1998年2月
所長からのメッセージ



■ 今年度の税制改正 ■


 昨年から平成10年度税制改正についてはいろいろお話してきましたが、1月9日の閣議決定によって内容が固まりました。
 今年度の税制改正は企業で言えば来期から適用されるものが殆どです。今急ぐとすれば建物を取得する予定のある方は、出来れば3月末までに取得されることぐらいです。
 今月は視点を変えて、今回の税制大綱から今後の税制改正の動きを追ってみたいと思います。
 @来年度有価証券取引税の廃止とセットで、株式譲渡益課税の適正化が
  図られる可能性があります。
  有価証券の早めの処分を考えられた方が良いと思います。
 A納税者番号制の導入の可能性が高まってきました。脱税が減れば、
  健全な納税者にとっては減税の可能性が高まります。
 B生命保険料控除及び損害保険料控除の縮小の可能性があります。
 C福利厚生費に対する課税が強化されそうです。

 なお3月決算の会社でどうしても旧税制でもう1期行きたいという方は、決算日前に今期を閉めてしまう、すなわち決算期変更をしてしまえばもう1期、旧税制が適用されます。すなわち今回の法人税の改正の殆どが、平成10年4月1日以後に開始する事業年度から適用されることになっています。と言うことは3月30日決算の会社に新税制が適用されるのは平成11年3月31日から始まる事業年度となって、丸1年改正の影響を先送りすることが出来ます。
 また2兆円の特別減税については今月の給与支払いから関係してきます。必要と思われる方には資料を同封させて頂きます。



■ 日東興業倒産 ■


 年末のゴルフ場経営最大手、日東興業の倒産には驚かされました。経営状態は良くはなかったでしょうが、他にもっと危ないといわれているゴルフ場経営会社がいくつもあったものですから、びっくりしました。もっとも日東興業といえば、群馬のツインレイクス、緑野、千葉の花生等の高額募集の預託金償還期限が迫っていましたから、経営的には大変だったかも知れません。気になるのは最近まで募集中だった「双園ゴルフクラブ」の会員です。これは2つのゴルフ場の共通会員権で、今年は偶数日しか利用できません。来年は奇数日しか利用できません。という非常にユニークな会員権で私も一時は友人と入ろうかと思っていたぐらいです。しかしここも募集中の和議申請ということで、返金の見込みは薄いでしょう。
 この和議申請に関する雑誌記事等を読むと、どうも詐欺的な匂いがします。というのは日東興業ではもちろん多くの金融機関から多額な借り入れがありますが、これらの金融機関と組んで、会員の預かり保証金の返還義務を免れるために和議申請をしたのではないかというのです。今回の和議の内容では、預かり保証金の80%は切り捨てられることになっています。会員は保証金の切り捨てに同意しなければプレーが出来なくなってしまいます。この辺に関しては今週号の週間ポストに詳しく掲載されています。
 独立系のゴルフ場経営会社は信用できなくなってきました。一昔前ならば「バックに銀行がついているゴルフ場なら安心だ」と言われていましたが、今ではそれも通用しません。都心に近く、古くからのゴルフ場で、経営が健全と言われているところなら安全ですが、こんなゴルフ場はいったい幾つあることでしょう。とりあえず静観された方がよいでしょう。突然暴落を始めた会員権には決して手を出さないようにして下さい。




■ 企業の倒産、破綻相次ぐ ■


 2月になってGEキャピタルの東邦生命支援、中堅旅行社ジェットツァーの破産申請、セゾングループのインターコンチネンタルホテルグループ及びファミリーマート株の売却とビッグなニュースが立て続けに飛び込んできました。
 年度末が近づき、企業の業績の下方修正ニュースも次々飛び込んできます。デパート、スーパーばかりかコンビニの売上まで伸び悩んできたようです。ダーバンやレナウンルックのアパレルばかりか、ケンタッキー・フライドチキンまでが37%もの減益になっています。政府のいい加減な金融支援を材料に株式市場は一時的に反騰しましたが、3月末にこの株価が維持できているとは考えられません。
 東邦生命とGEキャピタルの話は昨年の11月末から噂になっていましたのでそれほど驚きませんでしたが、ジェットツアーにはびっくりしました。これまでも何社もの旅行者の倒産で旅行客は被害を被ってきましたが、ジェットツァーの場合には規模が桁違いです。こんなことが起こると、生命保険なら日本生命、銀行なら東京三菱と同じように、旅行なら「交通公社」ということになってしまうかも知れません。と思っていたらそれに追い打ちをかけるように、交通公社が全部の支店で安売りチケットを発売すると発表しました。この世界も勝ち組と負け組の2極分化です。
 ところで生命保険会社については3月までにまだいろいろありそうです。噂の数社がこのままで済むわけはありません。最近、噂の各社では解約に行っても、手続きに異常に時間がかかっているようです。ふつう解約には1週間か10日あれば十分ですが、ある保険会社では解約に1ヶ月もかかるそうです。新規加入者が少ないため、支払資金が少なくそれぐらい時間がないと、次に加入した人の保険料が集まらないためでしょうか。怖い話です。ババ抜きですね。




■ 携帯電話料金はどこまで下がるか? ■


 PHSは伸び悩んで来ましたが、携帯電話の伸びは依然続いています。携帯電話とPHSの合計で3600万台を突破しました。あと数ヶ月の内に携帯電話だけで3000万台を突破する予定です。PHSは高校生どころか中学生まで持っているそうですが、携帯電話だけで見ると大人の二人に一人が携帯電話を持っていることになります。そんなに皆が携帯を必要なのかという気もしますが、私も最近ではスキー場内の待ち合わせにまで携帯を使っているので大きなことは言えません。
 ところでその携帯電話の通話料金もどんどん安くなってきます。時間帯や距離によっては一般電話にかけるときにさえ、携帯電話からかける方が安くなってきています。平日の昼間でも公衆電話よりはPHSはもちろん携帯電話の方が通話料は安く、一般電話にかけるときでも、160q超の夜間ならば一般電話からは18秒10円に対して、携帯電話では18.5秒から20秒で10円です。深夜ならばさらに携帯の方が安くなります。
 一般加入電話も3分9円のTTNetの算入で乱戦となってきました。しかし工夫すれば携帯電話だけでなく、総ての電話料金を10〜20%引き下げることが可能です。かける相手の場所、時間対等を考えて是非工夫してみて下さい。節減額が利益の増加となります。その額だけ利益を計上しようと思ったら、どれだけの売り上げが必要かよく考えてみて下さい




■ 外貨預金? ■


 最近外貨建預金をする方が増えていますが、同じ外貨建なら、預金よりもMMFの方が絶対有利です。その理由は3つあります。
 @外貨建MMFはいつでも現金か出来ますが、高利率の外貨建預金は
  定期預金のため、好きなときに解約出来ません。
 A外貨預金は往復2円の手数料がかかるのに対し、外貨建MMFは
  往復1円です。
 Bしかも外貨建預金よりも外貨建MMFの方が高利回りです。
従って外貨建預金をすることはあまり意味がありません。




■ 郵便番号7桁に ■


 今月2日から郵便番号が7桁になっています。まだ完全対応されている方は少ないと思います。当事務所でも7桁対応の封筒は昨年中に印刷しておきましたが、宛名印刷の対応がまだすんでいません。とりあえず当事務所の新しい郵便番号をお知らせしておきます。

〒101−0063




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