■  経済界に不信感を植え付けた経営者・
粉飾決算も多発  ■


 西武鉄道とコクドの問題は金融界にまで影響を及ぼす怖れが出てきました。40年以上に渡り個人の名義株状態を続け、本来ならばとっくに上場廃止になっていたであろう事実を隠蔽し、なおかつ事態発覚の直前に堤前会長から数多くの取引先企業に対して株式持ち合いの申し入れを行い、巨額の損失を与えた責任は甚大です。株価も話を持ちかけられて購入したときに比べ、半額以下です。30億円を購入したサントリー等の企業はすでに15億円以上の損失となっています。

 商取引に乗じて先方の経営者をだまして株を押しつけた堤前会長はじめコクド幹部の責任は免れようもありません。今回購入した会社の多くがコクドに対して買い戻しを要求していますが、もし当初の取引が有効だとすると、30億円で1購入したものを30億円で購入してもらうことは難しくなります。買い戻すにしても現在の時価である14,5億円となるはずです。もし時価15億円の有価証券を30億円で買い戻してもらったら、15億円の売却益に対して課税され、手取りはざっと23億円になるはずです。残りの7億円は損害賠償金として要求するしか無いでしょうが、これにも課税される可能性があります。また、当初の取引が有効に成立していないと主張するならば、その行為に関してコクド側に他人を欺く意図があったことになり、一歩間違えば詐欺罪が成立してしまいます。

 これである意味でコクドも西武鉄道も終わりですね。本来の姿ならば上場廃止になるべきというか、本来上場できない企業が何十年も上場していたのですから。退任の記者会見で「何のために上場しようとしたのかわからない」などと人ごとのように言っていた堤前会長は自分の責任を全くわかっていませんね。と言っていたら12日の日経新聞で「東証が西武鉄道の上場廃止の方針を固めた」と報道されています。無関係の株主には気の毒ですが虚偽表示の責任は取らせるべきです。

企業の責任という点では読売新聞社も致命的な犯罪行為を犯しました。まず第一に日本テレビの株主の問題です。過去にプロ野球問題でナベツネさんが話題になる度にナベツネさんの資産に関する報道もされてきました。その報道では必ずナベツネさんが日本テレビの第2位の株主であると報じられていましたし、会社四季報にもそのように記載されています。それを過去において全く否定も訂正もしないでおいて、今回の発覚時に「財務局には了解を取っていた」では何のための開示かわかりません。次に12日の朝日新聞によれば読売新聞社グループは総務省の省令に違反して系列のテレビ局やラジオ局の株式を保有していたことが明らかになりました。そもそも社会の不正を正し、木鐸となるべきマスコミが自ら法令違反を犯し、投資家に対して虚偽表示を行うなど言語道断です。2,3人の首では済まないでしょうね。偶然にも1リーグ制を目指していた2人が失脚したことに運命的なものを感じます。ナベツネさんは一場の問題で責任を取ったことになっていますが、実はこの問題の発覚を恐れて辞任したのではないですかね。

しかし株主構成ばかりでなく、企業が開示する数字に対する不信感がますます増大しています。再生中のカネボウが副社長主導のもと、300億円にも上る粉飾決算が行われたと報道されています。また、私の予想通り、先月に9月に発表した決算予想数値が粉飾であった責任をとって社長が辞任した大分のアソシエントが申請前の決算数値についても粉飾が行われていたということで上場廃止の可能性が出てきました。粉飾決算数値をもとに公開審査が行われたことが明らかになると、これは日本の株式市場を揺るがす大問題です。「公開審査」という言葉が意味をなさなくなってしまいます。粉飾決算の一義的な責任は監査をした監査法人にありますが、カネボウもアソシエントもどういう訳か監査法人は中央青山です。偶然とはいいながら今後中央青山およびアソシエントの主幹事証券であるエイチ・エス証券に対する風当たりは相当強まるでしょう。

また中央青山監査法人については1992年に公開後わずか2年で倒産した教育出版関連のアイペックという会社の会計監査人でもありました。アイペックは公開数年前から粉飾を繰り返し「粉飾した決算数値によって公開した初めての会社」という不名誉なレッテルを貼られました。 もちろん同じ監査人がこれらを総て監査していたわけではありませんが、粉飾がらみでこう登場回数が多いと、色々言われることも多いだろうと気の毒に思います。 4月の不動産営業免許取り消しになったマザーズ上場のアルデプロに続く不祥事ということで、またこれで新興市場上場のハードルは一段と高くなると予想されます。これらの会社の経営者は本当に株主や投資家をなめてますね。元を正せば経営者の資質を見抜けなかった、監査法人、証券会社の責任でしょうね。証券取引所は僅か数回しか経営者と接しませんし、腹を割って話し合うとか杯を酌み交わすとか、ゴルフを一緒にやるとかいう機会はありませんから、経営者の人格に対する判断を下すのは無理でしょう。でも監査法人や証券会社、特に証券会社は経営者と何度も面談し、「この会社なら」「この社長なら」と判断して、市場に推薦してきたわけですから、悪徳経営者を見抜けなかった責任は証券会社にあると言わざるを得ません。(こういうことばかり言っているから私は敵が多くなるのでしょうね)  新興企業ならいざ知らず(認めているわけではありません)西武鉄道だ読売新聞だカネボウだとこれまで体制側でエスタブリッシュの一員だと思われていた企業が裏でこんな悪事を重ねていたかと思うと許せません。本当に腹立たしいことが多い世の中ですね。それとも私が怒りっぽくなったのでしょうか?先日も無予告で税務調査にきた調査官を青筋たてて怒って帰らせてしまいました。年取って気が短くなったのでしょうか?????




■ 嘘か本当か知りませんが ■


   何度か皆さんにもお話ししたことのある松藤民輔氏の話を聞く機会がありました。相変わらず独断と偏見に満ちた講演でした。彼は昭和冷気倒産寸前の売り抜け事件で問題視されているとの噂を聞きましたが大丈夫だったのでしょうか?

注目すべき話は以下の諸点ぐらいでしょうか
@日産自動車は車が売れていないのに利益が出ている、おかしい。
Aゴルフ会員権上昇がインフレの兆し
Bロシアや中国はエネルギーコストが高くて成長しない、エネルギーコストが最も安いのは日本
CBSEは世界最大の米国の穀物商社であるカーギルが日本に入れないために起こした米国の策略、最大の肉取扱業者のハンナンを潰すことによって、今後はカーギルが日本に容易に参入できる。吉野家の筆頭株主はゴールドマンサックス(四季報ではそうなっていないんですけどね)
D孫、三木谷、堀江さん達は含み経営の発送から脱却出来ていない
E今年の暮れまでに生保が保有する4,5%の金利の国債が全額償還され、全生保が大きく逆ざやとなる
F小泉首相の使命は旧田中派潰し、そのため西武鉄道、ハンナン、国際興業の3大田中派金づるを葬った。彼の役目は終わり、来春までに退任。

最後の情報というか、コメントが一番面白かったですかね。




■ ますます活発化する携帯電話番号売買 ■


   以前に携帯電話の番号が売買されているとお話したことがあります。私の携帯電話の番号もヤフーオークションで入手した番号です。ネット上では携帯電話の番号を売買する業者がいくつも出現しています。電話番号売買ビジネスがますます活発化してきているということだと思います。番号売買業者のサイトを覗かれて、売りに出されている番号と価格をご覧になるとビックリされると思います。「馬鹿じゃないか」と思われる方が殆どだと思います。でもきれいな番号、目立つ番号、覚えやすい番号を持つことがステイタスだと考える人が世の中にはたくさんいるからこのようなビジネスと価格が成立するのだということを理解する必要があります。ここにも一つのビジネスのヒントがあるのです。固定電話の番号も売買されていますよ。最も需要があるのは覚えやすいフリーダイヤルの番号のようですけどね。

因みに携帯電話のよい番号の価格をご紹介すると、111111AA(Aは同番)が29万8千円、1111111Aが190万円、もし11111111が売りに出れば数千万円になると思います。因みに090−3333−3333は5000万円で売りに出ています。8桁ぞろ目は3000万円以上で売れることは間違いありません。皆さん信じないでしょうね。興味のある方は以下の電話番号売買業者のサイトを覗いてみて下さい。

○BANGO.TV: http://www.bango.tv/

○良番NUMBER ATHLETE:http://www.ryoban.jp/




■  お薦め図書 ■


   最近大前研一さんが面白い本を出しました。「50代からの選択」(ビジネスマンは人生の後半にどう備えるべきか)という本です。団塊の世代向けかと思いましたが、若い方に読んで頂いても大変参考になります。私は50代のグループに属しますが「もし学生時代あるいは20代でこの本を読んでいれば・・・」と思いました。興味を引いた章あるいは節のタイトル等を列挙してみると

・時代をつくった大経営者はみな20代に創業している(確かに松下さんも本田さんも稲盛さんもそうですね)
・経営者として花開くのは35歳プラスマイナス5歳
・しがらみが無ければ早く走れる(固定電話があるためにIP電話に走れないNTTみたいな会社がよい例ですね)
・日本は10年前にきっちりリセットしておくべきだった(それが出来たらこんな国にはなっていないでしょうね)
・人生を幸せに終えられるかどうかが判断の基準になる
・親が死んだとき泣きたくない(これは親に「ああ、いい人生だった」と死んでもらうために全力を尽くすという意味です)
・やりたいことを10以上数えあげることができるか(春夏秋冬、朝昼晩楽しむ)





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