

■先が読めない株式相場■
訳もわからないまま、7000円割れ直前から9000円まで買い上げられた日本の相場もそろそろ息切れして来たようです、と書き始めていたら、更に力強い相場の上昇となってしまいました。3月の年度末に向けて信託銀行を通じた年金買いが行われたようですが、それに加えて政府の株価対策のニュースもあり、買い上がった向きも多かったようです。
しかし、実体経済は全く好転していません。4月1日に発表された3月の日銀短観(企業短期経済観測調査)では製造業の業況判断指数が1974年の統計開始以来最悪となりました。74年といえば第1次オイルショック後のどん底とでもいう時期ですが、それをも下回ってしまいました。輸出だけでなく国内の消費動向も一向に上向く気配を見せません。2008年度の上場企業の倒産数は45社と戦後最悪を記録しました。全世界的にありとあらゆる経済、金融データが最悪の状態を示しています。幾ら「相場は実体経済に先行する」と言ってもまだ先行き改善の数値がほとんど見られないばかりか、不良資産の査定も全く進んでいない中で、買い上がっていく投資家心理は理解出来ません。
年金買いに続いて、政府の株買い上げ(株買い取り)構想も20兆円から50兆円と、どんどんスケールアップしています。まるで他人の財布のお金を遣いまくっているようです。ジャブジャブの金融と様々な株式需給引き締め策によって「不景気の株高」が演出されつつあります。これを「好ましい株高」と見るかどうかについては意見が分かれるところだとは思いますが、現実に株価が回復してきていることは否定出来ません。ここから更に買い上がることが出来る人はよほど度胸のある人だと思いますが、多くは短期売買を繰り返してここまで買い上がって来た人だと思います。7000円ぎりぎりで株を買い始め、9000円を超えたところで売った人がいるとは思えません。各経済誌では5月以降の暴落を予想する記事も多く見られるようになりました。9000円前後は絶好の売り場になるかも知れません。私は先物をちょっと売ってみました。ただ先月のメッセージでも書いたように、相場の底に関しては明確な指標があるわけではありません。「日経平均4000円」等という話もありますが、チャート分析でそのように言っている人以外は別に4000円に根拠があるわけではありません。ただ、もし今回の危機が「100年に1度の危機」であるとしたら前回の安値を遙かに下回って来なければおかしいと感じる人はもっと下値を予想するのだと思います。

■何のための高速道路1000円?■
高速道路1000円効果で首都高速が今まで見たこともないようなナンバーであふれています。香川だ石川だ和歌山だ広島だ沖縄だと日本各地から東京に向けてかあるいは東京を経由してのドライブ客が急増しているようです。エコカーに対する補助もあり、これからも長距離ドライブ客がますます増加すると思われます。
また、その反動かどうか平日の首都高速はガラガラのことが多くなりました。土日に割引が適用される反面、割引が適用されない平日の車の利用がかなり控えられているのでしょうか?これでいいんですかね?ガソリンの消費量は増えるし、土日の交通渋滞はますます激しさを増すし、人々の行動範囲は広がったけれど、旅行先での支出が急増したわけでも無さそうだし、なんだかしっくり来ません。「ETCを搭載した休日利用の乗用車だけが受けられる恩典」というのも不公平感に結びつくと思います。高速道路代が1000円だからといってしょっちゅう遠出する人が増えるでしょうか?また、たとえそのような人が増えたからといって、それがどのような景気浮揚効果をもたらすのでしょうか?この政策のおかげで2年間で5000億円の財政負担が生じるそうですが、このつけは国民全体が負担することになります。結局、偶然この時期に高速道路を使って遠出した人が「ラッキー」というだけに終わってしまうような気がします。ところで最近妙に黒色の車が増えているように感じます。一時は白い車ばかりでしたが、これも世相を反映しているのでしょうか?
また、今回早くも15兆円の追加経済対策が行われようとしていますが、これについても目先考えられる国民受けすることを総て盛り込んだという感じで、我が国の経済構造に踏み込んだ物ではありません。当面の人気取りと超短期的な経済回復に向けてなりふり構わぬという感じで大盤振る舞いです。ほとんどの項目が時限的措置で、目先のことしか考えぬ刹那的な対策です。短期的には経済は回復するかも知れませんが、その反動による経済の落ち込みも心配ですし、財政赤字も膨れあがります。前代未聞の税収額を上回る国債が発行されそうです。つけは総て後の世代に回されます。しかし定額給付金の時にもその話が出ましたが、この経済対策って国庫金を使った自民党の壮大な買収工作なのではないでしょうか?

■またも公認会計士逮捕■
またも公認会計士が逮捕されました。工作機械メーカー「プロデュース」の決算粉飾事件で中心的な役割を果たしたと言われています。まだ40歳なのに何故それほど無理をしなければならなかったのか?これまで粉飾決算との関わりで公認会計士が逮捕されるのは、会社の粉飾を見逃した罪が殆どでしたが、今回は積極的に指導したと言われています。捜査開始後にそれを口止めするために口止め料まで払っていたとの報道もあり、それが事実とすれば救いようがありません。「プロデュース」の事件が報道されたときには「酷い話だ、公認会計士が巻き込まれなければ良いが」と思っていましたが、公認会計士が粉飾を主導していたとは驚きです。しかし口止め料を1000万円も払うほど会社から報酬を得ていたとは考えられません、と思っていたら「逮捕された会計士がプロデュースの社長から9000万円の借金」と報じられました。零細監査法人の理事長で、素人向けの会計の本を何冊も出しているこの会計士は相当の悪かも知れません。
これまで私の身の回りでも何人もの公認会計士が逮捕されています。私が公認会計士になった昭和50年代には、たまに「悪徳弁護士」とか言って弁護士が逮捕される事件はありましたが、公認会計士が逮捕されることなど想像も出来ませんでした。最近逮捕者が多いのは、それだけ競争が激しくなり、不正に手を染めないと生きていけない会計士が増えてきたのか、それだけ誘惑が多くなったのかわかりませんが、倫理観が下がってきたわけでは無いと思います。言葉は悪いですが、昔の公認会計士の方が今の会計士より遙かにちゃらんぽらんだったと思います。今の会計士は知識を駆使すればそれだけ悪の世界で活躍出来る時代になったので、無茶をする人間が増えて来たのだと思います。単なる会計監査に飽き足らず、目立ちたがり屋の会計士が多くなって来ましたので、この傾向はますます強まっていくような嫌な予感がします。と言っていたら、逮捕された会計士が理事長を務めていた監査法人の会計士が昨年の秋には早くも新しい監査法人を立ち上げています。また、妙な監査を引き受けなければ良いのですが・・・・

■長期間楽しめた今年の桜■
何とも不思議な今年の東京の桜でした。開花が3月21日で、通常ならばそれから1週間で満開を迎えるはずが天候不順で寒気が流れ込んだために、いつになっても開花が進まず、満開を迎えたのは4月3日のことでした。直前に嵐のような雷雨があったので、蕾が落ちるのではないかとずいぶん心配しましたが、無事に満開を迎えたどころか、これまでにないほど長期間の花見の見頃となりました。いつもなら早めに満開を迎える上野公園の桜も、今年は都内の多くの花見の名所と同じく5日の日曜日に満開を迎えました。今年もずいぶん多くの場所で花見をしましたが、それぞれの場所で花見の楽しみ方が違います。「立派な1本」を求める方は新宿御苑へ、大きな桜の木が連なっているのを見るのが好きな方は砧公園へ、桜のトンネルを歩いてくぐりたい方は上野公園へ、長い桜のトンネルを楽しみたい方は目黒川沿いへ、という感じです。上野公園は騒々しいし、桜のトンネルが高すぎると感じる方は青山墓地の桜のトンネルをお奨めします。都心部の穴場は、東京駅の八重洲口から日本橋高島屋に抜ける通りの桜並木です。特にここは重点的にライトアップしているために夜桜が絶品です。それとこれは身びいきになってしまいますが、私の地元の小石川の播磨坂の桜並木もなかなかのものです。
<上野公園の桜>
<青山墓地の桜>

■エンターテイメント■
2月から3月にかけて毎週新しく封切られた映画を見ましたけど、たいしたことなかったですね。なかなか感動する映画に出会えません。年取って涙もろくなっているので、たいした感動作でもなくても感動してしまうと思うのですけどね。最も失望したのが「ワリュキューレ」です。予告編ではなかなか期待したのですが、何とも平面的な映画で、ドキドキする場面も殆どありません。また「感動で話題沸騰」「誰もが涙する」と評判だった「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと」も極めてありきたりのドラマで、涙もろい私でも全く涙しませんでした。ペットの死のシーンでも殆どの観客を涙させられないとはかなりの駄作だと思います。
最後の期待は4月10日封切りの「レッドクリフ partU」でしたが、これは期待に違わぬ出来で、誰もが満足されると思います。もちろん曹操が赤壁の戦いで敗れるのは周知の事実ですから、期待通りのハッピーエンドですが、迫力あるスペクタクルで、ストーリーも十分満足出来ると思います。これはDVDを買おうと思います。
それと「アメイジング グレイス」で有名になったヘイリーのコンサートは良かったですね。やはりボーカルの生のコンサートは最高です。
|