱さ」と書きましたが、必ずしもこの表現は当たっていないかも知れません。最近読んだ本の中の1冊に「本当はヤバくない日本経済」(三橋貴明著)というのがあります。この本では様々な報道の間違いをデータ面から否定していますが、その中でも大きなものが「我が国は外需依存国ではない」という点です。我が国のGDPに占める輸出額は15.5%で先進国の中でもアメリカに次いで低い値です。ドイツや中国や韓国は軒並み40%近い輸出依存率です。また日本のマスコミは円高は輸出企業の業績悪化を招き株安、円安は逆に株高と報じますが、三橋氏は韓国の例を引いて「世界的に需要が縮小している中では通貨安が必ずしも業績向上には結びつかない」としています。現に韓国では短期的にウォンがドルに対して40%も下落したのに、2009年1月の輸出は対前年比33%も下落してしまったそうです。このように、徒にマスコミの報道に踊らされるだけでなく、真実を見る目を養うことが私達に対して一番求められています。 先のG7では世界経済の緩やかな回復を示唆しましたが、白川日銀総裁も2009年度後半以降に景気は緩やかに持ち直すとの見通しは変えていません。マスコミもその根拠についての追求を控えている感じですが、これまでお話ししてきたように、今年の後半に景気が持ち直すという希望的観測には様々な政策が功を奏するだろうという以外に明確な根拠がありません。逆に2009年3月期に4369億円の赤字を計上したトヨタは、2010年3月期の純損益を5500億円の赤字と今期以上の赤字を想定しています。これからも大企業の今期の赤字見通しが続々と伝えられることになると思いますが、それらに対して「緩やかな回復」予想をした人はどのように対応していくのか見ものです。 またIMFは今回の金融危機と景気後退による世界の金融機関が抱える潜在的な損失は約400兆円との推計を発表しました。発表する度に金額が増えて来ます。また、この発表では日本の金融機関の損失は15兆円と推定されています。通常ならばとてつもない損失ですが、前回のこともありますし、欧米の金融機関のことを考えるとあまり危機感を感じません。損失金額に対して麻痺してきているのかも知れません。目先の報道されるニュースに踊らされることなく、発表される現実のデータに目を向けることが必要です。 ■パンデミックとマスコミの大騒ぎ■まさかこんなに早くパンデミックが現実のものとなるとは本当に驚きです。WHO(世界保健機関)はあっという間に新型インフルエンザの警戒レベルをフェース4からパンデミック直前のフェーズ5に引き上げました。フェーズ6へのアップも検討中と言われています。その割には世の中は静かです。もっとも報道直後には街ではマスクが売り切れ続出で手に入りにくくなりました。海外でも機内でもマスクをしているのは日本人だけだそうで、日本人の過剰反応ぶりを世界に知らしめることになりました。 ところで最近よくテレビに登場するWHOのチャン事務局長ってどこかで見たことあると思ったら、SARSの時の香港衛生署長でテレビによく出ていたんですね。色々苦労が絶えない人です。 しかし、よりによってGW直前の新型インフルエンザ発生は旅行業や観光業の方には本当に辛いことになりました。原油安で一息ついていた航空各社もキャンセル続出で真っ青です。連休中の旅行を取りやめるべきかどうか迷われた方も本当に多かったと思います。大企業も続々と渡航禁止の打ち出しと駐在員家族の引き上げを始めています。以前から一人で「パンデミック、パンデミック」と大騒ぎしていた私のところにも「タミフルなーい?」とか「リレンザはどうやったら手に入るだろう?」などの問い合わせが多数寄せられるようになりました。言葉は悪いですがまさに「アリとキリギリス」です。開業医の方でもタミフルやリレンザが手に入りにくくなってきたようです。 でも都内でマスクをするのはまだ早過ぎると思いますけどねえ。東京都内にそれほど新型インフルエンザウイルスが入り込んでいるとは思えません。私も一応手洗いとうがいを励行していますが、魚のいない釣り堀で釣りをしているような気分です。現在新型インフルエンザの患者数が5000人を越えたと言われていますが、我が国では現在季節性インフルエンザの患者数が1万6000人以上と言われています。毒性もさほど強くなさそうですし、ワクチンさえ出来てしまえばそれほど心配する必要はなさそうですが、それまでは警戒が必要です。 しかしこれだけ大騒ぎしていると日本国内第1号感染者は人々の記憶に永遠に刻まれることになりそうです。最初に大きく問題となった横浜市の高校生は本当に可哀想でした。結局新型インフルエンザでないことがわかった時の校長先生の涙ながらの記者会見が我が国マスコミの報道の異常さを明らかにしていると思います。患者がまるで犯罪者扱いです。と言っていたらいきなり4人の感染者が出ました。もっともカナダ帰りの高校生達ですから、厳密には国内感染者ではありません。ただ彼らが乗ったNW機の乗客の中にも何人も検疫をすり抜けた人がいるようですから、国内で2次感染者が出るのも時間の問題でしょう。その時にマスコミがどのように報道するか大変心配です。今回の日本国内感染第1号として「東寝屋川高校」の名前は皆さんの記憶に刻まれてしまうでしょうが、別に感染者に罪はありません。まるで戦前のハンセン病のような扱いは早く止めてもらいたいものです。 草g剛の逮捕でもマスコミは大騒ぎしましたが、アホらしくて見ていられませんでした。 またこんなニュースをトップ記事で報道するマスコミもどうかしています。そういえば慶應義塾の安西塾長が塾長選で敗れたことを1面で報道していた新聞がありましたが、これもどうかしていると思います。しかし、草g事件も新型インフルエンザであっという間にどこかに吹っ飛んでしまいましたね。マスコミはすぐ新しいことに目を移します。そしてその姿勢には何か偏りがあります。今回の金融危機についても最近急に「底打ち」とか「年末には回復」等の見出しが多くなって来ました。何事にも過剰反応する我が国の国民性に考慮してどこかの筋から圧力がかかっているような気がします。最近公正な報道が行われているかどうか疑問に感じることが多くなりました。 私は「方向性を持った報道をするマスメディアはマスメディアではない」と思います。 ■スーザン・ボイルとポール・ポッツ■スーザン・ボイルという女性を御存知でしょうか?英国のオーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」でまたスターが誕生しました。求職中の47才のおばさんですが、見かけと大きく違った素晴らしい歌声で観客を魅了し、YouTubeの動画で僅か10日間の間に4000万回以上の再生回数を記録しました。2年前に同じ番組で携帯電話のセールスマンから世界的歌手になったポール・ポッツを上回る視聴回数ですが、2年間でインターネット環境の整備がより進んだからかも知れません。しかし本当に二人とも顔を見ないとどんな美男美女かと思うような素晴らしい歌声なんですけどね。でも、どうしてこれだけの歌声がこれまで評判にならなかったのか不思議です。テレビ局が何十年も隠し続けているわけがありませんし、本当に不思議です。 でもテレビの力って凄いですね。一夜にして「スター誕生」です。なおこの手の話にご興味のある方は「シャヒーン・ジャファーゴリ」君のYouTubeもどうぞ。 ご参考:YouTube「歌は心/スーザン・ボイル」はこちらをクリック ■エンターテイメント■■小沢代表辞任■突然の民主党の小沢代表の辞任騒動です。焦点は次の代表が誰になるかということと、この民主党の混乱に乗じて麻生総理が解散に打って出るかということですが、新総理の時と同様に新しい顔になるとどの政党も一時的に必ず支持率は上昇します。民主党の新代表が小沢さんと正反対の岡田さんになった場合には民主党の支持率アップがより顕著でしょうから、麻生さんは解散に踏み切ることはないでしょう。もしこの時点で解散に踏み切ることがあるとしたら、後継者が鳩山幹事長で、それを世論が嫌って、予想外に民主党の支持率が戻らなかった時だと思います。この原稿を書いている時点ではこのお二人しか下馬評に挙がっていませんが、もしこれ以外の方が新代表に就任すれば、以前に「菅有利」の下馬評を覆して前原代表が就任したときのように、更にサプライズで民主党に対する支持率がアップすると思います。 但し、そんなことはないとは思いますが、もし菅さんが代表に返り咲くようなことがあれば、民主党の社民党化が進むだけになってしまい国民の総意を受け止めることは出来ないと思います。私は個人的には小宮山洋子さんを推したいのですけど、あれだけあからさまに小沢代表の辞任を求めたのでは、小沢さんに近い議員の支持は全く受けられないから無理でしょうね。 |